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全司法新聞
 
全司法第85回中央委員会
「声をかけ合う春闘」で組織と運動の前進をめざす
 
 1月19日〜20日にかけて第85回中央委員会を開催し、2025年春闘方針を確立しました。会議では今春闘の最大の課題である「物価上昇を上回る賃上げ」を勝ち取るたたかいに結集するとともに、全司法の組織と運動を前進させるために、職場で「声をかけ合う春闘」にすること、そのことを通して「仲間」「参加する人」「担い手」を増やすとりくみに全力をあげることを確認しました。
 また、7月の定期大会に向けて、財政基盤の確立と組織拡大について全国的な討議を行うことが確認されました。
 

全国から81名が参加して討論

増員に対する最高裁の消極姿勢の転換を求める

 開会あいさつで中矢委員長は、「失われた30年」で賃金、社会保障などのセーフティネット、公務・公共サービスとともに、労働組合の社会的評価が「奪われてきた」と分析し、労働組合の役割や重要性をあらゆる機会をとらえて伝えていこうと呼びかけました。
 来賓の国公労連中本副委員長は「物価上昇のもとで、2年前と比較して生活実感は変わらないか悪くなっている。国公労連は月額2万8000円以上の賃上げ要求を確立した。初任給だけでなくベテラン層も含めた公務員全体の底上げが大事。マイカー通勤の手当改善なども含め、賃上げを勝ち取るために一緒にがんばっていきたい」等と連帯のあいさつを行いました。
 2025年春闘方針案の提案を行った井上書記長は「物価上昇を上回る賃上げの実現にむけて、労働組合に対する期待がさらに高まっている」と指摘し、賃上げを求めて行われる地域の行動に積極的に結集していくことを呼びかけました。
 また、2025年度裁判所予算案では、家裁調査官の追加の増員要求などは行われず、職員全体で47名の人員減になっていることなどをあげて「最高裁の増員に対する消極的な姿勢は一向に変わっていない」とし、その転換を求め、春闘期の最高裁人事局長交渉(3月10日)にむけて「機関決議」にとりくみ、4月期の人員配置の見通しも踏まえた職場の不満や怒りの声を集めること、「3・6中央行動」(全国上京団行動)にあわせて、裁判所職員定員法の慎重審議を求める「衆参の法務委員に対する国会議員要請行動」を配置することなどを提起しました。

新採用5割以上の加入を「過半数」回復の第一歩に

 組合員拡大では、4月期新採用職員の早期加入について、昨年に引き続き「新採対策ワークブック」を活用してファーストアタックを重視し、みんなで組合員拡大をすすめていくことで、全国で「5割以上の加入」を目指すことを呼びかけました。これは「過半数」組織の回復に向けた第一歩とすることを目指すものです。
 あわせて、支部が目標を持って未加入者の加入拡大をすすめること、とりわけ、非常勤職員は「公募3年要件」の撤廃や病休の有給化など、大きく要求が前進していることを足がかりに、この機会に一気に拡大をすすめることを提起しました。
 また、昨年の第81回定期大会で確認した「仲間」「参加する人」「担い手」を増やすという3つのとりくみに全力をあげるため、「職場で『声をかけ合う』ことを全司法の運動としてすべての支部で実践していこう」と訴えました。

組合費だけでなく、組織拡大に向けた議論を!

 続いて、吉村財政部長が財政基盤の確立と組織拡大にむけた予備討議を行う第2号議案の提案を行い、組合費の議論だけでなく「全ての機関と組合員が力を結集し、組織拡大をすすめるために必要なことはなにか、全ての組合員で議論を尽くそう」と呼びかけました。
 討論では、のべ47名が発言し、吉村財政部長の答弁、井上書記長の総括答弁の後、採決を行い、各議案が可決されました。この中央委員会の結果を受けて、25春闘のとりくみをスタートさせるとともに、組織と財政の課題について7月に開催予定の第82回定期大会に向けた機関・職場討議を行うことになります。

