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  トップページ > 全司法新聞 > 2026年10月 > 2478号
 
 
全司法新聞
 
「理解できない!」
減員を求める概算要求の当局説明に広がる声
 

 最高裁は、8月末に財務省に提出した2027年度概算要求について、職制を通じて職員に周知を行いました。事件数が増加に転じ、法改正やデジタル化によってますます繁忙になる職場では、書記官30人を含む101人(裁判官と合わせると121人)の減員要求に対して、「理解できない!」の声が広がっています。
 本記事では、これまでに全司法本部に寄せられた職場の声を紹介します。
 全司法は秋季年末闘争の最高裁当局との交渉で引き続き「理解できない!」の声を集めて当局に突きつけるとともに、11月27日には抗議の全国一斉「定時退庁行動」を未加入者も含めた全職員に呼びかけています。


当局が説明する2027年度概算要求 ※イメージ図


踏ん張ってる職員もいつか倒れてしまいます

 職員は繁忙、当事者対応等色々なことでしんどさを抱えている状態です。誰も潰れていない、休職者が出ていないからその部署は回っているのではありません。
 ギリギリの状態で健康に支障をきたしながら何とか状態を保ちながら辛うじて仕事をし続けている職員が現場にいることを理解して欲しいです。
 このままだとギリギリの状態で踏ん張ってる職員もいつか倒れてしまいますし、1人倒れると連鎖的に倒れていってしまいます。
 ホワイトな職場と喧伝するなら、事実を作ってください。
(マカダミアナッツ)

結論ありきで減員しているようにしか見えません

 減員する余裕はないと思います。
 民事係を見る限り、デジタル化により書記官が中核的事務に注力できるようになったという状況ではないと感じています。PDF化する作業が地味に時間がかかっており、いつも残業しています。
 自分は家裁で書記官をしていますが、家裁はデジタル化により更に繁忙になるのではないかと危惧しています。効率化を実現するために現場として努力するのは勿論ですが、そもそも使用するシステムが必要な作業を多くするような設計はやめてほしいです。
 勿論、事務の不慣れや不明点について確認する時間が増えている部分もあり、そこは今後自ずと改善されてはいくと思います。その後に減員するなら分かりますが、結論ありきで減員しているようにしか見えません。
(蕎麦好き)

「ホワイト」と言われた時代も終わった

 職員周知を受けた職場では、全司法に加入していない人も「裁判所は公務職場の中ではホワイトと言われていたのに、その時代も終わったんですね(新任書記官)」「今よりもう少しいい条件なら早期退職が増えそうですね(中堅書記官)」と感想を漏らしていました。
 「人員の確保のみ…」というのは人員確保に最大限努力した上で言える言葉です。
 こうした声が出る状況は最高裁が思い描いている「中核事務に注力できる体制」ですか?
(ヤマ)

「こんな組織だと思わなかった…」

 4月期に採用された職員が言っていました。
 「裁判所は人を大事にする組織だと聞いていました。でも、入庁してみると、遅いPC、現場無視の令状事務集約、事件部のフレキシブル化など意味のないPTにいきなり参加させられる…どれも採用のときに教えられなかったことばかりでした。これって詐欺じゃないですか?おまけに人が減らされるらしいですが、忙しくて減らされる要素は微塵もないのに何故なのでしょうか?こんな組織だと思わなかった…」
 最高裁は、今後の良き裁判所生活を期待して入庁してくる新採の未来を奪うな?
(カワ)

