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裁判手続デジタル化と家裁の充実強化に重点
2026年度裁判所予算案 |
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12月26日、2026(令和8)年度裁判所予算案について説明がありました。予算総額は3494億7400万円(前年度比4・3%増)で、最高裁は増額の主な要因について、人事院勧告による人件費の増額と裁判手続等のデジタル化関連経費の増額によるものと説明しています。
裁判手続等のデジタル化関連経費として約179億円を計上し、民事訴訟手続デジタル化だけでなく、刑事手続および民事非訟・家事事件手続のデジタル化に係る予算や司法行政のデジタル化に係る予算などが計上されています。
家庭裁判所の充実強化に関わっては、約59億円が予算計上され、改正家族法の施行に備えた研修の充実・強化や多くの調停期日の実施を想定した調停委員等の旅費・日当などが計上されています。
増員はわずか12人
全体では54人の大幅減員(医療職除く。)
人員は、国の財政状況や国家公務員の定員をめぐる情勢が依然として厳しいことを理由に、家裁調査官10人(全て速記官からの振替)と最高裁の事務官2人の増員にとどまっています。
一方で、下級裁の事務官38人および行(二)職18人の計56人の合理化のほか(定員合理化との差し引きで54人の大幅減員)、医療職は常勤医師の確保が困難であることを理由に72人を削減(非常勤医師の拡充で対応)するとしています。
改正家族法の施行や民事訴訟手続デジタル化フェーズ3によって業務量の増大が見込まれるもとで、書記官は増員なし、家裁調査官の増員もたった10人(今年度の増員分を含めても15人の増員)では新たな制度や裁判手続等に適切に対応することはできません。
施設整備では約120億円を計上しているが、新規の庁舎新営・増築は計画されていません。
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電子速記タイプのメンテナンス・追加購入、
GSS環境下での利用などを意見交換
地連速記官担当者会議・上京団交渉 |
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| 速記官上京団交渉の様子 |
11月29日、オンラインで地連速記官担当者会議を開催しました。
会議では、事前に全国の速記官組合員から集約したアンケートをもとに職場状況を討議するとともに、昇格該当者の確認、「速記官養成再開署名」の確認なども行いました。
電子速記タイプライター官支給から6年が経過し、各地のタイプライターに経年劣化症状が見られるもとで今年度から始まったメンテナンスについては、連絡態勢の不備、また、メンテナンスそのものの不具合もあった点など、全国の状況を出し合いました。今年度のメンテナンスは速記官が3人以上いる庁で実施されていますが、来年度は速記官が3人若しくは2人配置の庁、つまり、その庁にタイプライターが2台しか配置されていない庁において実施されます。メンテナンス中の代替機配置は必須である点、そのための調整を最高裁に確実に実行させるよう求めていく点を確認しました。全国96台の配布で最高裁は電子速記タイプライターの購入・配布をストップしましたが、追加購入、タイプの計画的な更新を求めていくという点も意思統一しました。
また、今後のデジタル化で予定されているGSS環境下においても、速記録作成業務に必須である自動反訳システム「はやとくん」を支障なく使用できるよう求めていく点も確認しました。
全司法の存在がますます重要に
12月15日に行った最高裁交渉では、会議で確認した全国の意見をもとに、電子速記タイプライターのメンテナンスに関する要求や、追加購入、更新の要求をはじめ、名前や庁名を挙げての昇格要求、「はやとくん」をはじめ執務環境に関する要求、研修の在り方、特定健康診断の充実など、具体的な要求を最高裁にぶつけました。
速記官養成停止から28年がたち、全国の地高裁には速記官無配置庁も増えています。現在全国で速記官配置がある31庁のうち、1〜3人配置の少人数庁が22庁です。各庁に少人数で散らばっている速記官の声を吸い上げ、執務環境を守り改善していくため、全司法の存在がますます重要になっていくことを確信した担当者会議と最高裁交渉でした。
(速記官担当)
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26年春闘、対話と学びあいで要求と組織の前進を!
国公労連第165回拡大中央委員会 |
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委員会の様子。議長は村上さん
12月20日、国公労連の2026年春闘方針などを決める第165回拡大中央委員会が東京都内で開催されました。
全体の参加は55名。全司法からは中矢委員長、村上中執の2名の中央委員に加えて、オブザーバー1名と、各ブロック・県国公から9名が特別中央委員として参加し、村上中執は議長を務めました。
開会あいさつで浅野国公労連委員長は「民間委託や民営化によって後退させられてきた公共の役割は、たたかいによって取り戻すことができる。『公共の再生』を掲げ、職場と地域から世論を広げていくことが重要だ。26春闘は賃上げを継続できるか労働者のいのちと生活を守るための正念場のたたかいになる」と述べ、「対話と学びあいを通じて組織強化・拡大と要求実現を連動させ、『逆行』する政治の流れを『逆転』させ、官民共同で国民本位の社会を実現していこう」と呼びかけました。
全ての課題を組織拡大・強化につなげて
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| 全司法から参加したみなさん |
討論を踏まえた総括答弁で笠松国公労連書記長は、賃金はじめ生活改善、労働条件に関する様々な制度を職場実態に見合ったものにさせていくこと、ブロック・県国公の支援に伴走型でとりくむこと等を答弁し、全ての課題を組織拡大・強化につなげていく」と述べて、@すべての労働者の賃上げ・底上げと良質な雇用の確保、A国民本位の行財政・司法の確立、B職場で働くすべての仲間を視野に入れた組織拡大・強化などを柱とする春闘方針を全会一致で決定しました。
発言では、中矢委員長が「対話」の重要性について発言しました。また、中国ブロックの藤原昌和さん(広島支部)がブロックよる県国公支援について発言し、岩手県国公の岩崎保さん(岩手支部)は非常勤の処遇改善と組織化について発言しました。
統一要求案は、アンケート結果にもとづいて、正職員が平均2万8千円以上(6・5%)、非常勤職員は時給200円以上をはじめ、高齢層の給与減額をやめ、生活と労働の実態に見合う賃金水準に改善することなどを提案しました。
「自分事」にしていくための運動を!