 
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中央執行委員長の開会あいさつ
労働組合の重要性を伝えることが全司法の「たたかい」
 
あいさつする
中矢委員長

実は「奪われた30年」だった

 「失われた30年」と言われますが、何が失われたのでしょうか?
 まず、賃金です。日本は賃金が上がらない、実質賃金で見ると下がる国になってしまいました。しかし、自然に「失われた」のではありません。1995年に財界団体が「新時代の日本的経営」という文書を発表し、正社員が当たり前だった社会を変え、それまで違法だった派遣労働を全面解禁するよう政府に求めました。現在では働く人の5人に2人が非正規雇用になっており、計画どおりに賃金が下がる国になったわけです。実は「奪われた30年」です。
 そうした社会を作るために奪われたものの一つに「公務・公共サービス」があります。国や地方自治体が国民の生活や安全を維持・改善するために行ってきた様々な事業について、儲けになる部分は企業に払い下げ、それ以外の部分は切り捨て、あわせて公務員の数を減らす政策がとられてきました。
 しかし、コロナ禍で保健所や公的病院などが減らされてきたことが国民の目に明らかになり、度重なる地震や風水害の度に、公的なものをなくしたことが、どれだけ国民生活にとってマイナスだったのかが浮き彫りになっています。私たちが加盟する全労連が「公共の再生」を運動にしようとしているのは、こうした時代の変化に目を向けているからです。

労働組合の影響力や社会的評価も「奪われた」

 もう一つ、この30年で奪われた大切な仕組みが労働組合です。使用者が賃金を下げようとする時、政府が国民に負担や犠牲を押しつけようとする時、働く者の立場に立って反対の声をあげ、運動してきたのが労働組合でした。そこで、財界・大企業は労働組合を時にはてなづけ、時には攻撃し、マスコミも労働組合の存在を無視するなど社会的影響力を失わせてきました。
 全司法は1980年代に連合ではなく全労連を選んだことで政治の動きに巻き込まれることなく、1992年の「3・18事務総長見解」で裁判所の職員代表としての地位を確立し、公務員制度改革は国公労連に結集して「賃下げ」の裁判闘争もたたかいました。人事評価制度を裁判所独自のものにさせ、司法制度改革では書記官の大幅増員を勝ち取りました。その他にも様々な要求を前進させることで、働きやすい職場を守り、職場内で影響力を維持してきたと自負しています。
 しかし、社会の中で労働組合全体の評価が下げられていく影響は避けられませんでした。そのことが20年、30年と続く中で、組合員の自信や元気を奪い、職場で活動しにくい雰囲気が作られ、組合員を徐々に減らしてきたというのが、これまでの実態ではなかったでしょうか?

労働組合復権のチャンスを定着・発展させよう!

 社会の風向きは変わってきています。「労働組合ががんばらないと賃金が上がらない」「ストライキぐらいやってたたかわないとダメ」という声が広がり始めています。昨年の中央委員会で「労働組合復権のチャンス」だと述べたわけですが、復権のチャンスの情勢は続いているし、定着・発展する可能性があることを指摘しておきたいと思います。
 今、私たち自身が、あらためて労働組合に対する自信を取り戻していくことが必要だと考えています。私たち一人ひとりが労働組合の役割や重要性を、あらゆる機会をとらえて、繰り返し職場に伝えていく、それが、この春闘の私たちの重要なとりくみであり、全司法にとっての「たたかい」であることを訴えます。

 
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全司法の活動の継承・発展に寄与していきます
青年協活動報告(要旨)
 

 中央委員会2日目には、青年協の加治亮達事務局長から、青年協の活動報告がありました。

青年層の大幅賃上げは組合の大きな成果

報告する加治亮達事務局長
 情勢としては、昨年の人事院勧告に基づき若年層の俸給表の大幅な引き上げ、全世代のボーナス増額が行われました。俸給表引上げによる差額支給により、新採用職員はボーナスと変わらないほどの差額を受け取ることができました。寒冷地手当やマイカー通勤について課題は残るものの、交渉の成果があったものだと思っています。

