おいでやす全司法
プライバシーポリシー  
CONTENTS 全司法紹介 司法制度改革 少年法関連 全司法大運動 全司法新聞 声明・決議・資料 リンク サイトマップ
  トップページ > 全司法新聞 > 2025年9月 > 2453号
 
 
全司法新聞
 
被爆80年 平和への願いを広島でつなぐ
 
一つ一つに平和の祈りが込められた千羽鶴を献納

村上青年協議長のレポート

 
 8月3日から9日、広島市および長崎市で原水爆禁止2025年世界大会が開催されました。
 全司法からは、村上青年協議長が4日に「被爆体験の継承と未来―被爆80年広島のつどい」、5日に「青年のひろば」、6日に「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」と「ヒロシマデー集会」に参加し、平和記念公園に折り鶴の献納も行いました。

小学生が必死に平和を訴える

小学生が歌で平和を訴える
 
静寂の中、心から平和を願う平和祈念式
 
 4日は「被爆体験の継承と未来―被爆80年広島のつどい」に参加しました。被爆者による証言を通じて、原爆の恐ろしさと平和の尊さを改めて実感しました。
 特に印象に残っているのは、韓国からご参加されていた朴貞順(パク・ジョンスン)さんの証言です。朴さんは10歳の時、爆心地から2キロメートルの打越町で被爆されました。被爆後の町は、泣き叫び走り回る人、背中いっぱいに傷を負い血を流しながら苦しむ人であふれ、「地獄」そのものであった状況について証言されました。
 また、原爆の被害を受けたのは日本人だけではないということも心に残りました。平和の実現のために国としてどう対応するかということと並行して、世界が一つになって核そのものを廃絶していかなければならないと強く感じました。つどいの終盤には、小学生が平和への思いを込めて歌を届けてくれました。被爆者の思いを受け止め、一生懸命に堂々と歌で伝える姿は、強く心を打ちました。
 歌を聞いて気づいたことがあります。それは「継承」とは、今あるものをそのまま後世に受け渡すだけではなく、戦争を経験していない青年の平和への強い思いという新しい力を、被爆者の証言に重ね合わせて受け継いでいくことだということです。これこそが真の継承ではないでしょうか。

世界の青年と一緒に平和を考える

日本を超えて平和を願うピースサイン
 5日は「分科会青年のひろば」に参加しました。
 広島県原爆被害者団体協議会理事長の佐久間邦彦さんから「被爆者としてのお話と訴え」を伺いました。参加者は約250名で、そのうち100名以上が海外からの参加者であり、平和への思いの国際的な広がりを肌で感じました。同時に、日本で生まれ育った私たち自身が発信者となって「被爆の実相」を世界に伝える役割を担っていることを改めて自覚しました。
 分科会では、複数のグループを回り「この大会に参加したきっかけ」を尋ねましたが、多くは「先輩に誘われたから」「会社から案内があったから」という理由でした。
 この事実から学んだのは、参加の目的は何であってもよいということです。参加することで、平和を自分ごととして考えるきっかけになる。だからこそ、役員として参加を呼びかける重要性を再認識しました。最初の一歩を踏み出すには勇気が必要です。「普段、平和について考えていない自分が参加しても…」と気後れする人もいるかもしれませんが、動機は「誘われたから行ってみた」で十分です。まずはその場に行ってみることが大切です。

慰霊碑と原爆ドームの前で、
国公労連吉原さんと共に平和を誓う
小さな一歩が大きな力に。平和大行進、広島へ
国境を越えた青年の交流。
共に学び、共に歩む、平和への道

五感で感じる「被爆地」

 6日の朝は「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式(平和記念式典)」に参列しました。35度を超える猛暑日の中、静かに黙祷を捧げ、多くの人が祈る姿に胸を打たれました。
 画面越しでは得られない現地の空気、声、涙、暑さ、静けさ、五感を通して感じたことは生涯忘れることはなく、深く心に刻まれました。
 平和の実現は特別な人だけが語るものではありません。祈念式の参加者は、老若男女を問わず、少しやんちゃそうな若者の集団、子ども連れの家族、出勤前に職場の仲間と一緒に来ている社会人、制服姿の学生など、多様でした。私の前後に並んでいたご夫婦は埼玉と神戸から来た方々でした。
 広島で過ごした3日間で、私が最も印象に残ったのは「つどい」で歌った小学生の姿です。必死に平和を訴える姿を見ているうちに、とても平和を「他人事」とは言えなくなりました。
 この記事を読んでくださった方が、年に一度でも、平和について考えるきっかけを得られれば嬉しく思います。

