職場諸要求を前進させ、2026年度裁判所予算案(概算要求)に全司法の要求反映をめざす諸要求貫徹闘争がはじまりました。
全司法は、この時期を「要求の出発点」と位置づけ、職場の要求を最高裁交渉に集中させる運動を全国一丸となって展開します。
職場の要求を最高裁交渉に集中させることが重要
最高裁は毎年6月、全国長官所長会同を開催して次年度裁判所予算案の概算要求にむけた基本方針を策定しますが、増員や昇格改善、庁舎設備の改修等をはじめとした私たちの要求実現のためには「予算の裏付け」が必要になります。
諸要求貫徹闘争は、職場諸要求を大きく前進させることで職場のルールを作る全司法の役割を発揮し、組織の強化・拡大につなげていく等の重要性を持っていることから、職場の要求を最高裁交渉に集中させることが何よりも重要です。
2025年諸要求貫徹闘争では、7月11日(金)に「全国統一早朝時間外職場大会と引き続く全1日の全国統一プレート行動」を配置し、「全国統一プレート行動」を背景に3回の人事局総務課長交渉、三局交渉(総務局・人事局・経理局・デジタル総合政策室交渉)、人事局長交渉、事務総長交渉と最高裁当局との交渉を積み上げ、全国統一要求の前進をめざします。
また、職場の要求を最高裁交渉に集中させるために、@最高裁あて「要請書送付行動」、A「職場実態報告」のとりくみ、B「全国統一要求書(職場諸要求・昇格)」提出行動を提起していますので、職場からの結集をお願いします。
2026年に改正民法が施行
家裁の人的体制整備が喫緊の課題
2025年諸要求貫徹闘争においては、人員、労働時間短縮・超勤縮減等、職員の健康管理・安全確保等、デジタル化への対応、職員制度に関する要求、休暇・休業・次世代育成支援対策を重点課題と位置づけ、その他の課題も含めて一つでも多くの要求前進をめざします。
人員の課題では、2026年5月までに改正民法(離婚後共同親権の導入等)が施行されることを見据えた家庭裁判所の人的体制整備が喫緊の課題となっています。民法改正案の成立時につけられた附帯決議では「法改正により家庭裁判所の業務増大及びDV・虐待のある事案への対応を含む様々な問題に対する判断が求められる」として、「家事事件を担当する裁判官、家事調停官、家庭裁判所調査官等の裁判所職員の増員」など「必要な人的・物的な体制の整備に努めること」が裁判所に求められています。
共同親権を求める事件申立ては新たな事件類型であり、行政府省が「新規事業」を理由に増員要求を行っていることを踏まえれば、裁判所当局としても民法改正を「新規事業」として積極的に増員要求を行うべきです。国会の要請や国民の司法ニーズに応えていくため、家裁調査官や書記官の大幅増員をはじめとした家庭裁判所の人的体制整備を求めます。
また、下級裁においては、連年に渡って人員が削減されてきましたが、裁判手続デジタル化の検討・具体化をすすめる下級裁の人的体制や利用者・職員に対するサポート態勢の整備は重要な課題です。あわせて、女性職員が多いという裁判所の実情を踏まえ、国家公務員のこどもの共育て推進定員を大幅に増員するとともに、下級裁への配置を求めます。
カスハラ対策など、職員が安心して働き続けられる職場環境作りも課題
労働時間短縮・超勤縮減等の課題では、超過勤務時間が各庁の配置人員を検討する重要な資料となっているにも関わらず、下級裁では客観的記録に基づく勤務時間管理が行われていません。客観的記録に基づく勤務時間管理にむけた第一歩として、下級裁にも勤務時間管理システムを導入して勤怠管理のデジタル化をはかるよう求めます。
職員の健康管理・安全確保等の課題では、メンタルヘルスの不調を抱える職員が急増している実態等を踏まえ、ストレスチェックのさらなる活用をはじめ、健康管理施策の抜本的な見直しを求めます。
また、パワハラをはじめとしたあらゆるハラスメントの根絶にむけて、研修等の充実や問題が発生した場合の適切な対応を求めます。とりわけ、民間でカスハラ対策の義務化にむけた検討がすすめられていることを踏まえ、裁判所においても、カスハラ防止にむけた組織的な対策の強化を求めます。
2026年に民事訴訟のデジタル化が完全施行されることを踏まえ、RoootSについて、使い勝手の部分も含めた改修を求めます。あわせて、TreeeSの開発をはじめとした民事訴訟手続のフェーズ3(法施行)への対応、非訟事件および刑事裁判のデジタル化など、裁判手続デジタル化の全体像を明らかにするよう求めます。
また、コミュニケーションツールを活用した情報の一元的な管理を求めます。
職員制度に関しては、専任事務官の処遇改善にむけて、専門性を活かせる態勢の整備を求めます。とりわけ、新たな類型の専門職および訟廷管理係長のポスト拡大と公平民主的な発令を求めます。
また、書記官事務のさらなる簡素化・効率化、改正民法の施行を見据えた家裁調査官の育成のあり方の検討(育成新施策の見直し)、非常勤職員に対する研修の充実や合理的配慮のあり方の見直しなど、全ての職種で要求前進をめざします。
休暇・休業・次世代育成支援対策等の課題では、両立支援制度を気兼ねなく利用できる職場環境の整備を求めます。あわせて、同一職種による育休等代替要員の確保を求めます。
全国大会までに一人でも多く組合員を増やそう
組合員拡大にむけて、特に重視すべきは4月期新採用職員の加入拡大です。ファーストアタックでの加入状況や4月当初のガイダンス・歓迎会等のとりくみ経過、働きかけに対する新採用職員の反応等を踏まえ、青年部・女性部や職場の組合員等の協力を得ながら、加入にむけた働きかけを継続的に行っていきましょう。
また、未加入者の加入拡大も重要です。年度当初に作成した「拡大目標およびスケジュール」で選定した加入呼びかけ対象者、総研修了生や総研入所生、県外からの転入者、再任用職員、役降り職員(元組合員)、非常勤職員等に対して具体的な働きかけを行っていきましょう。未加入者の加入拡大にも職場の組合員の協力は欠かせません。
組合員拡大のとりくみを職場全体ですすめ、全国大会までに一人でも多く組合員を増やしましょう。
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