採用前から全司法を知ってもらう活動にも注力

 青年協は「要求実現」「組織拡大」「組織強化」の3点を重点として活動を進めています。要求実現に向け、職場討議やアンケートを通じて青年の声を集め、当局との交渉を重ねており、直近では総研生アンケートや座談会を通じ、総研の実情を把握し当局へ伝えました。今後は暮らしむきアンケートの回答結果と各地の職場討議の結果を元に春闘期の当局との交渉に臨みます。
 組織拡大の取り組みとして、「採用前から全司法を知ってもらう」ことを目的に、ユーチューブの活動を強化しています。裁判所入所を目指して勉強している人の中には、SNS等で情報収集をしている人が少なくありません。SNSで裁判所について調べる中で全司法を知ってもらうことで、より加入に結びつくファーストアタックを行うことができると考えています。動画再生回数やいいねの数により、動画が優先的表示されやすくなりますので、皆さん動画を見ていいねをお願いします。

全国統一レクで青年の一体感を強化

 組織強化として、12月には香川県での国公青年交流集会「connect」にも参加しました。地域や職種を超えた交流は、自身の環境を見つめ直す機会にもなり、意見交換や学習を通じて「つながり」を感じられることができたと思っています。今後も現在開催中の全国統一レク「トリ(ビュート)人間コンテスト」などを通じ、全国の青年が「つながり」を感じ、組織全体の一体感をさらに高めていきたいと思います。
 裁判所の大量退職期を迎える中、次世代の全司法を担う青年の加入と育成は不可欠です。青年協は引き続き全国の青年の活動を支え、全司法の活動の継承、発展に寄与していきます。

 
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全司法をみんなで一緒に活動する組織に変え、
過半数組織回復にむけた第1歩を記そう
井上書記長の総括答弁(要旨)
井上書記長

春闘情勢とたたかいの構え

声をかけ合いながら地域に足を踏み出そう

 情勢に関わって、「物価上昇のしわ寄せは全世代に及んでいることから、物価上昇率で給与改定が行われるべきであり、国公労連を通じて人事院に対する働きかけを強めていくことが必要」と発言があった。2025年人事院勧告にむけて、国公労連に結集して全世代の大幅賃上げを要求していく。あわせて、官民較差の比較企業規模を1000人以上とするよう求めていくことも重要だ。
 また、「寒冷地手当の復活と拡充を要求すべき」との発言があった。速やかに見直しを行うよう、国公労連に結集して要求していく。
 地域で行われる行動に結集して「官民一体の賃上げを求めていく」という決意が述べられた。「物価上昇を上回る賃上げ」の実現にむけて、労働組合が果たす役割は大きい。声をかけ合いながら「地域に足を踏み出」していこう。

2024年秋年期の総括

組合員の力を結集させて要求の実現を

 2024年秋季年末闘争において、独自行動として朝ビラを実施したことが報告された。
 また、「1日の3分の1を過ごすのに適した環境を作ること」をテーマに対応当局との交渉に臨んだというとりくみが報告された。「身近な課題を取り上げたことで、組合員の団結には効果があった」と総括されていたように、組合員の力を結集していく上で非常に重要なポイントだ。