 
ページの先頭へ
 
要求課題や組織強化・拡大で幅広く議論
各地連で定期大会
 

 8月から各地連の定期大会が開催されています。東京、近畿、九州(いずれも8月2日)、北海道、東北、中国(23日)の各地連大会の様子をお伝えします。

東京地連

「組合があるから電子レンジが整備された」と伝える仕掛けが必要

 斉藤委員長はあいさつの中で「病気休暇が増えている。パワハラは27件あり、中には裁判官によるパワハラ案件もある」と指摘しました。
 討論では、組織拡大について「今年4月にファーストアタックを実施。こちらの説明が熱くなればなるほどひかれた。新採時だけではなく、その後のフォローも必要」等の発言がありました。
 要求課題では「新たな類型の専門職の発令が福島でなされた。自分たちの支部でも発令を求めていく」「電子レンジの整備について回答を引き出したことは話題になった。組合があるから電子レンジが整備されたと伝える仕掛けが必要」「今年4月から新幹線通勤の特急料金についても手当が支給されることになったが、要件から外れた職員がいた。要件を拡充し、利用しやすい制度に代える必要がある」等の発言がありました。

近畿地連

離婚後共同親権導入・民訴デジタル化の問題点を潰していきたい

 山本書記長は運動方針を提案する中で、離婚後共同親権導入や民事裁判デジタル化の完全施行に向けて「問題点を一つでも多く潰していきたい」と述べました。また、減員のもとで進められている事務の簡素化・効率化について「やるべきことが手抜きになっていないか検討する必要がある」との問題意識を示しました。
 討論では、最低賃金引上げのたたかいで県国公に結集したとりくみの重要性、人員削減を上級庁から押し付けられているとの折衝報告、中高年層の劣悪な処遇や能力が活用されない配置の問題点等について発言がありました。
 組織拡大については、今年度ファーストアタックで成果をあげた支部がある一方、その後の定着やレク活動への参加者の減少などが課題になっていることが共有されました。

九州地連

職場の要求をぶつけていくことで当局の姿勢、受け止めも変わる

 各支部を拠点にオンラインでつなぐサテライト方式で大会が開催されました。
 浦川書記長は「交渉の強化が必要。職場の要求をぶつけていくことで当局の姿勢、受け止めも変わってくる」と提案しました。
 全司法大運動について、「県国公への要請が功を奏した」(熊本)、「中央行動は貴重な経験となっているので今後も積極的に送り出したい」(鹿児島)との発言があり、討論を受けて、地連は「『見える化』につながるとりくみとして、とりくみを強化していこう。家族や他単組への要請を行うことで集約数を伸ばしていこう」と提起しました。
 また、組織拡大について福岡支部から「組合員がいない職場があるので、要求組織と組合員拡大をセットでとりくみたい。朝ビラも有効」との発言がありました。

北海道地連

組織拡大に向けて「できることをやりきることは必要」

 大窪書記長は運動方針の提案で「約3年ぶりに高裁当局との交渉を実施。次年度以降は少なくとも1回以上交渉を実施したい」と述べました。
 組織拡大については、加入呼びかけについて「熱量がありすぎて引かれるかもしれないが、ないのも成功しない」「できることをやりきることは必要だと思う。組合費がかかるということは説明したうえで、メリットを感じてもらうしかない」との発言がありました。また、新採用職員の高裁研修時のガイダンスについて、地連に開催して欲しいとの意見が出され、地連は「実施について、3月の組織会議で意思統一では間に合わない可能性があるため、会議の前倒しも検討したい」と述べました。

東北地連

中高年層のモチベーションが低下していることを危惧

 中川書記長は運動方針の提案の中で「寒冷地手当の改定で大きな影響があった。特に、秋田市、能代市が不支給。つぶさに状況をみて判断すべき。寒冷地手当の常識的な支給を求める」と述べました。
 中高年層の職員が処遇で置き去りになっていることについて「仕事を進めるモチベーションが低下していることを危惧している」との発言があり、若手職員からも「先輩方が今の職場を作ってきた。先輩たちの処遇改善をより前面に押し出すべき」との発言がありました。
 また、米沢支部で冷房設備が故障し、8月5日から21日まで冷房なしで開庁、勤務したことが報告され、地連は総括答弁の中で「冷暖房について、保守点検が進んでいない、予算の制約がある。不具合はどこでも起きる可能性がある。更新の主張を行う必要がある」と述べました。

中国地連

組合員拡大は私たちに課せられた大きなミッション

中国地連大会の様子
 高橋委員長はあいさつの中で「職場では『オープンな議論』が強調されるようになった。全司法の役員が積極的に発言することで、職場を変えていこう」と呼び掛けました。
 山戸書記長は「広島管内では『新たな類型の専門職』が発令されていない。発令を求めていこう」と呼び掛けるとともに、「地連独自行動で集まった組合員からの意見を支部のとりくみでも活かしてもらいたい」と述べました。
 討論では、全司法大運動の署名集約が各支部でも地連全体でも増えたこと、人員削減でギリギリの職員数しか配置されていないため、病休取得者等の応援態勢が負担になっていること、育児休業の代替要員が確保されないこと等、全ての代議員が発言し、討論に参加しました。
 組織拡大については「加入した新採用職員の定着が課題」との認識が共有され、「400人の組合員を拡大するという全国大会の決定は、私たちに課せられた大きなミッション。具体的な方策を考えていこう」と地連が改めて提起しました。

 
ページの先頭へ