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  トップページ > 全司法新聞 > 2026年1月 > 2461号
 
 
全司法新聞
 
2026年 新年あけましておめでとうございます
職場は変わるし、変えられる
 

 2026年は裁判所にとって変化の年になりそうです。
 4月からは離婚後共同親権の導入を含む改正民法(家族法)が施行され、5月からは民事裁判デジタル化の「フェーズ3」が始まります。2027年3月までに施行される刑事裁判デジタル化の検討も本格化していきます。
 大きな変化を迎える裁判所ですが、そこに全司法があることで、情勢に流されるように「変えられていく」のではなく、自分たちの声で「変えていく」ことができます。
 組合員みんなで力を合わせていきましょう!


鳥取支部のみなさん
 
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新春対談 「対話と学び合い」への転換で組織率は飛躍的に変わる
秋山全労連議長×井上書記長
 

ストライキを「自分事」としてたたかう

井上 全労連は今、どういう課題にとりくんでいますか?
秋山 この春闘で言えば、まずは何と言っても賃上げです。生活改善につながる賃上げを勝ち取ろうと思ったら、単に交渉するだけではなくて、ストライキを構えて交渉しなければ勝ち取れないだろうと思います。
 要求を実現するためにどうすればいいのか職場で議論して、やっぱりストライキを構えないといけないという雰囲気が全体では広まってきています。それをもう一歩前に進められるようにしたいと思います。
井上 日本では長年、「ストライキ」という言葉はあっても、過去のものみたいになっていましたよね。
秋山 そういう時期が長く続きましたが、例えば、医療関係は診療報酬が上がらなくて、病院の経営が悪化してボーナスもカットされるような状態で、医療現場の人材不足が深刻になって、これではダメだということでストライキに立ち上がっている労働組合が増えています。
井上 他では賃金が上がっている中で、自分たちだけ賃上げが進まない状況がわかると、今までとは違った運動をやらないといけないということになりますね。
秋山 スシローの労働組合では、周りの店舗よりも賃金が低いということから、職場で話し合って、たたかわないと改善しない、それでも動かなかったらストライキをやるしかないということになり、ストライキを構える中で組合員も増えて、時給60円の賃上げを勝ち取ったという実例がありました。「誰かがやってくれる」ではなく、「自分の問題」になることが大事ですね。
井上 まさに「自分事」ですね。そして、周りと比較をして「おかしい」と思うことが要求のきっかけになりますね。
秋山 以前、全日空の労働組合の方から、他の会社と比べて、お昼に出る弁当のおかずに違いがあるのを改善させるというとりくみを伺いました。そうしたわかりやすさが大事です。その意味からも「これだけ頑張っているのに、こんな生活しかできない」というところから、賃金を最大の要求として運動を進めていきたいと思います。

井上書記長
最低賃金は公務員賃金ともつながっている

井上 賃金改善のとりくみでは最低賃金が重要だと思っています。県境で一つ川を渡ると賃金が違う、一駅で100円違うとか、そういう状況で大都市に人が流れていく。全司法は「春闘で地域に足を踏み出そう」と提起していますが、その際、自分たちの地域の賃金を上げていこうといった運動であれば、足を踏み出しやすいんじゃないかなと思っています。
秋山 最賃では、この春闘で「今すぐ1700円、目指せ2000円」という要求を打ち出すのですが、この金額は、全国の組合員に生計費調査に協力をしてもらって、25歳単身の労働者が一般的な労働時間を働いた時に普通に暮らせるだけの金額として出したもので、それを最低水準として保障させていくことが重要です。これは、初任給の問題とも関係してきます。
 人事院が昨年の勧告で「月例給与水準が地域別最低賃金に相当する額を下回る場合に、その差額を補填するための手当を措置」することにしたのは、その反映です。最賃の課題は公務と無関係ではありません。
井上 ここ2年間、人事院勧告で若手の賃金があれだけ引き上げられたのは、人事院が最賃もにらんでいるということですね。
秋山 間違いなくそういうことです。私が国公労連にいた時から「1級1号俸が低すぎる」という主張をしてきました。現在、1級1号俸に該当する職員はいないのですが、制度としてある以上、実は意味があって、非常勤の賃金の基礎になっていたり、様々なところで「基準」とされている数字です。