職場諸要求の実現

事務処理状況が把握されていない実態が明らかに

 人員に関わって、離婚後共同親権が導入されたら「さらに事件が増えることになり、そうなると本当にまわらなくなる」という家事調停担当部署の切実な職場実態が報告された。また、欠員が生じている職場の実態や人員配置に関わって、当局は「事件数しか見ておらず、超過勤務の実態は全く考慮されていなかった」という発言があった。欠員や超過勤務の実態というのはまさに事務処理状況であり、欠員や超過勤務の実態を正確に把握させることは適正な人員配置にあたって必要なことだ。
 宿日直について、「秘匿制度が改正されたことで事務処理が難解になり、事務処理も煩雑になっている」と発言があった。宿日直の負担軽減を強めていきたい。
 文書開示事務について、執務資料の作成や最高裁に専用窓口を設けて一括で対応すべきといった意見が出された。文書開示という事務の性質も踏まえ、どのように要求していくか検討していきたい。
 また、事件記録等の特別保存に係る事務ついて、「司法行政との境界が曖昧になっており、整理されていない」という指摘があった。最高裁の責任で整理を求めていく。
 デジタル化について、RoootSの不具合と問題点等について指摘があった。システムの早期改修を求めていくとともに、意見等は今後のシステム開発や導入に活かしていく。
 パワハラ事案が複数の支部から報告された。裁判所においてもゼロ・ハラスメントを実現させていく必要がある。また、労働組合として、職場の組合員と対話し、組合員に寄り添いながら、対応当局に必要な対応を求めていくことも重要だ。
 家裁調査官に関わって、若手家裁調査官の退職が相次いでいることや、育成新施策の見直しを求める意見があった。意見等は今後の追及に活用していく。

組織の強化・拡大

ファーストアタックを実践して「5割以上の加入」に全力を挙げよう

 家裁調査官補の加入拡大にむけた各地のとりくみが報告された。家裁調査官補の加入拡大にむけて、全ての家裁調査官補に「加入しよう」と声をかけていこう。全ての4月期新採用職員に対して、@全ての支部で「ファーストアタック」にとりくみ、A組合員拡大強化月間終了までに4月期新採用職員の「5割以上の加入」(半分加入させれば良いということではない)をめざそう。
 全司法をみんなで一緒に活動する組織に変えていくための第1歩、過半数組織への回復にむけた第1歩として、全ての支部で、新採用職員の加入拡大に全力を挙げよう。

 
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裁退連からのよびかけ
 
新田俊司裁退連会長

「裁判所の人的・物的充実」をはじめ、様々なとりくみで全司法と連帯を強めます

 この度、定年延長制度施行後初めての退職者となるみなさん、再任用職員として尽力されて終了となったみなさん、長い間大変ご苦労さまでした。定年延長制度の下でのみなさんの退職、どうかお元気で第二の人生に向かっていただきたいと思います。
 また、今後も再任用職員としてご尽力されるみなさんにも心から敬意を表します。どこの部署であっても今までどおり全司法の組合員として生活と権利を守るためにご活躍されることを期待しています。
 私どもは、全司法のご支援のもとで裁判所退職者の会全国連合会(裁退連)を組織して今年44年目を迎えました。
 退職者の会は、「裁判所で働いてきた仲間として、交流・親睦を深め、助け合って一人ボッチをつくらず、暮らしの改善をめざそう」と全国の裁判所に退職者の会を組織し、裁判所退職者の会全国連合会(裁退連)のもとで全国的な交流も図っています。
 各退職者の会では、会員の親睦・交流を中心に助け合い、落語・映画鑑賞・新年会・花見会・史跡散策など多彩なレク行事を行っています。また、年金など社会保障充実の取り組みにも努力しています。
 内外情勢の下で、いまや物価・年金・社会保障・平和問題は国民的課題です。
 みなさんとの協力・共同でこれらの課題とともに、「裁判所の人的・物的充実を求める請願署名」で連帯の取り組みも強めましょう。私ども退職者の会は再任用中の職員の加入を歓迎します(組合員であれば会費は無料)。退職者の会が裁判所で未組織でも裁退連に個人会員として加入できます。
 加入の疑問や質問についてはそれぞれの組合支部を通じてお問い合わせ下さい。みなさんの加入を心から歓迎いたします。(裁退連会長新田俊司)

※全司法・退職者サポーターズ交流会について

 退職後も全司法を応援し、職場のつながりを持ち続けることができるよう、全司法本部が中心となってオンラインを活用したとりくみを進めています。まずはLINE登録を!

 
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