おいでやす全司法
プライバシーポリシー  
CONTENTS 全司法紹介 司法制度改革 少年法関連 全司法大運動 全司法新聞 声明・決議・資料 リンク サイトマップ
  トップページ > 全司法新聞 > 2025年12月 > 2460号
 
 
全司法新聞
 
民事訴訟担当の部署を念頭に職員端末を改善、
人員については「内部努力」を強調
2025年秋年期・人事局長交渉
 

 全司法本部は12月8日、最高裁板津人事局長と秋季年末闘争期のまとめとなる交渉を実施しました。民事部門の職員端末の改善をはじめデジタル化関連での要求前進があったほか、改めて職場実態にもとづく要求を主張する機会となりました。
 また、交渉に先立って「裁判所の人的・物的充実を求める職場決議」(全54支部から180本を集約)を提出し、離婚後共同親権の導入や裁判手続のデジタル化を見据えて、各職場の人的体制整備を強く求めました。

全国の職場決議180本を提出

人員

最高裁と現場の認識のかい離が明らかに

 次年度の人員について「国家公務員を巡る情勢や、長期的に見れば、成年後見関係事件など一部の事件を除いて、各種事件がおおむね減少又は横ばいで推移するなど、全体としては落ち着いているという事件数の動向等の下で、令和8年度の増員をめぐる状況は、より一層厳しいものとなっている」との認識を示し、「幅広く国民の理解を得ていくためには、事務の合理化、効率化等による内部努力が不可欠である」と回答しました。
 離婚後共同親権の導入やデジタル化等を見据えた人的体制整備を求めたのに対して、家裁調査官について「10人を増員することで、改正家族法施行後における適切な運用による安定的な事件処理を確保し、引き続き家裁調査官として求められる役割を果たすことができると判断した」と述べ、裁判官及び書記官については「これまでの増員分を含む現有人員を有効に活用することによって、適正かつ迅速な事件処理を行うことができるものと判断し」たと回答しました。
 これらの回答を受けて、職場から切実な増員要求が出されている一方で、最高裁が来年度予算の概算要求で54人の減員要求を行っていることを指摘し、認識のかい離を埋めるために職場実態をきめ細かく見て、必要な対策をとるよう強く主張しました。

改正民法施行に向けて

調査官関与の場面について考え方を示す

 共同親権に関する事件について「家裁調査官を関与させるかどうかは、個別の事案ごとの調停委員会の判断にはなるが、一般論としていえば、『共同親権』を求める事件においては、例えば、父母が共同親権か単独親権かをめぐって対立している場合、その紛争解決にあたって、子と父母の関係性や子の意向等を確認する必要がある局面において、家裁調査官が専門性を発揮して関与すべき場面とされることが多いものと考えられる」との考え方を示しました。また、研修等については「心理学の視点から、DVに関して被害者・加害者の心理や行動メカニズム、子に与える影響等をテーマとした外部講師による講演を実施した」こと等を明らかにしました。

労働時間

勤務時間管理システム導入を踏まえ指導を徹底

 「令和8年1月に、全国の裁判所で勤務時間管理システムが導入されることを踏まえ、勤務時間管理システムで把握できる勤務時間や客観的把握時間を管理職員においてそれぞれ確認し、その差が大きい場合などは必要に応じて当該職員に事情を確認するなどして、適切な超過勤務時間の管理を行うよう指導を徹底していきたい」と回答しました。
 また、テレワークについて「行政府省の動向、裁判所における組織の特殊性や職務の特性等を踏まえて引き続き検討していくことになるが、必要に応じて職員や職員団体の意見を聞くなど、適切かつ誠実に対応していきたい」と回答しました。

健康管理・ハラスメント

カスハラで組織的対応を要求

 パワー・ハラスメント等については「裁判官を含む職員全般の意識の啓発及び知識の向上に努めていきたい」との姿勢を示しました。
 カスタマー・ハラスメントについては「組織として毅然とした対応も求められること等の認識を広げていくことが重要であることから、下級裁に対し、人事院が作成したカスタマー・ハラスメント対策に係るポスターを周知するとともに、各庁の事務フローを踏まえた対応が行われるよう改めて指示しており、今後も適切な対応が行われるよう、下級裁を指導していきたい」と回答しました。これを受けて、とりわけ、知識・経験が十分でない若手職員にとって当事者対応が大きな負担になっていることを指摘し、来庁者向けポスターの掲示をはじめ組織的対応を強く求めました。また、ナンバーディスプレイや録音機能付き電話について「庁の実情を踏まえた整備の必要性が検討されているものと承知しているが、意見や要望があれば、職制を通じて述べてもらって差し支えない」と回答したことを受けて、カスハラが社会問題になっているもとで、限られた予算の中でも、それらが整備の対象となることを下級裁に示すよう求めました。

