おいでやす全司法
プライバシーポリシー  
CONTENTS 全司法紹介 司法制度改革 少年法関連 全司法大運動 全司法新聞 声明・決議・資料 リンク サイトマップ
  トップページ > 全司法新聞 > 2026年10月 > 2479号
 
 
全司法新聞
 
第1回全国書記長会議
「11・27定時退庁行動」を軸に、最高裁に職場の意思を示すことを確認
 

全国から71人がオンラインで参加

「地連・支部が主役」となる運動を

 10月3日、今年度1回目となる全国書記長会議をオンラインで開催しました。全国から71人が参加し、秋から年末にかけてのとりくみ、組織強化・拡大について議論が交わされ、秋季年末闘争方針の意思統一が図られました。
 光田副委員長は開会あいさつで、「秋季年末闘争期の運動においては、支部・地連が主役となる」と強調し、最高裁の2027年概算要求における減員要求を受けた職場での受け止め方等について、積極的な発言を促しました。また、日常活動の充実にむけて、TUNAGの活用例の紹介についても発言を促し、組織強化・拡大のとりくみを含む秋季年末闘争方針の意思統一を図るというた書記長会議の目的を確認しました。

定時退庁にメッセージ性を持たせることに意味がある

 報告、全体討論は3部に分けて行われ、第1部では、井上書記長から2026年秋季年末闘争におけるとりくみについて報告がありました。この中で最高裁の2027年概算要求に触れ、減員を要求していることについて「到底理解できるものではない」と強調し、全国統一行動として11・27全国一斉定時退庁行動や「人員削減に反対し、裁判所の人的・物的充実を求める職場要求決議」について、改めてその意義を説明しました。
 これを受けて、複数の支部から全国一斉定時退庁行動について、「怒りを表明する必要があることは理解するが、実効性の面から、その手段が妥当なのか」「組織率の面から効果が薄いのではないか」等の意見が述べられる一方、「本来、当局から命ぜられて行う超過勤務を、あえて行わない日を設けることで、これを前提としている当局の甘えの姿勢にノーを突きつけられる」「ストライキが認められていない裁判所職員の立場として、その代替として意義がある」等の発言もありました。
 井上書記長は、意思表示の行動についてプレートやビラの机上配布等も検討する中で「当局側の権限」に触れない範囲で、組合員が意思表示しやすく、未加入者にも参加を呼びかけやすい行動として、定時退庁を提起したと述べるとともに「単に定時に帰るということではなく、当局にも通知し、統一行動として認識されているもとで行うことから、団結と意思を示す効果がある」と述べました。
 これらを受けて「定時退庁にメッセージ性を持たせることに意味がある」「現状の組織率の中、敢えて明示して帰ることで意義を持たせられる」「17時以降に行う独自行動と組み合わせることを検討する」等の発言があり、理解が広がりました。

行動を通して当局の姿勢を変えさせていく

 第2部では、井上書記長から、秋季年末闘争における重点要求について報告があり、「地連・支部における職場実態にもとづき、概算要求における減員要求について追及を強め、増員に対する当局の消極姿勢を変えさせていく必要がある」と述べ、とりわけ、各地連・支部が秋に交渉を実施することの意義を強調しました。
 また、カスタマー・ハラスメント対策について「職員を守り、組織的に対応する」姿勢を当局に示させること、デジタル化をめぐる様々な課題を解決させること、時間外令状事務の集約に対する全司法としての対応等についても報告がありました。
 これらの論点について「本人訴訟における書面のPDF化に膨大な時間がかかっている」「訟廷の一室化が行われたことで、事件部の窓口対応等の負担が増えている」等の実情が報告されました、また、概算要求や時間外令状の集約について、下級裁における説明が不十分で、真に必要な情報が下りてこない等の実情が報告され、秋季年末闘争期の行動を通して当局の姿勢を変えさせていく決意も述べられました。

当局の理不尽さは、未加入者に働きかけるチャンス

 第3部では、中矢組織部長から、「あらためて今、本気で組合員を増やそう」をテーマに、「全ての支部で来年の大会を増勢で迎える」ことの重要性を強調し、セカンドアプローチの具体化、TUNAG活用等について提起がありました。
 このテーマに対し、東北青年の集いの成功について報告があったほか、「折衝等の日常的な活動を通して組合の力量を上げていくことが大切」「新採用加入のよびかけ等、活動に関わる機会があった若手の方が組合への定着率が高い」「TUNAGの活用をすすめていきたい」「役降り職員や、理不尽を感じている職員への加入よびかけが効果的」「時間外令状集約のすすめ方等、当局の理不尽さは、逆に未加入者対策のチャンスになり得る」等、様々な報告、意見が出されました。
 最後に、全体のまとめとして、井上書記長から、11・27全国一斉定時退庁行動への結集を改めて呼びかけるとともに、職場実態を各庁当局に伝える秋季年末闘争の重要性と、全国の地連・支部が力をあわせてとりくんでいく方向性が示され、会議を締めくくりました。

