おいでやす全司法
プライバシーポリシー  
CONTENTS 全司法紹介 司法制度改革 少年法関連 全司法大運動 全司法新聞 声明・決議・資料 リンク サイトマップ
  トップページ > 全司法新聞 > 2026年3月 > 2465号
 
 
全司法新聞
 
沖縄の過去を学び、現在の課題に向き合う3日間
国公労連2026沖縄支援・連帯行動を実施
 
 国公労連は2月20日から22日にかけて「2026沖縄支援・連帯行動」を実施し、全国から40名を超える仲間が参加しました。本行動は、沖縄の歴史と現在も続く米軍基地の問題を現地で学び、平和と民主主義のあり方を考える重要なとりくみです。3日間にわたり沖縄各地を巡りました。
 

「世界一危険な基地」と呼ばれる普天間飛行場
 

深刻な騒音被害に悩まされる嘉手納基地

普天間・嘉手納基地で基地負担の実態を確認

 初日は、宜野湾市にある米軍海兵隊の普天間飛行場(普天間基地)と嘉手納町・沖縄市・北谷町にまたがる極東最大かつ最重要の米空軍基地である嘉手納基地(嘉手納飛行場)を視察しました。
 普天間飛行場には「欠陥機との批判が強いMV―22オスプレイが約20機配備されているほか、市街地の中心に位置しているために「世界一危険な基地」とも称されています。2004年の沖縄国際大学へのヘリ墜落事故や2017年の普天間第二小学校(校庭)へのヘリ窓枠の落下をはじめ、近年も部品落下事故が相次いでいるなど、周辺住民は日常的に危険と隣り合わせで生活しています。また、夜間訓練も実施されるために、昼夜を問わず深刻な騒音にさらされている実態を目の当たりにしました。
 現地ガイドの下地輝明さんからは、沖縄国際大学へのヘリ墜落事故の際、米軍が現場を封鎖したために日本の警察や消防による捜査・活動が制限され、日本側に提供された調査報告書の大部分が黒塗りにされていたため、十分な情報開示がなかったと説明がありました。日本の主権が侵害されている重大な問題です。
 あわせて、沖縄の米軍住宅(アメリカ本土の生活水準に基づき、30畳以上の広いリビングや2箇所以上の浴室、3箇所以上のトイレが標準装備された「アメリカンサイズ」の物件が主流で、100u超えの部屋も珍しくない)は、「日米地位協定」に基づき日本政府が土地・施設を提供していることや、建設・維持費は主に日本政府の「思いやり予算」(正式名称は「同盟強靱化予算」で、防衛関係費の一部として防衛省予算に組み込まれている)で賄われている実態も紹介され、衝撃を受けました。

平和祈念公園やガマで沖縄戦の実相に触れる

ひめゆりの塔

 2日目は平和祈念公園、ひめゆりの塔、ガマ(戦時中の避難壕)を巡り、戦争の悲惨さと沖縄戦の実相に触れ、平和の尊さを胸に刻む一日となりました。
 特に印象に残ったのは糸数豪(アブチラガマ)への入壕体験です。自然の石灰岩洞窟であるアブチラガマは、住民が避難した場所であると同時に日本軍の陣地・倉庫として使用されていました。数々の悲劇が起きた場所(「生」と「死」の場所)で、沖縄戦時はひめゆり学徒隊の看護活動の場でもありました。閉鎖空間であるために、電灯を消すと、1センチ先も見えない絶対的な暗闇に包まれ、洞窟内は静寂に包まれているために滴り落ちる水滴の音が大きく響き、「完全な闇」の中で天井や壁から水滴が滴り落ちていく音や感覚は避難生活の過酷さ・厳しさを痛感するものとなりました。

旧海軍司令部壕・対馬丸祈念館を見学し、行動を締めくくる

 最終日は、旧海軍司令部壕と対馬丸祈念館を見学しました。
 沖縄からの学童疎開船「対馬丸」は、アメリカ軍の潜水艦に撃沈され、784名の学童を含む1484名が犠牲となりました。沖縄戦の凄惨さを象徴する出来事であり、戦争がもたらした深い傷跡を学び、平和への思いを新たにしました。

高まる「新しい戦前」への危機感

 日本政府は、「安保3文書」に基づき、沖縄を含む南西諸島の防衛力を強化するとして、2026年度予算案で過去最大となる約8・8兆円の防衛費を予算計上しています。これに対し、住民を巻き込んだ地上戦の惨禍を「最大の反省」とする沖縄県内では、再び沖縄が戦場になる危機性(「新しい戦前」)に危機感が示されています。
 今回の行動は、沖縄戦の歴史や米軍基地の問題を現地で学び、沖縄県民の思いに寄り添う貴重な機会となりました。沖縄県民とともに「戦争する国づくり」反対の国民的世論を広げていくことが重要と強く感じた3日間でした。

