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全司法新聞
 
国民春闘で声をあげ、共有し、要求を前進させる運動を体感
3・6中央行動
 
 3月6日、全労連・国民春闘共闘委員会等による春闘最大のヤマ場となる集中回答日と全国統一行動日にむけた中央行動が実施されました。日比谷野外音楽堂での中央総決起集会をはじめ、人事院前要求行動、国会請願デモなど、大幅賃上げを目指した行動を展開しました。
 

横断幕を持って請願デモに出発

国民のための法律や予算を
作らせる「国民春闘」

はじめに行動の意義・目的を学習

 全司法の中央行動は、中矢委員長を講師に、行動に参加するにあたっての意義や目的、今年の春闘の課題について学ぶための学習から始まりました。
 最初に、裁判所職員定員法改正案の概要について、裁判官以外の裁判所職員を47人減少する旨の法案との説明があり、毎年のように人員が削減されているために、サービス残業が常態化している、休暇が取得しづらくなっている、期日が入りにくい、メンタルヘルスを悪化させる職員が増えているといった職場実態を参加者全員で共有しました。
 また、春闘最大の課題である物価上昇を上回る賃上げを勝ち取るために、昨年の賃上げの流れを継続・定着させるたたかいに労働組合がとりくむこととあわせて、中小企業対策、最低賃金引上げ、診療・介護報酬の引上げなど、政府(政治)が果たすべき役割について確認しました。
 そのうえで、政府が役割を果たせない原因として国の財政状況を指摘し、軍事費が大きく膨れ上がる中で、国民の生活にとって重要な賃上げや社会保障費をはじめとする生活関連予算が削られている実態をあげて、財界・大企業が優遇される社会ではなく、労働者・国民のための法律や予算を作らせることで国民生活を改善させるためにも、国民春闘で声を上げ要求を前進させていくことが重要であると述べました。
 また、学習会と並行して行われた公務労組連絡会主催の人事院前要求行動には吉村書記次長が県国公からの参加者とともに結集し、午後からの人事院交渉には井上書記長が参加しました。

私たちのとりくみが
『大幅賃上』の世論を作ってきた

 昼休みには中央総決起集会が開催され、3000人の参加者が集まりました。主催者を代表してあいさつした全労連の秋山正臣議長は「私たちのとりくみが『大幅賃上げが必要』との世論を作り上げてきたことに確信を持とう」と強調したうえで、社会保障関連費用を大幅に削減して軍事費の拡大に躍起になっている政府の姿勢を批判し、「声を上げ続けることが重要で、社会を変えるためにも労働組合の組織を強化・拡大し、社会的な影響力を高めていこう」と呼びかけました。
 また、黒澤幸一事務局長からの行動提起では、「ストライキを背景に、すべての労働者の10%以上の賃上げ・底上げを労働組合の力で勝ち取ろう」と強調しました。
 集会では、保育、中小企業、公務、建設の各労働組合の代表がそれぞれの職場実態を訴えて、要求実現にむけたとりくみの決意が語られました。集会後は、制度や政策に対する要求の実現・前進を求めて、国会にむけて請願デモを行いました。

共同親権、デジタル化など
職場実態を議員に伝える
裁判所の実態を国会議員と意見交換

 国会請願デモの後は、全司法独自のとりくみとして国会議員との懇談および国会議員要請行動を行いました。
 国会議員との懇談には、要請に応じていただいた日本共産党所属で法務委員の本村伸子衆議院議員、仁比聡平参議院議員の両議員に裁判所の実情を伝えました。裁判所職員定員法改正案の審議が行われることもあり、全国の職場の実態を強く訴えました。
 参加者からは「民法改正に伴い共同親権が導入される中、職場が繁忙すぎて検討する時間がとれない」「デジタル化が進められているが事務の簡素化・効率化にはつながっておらず、むしろ仕事の手間が増えている」「システムの不具合が多すぎる」「メンタル不調のために休職する職員が増えているが、必要な人員が補充されず個人のマンパワーに頼りすぎている」など、様々な職場実態が報告されました。
 仁比議員からは「最高裁が令和7年度の人員に関して47人の減員をしたのは重大な事態だと思っている。また、次年度の予算の柱としてデジタル化と家裁の充実強化を挙げているが、これからの裁判所をどうやって運営していくのかが見えてこない」などと述べられました。
 懇談の後は、法務委員会で裁判所職員定員法改正案の審議が行われることから、法案の慎重審議を求めるために、法務委員会所属の議員への要請行動を行いました。中には、直接議員に会うことができ、職場実態を訴えることができたグループもありました。
 参加者からは「議員に対して裁判所の実情を自分の言葉で話す貴重な体験ができた」「機会があればまた参加したいし、他の組合員にもすすめたい」等、参加して良かったとの感想が多く寄せられました。

 
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RoootS(民事裁判システム)の全庁導入から2か月…
その使い勝手は?
 

