全司法青年協は、5月24日から26日にかけて青年協第4回常任委員会を開催し、26日午後には最高裁交渉を行いました。
常任委員会では、総会議案書や次年度予算の検討、交渉準備のための模擬交渉を実施し、交渉では、現場の実情や青年の率直な声を届けることができました。

“自信の裏に努力あり” 青年協、交渉へ出陣!
気軽に読める議案書作りの工夫
今回の常任委員会では、定期総会の役割分担、議案書の構成や内容について活発な議論が行われました。青年にとってハードルが高いと感じがちな議案書ですが、できる限り読みやすくする工夫が随所に凝らされています。
特に、冒頭の「情勢」については「なぜ情勢を記載するのか」という理由を明記する工夫を行いました。これは、冒頭の情勢の意味が分からず、その時点で議案書を読むのをやめてしまう青年を少しでも減らしたいという思いからです。
たとえば、「人員を増やしてほしい」「処遇を改善してほしい」といった要求を掲げる際にも、それが今なぜ必要なのか、どのような背景があるのかを説明するには、社会や職場を取り巻く情勢の理解が欠かせません。
つまり、「情勢」は単なる前置きではなく、要求の根拠や方針の説得力を支える基盤であり、組合として社会とどう向き合うかを示す重要な指針です。こうした意義をかみ砕いて説明し、青年に分かりやすいように伝えることで、職場要求が情勢に影響されることや、世論形成に役立つことを可視化し、より多くの青年に気軽に読まれる議案書づくりを目指しました。
経費削減の決断と使命の両立に向けて
次年度の予算については、主にオルグ費の見直しを行うこととしています。
900万円という大きな予算を預かる立場にあるからこそ、その「使い方」には一層の自覚と責任が求められます。とりわけ、常任委員の地連や支部への派遣にあたっては、「何を届け、何を持ち帰るのか」を改めて意識し、青年協全体でその認識を共有する機会ともなりました。
一方で、青年協としては、これまで以上に「全国の青年のつながりをつくるために何が必要か、何をすべきか」を考え、今の青年協に求められている役割・使命を改めて見つめ直すことも必要であるという認識も共有されました。
反省をバネに、交渉に向き合った一年の集大成
今期最後となる最高裁交渉は、この1年間で最も青年の声を具体的に届けることができた、手応えのある交渉となりました。
前回の交渉で、当局からの質問に準備不足で答えきれなかった反省をふまえ、今回は参加者全員で発言要旨を事前に共有し、想定される質問に備えるための模擬交渉を行いました。結果として、「ここ聞かれるかもね」と事前に話していた点を実際に問われた場面もありましたが、しっかり対応でき、準備の大切さを実感する交渉となりました。とりわけ印象的だったのは、3期目の常任委員からの次のような感想でした。
「3年前、初めて交渉に参加した際に勤務時間管理システムの導入を求めたものの、当時は前向きな回答を得られませんでしたが、今回は、その要求に対して前進が見られる回答があり、粘り強く追及し続けることで変化が生まれるという実感を持てたことが、大きな財産となった」ということでした。
この1年、青年協議長として活動する中で、青年協の役割が全司法にとって本当に大切なものだと、日々の経験を通じて強く実感しています。
青年協は、全国の青年同士のつながりを育む場であると同時に、青年一人ひとりが成長できる場でもあります。常任委員が学習会やレクの企画や運営を担う中で得られる視点や経験、仲間との信頼関係は、何ものにも代えがたい財産になります。
青年が集う場を作り、青年が成長を重ねていける環境を整えるという、二つの重要な役割を担う組織である青年協は、これからもその役割を大切にしながら活動を続けてまいります。
青年協で学んだこと 常任委員の感想から
思いを声に出してみること
青年協での活動を通して、より良い職場を作っていくためには、まずは職員一人一人が日々感じている思いや疑問などを声に出してみることが重要だと実感しました。
ここ最近で言えば、賃上げ、総研でのコピー機の無料化や調査官補へのパソコン貸与、各職場での電子レンジの整備が決まるなど、青年にとっても喜ばしい変化がありましたが、これらも、最初は小さな声から始まった要求です。交渉の場で、より具体的で説得力のある要求を伝えて、要求の実現につなげていくためには、職員一人一人の思いや考えを少しでも多く集めて、実情を把握する必要があります。
青年の皆さんには、是非、職場実態報告や各種アンケート等を通じて、些細なことでも思っていることを教えていただきたいですし、まずはふだんの雑談の中で、身近な人に思っていることを伝えてみることからやってみてほしいと思います!
