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全司法新聞
 
2026年人事院勧告
「中堅層以上の職員に配慮」勝ち取る
 

 人事院は8月7日、国会と内閣に対して、国家公務員の給与に関する勧告・報告及び公務員人事管理に関する報告を行いました。
 5年連続の引き上げ勧告で、月例給の引上げ幅が2年連続で3%を超えるのは1991年以来、35年ぶりとなります。

月例給を3・51%引上げ一時金0・05月分改善

 給与勧告では、月例給で3・51%(1万5056円)、一時金は0・05月分の官民較差があるとして改善の勧告を行いました。2年連続で3・5%を超える大幅賃上げとなった勧告の背景には、26国民春闘で全労連・国民春闘共闘に結集する労働者・労働組合がストライキ権を確立・行使するなど、交渉力を発揮し、4%に迫る賃上げを勝ち取った運動の成果があります。給与改定にあたっては、初任給9500円引上げをはじめ、すべての職員を対象に俸給表全体が引き上げられます。人事院は「中堅層以上の職員に配慮」した改定を行うと説明しており、中堅層以上は昨年を上回る改定額となっていることが今年の特徴です。また、再任用職員についても、平均8・5%の引上げ改定が行われます。こうした賃金改善は、組合員やその家族の生活改善にむけて全世代の賃上げを要求してきた私たちの運動の成果です。
 一時金は、年間4・70月に改善されますが、引上げ分は期末・勤勉手当に均等に配分するとしており、生活補給金に相当する期末手当へ重点的に配分するよう求めていく必要があります。
 一方で物価上昇を考えるとまだまだ十分とは言えません。労働組合を強く大きくして、引き続き大幅賃上げを求めていくことが重要です。

「転居手当(仮称)」を新設

 諸手当に関わっては、転勤する職員の経済的な負担を軽減するための措置として、広域異動手当の支給割合の引上げと転居手当(仮称)の新設、特地勤務手当に準ずる手当の支給対象官署の拡大が打ち出されました。転居手当(仮称)は、現行の単身赴任手当の加算額を分離・再編し、支給期間は3年間とすることから、単身赴任期間が長期になると不利益変更となる可能性があります。勤務条件の不利益変更を許さないよう求めていくことが重要です。
 あわせて、宿日直手当についても、勤務1回に係る支給額を300円引き上げて8000円(現行7700円)にするとしています。
 なお、「給与制度のアップデート」による地域手当の見直しは、2027年度が3年目の改定となります。地域間格差を拡大させるものであり、支給割合の引下げの中止を含め、地域間格差を早急に解消するよう求めていく必要があります。

「人事制度の見直し」の骨格を示す

 公務・民間問わず、優秀な人材確保が課題となっているもと、その方策として「人事制度の見直し(骨格)」が示されました。この見直しについて、人事院は「激しい人材獲得競争が続く中でも、公務に志高く優秀な人材を確保し、定着させることが不可欠である。そのためには、採用の種類や年次に縛られず、人事評価に基づき、幅広い人材から登用・抜てきを行うなど、優秀な人材が魅力を感じる人事制度を実現する必要がある」と説明していますが、能力・実績主義をさらに強化しようとしているものであり、容認することはできません。
 人事院が実施した「総合職試験等からの新規採用職員に対するアンケート」の結果によれば、若年層を中心とした職員の価値観は、能力・実績主義の強化よりワーク・ライフ・バランスを重視する傾向にあります。人事院の認識について検証が必要であり、職員のニーズを踏まえた政策を打ち出させる必要があります。
 今後のたたかいは、政府との交渉へと移ります。人事院勧告の改善部分(月例給及び一時金の引上げ等)の早期実施や報告等で示された課題等の具体化にあたっては、対応当局との交渉をはじめ、国公労連が提起する運動への結集を強化していくことが求められます。

俸給 官民較差15,056円(3.51%)
 中堅層以上の職員について昨年を上回る引上げ
  3級で3.4%(最高号俸で10,800円)、4級で3.1%引上げ
 初任給は一律9,500円引上げ
 再任用職員の月例給を改善
  3級で22,900円・4級で24,700円(いずれも8.5%)引上げ

ボーナス
 年間4.65月分→4.70月分(+0.05月分)期末手当・勤勉手当に均等に配分

その他
・「給与制度のアップデート」による地域手当の見直し(3年目)
・非常勤職員に扶養手当、住居手当(指針改定2026年10月実施)
・60歳前後の給与水準(給与カーブ)について「検討を加速」
・宿日直手当 7,700→8,000円に引上げ
・年7日間の無給休暇の新設

転勤に伴う経済的な負担の軽減等
 転居手当(仮称)…単身赴任者に限らず、転居を伴う転勤を行った職員が対象
  (単身赴任手当の加算額は廃止)
・支給期間は3年間(単身赴任者でやむを得ない場合は延長可能)
広域異動手当の支給割合引上げ
 60㎞以上300㎞未満:5%→8% 300㎞以上:10%→16%
特地勤務手当に準ずる手当

今後、改めて転勤に関する手当を再編・統合し、総合的な手当の新設を検討

新たな給与体系(措置の骨格)
・本府省の事務次官級~課長級
 …俸給、業績等手当、通勤手当、転勤手当を基本に簡素で分かりやすい構成に
・ 他の職員に「先行して」実施

 
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全司法が意見書提出
「当番態勢」ではなく令状センターを!
 