事務の簡素化・効率化に逆行している

 2月27日、第13回書記官オンラインミーティングを開催しました。ミーティングでは、1月6日に全国導入されたRoootSを中心に、活発な議論が交わされました。
 RoootSについて、最高裁は「今後も、不具合が見つかった場合は速やかに改修するので、安心してRoootSを利用してもらいたい」と回答していますが、安心して使用できる環境には程遠い実態が明らかになりました。
 参加者からは「統計事務というシステム上最も基本的な部分に不具合があり、既済事件数などをあらためて確認する必要があった」「ATさくらさんに質問しても応答がなく、ほったらかしになっている。そのため、300ページ近い操作マニュアルを参照するほうが速く、ATさくらさんをほとんど使わなくなった」「送達事務について、事務処理状況に応じた柔軟な発送ができず、発送日の管理を厳格に行うことが必要になり、事務の簡素化・効率化に逆行している」といった意見が出されました。

RoootS以外にも、デジタル化は課題山積!

 RoootS以外では、e提出・e記録管理に対応するシステムとして開発がすすめられているTreeeSについて、「mintsの利用率が5%程度にとどまっていること、利用者の反応も芳しくないことから、TreeeSが導入されても電子提出が進むのか疑問」「mintsの利用率が低いので、TreeeSとmintsと紙が併存すると言われても実感がわかない」といった意見が出されました。この点について、本部は出された意見を踏まえ、3つの事件管理方法が併存することについて、職員の負担が増えることのないよう最高裁を追及しています。
 この他にも「録音反訳の管理をRoootSで行うことで事務が煩雑になった」「簡易裁判所の業者型事件のウェブ会議では、和解の可能性が模索されることが少なくなっているのではないかと感じる。司法サービスとしてそれで良いのか」といった意見も出されました。
 デジタル化に伴う諸問題が次々と明らかになっています。引き続き、こうした「現場の声」に真摯に対応するよう最高裁に対する追及を強めます。

 
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次々に要求が前進 今、非常勤の組合加入をすすめよう!
 

休暇取得で「不利益に扱われることはない」と回答

 4月1日から、非常勤職員の休暇制度が、次のとおり改善されます。

1 子の看護休暇について、常勤職員と同様(小学校3年生までの子に拡大、行事参加や学級閉鎖でも取得可能)に、対象となる子および取得事由が拡大する。
2 私傷病の病気休暇が無給休暇から有給休暇になる。
3 1週間あたりの勤務時間が常勤職員の2分の1以上の時間とされている非常勤職員のうち、6月以上継続勤務しているものが人間ドックを受診する場合に、職務専念義務免除になる。
4 子の看護等休暇、出生サポート休暇、育児参加休暇、配偶者出産休暇および短期介護休暇が付与されるための要件のうち、6月以上の任期が定められているものまたは6月以上勤務しているものという要件が不要になる。

 これを受けて、3月5日に全司法本部が実施した最高裁(人事局総務課長)交渉では、再採用にあたって「休暇を取得したことそれ自体をもって不利益に扱われることはない」との回答を引き出しました。これにより、安心して制度が利用できるものとなりました。

「3年公募要件」撤廃、通勤手当など、要求が大きく前進

 この間、国公労連の運動の成果として、国家公務員の非常勤職員制度は大きく改善しています。
 いわゆる「3年公募要件」の撤廃では、前回の公募から3年を経過する組合員から「4月以降も公募によることなく勤務が継続される旨の通知があった」等の報告が寄せられており、非常勤職員の働き方に関わる大きな前進になっています。
 また、4月からは、これまで勤務日数に応じて支給されていた非常勤職員の通勤手当が、常勤職員と同様、定期券等で支給されるよう改善されます(支給上限は15万円)。
 これ以外にも、全司法は非常勤職員の加入拡大と一体で要求前進に向けたとりくみを進めてきました。庁舎設備の改善とともに、経験を加味した給与決定や人事院勧告の4月遡及などでは、他の行政の府省に先んじて実現させてきました。
 3年公募要件が撤廃されたことを踏まえ、今後は合理的配慮のあり方等を改めて見直し、経験を積みながら働き続けることができる環境を作っていくことが重要になります。また、きわめて狭き門になっているステップアップ制度の拡充とともに、国公労連に結集して民間労働法に倣った常勤転換の仕組みを作らせることも課題です。
 こうした要求実現を職場で大いにアピールして、全国の職場で非常勤職員の組合員を増やすとりくみに本腰を入れてとりくむことが重要です。

 
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