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全司法新聞
 
『声をかけあう春闘』で要求と組織を前進させよう!
2025年春闘のポイント
 

 労働組合等が一致する要求にもとづいて運動を展開する「国民春闘」がはじまりました。2025年春闘では、労働組合が労使交渉で大幅賃上げを勝ち取るとともに、中小企業への直接支援や減税、物価対策など、政府に役割を果たさせることが求められます。
 また、家裁の体制整備や裁判所のデジタル化のための人員配置など、裁判所の人的・物的充実を春闘のとりくみの中で位置づけることも重要です。
 全司法は「対話」と「学習」を重視し、声をかけ合いながら春闘のとりくみに結集します。あわせて、そうしたとりくみと一体で組合員の拡大をめざします。


1月7日、新春宣伝行動から春闘がスタート!

「物価上昇を上回る賃上げ」が最大の課題

 物価上昇が続くもとで、労働者・国民の生活はますます苦しくなっています。「物価上昇を上回る賃上げ」が2025年春闘における最大の課題となっており、とりわけ、中小企業の賃上げが焦点になります。また、男女の賃金格差の解消、非正規労働者やケア労働者の大幅賃上げを実現することも重要な課題です。
 こうした課題を解消し、実質賃金を引き上げて生活改善を図るためには、労働組合がストライキを配置した労使交渉で大幅賃上げを勝ち取ることが必要です。また、中小企業への直接支援や全国一律にすることも含めた最低賃金の引上げ、減税、物価対策、社会保障の改善など、政府に役割を果たさせることも必要です。
 他方、厚生労働省に設置されている労働基準関係法制研究会では、労働時間規制の「デロゲーション」(適用除外)の範囲を拡大する議論が行われています。労働基準法を骨抜きにし、使用者が労働者を好き勝手に使える状況が作り出されようとしていることから、労働時間をめぐる課題も重要な課題です。
 そうしたことから、2025年春闘においては、賃上げと一体で労働時間を「1日7時間、週35時間」に短縮するよう要求していくことが求められます。

「声をかけ合う春闘」に

 2025年春闘において、全司法は「対話」と「学習」を重視し、声をかけ合いながら春闘のとりくみに参加していくことで「みんなで活動する組織」に変えていくことをめざします。また、第81回定期大会で確認した「仲間を増やす」「参加する人を増やす」「担い手を増やす」とりくみを実践していくことが求められます。
 デジタル化が急速にすすめられているもとで、日常的に職場で声をかけ合う場面が少なくなってきていることも踏まえ、職場で声をかけ合うことを全司法の運動として提起します。

家裁の人的・物的充実、メンタルヘルス対策、デジタル化が課題

 離婚後共同親権の導入等を含む改正家族法の施行を見据え、家庭裁判所の人的・物的充実が喫緊の課題となっています。家裁は現在でも繁忙で、職場からは強い増員要求が出されていることも踏まえ、抜本的な人的・物的体制の整備が必要です。
 デジタル化に関わっては、民事・家事事件でe事件管理システム(RoootS)が1月から全庁に導入され、今後はフェーズ3への対応が求められます。刑事事件では、刑事手続のデジタル化にむけた改正法案が2025年通常国会に提出される見込みであり、刑事裁判のデジタル化の検討・導入にむけて職場の体制を整備させる必要があります。
 改正家族法を含む新たな制度導入への対応が求められ、デジタル化の導入に係る手間も今後ますます増えていくことが予想されるなど、裁判所をめぐる状況は明らかにこれまでと異なる段階に入っています。こうした課題を職場の負担で乗り切ろうとしていることがメンタルヘルス不調者を増加させる一因になり、さらに職場の負担につながっています。こうした状況の変化に目をむけさせ、減員ありきの姿勢を変えさせていくことが必要です。

裁判所の職場に「過半数」の組織を作ることが不可欠

 第85回中央委員会では、第2号議案として「全国大会にむけた予備討議議案」を提案します。昨今の物価高騰は組合活動にも大きな影響を与えており、退職者分を補う程度の新採用職員の加入を勝ち取れなかったことによる「組合員の減少」も相まって、全司法の財政状況は大変厳しくなっています。運動と組織を支える安定的な財政基盤を確保するために「組合費の引上げ」を検討せざるを得ない状況です。
 そうした状況を打開するためには、新採用職員等の加入拡大による「組合員の拡大」しかありません。4月期新採用職員について、全国で「5割以上の加入」をめざし、全ての機関と組合員が力を結集し、組織拡大をすすめていくことを呼びかけます。
 ここで「5割以上」としているのは、「半分入ればいい」という趣旨ではありません。労働組合をめぐる情勢を踏まえるなら、やはり裁判所の職場に「過半数」の組織を作ることが必要不可欠です。その出発点として、春闘のとりくみの中で組合員拡大を最重点にとりくみをすすめていきましょう。

 
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役員だけの活動にしないで…
組合員拡大をすべての組合員が参加するとりくみに
 
 全司法は、退職・採用・異動が集中する4月期を中心とした2月1日から5月31日までの間を組織の維持・発展にとって重要な時期であると位置付けて、異動対策や新採用職員の早期加入にむけたとりくみを強化し、すべての機関で組合員拡大に集中的にとりくむとしています。
 今年度は、拡大強化月間終了までに4月期新採用職員の「5割以上の加入」をめざします。組合員一丸となって拡大に全力でとりくんでいきましょう。

「ワークブック」を使ってみんなで計画を立てよう!