デジタル化

民事担当部署を念頭に職員端末の対策を検討

 RoootSについて「(職員団体の)要望も踏まえ、所要の改修を行った。12月4日より改修後の機能を利用いただいている」と回答しました。
 また、職員端末のスペック不足が職場で問題になり、追及を強めてきましたが、これについて「特に端末に大きな負荷のかかる民事訴訟担当の部署や職員を念頭に、その実情を踏まえ、少しでも円滑な事務処理が可能となるような対策を検討している」と回答しました。スペック不足は民事だけではありませんが、前進回答と評価できます。

給与等支給認定事務の集約

改めて全司法の立場や問題点を指摘

 「給与等支給認定事務の集約は、当局の権限と責任において行うべきものであるが、勤務条件やこれに関する事項についてはその意見を聴取するなど誠実に対応する姿勢に変わりはない」と回答しました。これを受けて、改めて、全司法が反対の立場をとっていることを主張するとともに、諸手当を含む賃金が労働条件の最たるものであることや、地方で勤務する最高裁職員を作ることに伴う対応関係などを指摘しました。

書記官

送達費用手数料化のフローを示す

 提出書面の電子化について「基本的には各庁に整備されている複合機を利用して行うことを想定しているが、改正法適用事件にかかる郵便送達報告書その他改正法施行後に書面提出される書面の見込数等を踏まえて、一部の庁にドキュメントスキャナを導入する」と回答しました。
 また、5月のフェーズ3施行で送達費用の手数料化が行われることに関わって「送達費用の手数料化により、送達は国費を用いて実施することになるため、基本的には書記官における郵便料や郵便切手の納付指示、管理等が不要となる」「郵便料が当事者負担である旧法事件は事件終局まで残存するのであるから、当事者負担である旧法事件と国費負担である新法事件の郵便を区別することになる。」「手数料の納付等に関する事務や送達事務については、最高裁においてマニュアルあるいは執務の参考となる資料等を示せるよう検討及び準備を進めている」と回答しました。

各種課職の題

行(二)・医療職
パソコン配布を検討している


 事務官の処遇改善を求めたのに対し「書記官事務の経験がないということだけで事務官の昇進の途を奪うようなことは考えていない」と従前回答を維持しました。回答を受けて、処遇改善とあわせて研修制度の充実や執務資料の整備を重ねて要求しました。
 行(二)職および医療職の非常勤職員にパソコンについて「配布することを検討している。詳細については、説明できる段階になれば説明したい」と回答しました。
 家裁調査官、速記官、法廷警備員等については、従前回答にとどまりました。

宿直

日刑訴法改正踏まえた対応を求める

 令状センター構想について「令和7年5月16日に成立した刑事訴訟法等の改正法の内容及び国会での審議の経過等を踏まえつつ、令状等の事務を令状主義の原則に則って適正かつ迅速に処理するという観点から、引き続き多角的かつ慎重に検討していくとともに、関係機関との協議についても継続して行っていく予定である」と回答しました。
 回答を受けて、職員の負担が増していることを重ねて主張し、令状センターの実現とともに令状の電子請求・発付が可能になったことを踏まえて、支部の宿日直や連絡員体制の廃止を求めました。

昇格

新たな類型の専門職発令拡大を求める

 次年度の級別定数改定について「職員の処遇の維持・改善に向けて、引き続き最大限の努力を続けていきたい」と回答しました。
 事務官の処遇で最重点としている「新たな類型の専門職」発令の拡大については「要望として承る」と回答するにとどまったことから、1996年の参事官室提言で専門職の活用という考え方が示され、2020年の「今後の方向性」では「専門性の付与と活用」という考え方が示されたという、新たな類型の専門職の設置経過を踏まえ、現に司法行政事務を担っている事務官の仕事ぶりをきめ細かく見て、発令を拡大するよう強く求めました。

