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全司法新聞
 
裁判所も社会も全司法も「変革期」の真っただ中
組織と運動の強化を意思統一
全司法第83回定期大会
 

全司法を次代につなぐ思いを固めて

 全司法は7月26日~28日に第83回定期大会を開催しました。
 「『変革期』を乗り切る組織と運動みんなで作ろう!」のスローガンどおり、裁判所も社会も全司法も「変革期」の真っただ中にある中で、全司法の役割を改めて確認し、組織と運動を強化する意思統一が図られた大会となりました。

「平和と暮らしを守る」立場で対話と学習を

 定期大会には代議員・オブザーバー・執行部・来賓など、全体で91名が出席し、大会議長に選出された藤田洋志代議員(福岡)、副議長の稲垣純平代議員(札幌)の進行で議事がすすめられました。
 開会あいさつで中矢委員長定期大会には代議員・オブザーバー・執行部・来賓など、全体で91名が出席し、大会議長に選出された藤田洋志代議員(福岡)、副議長の稲垣純平代議員(札幌)の進行で議事がすすめられました。開会あいさつで中矢委員長ことを踏まえ、学習と対話を進めながら「平和と暮らしを守る」立場でとりくむ姿勢を示しました。
 続いて、来賓挨拶として、伊吹五月国公労連書記次長から人事院勧告や憲法と平和をめぐる情勢について、向井和昌全法務委員長から法務局の職場実態や全法務のとりくみの経験が話されました。

努力の成果は確かにあったが拡大目標は未達成

 運動方針案の提案で井上書記長は「373人の組合員拡大」という昨年の大会決定にもとづくとりくみについて、各支部の努力によって「ここ数年で最も少ない減少数になった」と評価しつつ、目標には到達しなかったと総括しました。そして、新採用職員への「ファーストアタックとセカンドアプローチ」を全国的なとりくみに広げること、10月期の新採用職員や未加入者・役降り職員・非常勤職員等への加入働きかけを強化することなどを提起しました。
 職場諸要求では増員、勤務時間管理の徹底、カスタマーハラスメント対策、デジタル化による負担の軽減などについて最高裁交渉の到達点と今後の課題を示して、職場からのとりくみを求めました。特に、時間外令状事務の集約に伴う東京・大阪の「夜間当番態勢」の最高裁提案に対して、職員への過酷な負担と人権保障の観点から反対し、「令状センター」設置と宿日直廃止を求めるとりくみを提起しました。また、行(二)職員、事務官、速記官、非常勤職員など、各職種の要求前進にむけたとりくみとオンラインミーティングへの参加を呼びかけました。

全司法は裁判所に絶対必要。組織拡大は必要不可欠

 吉村財政部長の提案では、組合員減少に伴う財政状況の厳しさや物価高騰への対応として、徹底した支出削減策を講じた上で、なお組織と運動を維持するために本部費の月額500円引上げと年額2000円の臨時徴収再開が必要不可欠であることが示されました。
 討論では、本部費の引上げ提案について多くの意見が出されました。引き上げによる脱退リスクを懸念する意見とともに、大会のオンライン開催など活動の全面的な見直しを求める修正案(和歌山支部)、特別会計の再度の取り崩しを求める修正案(大阪支部)が提案されて論議が行われました。一方で「現在の財政状況下で組織と運動を維持するためには本部費の引き上げはやむを得ない」とする意見も多く出されました。そして、そのいずれの立場からも「全司法は裁判所にとって絶対必要」「全司法を残し、次の世代に引き継ぎたい。そのためには組合員を増やすことが必要不可欠」といった発言があり、これが大会の総意として共有されました。
 また、組織強化・拡大に関わっては、入念に事前準備をしてファーストアタックに臨んで成果をあげた実例や、悩み事の相談を受けて加入に繋がったケース、支部ニュースの発信やイベントの参加募集、情報共有の効率化といったTUNAGの活用例など、各支部の経験が報告されました。

民事デジタル化は課題が山積。増員はさらに切実

 要求課題では、デジタル化が順調に進んでいない職場実態が報告され、改善を求める意見が数多く出されました。とりわけ、5月から始まった民事裁判デジタル化のフェーズ3について「mintsでのアップロードに時間がかかり過ぎる」「膨大なマニュアルや事務フローがいくつもあって対照する必要があり、手間が増えている」「PDF化のためのスキャナが少ない」等の問題点があげられ、デジタル化でむしろ繁忙になっている職場実態や、今後すすめられる刑事や家事のデジタル化に対する不安や懸念が示されました。
 こうしたデジタル化の実態に加えて、各種事件が増加に転じていることや、病休者の増加等で欠員が慢性化している等の報告があり、全国的に増員要求がさらに切実になっている実態が浮き彫りになりました。あわせて、「迷惑をかけて申し訳ない」と言いながら育児休業を取得している現場の声なども出されました。
 時間外令状事務の集約については、深夜勤務に伴う健康被害や過酷な緊張状態への懸念から強い反対意見が出され、集約庁の東京・大阪だけでなく全国一丸となったたたかいを求める意見が出されました。