中矢委員長の発言 要旨
春闘の中心課題は「賃上げ」です。「生活改善につながる」賃上げを実現するためには、引き続く大幅賃上げだけでは不十分です。消費税減税をはじめとした物価対策で政治の責任を果たさせること、加えて、今年は賃上げと表裏の関係にある労働時間問題、労働基準法改悪を許さない課題を中心に据えてたたかうことが重要だと考えています。
賃上げは労働組合がたたかわなければ実現しない課題ですから、春闘を通じて労働組合の意義や役割を職場に広げ、組織強化・拡大に結び付けたいところです。しかし、昨年、今年と大幅な賃上げを実現したのに組織強化・拡大につながっていません。それはなぜでしょうか?
そもそも物価上昇に追いつかない不十分な額だから、宣伝が不足しているから…それもあるかと思いますが、最大の課題は多くの人たちにとって、それが「自分事」ではないからではないでしょうか?
単純な「無関心」ではなく「誰かがやってくれる」という感じ、つまり「自分事」ではないのです。これは政治や社会の在り方としても、危険な兆候だと思います。
対話は「自分事」にするツール
組織強化・拡大も同じだと思います。「組合員が増えるといいな」とは思うけれど、「自分事」ではなくて「誰かが頑張るだろう」あるいは「誰か頑張らない」から組合員が増えない。そんな空気はないでしょうか?
では、どうやって「自分事」にするのか。その方法がまさに「対話」なのではないかと思います。尋ねられたり、考えをまとめたり、口に出してみることを通して「自分事」になっていくのではないでしょうか?だから、働きかける側は、自分が話すことより、むしろ、対話の相手が「自分事」として考える時間やきっかけを作ることこそが大事なのではないかと考えています。春闘の行動の一つひとつを、そうした意識を持ってとりくんでいきたいと思います。
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今につながる運動を振り返り、
国公労働運動の「これから」を考える機会に
国公労連60周年記念シンポジウム |
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12月21日、拡大中央委員会に引き続く日程で、国公労連結成50周年記念シンポジウム「国公労働運動の歴史と展望〜新自由主義とのたたかいを通じて〜」が開催されました。
「失われた30年」と呼ばれる今の社会状況を作り出した「新自由主義」とたたかってきた1990年代以降の国公労連の運動を振り返り、「これから」に繋ぐ機会になりました。
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| シンポジストのみなさん |
国民の権利を守る役割に期待
シンポジストは国公労連の三役を経験した3名が登壇しました。
元書記長の小田川義和さんは、湾岸戦争(1991年)を契機にアメリカに軍事的貢献を求められるようになった経緯やバブル崩壊の後始末から説き起こして、1990年代以降の「行政改革」が政権への権力集中を生み出し、国民の声を行政ルートから政策に反映させることが難しくなるとともに、公務員制度に大きな影響を与えたことを指摘。行政民主化運動を続けることが重要だと述べました。
元委員長の宮垣忠さんは、自身が委員長としてとりくんだ賃下げ違憲訴訟(2012年〜)や社保庁職員解雇撤回闘争(2010年〜)などを振り返るとともに、労働相談や労働審判員(神奈川地裁川崎支部)としての経験から「すべての働く人の雇用と労働条件の改善のために、引き続き、国民の権利を守る役割を担ってほしい」と国公労連への期待を語りました。
元副委員長(元女性協議長)の伍淑子さんは、労働基準法の「女子保護規定」撤廃(1999年施行)に向けて公務職場の女性の働き方を告発したとりくみや、育児休業・介護休暇を制度化させた運動に触れて、ジェンダー平等の実現に向けた労働組合の役割を語りました。
これらのシンポジストの発言を聞いてコメントする青年組合員代表の一人として、全司法福岡支部の小田春香さんが登壇して発言しました。
小田さんの発言(要旨)
社会を良くする展望を学びながら、あきらめることなく
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| 発言する小田さん |
私はバブル崩壊後の「失われた30年」の中で育ち、「お金がないと悲惨な最期を迎える」というニュースに恐怖を感じた経験があります。そのため、かつては「自己責任」という考えに飲み込まれ、自分が負け組にならないよう競争に勝つことばかりを考えて生きてきました。
しかし、一人の力で勝ち抜こうとする生き方はとても脆いものです。自分だけが助かろうとするのではなく、仲間と手を取り合う健全なたたかい方をしていきたいと考えています。
仕事についても、大きな変化がありました。かつては、裁判所書記官としての重圧から、毎日辞めたいと思っていた時期があります。そんな私を変えてくれたのは、国公労連の活動で出会った仲間たちの姿です。仕事に誇りを持ち、「国民のために良い仕事をしたい」と熱く語る姿を見て、私の意識は「やらなければならない」という義務感から、「自分に何ができるか」という主体的な視点へと変わりました。その結果、仕事に楽しさを感じられるようになり、精神的なつらさからも解放されたのです。
資本主義社会では、忙しさや成果主義によって仕事への志が奪われがちです。しかし、労働組合の運動に参加し、みんなで考えることは、奪われた誇りを取り戻すことにつながるのだと実感しています。
私たちの世代は希望を持つことが苦手ですが、だからこそ、国公労連に結集し、「そもそも私たちの仕事は何のためにあるのか」という本質を問い続けたいと思います。先輩方から社会を良くするための展望を学びながら、あきらめることなく運動を継承していくためにがんばりたいと思います。
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