(東北地区担当 河間美奈穂)
青年たちの熱量は想像以上に大きい
中部地区担当の常任委員を2年間務めました。軽い気持ちで引き受けたものの、役割を果たせるのか不安で、初めての交渉に参加する際、最高裁の入り口で職員証を出す手が震えていたのを今でも覚えています。
職場の問題点や困りごとを調査し、信頼できる仲間と共有・議論した上で要求として整理し、当局にぶつけ、改善を勝ち取るという作業は、決して容易ではありませんでしたが、大変やりがいのある尊いものでした。常任委員会の後にみんなで飲むお酒は、本当においしかったです(笑)。
各地のレクや学習会への派遣を通じ、全国の青年と交流できたことも大きな財産です。全司法にとって組織強化・拡大は喫緊の課題ですが、青年たちの熱量は想像以上に大きく、労働組合の底力を感じ、大変勇気づけられました。
この2年で得た経験値は、普段の仕事にもいきていますし、一社会人としての成長にもつながったと確信しています。今後も、豊かで楽しい職場を作り、守っていくために、全力を尽くします。
(中部地区担当 武石涼平)
チームで協力することの大切さ
青年協常任をやってみて学んだことは3つあります。
1つ目は、最高裁交渉に向けてほかの常任の人と裁判所の問題点を話すことによって、自分の知らない裁判所の問題を知れたことです。それは、総研のことや他の裁判所のことについてなどです。
2つ目は、青年協常任の人たちやオブザーバーの方と協力し、それぞれの能力に合った仕事を各々が一生懸命にすることによって仕事が効率よく進むことを実感し、チームで協力することの大切さを学びました。例えば、5月の最高裁交渉の際、一人一言要求の作成や各支部に発送物の準備などをしました。そこで、絵を描くことが得意な人は絵を担当したり、その絵の淵どりが得意な人は淵をなぞることを担当したり、単純作業が得意な人は、各支部の発送物の準備を担当したりしました。それぞれが一生懸命に取り組むことによって、効率よく仕事ができたと思います。
3つ目は、自分の意見を言う能力が身についたと実感しています。
(四国地区担当 石田義訓)
広い視野を持つこと
広い視野を持つことが大事なことだと学びました。知識も経験も浅い青年にとっては、嫌なことや、おかしいなと思うことがあっても、声を上げることができず「そういうものか」と無理やり自分を納得させることしかできません。
それはなぜか。比較対象がないからです。狭い世界しか知らないと、自分の職場を客観視することができません。採用当初はまさに赤ちゃんみたいなものです。何も知らないので、周りの人にすがることしかできません。変だなと思うことがあっても、それが「普通」だと教えられれば、疑うことなんてしません。みなさんもそうでしたよね?
組合活動を通して、全国の青年と自身の職場実態について話したり、学習会に参加することで、裁判所のみならず、他の省庁などといった、広い職場を見ることができます。そこで得た知識や経験が自分の視野を広げ、当たり前だと思っていたことが、実はおかしなことだと気づくことができるのではないでしょうか。「知識や経験に勝るものなし」です。
(北海道地区担当 青木梨那)
人生に面白味を与えてくれた
私は青年協の活動をするまでただ組合に所属しているだけの人でした。
本題の青年協の活動で学んだことと言えば、知識面では「組合の全て」と言わざるをえません。なので、青年協の活動をする前の自分と今の自分を比べて成長したなと感じる事を挙げます。@お酒が強くなったA青年の知り合いが各地に増えたB裁判所以外の組合の知り合いも増えたC休日が忙しくなったなど、色々な成長がありました。
青年協の活動では、東京地区の青年のリーダーとしてレクの参加の呼びかけや、アンケートを取るために自主的に行動することを通じてメンタル的にも成長したと感じます。上手くいく活動も、厳しい現実を叩きつけられる瞬間も味わった青年協でしたが、私の人生に面白味を与えてくれたんじゃないかと思います。
(東京地区担当 前島一仁)
話し合いによって意見をまとめることの大切さ
一年間の経験の中で最も大切だと感じたことは、話し合いによって意見をまとめることの大切さです。近畿地連では、青年部長会議を開き、意見を集約し、次回の交渉に向けて必要な情報を収集しました。そして、その情報を基に常任委員会で提示することで、他の地域でも同じ悩みがあったり解、決策があったりして、意見をさらにブラッシュアップし、より良い交渉に臨むことができました。
このようなことができたのも、近畿の皆様のご協力があったからこそでしたので、この場を借りて感謝申し上げたいと思います。
暮らし向きアンケートのポスター作りを任せていただいたり、全く行ったことのない地域に行くことができたことなど、貴重な経験もできました。
誰でも参加しやすく誰もが意見を言いやすい環境を作り出すためにはどうすれば良いか、今後も考えていきたいと思います。
(近畿地区担当 小岸祐太)
声を上げれば、職場は変わっていく
コロナ禍もあり、活動に意義が見出せず組合から離れようと考えていた時期がありました。そんな中、妻の東京異動をきっかけに自分も異動を希望し、組合に相談したことから、常任委員として活動することになりました。
常任委員として各地の職場の実態を把握し、当局と交渉する中で、裁判所で何が起きているのか、何が問題で、どう変わろうとしているのかを知ることができました。「仕方ない」「こういうものだ」と思っていた職場のあれこれは、実は変えるべき課題であると気づきました。声を上げれば、職場は変わっていきます。今の職場の良いところの多くは組合が勝ち取ったものだと知ることもできました。総研のPCの貸与など研修環境の改善はこの数年の成果だと思います。各地の声を集め、働きやすい職場づくりに動く組合の意義を今は実感できています。
活動に参加しないと伝わりづらい、わからないところもあります。できる範囲でいいので組合に関わって欲しい。一緒に活動をしていきましょう。
(九州地区担当 加治亮達)
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