書記次長に白岩さん、青年中執に秋山さんを選出

 採決の結果、本部が提案した第1~3号の全ての議案が賛成多数で可決されました。
 また、役員選挙では立候補者全員が信任されました。常任中央執行委員(専従)では、新たに書記次長として白岩和馬さん(神戸支部)、青年担当の中央執行委員として秋山雄飛さん(秋田支部)が選出されました。
 最後に「大会宣言」を採択し、団結ガンバローで閉会しました。
 「変革期」を乗り越え、次世代へ全司法をつなぐ決意を固めた定期大会となりました。

 
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委員長の開会あいさつ

「社会的な存在」であることを踏まえ、丁寧に対話しながら

開会あいさつをする中矢委員長
 特別国会を振り返ると、大きな論点を含み、国民の中で意見が分かれる法案や政府方針がこれまでにないスピードで成立しています。高市首相は1月の衆議院解散にあたって「国論を二分するような大胆な政策、改革にも、批判を恐れることなく果敢に挑戦していく」と述べていましたが、「国論を二分する」というのは反対の人が数多くいて、理由もそれなりにあるということです。白紙委任を得たかのようにふるまうことは許されないし、むしろ、選挙で国民の負託を受けたからこそ、多様な国民の声を聴き、国民のために政治を行う責任が政権を行使する者には求められます。
 「政治に関わりたくなくても、政治は私たちに関わってきて、そこから逃げるわけにはいかない」と言われます。社会的な存在である労働組合の運動なら、なおさらです。手段や方法については組合員一人ひとり様々な意見や考え方があると思いますが「戦争がなく平和で、組合員とその家族が安心して働き、きちんと生活できるようにすること」を出発点に、対話をすすめる中で、全司法がどのようにとりくんでいくのか、みなさんと一緒に丁寧に考えていきたいと思います。

全司法が裁判所で果たすべき役割発揮のためにも組織拡大を

 4月の改正民法をはじめ、様々な法改正や制度改正が行われてきましたが、裁判所に求められる役割はますます大きくなっています。5月には民事訴訟デジタル化のフェーズ3が始まりましたが、デジタル化はさらに進んでいきます。また、前回の大量採用期に採用された職員が定年を迎えるもとで、多くの新採用職員が入ってきています。裁判所はまさに「変革期」にありますが、最高裁をはじめとした裁判所当局の施策は「思考停止」状態にあるかのように、従来の対応の延長でしか考えられておらず、職場実態からも社会の動きからもズレていると私には感じられますが、みなさんはどうでしょうか?
 社会の動きをきちんと反映させ、職場実態を踏まえた施策を推進させるためには、全司法が積極的に発言し、意見反映を図ることが重要です。そのためにこそ、私は全司法を強く大きくする必要があると考えますし、組合員を増やすことが絶対に必要だと考えています。
 そのカギは「全司法をみんなで一緒に活動する組織にしていくこと」です。「変革期」を乗り切る組織と運動をみなさんと一緒に作っていきたいと思います。

 
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総括答弁(要旨)全司法を次の世代につなげていくため、
来年の大会を増勢で迎えよう!
 
賃金引上げ
職場諸要求国公労連のとりくみ、春闘の運動に結集しよう

総括答弁する井上書記長
 国家公務員の賃金改善が「物価高騰に追いついていない」「教育にお金がかかる時期に差し掛かっているが、55歳となり昇給が停止した」「60歳超えで7割水準に引き下げる措置はやめるべき」といった発言があった。
 実質賃金の低下は国民生活に深刻な影響を及ぼしているため、生活改善につながる賃上げの実現は欠かせない。要求を掲げ、交渉を重ね、前進回答を勝ち取る労働組合の役割は、社会全体でこれまで以上に重要となっている。国公労連のとりくみ、民間労働組合が賃上げを求める春闘の運動に積極的に結集しよう。

全司法大運動
予算を審議する国会への働きかけは重要なとりくみ

 「全司法大運動には、要求前進と組織拡大のための各種要素が盛り込まれている」「全司法大運動を増員要求のためのとりくみと位置付け、具体的な行動に移すことが必要」との発言があった。
 全司法大運動は、予算を審議する国会に働きかける重要なとりくみだ。2026年度は、署名の集約数を増やすことと国会議員の地元事務所への要請行動を重視したい。他団体への要請を積極的に行うことも含め、今年度は全ての支部で署名の集約数を伸ばそう。

職場諸要求
気兼ねなく制度が使える人的体制を

 人員に関わって、複数の支部から人員不足が指摘された。また、「産休取得時に『迷惑をかけてすみません』と言って休暇に入る職員がいる」といった実態も明らかになった。
 制度利用をためらうような職場は人的体制が十分とは言えないことから、速やかな欠員の解消とともに、育児等に係る制度が気兼ねなく利用できるような人的体制の整備を求めていく必要がある。