労働時間を短縮することの意義は大きい
秋山正臣全労連議長

井上 政府は今、労働基準法を変えて労働時間を長くしようとしていますね。全労連が要求しているように「7時間働けば普通の賃金が得られる」ようにしないといけないと思いますし、そもそも最低基準を定めた労働基準法の規制緩和というのはあり得ないと思うのですが、一方で「労働時間を延ばして賃金を増やす」という議論もあります。この点について、どう反論したらいいでしょうか?
秋山 第一にジェンダー平等の視点です。「働きたいだけ働く」ことは、自分が睡眠時間を削るといった単純な問題ではなくて、家族がいれば、家族との時間を含めて削っていくことになるわけです。男性偏重で女性に家庭責任を押しつけてきた日本社会の考え方が根強くあるんじゃないでしょうか。男女ともに家庭責任を果たせる社会にするためには、労働時間を短くして、どちらも家庭責任を負えるようにしないといけないと思います。
 また、いろんな社会活動に参加する時間も保障する必要があります。
井上 「社会活動」って、最近ちょっと聞かなくなってきていますよね。
秋山 例えば、地域の活動に住民として参加することができなければダメですよね。災害があった時に、近所の人とつきあいがなかったら、助け合うこともできません。政府は「共助」ということを言いますが、地域社会でのつながりがなく、仕事ばかりしていたら、そんなことができるわけがありません。
井上 まさにそのとおりですね。労働組合の活動に参加する時間も必要ですし、8時間(全労連の要求では7時間)働いて、8時間睡眠をとって、それ以外の時間を自分のために使うことができれば、もっと社会は豊かになっていくんじゃないかなと思います。

若い人に参加してもらって一緒に学び合う

井上 組織拡大の点についてはいかがですか?
秋山 全労連が提起しているのは「対話と学び合い」です。これは徐々に浸透してきて、良い方向に向かっていると思います。「対話」は一方的に話をするのではなく、むしろ「聞く」ことを中心に、相手から聞きとって要求にすることです。対話の仕方には、もう少し作戦を練る必要があると思っていますが、ここが転換できれば、飛躍的に労働組合の組織率は変わると思っています。
 対話のきっかけになるのは仕事のことです。職業人としてのプライドとか誇りとか、生きがいにつながる部分で、職種・業種によって違いがあると思っています。
井上 国家公務員の場合はどうですか?
秋山 例えば、仕事を通じて誰かを助けたいけれど、法律の壁があって思うようにいかないというがあれば、きっかけになると思います。あと、職場でみんなの関心が強いのは、人事や異動の問題ではないでしょうか。人材確保の課題もあって、広域異動は本人の同意が必要だという企業が増えていたり、法務省や労働省でも異動政策の見直しの動きがあります。
井上 裁判所は大量退職期を迎えていて、労働組合活動の担い手をふやすことも課題になっています。
秋山 全労連では「レバカレ」(10月に開催した対話と学び合いのための集会)の共有を課題にしていますが、何かのとりくみがあった時に、役員は自分が参加するのではなく、若い人に参加してもらう。そして、帰ってきたらそれを集会でもLINEでもいいので報告してもらって、共有し、それに基づいて一緒に学び合うことです。知識や経験を持ったベテラン役員がいるうちに、ぜひ、それをやって欲しいと思います。

 
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繋ぐ、広げる、職場を変える〜委員長から新年のあいさつ〜
 

 新年おめでとうございます。
 職場ではデジタル化が急ピッチですすめられています。課題も多くありますが、それを丁寧に拾い上げて、一つずつ改善を求めていくことで、職員の負担が小さくなり、司法アクセスの向上につながるよう、職員の労働条件改善と「国民のための裁判所」実現を組織目的に掲げる労働組合として、とりくみをすすめていきたいと思います。
 昨年10月のTUNAGFor Zenshiho(全司法版ツナグ)の導入で、全司法の活動もデジタル化に足を踏み出しました。『全司法新聞』はこれからも発行を続けますが、2月以降は紙による印刷・配付からTUNAGを利用した電子版に切り替える予定であり、本号が「紙で発行する最後の新年号」ということになります。
 TUNAGの導入以来、「ツナグ」というネーミングについて「なるほど、そうだなぁ…」と思うことが多くなりました。まだまだ初歩的な到達ですが、全国の組合員と、リアルタイムで、双方向でつながるというのは、これからの時代も見据えて、全司法の活動にとって新たな可能性を作り出すものだと思います。考えてみれば、そもそも労働組合は、人と人を「繋ぐ」ことで自分たちの働く権利を守り、一人ではできないことをやるための組織です。その手段は時代によって変わっても、「繋ぐ」ことは変わらずエネルギーを作り出すことだと思います。
 繋ぐとともに大事な動きが「広げる」ということです。個人から職場に、支部に、全国に、全司法から国公組織に、民間も含めた労働組合に、さらに要求が一致する個人や団体に…、労働組合は、ヨコに広げていくことで大きなエネルギーを作り出すことができます。年明けから始まる春闘はまさに、そういうエネルギーに依拠をして賃上げをはじめとする労働条件を改善する運動として発展してきました。組合員を増やすことも、そうした「広げる」活動の一つです。
 繋げて、広げて、生み出されたエネルギーは職場を変えることができます。直近の職場を見ても、電子レンジの全国的な整備や15分単位の年休取得、スペック不足のパソコンへの対応など、TUNAGによる発信も活用して、労働組合のエネルギーが職場を変える実例をみなさんに直接、見ていただくことができたと思います。そうしたエネルギーに依拠すれば、社会も変えることができると、私は考えています。
 さらに多くの人たちと繋がり、広げて、職場を変えることを誓い合って、新しい年を祝いたいと思います。

 
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