現場の意見を聞いて未然に事故や不具合は防ぐべき

 デジタル化は予定通りに進んでおらず、mintsを代用しているが、もともと書類の提出用に設計されたものであり、チームスやRоооtS間のデータ移行の手間、事務官の手動による新着通知や記録としての閲覧性が低下し、従前より手間がかかっている。
 本人訴訟が増えており、書面のスキャンの手間が増大しているが、担当する事務官のパソコンのスペックが低く、余計に手間がかかっている。A4片面ではない書面の読み込みやタイトル付けが大変である。超過勤務制限のある事務官が昼休みにサービス残業してやりくりしている。東京地裁民事部企画官からは取り下げだけのために膨大な書証をスキャンせよとの指示も来た。
 裁判官の誤審ニュースが増えている。休日起案もしているが、記録をきちんと読んでいないと思うこともある。異動の多い裁判官の仕事をサポートするのが書記官であるが、デジタル化の処理に追われており(マニュアルに記載されていない内容も多い)進行管理は裁判官任せになっている。手続保障は国民の信頼に繋がる事項である。
 裁判官、ベテラン書記官、若手事務官の離職や長期病休者が多く、これらを見込んでおかないと本当に人数が足りなくなる。夜勤を大規模庁に割り振ると前後2日の勤務ができず余計に仕事が回らない。
 M365は使用しにくい。リンク、アップロード、ダウンロードが必要だし、アプリも一覧性が低い。チームスは不具合が多すぎるし登録に手間がかかる。現場の感覚では導入により特に人員を削減するほど効率化したと思えない。
 国民、国会、弁護士から苦情が出てから対処するのではなく現場の意見を聞いて未然に事故や不具合は防ぐべきである。
 今の方針を押し通すと、今後大量の離職を招くことはくれぐれも認識されたい。
(書記官A)

常に人手不足で残業

 これからデジタル化を進めていく中で、減員要求する意味が分かりません。私が所属する家裁では、書記官は、家事部は常に人手不足で残業、少年部は家事へのシフトによる減員で同じく人手不足です。裁判官も常に多忙です。
 ここで減員要求するという前例を作ることは、財務省にもそうした組織だと認識させ、近い将来に増員要求に転じた際に要求が通りにくくなることは明白です。
 今回のような当局の一方的な姿勢は、あってはならないことだと思います。
(A)

真面目に働くことがつらくなってきました

 率直にガッカリしました。真面目に働いている人は本気でショックを受けています。怒りもあります。この裁判所の組織は良くならない。もう真面目に働くことが辛くなってきました。あと6年頑張って辞めようかと考え始めています。6年は子供が高校卒業するまでです。中堅事務官も相当辞めると思います。夫も中堅書記官で毎日残業して夫婦で倒れそうになりながら仕事してもう辛いです。管理職は毎日早く帰って行きます。なんか間違った組織になってませんかね。
(N・N)

何とか我慢してカバーしてきたのは現場の職員

 当局はこれまでも合理化・効率化・最適化などといった言葉を使ってきたと思います。しかし、次のとおり過去を振り返ると、実際には様々な問題がありました。ほぼ問題が解消されていないことから、今後も過去と同じような問題が生じると思います。問題点を何とか我慢してカバーしてきたのは現場の職員です。減員では、もはやカバーできない状況になるのではないでしょうか。減員することに理解できるものではありません。

【書記官事務の整理】
 書記官事務が合理化・効率化されると期待されたが、結局、どれもこれも書記官がしなければならない事務となって、事務が増加した。
 また、「書記官事務の整理」の考え方がシステム開発に反映され、書記官が考えてすべき事務はシステム化すべきでないとされた(例えば、確定日の入力はシステム化すべきでないとされた)。結果、合理的・効率的なシステムが開発されなくなった。
 例えばNAVIUSは、書記官事務の整理の考え方を反映させ、また、開発費用を抑えたシステムにしたところ、使い勝手の悪さと長期間の停止などの不具合により、使い物にならなかった。

【民事裁判デジタル化】
 RоооtS、TreeeSは度重なる開発遅延が生じた。
 また、システムによる合理化・効率化・統一化を目指しても、結局は「各庁の実情に応じて」の事務処理とされ、合理化・効率化・統一化がなされない。特にフェーズ3開始後はmintsの利用によって、事務がより複雑化・煩雑化された。

【コミュニケーションツール】
 courtsポータルのコンセプトがあるものの、それが反映されておらず、どこにどのような情報があるかわからないし、情報へアクセスしづらい。
 情報がcourtsポータル、チャット、チャネル、メールにより送付され、情報を探す負担が大きい。
(書記官K)

 
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人事院勧告の取り扱いで氏本事務総長と交渉
賃金、勤務時間、ハラスメント対策などで
 

 全司法本部は10月1日、「2026年人事院勧告の取扱い等に関する要求書」に基づき、氏本最高裁事務総長との交渉を実施しました。
 賃金改善部分の早期実施を求めるとともに、人事院勧告や勧告と同時に出された「公務員人事管理に関する報告」に関わる事項について全司法の要求を伝え、その実現を求めました。