新採対策ワークブック

 組合員拡大強化月間では、まず計画を立てることから始めます。10月期のとりくみや昨年度のとりくみを振り返り、良かった点・悪かった点を見直し、直すべきところは改善しましょう。そのために、前回使用した「新採対策ワークブック」を見返しながら、とりくみに関わった人が集まって振り返りをする機会を設けてみてください。その上で、今年度の計画を立てていきます。今年度も「新採対策ワークブック」を使って、みんなで話し合いながら各支部・各職場独自の計画を完成させていきましょう。
 また計画を立てるにあたっては、執行委員だけで作るのではなく、職場の組合員や青年層にも協力してもらい、一緒に作っていくことが大切です。「新採対策ワークブック」は計画を立てるにあたって何をする必要があるのかを記載しているので、加入したばかりの組合員も、役員ではない組合員も、みんなが同じ立場で議論できるようになっています。たくさんの組合員に関わってもらい、みんなで話し合いながら計画を立てていきましょう。
 なお、この時期のとりくみは新採用職員に対するものだけではなく、総研修了生・入所生、異動に伴う転出者・転入者、再任用職員、役降りした職員、非常勤職員など多くの人がとりくみの対象となります。そのため、計画をしっかり立てて確実に実践していくことで、もれのないとりくみとしていくことが必要です。

「加入してほしい」と率直に伝えることが大事

 とりくみを実践していくにあたっては、「対話」が重要です。特に、新採用職員へ働きかける際には「加入してほしい」と率直に伝えることが大事です。また、総研生、異動者、再任用職員、役降りした職員、非常勤職員に対しても、組合員のみなさんが、普段感じていること、考えていることなど「全司法に入って良かったと思っている」と自信を持って伝えることが大切です。加入して間もないから何を話せばいいか分からない、役員ではないから話すことがないなど、気にする必要はありません。みなさんがなぜ全司法に加入したのか、加入してみてどう思っているのかを話すことから始めてみてください。対話を通じてつながりを強め、加入につなげていくためにはみなさんの協力が必要です。

一緒に参加することで組合の活動が理解できる

 組合員拡大強化月間のとりくみは、加入届をもらったらそこで終わりということではありません。ここから組合員として様々なとりくみに参加してもらうことが大切です。一緒に参加することで組合の活動を理解することができ、加入して良かったと思うことができるからです。
 そうしたことから、この機会に支部の日常活動も振り返ってみてください。教宣紙は発行できているか、遅れることなく組合員に配付できているか、職場会を開催できているか、組合員の要求を把握できているかなど、これまでのとりくみを振り返り、新たに加入した組合員が加入して良かったと思えるような活動をしていきましょう。そうすることが、継続的な加入の呼びかけや加入後のフォローにつながります。
 こうした日常活動を振り返る際にも「新採対策ワークブック」に記載している「継続的なとりくみの例」を参考にしてみてください。

 組合員拡大は役員だけのとりくみではありません。職場にいるみなさんからの働きかけが大切です。日常的なあいさつなど日々の声かけをしてもらえることが大きな支えとなります。みなさんも一緒に、職場から働きかけをしていきましょう。

 
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ベテラン層の賃上げ、繁忙解消、非常勤の雇用安定などが課題
2025年要求組織アンケート
 

生活実感が改善されるも、ベテラン層が置き去り

 今年度も「国公労連2025年要求組織アンケート」にとりくみました。
 生活実感では「かなり苦しい」「やや苦しい」との回答が48・8%と、昨年比0・5ポイントとわずかに減少しましたが、傾向としては高止まりしています。特に、50代以上に限定すると、全ての世代で50%を超えています。他方、「ややゆとりがある」「かなりゆとりがある」との回答は8・3%に過ぎませんが、昨年より0・2ポイント改善しています。また、賃上げ要求傾向値は、加重平均で2万3637円となっており、昨年比で2124円上昇しています。
 これらのアンケート結果は、2024人事院勧告によって若年層を中心とした賃上げが一定程度図られたもののベテラン層が置き去りにされ、全世代の生活改善にはつながっていない実態を示したものだと考えられます。
 最近の職場状況で気になるもの(複数回答)としては、「仕事が忙しくなっている」53・4%(昨年は47・5%)、「メンタル疾患などの長期病休者が増えている」が39・7%(昨年は36・2%)、「職場の仲間とのコミュニケーションが不足している」が20・1%(昨年は19・7%)と、昨年と同じ順となっています。いずれもポイント数が増加しており、特に職場の繁忙を指摘する回答が昨年比5・9ポイント増加し、人員が増えない中、事務の簡素化・効率化がすすんでいない職場実態を反映したものとなっています。


非常勤の雇用不安。公募3年要件撤廃ふまえた運用が重要

 非常勤職員を対象とした「非正規で働く仲間の要求アンケート」にもとりくみました。
 生活実感では、「かなり苦しい」「やや苦しい」との回答が57・2%と、常勤職員より8・4ポイント高く、依然として低賃金に置かれている実態が反映されたものと思われます。
 職場で不満に感じること(複数回答)としては「雇用契約を更新されないのではないか」(57・1%)「職場や仕事がなくなるのではないか」(37・1%)「休暇がとれない」(21・4%)と、雇用への不安、休暇制度に対する不満が多くなっています。公募3年要件が撤廃されましたが、撤廃の趣旨を踏まえた運用が現実に行われるのか不安を抱える職員が多い実態が明らかになったものと思われます。
 2つのアンケート結果も踏まえ、春闘における要求の実現をめざし、職場・地域でのとりくみに全力をあげることが重要です。

 
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