 
ページの先頭へ
 
加入を勧めることは「相手に選択肢を渡す」こと
北海道地連組織対策会議
 
 2月21日、北海道地連組織対策会議がオンラインで開催され、計19名が参加しました。本部中央執行委員として村上が出席し、二部構成で講義を行いました。

「ファーストアタックに必要なのは設計と空気」
道内4支部がオンラインで繋がる

 第1部では「ファーストアタック(以下「FA」)に必要なのは熱量ではありません。設計と空気です」をテーマに、昨年複数支部のFAに参加した私の実体験を交えながら、その進め方について説明しました。
 FAは長く説明する場ではなく、迷わせない設計、話す人を絞ること、5分で終えること、セカンドアプローチと必ずセットで行うこと、そして役員全員の意思統一が前提であることを強調しました。
 第2部では「FAのあと、どう関係を育てるか」をテーマに、国公労連作成の「対話をすすめる5つのレシピ」を活用し、セカンドアプローチの具体化を図りました。TUNAGを関係づくりのツールとして位置づけ、「FAは入口、セカンドアプローチで関係を育て、TUNAGで接点を日常化する」という流れを確認しました。
 あわせて、組織拡大を楽しんでほしいこと、全司法を次世代に継ぐという大きな目的とともに、「レクは人数が多い方が楽しい。だから組織拡大をしたい」というように各支部なりの身近な目標を持つことが、組織拡大を自分事にする鍵であると説明しました。加入を勧めることは特別な行為ではなく、相手に選択肢を渡すことであり、自分の好きなものを勧める感覚で気軽に声をかけてほしいと伝えました。また、組合のメリットを語るのはFAではなく、セカンドアプローチで行ってほしいと呼びかけました。

「参加します!」を引き出す対話

 「5つのレシピ」では、「組合の集まりへの『参加します!』を引き出す対話」を事例に、@まずつながる(話す2割、聞く8割を意識し、企画した集まりの内容を伝えつつ相手の関心を引き出す)、Aなぜ今あなたに来てほしいのかを伝える、B明確な約束をつくる(「行けたら行きます」は来ない)、C役割を渡して背中を押す(「仲の良い人も誘って一緒に来て!」)という4つのステップを紹介しました。
 最後には、北海道地連森書記次長から、高裁研修中の地連主催歓迎会実施方針が示され、参加者からは「FAへの理解が深まった」との声が寄せられました。

 
ページの先頭へ
 
「ワーク・ライフ・バランス推進のための取組計画(案)」等を
議論 地連女性担当者会議+上京団交渉
 

 2月15日〜16日、地連女性担当者会議と上京団交渉を実施しました。


和気あいあいと語り、職場実態や女性の課題を共有

女性のとりくみを意思統一

 基調報告では、落合女性対策部長から、今年度の女性のとりくみについて提起があり、今後も折り鶴行動など、とりくみが可能な女性の活動について、各支部が積極的にとりくむよう呼びかけが行われました。
 次に国公労連女性協副議長の根本対策部員から女性をとりまく情勢や、「女性差別撤廃条約選択議定書の批准」「選択的夫婦別姓導入などの民法改正」「『慰安婦』問題の解決」「所得税法第56条の廃止」を求めるジェンダー4署名、アイスランドに倣って全労連が提起している3月6日の「女性の休日」などのとりくみについて紹介があり、あわせて、6月に東京で開催される国公女性交流集会への参加の呼びかけがありました。
 また、2月13日に、最高裁が今年4月からを対象期間とする「裁判所における女性職員活躍と職員のワーク・ライフ・バランス推進のための取組計画(案)」を示したことから、中矢委員長の解説をもとに、同計画について議論を行いました。
 新たな計画案は、女性だけではなく「男性職員も含め、全ての職員が活躍できる職場づくりをめざす」としている点がこれまでと大きく変わっており、「ハラスメントへの対策」「女性の健康上の特性に係る取組」などの項目が新たに追加されています。
 参加者からは「職場は繁忙なうえに欠員が多い実態があり、増員が図られないと実効性が担保できない」「登用の大きな障害となっている異動政策の見直しが必要」などの意見が出されました。

職場実態にもとづいて最高裁を追及

 2日目は、各地の職場状況を出し合い、交渉における追及点を確認しました。子の看護等休暇について「インフルエンザ罹患時の異常行動の見守りなどで日数が足りない」「部下の仕事を管理職が把握していないため育児時間の取り消しが起こる」「制度利用のため職場に人が足りず他の職員が疲弊している」「勤務時間管理システムの導入で生理休暇は取りやすくなったが、退勤ボタンを押した後のサービス残業がある」など多くの実態が語られました。
 最高裁交渉では、冒頭に全国から集まった寄せ書きを手交した後、会議で出し合った様々な要求をぶつけました。総務課長は、両立支援制度を利用する職員に対する管理職のフォローについて関心を示す姿勢が見られました。参加者からは、欠員等のカバーや繁忙な職場で自身の制度利用も困難になっている管理職が多い実状等を伝えました。