「職員の生活が少しでも改善されることを常に望んでいる」

 8月7日に出された人事院勧告について、すべての職員を対象に引き上げとなり、とりわけ中堅層以上や再任用職員についても改定が行われたことを評価し、改善部分を早急かつ完全に実施するよう関係機関に働きかけることを求めたのに対して、総長は「職員にとって、賃金の問題が最も重要な問題であり、職員団体がこの問題を最も重視して真剣に取り組んでいることは十分理解している」と述べたうえで「職員の生活が少しでも改善されることを常に望んでいる」とし、「職員団体の要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。

「事務量に応じた適正な人員配置となるよう努力」

 超過勤務をめぐる課題については、管理職員が部下職員とコミュニケーションをとることで「適切な業務管理、健康管理を実現する」よう下級裁に徹底すること、勤務時間管理システムの改修・運用改善を行うよう求めるとともに、要員の確保に関わって「2027年度裁判所予算の概算要求において、書記官を含む101人の職員を減員することは到底容認できない。あらためて必要な人員の確保を強く要求する」と主張しました。
 こうした主張に対して総長は「職場の実態等を踏まえながら、これまで以上に各種事務の簡素化・効率化等の取組を推進して、裁判部、事務局を問わず、組織全体として超過勤務の削減を図るとともに、事務量に応じた適正な人員配置となるよう引き続き努力していきたい」と述べるとともに、「勤務時間の把握については、管理職員が、勤務時間管理の重要性を認識した上で、日々必要に応じて適切なコミュニケーションをとるなどして、勤務時間管理システムも活用しながら、部下職員の事務処理状況等をきめ細かく見て、超過勤務を的確かつ遅滞なく把握し、適切な超過勤務時間の管理を行うよう今後も指導を徹底していきたい」と回答しました。

カスハラ対策「適切な対応について検討していきたい」

 すべてのハラスメントの根絶、とりわけ10月1日から施行されたカスタマー・ハラスメント防止等の措置に関する人事院規則の具体化を求めたのに対しては、「ハラスメントについては、その種類を問わず、これを防止することが、職員が働きやすい職場環境を維持・向上するために不可欠」との姿勢を示したうえで、カスタマー・ハラスメントについて「組織として毅然とした対応を行うとともに、カスタマー・ハラスメントを防止していく必要がある」と述べて「裁判所においても、同対策に関する運用を含め、適切な対応について検討していきたい」と回答しました。

非常勤「10月1日から扶養手当及び住居手当に相当する給与を支給」

 非常勤職員の処遇改善、安定した雇用、ステップアップ制度の積極的な活用を求めたのに対しては、「法制度については、国家公務員全体の問題として人事院において検討すべき事柄であり、裁判所の独自性を主張できるようなものではない」としたうえで、給与の取扱いについて「人事院において何らかの見直しが行われる場合等には、必要な見直しを検討していきたい」とし、「10月1日から扶養手当及び住居手当に相当する給与を支給できるよう措置を行った」と回答しました。ステップアップ制度については「今後とも、障害者雇用促進法の下、適切な運用に努めていきたい」と述べるにとどまりました。

高齢期の処遇「(政府の)検討状況を注視」

 55歳を超える職員の昇給停止、60歳を超える職員の賃金7割措置をやめるよう求めるとともに、再任用職員の処遇改善を主張して、高齢期の職員がモチベーションを維持して働き続けられる処遇を求めたのに対して、「定年引上げに伴う給与制度の在り方については、政府内で国家公務員全体の問題として検討が進められているものと承知しており、裁判所としては、引き続きその検討状況を注視していきたい」と述べるにとどまりました。

新たな人事制度「裁判所の組織の特殊性や職員の職務の特性を踏まえ」対応

 人事院が人事制度の見直しの「措置の骨格」を示し、「令和9年夏に具体的な内容」を報告するとしていることについては、「裁判所において具体的な措置を検討する必要がある場合には、裁判所の組織の特殊性や職員の職務の特性を踏まえながら、適切に対応していきたい」とし、「これまで同様、職員及び職員団体と誠実に対応していきたい」と回答しました。

 
 
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