全司法本部は10月3日、「2024年人事院勧告の取扱い等に関する要求書」に基づき、最高裁氏本事務総長との交渉を実施しました。
給与制度のアップデート
今後の動向を見守っていきたい
給与勧告について、物価上昇が続くもとで、全ての職員の生活改善につながるものとはなっていない「不十分な勧告」と指摘した上で、若年層の賃金改善をはじめとした改善部分については早期の実施を求めました。
また、一部の国家公務員に「賃下げ」を強行するようなアップデートは認められないと主張し、地域手当、扶養手当、寒冷地手当の改悪を行わないよう求めました。
事務総長は、「職員団体の要望は関係機関に伝わるようにしたい」、給与制度のアップデートについては、「職員が強い関心を有していることは十分に認識している」と述べた上で、「国家公務員全体の問題として検討すべき事柄であり、今後の動向を見守っていきたい」と回答しました。
両立支援制度の拡充
家庭生活と両立するための環境整備として重要
勧告と同時に出された「公務員人事管理に関する報告」及び「国家公務員の育児休業法の改正(意見の申出)」の中で、子の看護休暇の対象拡大や育児時間の柔軟化が打ち出されていることを踏まえ、両立支援制度を利用しやすい職場環境の整備を求めました。
事務総長は、「両立支援のための各種制度を取得しやすい環境作りは、適切な公務運営を確保しつつ、家庭生活と両立するための環境整備として重要」「今後とも、取得しやすい環境作りに努めていきたい」と回答しました。
長時間労働の是正
事務量に応じた適正な配置となるよう努力していきたい
長時間労働の是正にむけて、勤務時間管理の徹底と事務の簡素化・効率化をさらにすすめるよう求めました。
また、「公務員人事管理に関する報告」を踏まえ、超勤縮減のための人員配置(増員)を行うよう求めました。
事務総長は、「事務の合理化・効率化の取組を一層加速させ、できることから順次速やかに取り組むとともに、事務量に応じた適正な配置となるよう引き続き努力していきたい」「適切な超過勤務時間の管理を行うよう今後も指導を徹底していきたい」と回答しました。
ハラスメント根絶
より効果的な取組に努めていきたい
「公務員人事管理に関する報告」が「ゼロ・ハラスメントの実現」を掲げていることを踏まえ、「ゼロ・ハラスメントの実現」にむけた最高裁の姿勢を示すよう求めました。あわせて、パワーハラスメントの根絶にむけたとりくみの強化とカスタマーハラスメントに対する組織的な対応を求めました。
事務総長は、「人事院規則の趣旨等を踏まえ(中略)ハラスメント防止に向けたより効果的な取組に努めていきたい」と回答しました。
非常勤職員
「公募3年要件」どのように対応していくのか検討している
非常勤職員の「公募3年要件」が撤廃されたことを踏まえ、3年を超えても公募によらない再採用を実施するよう求めました。あわせて、ステップアップ制度の拡大を求めました。
事務総長は、「公募3年要件」の見直しについて「裁判所としてどのように対応していくのかについて、検討しているところ」「ステップアップ制度については、今後とも、障害者雇用促進法の下、適切な運用に努めていきたい」と回答しました。
定年引上げ
職員団体の要望は、関係機関に伝わるようにしたい
定年年齢が段階的に引き上げられるもとで、級別定数の確保と再任用職員の処遇改選を求めました。
事務総長は、級別定数について「できる限り必要な定数が確保できるよう努力をしていきたい」、再任用職員の処遇改善について「職員団体の要望は、関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。
|