「当番態勢」での東京・大阪への令状集約に反対

 全司法は8月18日、最高裁に対して「『時間外の一般令状事務の集約』に関する意見(第二次)」を提出し、最高裁が、時間外の一般令状事務の集約について東京・大阪で「当番態勢」を組んで処理に当たる方向で検討をすすめていることに反対するとともに、改めて、専門部署としての「令状センター」を全国で1か所設置することを求めました。
 意見書では、全司法が宿日直を廃止し、「令状センター」の設置を求めている趣旨について「令状事務が国民に対する人権制限を直接的にチェックする極めて重要な司法作用であることを踏まえ、人権保障の観点から専門性を重視した『専属態勢』で事務処理に当たるべきである」としています。

深夜勤務を「幅広く職員に導入することは認められない」

 最高裁が検討している夜間の当番態勢については、「深夜労働は、生体リズムに深刻な影響を及ぼし、体内時計の乱れや睡眠の質・量の低下を招くことが広く指摘されている。その結果、身体的な不調だけでなく、メンタルヘルスの悪化や職場でのケガや事故につながるおそれが高まるとされている」と指摘したうえで、「こうした特殊な勤務形態を幅広く職員に導入することは認められない」と述べました。
 また、日中の勤務体制にも大きな影響を及ぼすことや、女性の健康や母性保護の観点から慎重な検討が必要であること、新採用職員をはじめとした人材確保への影響についても指摘しています。
 意見書では、最高裁が「東京・大阪への集約後の時間外の態勢をどうするかは、今後各庁において検討していくことになる」としていることを批判し、「各庁任せとするのではなく、全国的な見地から最高裁が責任をもって検討すべきである」と述べています。これにより全司法は、令状事務の集約が集約庁である東京・大阪だけの問題ではなく、全国的な問題であることを明確にしました。

「操作性が悪いシステム」は人権保障に関わる

 あわせて、刑事新システム(Linkage)について「システムの操作性が悪く、アップロードに時間を要するなどの事情で警察が『紙での請求』を裁判所側に求めてくるといった事態になれば、現行の宿日直体制を維持せざるを得ない状況になりかねない」と述べるとともに、「刑事事件は人権保障への強い配慮が求められることも踏まえ、過誤が生じにくいシステム、直感的に操作できるシステムを開発すること」を求めています。

 
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全世代・全職種の大幅賃上げなどを要求
人事院勧告期最高裁交渉
 
 人事院勧告に先立って、全司法本部は7月21日、「2026年人事院勧告にむけた重点要求書」に基づき、石田人事局総務課長との交渉を実施しました。
 

最高裁交渉の様子

「賃上げに向けた強い要望は認識」

 若年層のみならず、中高年層や行(二)職を含む全世代・全職種において大幅な賃上げを求めたのに対し、「生計費の維持、確保という観点から、賃上げに向けた強い要望を持っていることは認識しており、職員団体の要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。
 非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、常勤職員との均等・均衡待遇等を図り、そのために必要な予算を確保するよう求めたのに対しては「人事院において何らかの見直しが行われる場合等には、行政府省の動向、常勤の職員との権衡、予算状況や非常勤職員間の均衡等を踏まえて必要な見直しを検討したい」と回答しました。

「必要な人員の確保について引き続き最大限努力」

 全司法がとりくんだ「裁判所の人的・物的充実に関する請願」が14年連続(通算30回)で採択されていることを踏まえ、2027年度裁判所予算の概算要求で大幅な増員要求を行い、必要な人的体制を整備するよう求めたのに対しては、「必要な人員の確保について引き続き最大限努力していきたいと考えているが、裁判所を含む国家公務員の定員を巡る厳しい情勢や(中略)事件数の動向等を踏まえると(中略)増員を巡る状況はより一層厳しくなるものと考えている」と回答、積極的な姿勢は示されませんでした。

夏季休暇の柔軟運用、各庁に周知して「適切に判断するよう指示」

 7月から9月までに夏季休暇を取得することが困難な場合に「6月から10月までの期間」での取得が認められていることを周知する「夏季休暇の使用可能期間の運用について(周知)」(令和8年7月1日付け人事院職員福祉局職員福祉課事務連絡)が人事院から発出されたことを踏まえ、裁判所においても柔軟な運用が行われるよう求めたのに対し、「各庁の人事担当者宛に本事務連絡を周知し、夏季休暇の承認に当たり、各庁において適切に判断するよう指示した」と明らかにしました。
 カスハラに対して職員を保護する立場で組織的な対応を行うよう求めたのに対しては、「職員を保護する方針等を内容とするカスタマー・ハラスメント対策に係る人事院規則が制定されたことを受けて、裁判所においても同対策に関する運用を含め、適切な対応について検討していきたい」と回答しました。

災害時の「閉庁」は各庁判断

 自然災害等に伴う業務継続に関し、被災状況の把握等を徹底して早期に閉庁等を判断するよう求めたのに対し、「自然災害発生時には、各庁において、収集した災害情報や交通の状況等の情報に基づいて適切に閉庁等の判断がされ」ているとの認識を示しました。

 
 
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