 
ページの先頭へ
 
全司法2026年春闘方針のポイント
 
 年が明けると2026年春闘が始まります。全司法の春闘方針は1月17日に開催する第86回中央委員会で確立しますが、方針案のポイントは次のとおりです。

春闘とはなにか

 労働組合は、毎年、春に賃上げをはじめとした労働条件を改善するために使用者と交渉を行います。労働組合が企業別に組織されている日本の特徴から、企業内での労使交渉だけで労働条件改善を勝ち取ることは難しく、労働者の生活改善を実現するためには、多くの労働組合が統一した要求を掲げ、統一した運動を作っていくことが重要です。
 国家公務員の賃金は人事院勧告によって決まる仕組みになっていますが、官民比較のために人事院が調査する民間給与は春闘の結果を反映させたものになります。そうしたことから、春闘で民間賃金が改善されることは、私たちの賃金改善に直接つながるものになります。
 さらには、自営業や中小業者を含め、一致する要求に基づいて国民的な運動を作っていくことで、労働組合の社会的影響力が高まり、要求前進の展望が拓けます。それが春闘であり、「国民春闘」としてとりくむことが重要だと言われる理由です。
 一方、使用者側も日本経団連などが中心となって統一した春闘対策(「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)など)を確立して交渉に臨むとともに、財界に有利な政策づくりにむけて、次年度予算もにらみながら、通常国会にむけて政府に対する様々な動きを強めます。国民生活を改善するためには、それに対抗する労働者・国民の団結した運動が必要不可欠であり、春闘はそうしたたたかいとしても大きな意義を持つものです。

みんなが「行動する」春闘に

 2026年春闘は「対話」と「学習」を重視し、声をかけ合いながら春闘のとりくみに参加していくことでみんなが「行動する」春闘にすることをめざします。
 全司法は、2024年7月に開催した第81回定期大会において、「仲間を増やす」「参加する人を増やす」「担い手を増やす」という3つのとりくみに全力をあげて「みんなで活動する組織」に変えていくという「新たな組織方針」を確立しています。
 また、先に開催した第82回定期大会では、「373人の組合員拡大」を全司法の組織方針として確認しました。「373人の組合員拡大」は単なる目標ではなく、財政基盤を確立するために「やり遂げなければならない」ミッションです。組合員を拡大して大会を迎えられるよう、春闘(2〜3月)期から全ての地連・支部が全力をあげてとりくむことが求められます。
 こうしたとりくみをすすめていくためには、対象となる組合員に声をかけていくことが欠かせません。デジタル化が急速にすすめられているもとで、日常的に職場で声をかけ合う場面が少なくなってきていることも踏まえ、あらゆる場面で「対話」を重視します。

2026年春闘の重点課題

 2026年春闘においては、次のとりくみを特に重視します。
(1)生活改善につながる賃上げを…「行動」することで賃上げを勝ちとろう!
 物価上昇により、名目賃金が上がっていても、物価の上昇率がそれを上回っているため、実質賃金は低下し続けています。労働者・国民の生活はますます苦しくなっていることから、生活改善につながる賃上げが国民的な課題となっています。
 2026年春闘では、すべての労働者の賃上げを求めて地域で行われる運動に参加する(「行動」する)ことが求められます。
(2)裁判所の人的・物的充実を…全司法大運動で職場実態を広くアピールしよう!
 4月1日に改正民法(離婚後共同親権の導入等)が施行され、同年5月までに改正民事訴訟法が全面施行(フェーズ3に移行)されます。また、2027年3月までに改正刑事訴訟法が一部施行(刑事手続のデジタル化)されます。これらの法施行に対応するためには裁判所の人的・物的充実が欠かせません。
 2026年春闘では、裁判所の職場実態を内外にアピールし、増員に対する最高裁の消極的な姿勢を変えさせるとりくみが求められます。全司法大運動のとりくみを軸に「地域に足を踏み出す」(「行動」する)ことを重視します。
(3)TUNAG「登録」と組合員拡大を一体で…仲間を増やし、つながりを強めよう!
 2月2日の週を中心に、3月12日までの間に全ての職場で職場会を実施します。
 職場会の実施は、「参加する人を増やす」「担い手を増やす」とりくみの実践であるとともに、「仲間を増やす」ためのとりくみについて職場段階で意思統一をはかる機会でもあります。「373人の組合員拡大」を達成するためには職場の未加入者の加入拡大が欠かせないことから、職場会を通じて職場の組合員にも協力を求めながら、みんなで「行動する」ことで組合員拡大のとりくみを加速させます。
 TUNAGは3月末までに組合員の「全員登録」を目標にとりくみをすすめ、楽しく、元気になれるつながりを全国の仲間で作ります。また、そうしたつながりをアピールすることで未加入者の加入拡大や2026年4月期新採用職員の早期加入につなげます。

 
ページの先頭へ
 
新たな類型の専門職から課専門職への登用も選択肢に
地連事務官担当者会議+上京団交渉
 

 11月30日〜12月1日、地連事務官担当者会議および上京団交渉を行いました。同会議では、@人員および超過勤務の実態、Aデジタル化への対応、B職員制度、C旅費・庁費、D昇格を中心に議論しました。

