共同親権制度の導入で家裁調査官の増員が社会的要請になっているもとで、最高裁は昨年度に5人、今年度は10人の増員を行いました。きわめて不十分な数ですが、その中でも大阪家裁では昨年・今年と増員が行われました。一方で大阪家裁当局は「指導監督機能の充実」を理由に主任家裁調査官の事件関与を減らす方針をとっています。
大阪支部から職場の受け止めや問題点が報告されています。
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| 大阪支部の意見書 |
「指導監督機能を充実させる」ことが目的?
2025年11月28日に大阪家裁当局から、「大阪家裁の家裁調査官における事務分担の見直しについて」と題する事務連絡が発出されました。これは、主任調査官の「指導監督機能を充実させ」「管理職員がこれまで以上にリーダーシップを発揮し、各種施策を推進する必要性が高まっている」といった趣旨のもと、事務分担を見直し、主任家裁調査官らの事件配てんを減少させるという旨の施策です。
大阪家裁分会は、同施策は「単に現場の職員の負担を増やすだけのもの」と捉え、職場の家裁調査官で集まって議論した中で出た疑問を大阪家裁当局にぶつけましたが、回答は納得いくものではありませんでした。そこで分会では、意見書でしっかり主張しようと考え、3月30日に大阪家裁首席調査官宛ての意見書を大阪家裁当局に手交して対応を求めました。
単に現場で対応できる人員を減らしただけ
意見書の骨子は、@増員された人員は事件処理を行うために活用せよ、A2026年4月の見直しで予定される事件担当者、事件担当割合を一部変更せよ、B見直しで生じうるリスクに具体的な説明を行った上で誠実な対応をとれ、C見直しを検討する指標、時期や基準を示せ、D主任家裁調査官の事件分配は現状維持せよ、E現場の家裁調査官の負担に目を配れ、というものです。
昨年、家事1・2部に3名が増員されたにもかかわらず、当局は、管理業務の担い手を増やす方向に舵を切り、また、必要な部署に事件担当者を配置しませんでした。これでは、職員の事件処理の負担は減少せず、本末転倒です。現場対応をする家裁調査官に負荷が集中することで心理的ストレス増加につながり、また、事件処理が表面的で機械的になるリスクもあります。「指導監督機能を充実」という抽象的な文言だけでは、現場に具体的な施策が見えてこず、現場の家裁調査官だけでなく、主任家裁調査官のモチベーションをも低下させることにも繋がります。
さらに、施策に具体性が無い以上、管理業務への集中が”効果をなさない”ことも懸念されます。これでは、単に現場で対応できる人員を減らしただけになります。
本来すべき業務に集中できる体制を
同意見書に対して、当局は「検討」との姿勢を見せました。大庁のこうした施策が全国的に波及しないよう、見直し後の職場実態を今後も注視し、追及を強めていかなければなりません。
共同親権等を定めた改正民法が施行され、転換期真っ只中の今こそ、当局に対し、全ての家裁調査官、それに関わる全ての職種が、本来すべき業務に集中できる体制を構築させるために、ともに頑張りましょう。
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