 
ページの先頭へ
 
今崎最高裁長官と会見
人的体制、デジタル化、健康管理、全司法との対応について意見交換
 

 全司法本部は10月13日、今崎最高裁長官と会見しました。中矢委員長は次の4点について発言。長官は「委員長のご意見は承りました」として、各課題について発言しました。

人的体制整備
「最適な人的態勢を構築する」と回答

今崎長官
 
中矢委員長

 法改正やデジタル化への対応など裁判所が「変革期」にあるもとで、人的体制整備の必要性を主張するとともに、8月31日に明らかにされた2027年度概算要求で書記官30人を含む職員101人の削減を求めていることは「職員の期待に背を向けるものだ」と指摘しました。事件動向を「全体としては落ち着いている」とする説明は職場実態にそぐわず、事件は増加に転じていると指摘し、デジタル化で事務はむしろ煩雑になり、「現場の工夫や職員のマンパワーで何とか形にしている」状況だと訴えました。「組織見直し」も当初の説明にそぐわず、人員削減の口実に見えるとして、最終年に入った3年計画の総括を求めました。そのうえで、国会請願が30回目の採択を得たことに触れ、裁判所の増員には国民の理解が得られるとして、あらためて努力を求めました。
 これに対して、長官は「社会経済情勢の変化やそれに伴う国民のニーズの変化等に適切に対応し、より質の高い裁判を迅速に行うためには、デジタル化を契機とした事務フロー、業務の分担と連携の仕方等の見直し、各種事務の簡素化・効率化、組織・機構の見直しによる事務の合理化・効率化を一層推し進め、職員一人一人が本来の役割・職務に注力して専門性を活かすことのできる事務処理態勢を構築して、より活力のある組織を目指していくことが必要」だとして「生き生きとやりがいを感じながら働くことができる職場環境を整備するとともに、引き続き職員一人一人の能力を伸長させる計画的かつ継続的な人材育成の充実を図るほか、それに相応しい最適な人的態勢を構築」すると述べました。

デジタル化
「これまで経験したことのない大きな挑戦」


 民事裁判デジタル化のフェーズ3について、TreeeSの開発が遅れ、mintsでの施行となった影響も含め、「紙の時より職員も利用者も多くの時間と労力を要している」と指摘しました。そのうえで、職場では過誤等への不安があるとして、速やかな改善を求めました。また、刑事裁判では、時間外一般令状の東京・大阪での「当番態勢」での集約に反対し、専門部署としての令状センター設置を求めました。
 長官は、デジタル化の現状について「大規模なシステム開発及び情報通信基盤の刷新といったデジタル化に関する大型かつ複数のプロジェクトが同時並行で進む中で、庁の規模や実情も異なる全国の裁判所においてデジタル化を着実かつ円滑に実行していくことは、これまで経験したことのない大きな挑戦」だとし、「職員が一体となって対応することにより、裁判所全体でデジタル化を着実かつ円滑に進めていく必要」があるとの認識を示しました。

健康管理
「職員が働きやすい職場環境を進める」


 90日以上の長期病休者が増加傾向にあるとして、パワハラを深刻化する前に解決する仕組みづくりや、10月施行のカスタマーハラスメント防止等の人事院規則を踏まえた規程の作成、研修などの施策を求めました。
 長官は「心身の健康の保持、増進を図るとともに、家庭生活と両立していけるような環境整備を進めることが重要」だと述べ、ハラスメントについても「種類を問わず、これを防止することが、職員が働きやすい職場環境を維持・向上するために不可欠」との認識を示しました。

誠実対応
「信頼関係に基づき問題を解決」


 委員長は、1992年の「3・18事務総長見解」以来の信頼関係を評価したうえで、職場をともに作るパートナーと全司法を位置づけ、全国の各庁でも全司法の意見に耳を傾けるよう下級裁に伝えることを確認したいと述べました。
 これを受けて長官は、事務総長見解にも触れたうえで「これまで築き上げてきた相互の信頼関係に基づき、率直に問題意識をぶつけ合い、忌憚なく話し合う中で、問題の解決を図っていかなければならない」等の姿勢を改めて示しました。

 
ページの先頭へ
 
時間外令状の「当番態勢」での集約について『異議』を述べます
 

「すべての女性を夜中に働かせる」ということ

 説明を聞いたときにまず思ったのは「すべての女性を夜中に働かせるなんて!」ということです。もちろん令状処理は重要な仕事で男も女もありません。でも、全司法がずっと要求してきたのは令状センターという専門部署の設置です。専門部署に女性が配置されることと全員の当番制とでは天と地ほども違います。
 誰にとっても夜中に働くことは負担ですが、深夜労働がヒトの内分泌に及ぼす影響には男女差があります。ホルモンバランスの崩れ、月経異常や妊娠能力への影響、(婦人がんの)発がんリスクの上昇などは医学的根拠があるものとして報告されていて、母性保護の観点から重大な懸念があります。民間においては厚労省が女性労働者の深夜業の労働環境整備に関して指針を定めています。通勤の安全確保、子の養育や家族の介護等の事情に関する配慮、仮眠室・休養室の整備、6か月以内ごとの健康診断等です。