 
ページの先頭へ
 
書記官オンラインミーティング報告
変革期の現場から次々と不安の声
 

 2月24日、書記官オンラインミーティングが開催されました。今年は書記官にとって大きな変革期となる案件が山積していることもあって、全国から多くの書記官が参加。現場の切実な声が次々と上がりました。
デジタル化の不安が次々に

人員配置への不満と不安

 富山では刑事のデジタル化対応要員を求めていたにもかかわらず、逆に4月から増員が解消される事態となりました。件数はさほど変わらないにもかかわらず人員が減らされることへの不満とともに、デジタル化を担ってきた職員が軒並み異動になることへの不安が広がっています。神奈川でも債権執行部門の大半が異動となり、ベテランが必死にマニュアルを作成して引き継ぎに備えている状況です。東京・大分・福岡でも簡裁の業者事件をはじめ、件数増加に人員が追いつかない実態が報告されました。

重くて使えないワークフローシステム

 電子決裁のためのワークフローシステムについては、PCのスペックや通信環境の問題でシステムの動作が遅く、事件を大量処理する際に深刻な支障が生じることへの懸念が各地から相次ぎました。裁判官への決裁が上がるまでに3分程度かかるケースもあり、100件規模の処理をどうこなすのかという不安は切実です。東京簡裁では補助ツールで対応しているものの抜本的な解決策がない状況が続いており、「PDFでペーパーレスにするのがデジタル化ではなく、データを利活用するのがデジタル化のはず」という本質を突いた声も上がりました。東京地裁からも「フェーズ3の検討のために配置されていた人員が3月末に解消され、4月のスタートを切れるのか」という発言があり、不安は全国で共通しています。

時間外令状集約も様々な懸念

 令状事務を東京・大阪に集約する方針についても、受け止めは複雑です。集約先となる東京からは「夜間に全国分を集約するだけの人員が確保されるのか」との疑問が示され、全ての令状をセンター化すべきとの意見や、交代制勤務の必要性を指摘する声が上がりました。一方、地方からは「人員を東京・大阪に持っていかれるだけで、現場の負担は変わらないのではないか」との懸念も出されており、「内容がないまま集約化だけが一人歩きしている」との厳しい指摘もありました。夜間の書面受付や警察以外からの令状請求など、集約後も残る業務への対応も不透明なままです。
 また、システムについては「開発途中の段階で意見を反映できる機会を設けてほしい」「情報提供がなくイメージがつかない」という声が上がっています。全司法は引き続き現場の実態を当局に訴えていきます。

 
ページの先頭へ
 
第3期「障害者活躍推進計画案」に全司法が意見書を提出
障がい者雇用は新たな段階へ
 

 最高裁は1月30日、現行の「障害者活躍推進計画(第2期)」の計画期間が2026年3月末をもって終了するため、新たな推進計画の作成を検討していることを明らかにしました。最高裁当局は、障がい者アンケートで高い満足度が得られていること等を踏まえ、「これまでのとりくみを着実に継続することを基本とする」との方針を示しています。これに対し、全司法は、現状への問題意識から次の内容の意見書を提出しました。

「有意な人材の確保と定着」が課題

 法定雇用率は2026年7月に3・0%へと引き上げられ、「3年公募要件」の撤廃により非常勤職員の長期的なキャリア形成も可能となった今、障がい者雇用はもはや「法定数の確保」から「有為な人材の確保と定着」を目的とする新たな段階に入っています。
 2025年の人事院勧告でも「公務員の人材確保がかつてないほど困難」と明示されており、裁判所でも年度当初から必要な人員を確保できないことが常態化しつつあります。こうした状況のもと、意欲ある障がい者の積極的な登用と育成を人材確保策の重要な柱として位置づけることが求められています。

ステップアップ制度の拡充を

 全司法が特に問題視するのが、ステップアップ制度の活用実績の低さです。非常勤から常勤へのステップアップは2021年度以降も年間わずか1〜3人にとどまり、選考基準も不透明なため「極めて狭き門」となっています。全司法は、面談等でステップアップの希望を積極的に聴取し選考手続きを明確にするよう求めるとともに、各人の障がい特性に応じたOJTや研修を充実させ、職務スキルの向上を組織として支援することも重要な課題として挙げています。

現場の実態と受け入れ態勢の強化

 障がいのある職員からは「合理的配慮が十分ではない」「定型業務ばかりでやりがいが感じられない」との声が、周囲の職員からは「障がいの特性が共有されておらずどう接していいかわからない」との声が上がっています。障がい者の定着を現場の善意のみに依存するのは持続可能ではありません。
 最高裁として標準的な研修カリキュラムや合理的配慮の事例集を整備し、定期的な職場内研修で相互理解を深めることが必要です。また、テレワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方は、障がいを持つ職員にとって強力な支援ツールとなることから、その積極的な活用を求めました。

「障がい者が活躍できる職場は全ての職員にとって働きやすい職場」

 全司法は最高裁に対し、現場の実態に即した実効性ある推進計画の策定を強く求めるとともに、引き続き当局との意見交換を継続していきます。また、6月14日〜15日には初の非常勤職員集会と上京団交渉を実施します。

 
ページの先頭へ