開庁・閉庁判断は職員の安全を最優先に

 自然災害時の開庁・閉庁判断に関わって、「ハローワークや法務局が閉庁となる中で裁判所だけが開庁していた」「職員と利用者の安全を最優先に開閉庁の判断を行うべきである」との意見があった。
 これを受けて、荒天時のBCP(業務継続計画)策定を求め、特別休暇について「帰宅困難者を出さないように判断する」「閉庁はためらわない」といった到達点が示された。気象庁が自然災害時の警報レベルを整理していることを踏まえ、対応当局に対して荒天時のBCP策定を求めていこう。


引き続き、職場実態に基づく追及を行っていく

 デジタル化に関わっては、民事訴訟フェーズ3後、収入印紙の還付事務が生じ、mintsのアップロードに時間がかかるなど、システム面に関する意見が相次いだ。
 また、刑事手続のデジタル化について、「民事訴訟フェーズ3と比較しても、刑事のデジタル化に関する情報が職場に全く下りてこない」実情が明らかになった。
 裁判手続のデジタル化は、国民や当事者にとっては利便性の向上につながり、職員にとっては事務の簡素化・効率化を実現するものでなければならない。引き続き、職場実態等に基づく追及を行っていく。

一般令状事務の集約は全国でとりくむべき課題

 宿日直に関わっては、専門性を重視した体制を求める意見や、当番態勢による日中業務への支障が指摘された。また、「宿日直体制そのものの見直しが必要であり、全司法全体の課題としてとりくむべき」との意見もあった。
 全司法は、令状事務および付随する裁判事務を扱う専門部署としての「令状センター」を全国で1か所設置し、現在各庁で実施されている宿日直体制および連絡員体制はすべて廃止することを求めている。時間外の一般令状事務の集約は、東京・大阪以外の庁も含めた全国的な課題として、全国で一丸となってとりくんでいこう。

憲法・平和
社会の中で労働組合が果たすべき役割

 憲法と平和に関わっては、「Ⅱたたかいの基調」の記載に関わって修正案が提出されたが、この修正案を受け入れることは考えていない。
 また、そうした修正案が提出されたことを受けて、「憲法と平和を守るとりくみは、労働組合としての中核的な運動である。社会の中で労働組合が果たすべき役割」と発言があった。平和は労働者の生活と権利に直結するものであり、労働組合活動を行うための前提となるものである。引き続き、憲法と平和・民主主義を守り、活かす観点で全労連や国公労連、憲法会議などの運動に結集する。

職種・階層

 行(二)職に関わって、庁務員の3級昇格が実現したとの報告があった。上京団交渉に参加して最高裁当局に直接訴えたことで昇格が実現した。昇格闘争は、個人名を挙げて要求することが重要だ。
 速記官に関わって、電子速記タイプライターについて「更新時は最新の機種への更新」を求める意見があった。更新の時期を早期に明らかにさせるとともに、最新機種の購入を求めていく。
 調査官に関わって、「管理職員の調査事務の配てんを減らす見直しが行われている」との報告が複数の支部からあった。労働条件に影響を及ぼすものとして、職場や職員の意向を十分に聴取し、一方的な見直しは行わないよう求めていくことが必要だ。

組織強化・拡大
全ての支部でファーストアタックを実施しよう

 新採用職員に対する働きかけについて、多くの支部から報告があった。各地のとりくみを参考にしながら、全ての支部で本部が提起するファーストアタックを実施しよう。そして、セカンドアプローチでさらなる加入と組合員としての定着をめざそう。
 組合員拡大のためには未加入者への働きかけも欠かせない。職場で困った状況に直面した際や、任官時、異動後など、機会を捉えた働きかけを実践しよう。
 TUNAGについて、アンケート機能を活用している事例や「支部ニュース」を定期的に発行していることなどが紹介された。他の支部でも参考にTUNAGを積極的に活用していこう。
 いま全司法に求められているのは、結成以来、多くの先輩方がバトンを繋ぎ、ずっと大切にしてきた全司法という組織を次の世代につなげていくことだ。全ての支部で来年の大会を増勢で迎えよう。そして、将来的には「過半数」組織に回復することをめざそう。本大会で、そのための新たな一歩を踏み出そう。

 
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全司法大運動 30回目の請願採択!
 

 全司法大運動でとりくんだ「裁判所の人的・物的充実を求める請願」が7月24日、第221特別国会において、衆・参両院で採択となりました。通算30回目の請願採択です。
 昨年の通常国会の後、7月には参議院選挙が、2月には衆議院選挙が行われて国会の構成が大きく変わったことから、紹介議員は30名(衆議院11名、参議院19名)となり、昨年の63名から後退しましたが、紹介議員以外からも支援の声をいただきました。
 紹介議員は表のとおりです。なお、次の議員・政党からは全司法第83回定期大会にメッセージをいただきました。
 衆議院議員・小川淳也、野間健、重徳和彦
 参議院議員・田名部匡代、芳賀道也、福島みずほ、ラサール石井、髙良沙哉
 政党・日本共産党

 
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