さまざまな事情を抱えている職員も少なからずいるはず

 私は子育て中の女性への影響が一番心配です。免除はどういう基準でしょうか。小学生になったら大丈夫でしょうか。他の同居家族がいればいいのでしょうか。物理的に夜中に家を空けることが可能でも、そのしわ寄せは確実に生活を圧迫します。「免除」というのもいやな言葉です。本来的には全員の義務なのだけれど、あなたはやらなくてもいいですよ、という上から目線を感じます。だから無理して頑張ってしまう人が出てきます。それで心身の健康を損ねたりしないといいのですが。
 昔と違って指1本でお湯が沸いたりご飯が炊けたりと家事の省力化は進みました。それでも子育て中の女性は常に全力投球です。昔、特段キャリアアップを目指していなかった私でも、時には自分の人生を削り取られるような焦燥感と闘ってきました。多くの男性は、家事労働より法律論をたたかわせたり天下国家を論じることの方が偉いと思っていて、女がやっていることは当然自分にもできる簡単なことだと勘違いしているのではありませんか。もちろん、男性を敵にしたいわけではありません。ともに困難な職場で働くパートナーです。
 そして視点を変えると、子どもがいるというのはまだわかりやすく、逆にあまり公にはできない、またはしたくないようなさまざまな事情を抱えている職員も少なからずいるはずで、そちらも心配です。

「均等」に仕事を分配することが「平等」ではない

 若く健康で活力にあふれた職員なら問題がないというわけでもありません。夜中に慣れない仕事をさせられて、自分の本来の仕事は後回し、翌日自宅で休養していても気が休まりません。そしてその人が不在の職場の同僚にも負荷がかかります。
 重要かつ現在の5倍の量になると見込まれる令状処理を全員が当番でやる、しかも肝心のLinKageは開発中、人的手当の約束もない、オンライン化がまだ実現していないのに集約ありきの検討に、私は強烈な違和感を感じています。
 「夜間業務を常態とする特定の職員を一定数、永続的かつ安定的に配置することが困難」と当局は言いますが、職員の意見は聞いたのでしょうか。専門部署を設置すれば、一定期間なら深夜労働の割増賃金を得て働いてもいいという職員もいるはずです。なんなら私が手をあげてもいいくらいです。夜勤専門ではなくて看護師のように交代制勤務なら問題ありません。
 とにかく「均等」に仕事を分配することが「平等」なのではありません。全員に割り振れば文句ないだろうという安易な当番制の提案に私は怒り心頭です。

 
ページの先頭へ
 
書記官オンラインミーティング開催
デジタル化の現状や令状事務の集約、30人減員要求に意見相次ぐ
 

 書記官オンラインミーティングを10月10日に開催しました。全国各地から15人が参加し、裁判手続のデジタル化、令状事務、人員配置等をめぐって、職場の実情と意見が出されました。

簡裁職場に大きな負担がかかっている

 民事裁判のデジタル化では、mintsのレスポンスが悪く弁護士からも苦情が出ている、RоооtSとの使い分けが煩雑、チームズの不具合に対する外部からの問い合わせに時間を取られているといった報告がありました。とりわけ、簡裁の職場では、業者申立事件等で大量の紙のPDF化に追われている、ワークフロー決裁に特例を認めてほしい等の声が出されました。
 また、フェーズ3の施行から一定期間が経過して、やってみた結果、当初想定していた事務も見直す必要があるとの指摘があり、「事務の効率化の観点から、現場まかせにせず、最高裁が検討して示して欲しい」との意見もありました。

PDFに置き換えただけ…刑事デジタル化が不安

 刑事のデジタル化については、Linkageが職場に示されたが、紙をPDFに置き換えただけの印象で、導入によって手数が増えるのではないかとの懸念が示されました。
 令状事務については、事務処理態勢が全国で定まっていないとして、下級裁任せにしないよう求める意見が多数出されました。
 令状事務の集約について、令状当番と本来業務をどう両立させるのか、全国集約前に夜間令状を本庁に集約した場合に、現行の態勢で対応できるのかといった疑問が出されました。東京・大阪での当番態勢による集約については、強い反対意見とともに、十分な説明を行わない当局への怒りが強く、他庁の参加者からも「夜間令状がなくなる方向は歓迎するが、東京・大阪に請求が集中し、大変になるのではないか」と心配する声もありました。

書記官30人減「理由に納得がいかない」

 人員については、「各職場に病休者等がいて余裕がない」「超勤45時間の上限後は申請を控えて調整している」との報告があり、育児休業の書記官での代替要員確保が難しくなっている実態も出されました。
 次年度概算要求での書記官30人の定員減については「理由に納得がいかない」「デジタル化を理由に、今減員するのはあり得ない」との意見が相次ぎ、「職員の労働環境が大きく変わるのに労働組合の意見を聞かない姿勢を改めてほしい」「最高裁は実際の勤務時間を見て必要な人員を算定し直して欲しい」との声も出されました。

 
 
ページの先頭へ