事務官担当者会議の参加者
デジタル化に向けた整備で業務が増大

 人員および超過勤務の実態については、デジタル化がすすむ中、会計課ではデジタル化に関連する物品の整備や受入業務が増大しており、訟廷でもネットワーク回線敷設工事やGSS導入にかかる調査などの業務が大きな負担となっている実態が報告されました。また、病休者や育休取得者の増加、若年・ベテランともに年度途中の離職などが多く、欠員補充がなされないため、応援態勢等を含めて繁忙に拍車をかける状況になっています。このほか、給与等支給認定事務の集約についても、適正な認定事務が行われるのか、支給時期が遅れるのではないかといった懸念も示されたところです。
 デジタル化への対応については、職員貸与パソコンの基本スペックが低いため、ウインドウズ11へのアップグレード等によって一つひとつの動作が遅くなり、作業効率が非常に悪くなっていることのほか、ネットスコープの不具合により業務に支障が生じていること等が指摘されました。また、マイクロソフト365の導入に伴い、情報共有や決裁事務にチームズやチャットが利用されているものの、ポータル上内で情報検索に時間がかかることとあわせて決裁方法等について各庁でバラつきがあり、その改善が求められます。

専門職ポストの拡大で処遇改善と多様な働き方を

 職員制度に関して、訟廷管理係長や新たな類型の専門職ポストが整備される中、これらのポストを拡大させていく必要性に加え、多様な働き方からラインポストによらない昇進に応えるため、新たな類型の専門職から課専門職への登用という選択肢を要求していくことが確認されました。
 旅費・庁費の課題では、2027年末をもって蛍光灯が製造されなくなることを踏まえ、照明設備の段階的なLED化を図らせることも議論されました。
 交渉における当局回答は、全体をとおして従前の回答が多かったものの、最高裁に対しては、繁忙状況含め『職場が困っていること』に正面から向き合わせ、改善に向けた追及を行うことはできました。
 引き続き、事務官運動へのご支援をお願いします。

 
ページの先頭へ
 
2026年春闘に向けた要求アンケートのまとめ
 

賃金要求額が高いのは若年層と60歳超え職員

 2026年春闘に向けて「国公労連2026年要求組織アンケート」にとりくみ、37支部321名分を集約しました。
 賃上げ要求額(加重平均)は全体で2万5959円となっているものの、年齢層別で見ると、30〜39歳職員が2万9783円、定年延長職員が3万5000円、再任用職員が3万3500円と全体の加重平均を上回る要求額となっています。若年層と60歳超え職員の賃金が低く抑えられていることがうかがえる結果となっています。
 生活実感では、「かなり苦しい」「やや苦しい」の回答が47・9%(昨年:48・8%)で高止まりしており、物価上昇の影響を色濃く示す結果となっています。年齢層別では、生活が「苦しい」との回答比率は、定年延長職員が85・7%でもっとも高く、再任用職員が60・0%、50歳代51・4%と続いています。

「トラブル、カスハラが増えている」が急浮上

 最近の職場状況で気になるもの(複数回答)としては、第1に「業務量の増加や職員の削減で、仕事が忙しくなっている」が58.3%(昨年:53・4%)、第2に「メンタル疾患などの長期病休者が増えている」が43・9%(昨年:39・7%)、第3に「窓口業務などでのトラブル、カスハラが増えている」が22・2%(昨年は12・9%で第5位)となっており、昨年は「職場の仲間とのコミュニケーションが不足している」が20・1%で第3位となっていましたが、「窓口業務などでのトラブル、カスハラが増えている」が急浮上しています。
 労働組合が重視すべき活動(複数回答)としては、第1に「職員の増員」が67・4%(昨年:56・2%)、第2に「賃金・退職手当等の改善」が60・0%(昨年:57・5%)と突出して高く、国民本位の行財政・司法を実現するために重視すべき課題(複数回答)としても、第1に「増員による人的体制の強化など、公務・公共サービスの拡充」が82・1%(昨年:71・0%)、第2に「賃金引上げなどの労働条件の改善」が67・4%(昨年:66・0%)の順に突出して回答が多くなっています。

非常勤は「雇用」への不安が60%超え

 同時にとりくんだ「非正規で働く仲間の要求アンケート」は、6支部20名分を集約しました。
 生活実感では、「かなり苦しい」「やや苦しい」が47・3%となっており、こうした生活実態を踏まえた時間給の賃上げ要求額は加重平均で177円となっています。
 仕事や職場で不満・不安に感じること(複数回答)としては、第1に「雇用契約を更新されないのではないか」が63・1%(昨年:83・3%)、第2に「職場や仕事がなくなるのではないか」が31・5%(昨年: 33・3%)と、雇用に対する不安が多くなっています。

 
ページの先頭へ