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  トップページ > 全司法新聞 > 2024年9月 > 2431号
 
 
全司法新聞
 
えっ?!たった5人?
共同親権導入を控え、家裁調査官の増員が求められる中で…
 

 最高裁は8月30日、2025年度当初予算の概算要求を財務省に提出し、9月2日に全司法本部にその概要を説明しました。
 先の通常国会で民法が改正されましたが、その最大の争点となったのが離婚後共同親権の導入です。国会審議では、賛成・反対どちらの立場からも家裁の体制整備が求められていましたが、それにもかかわらず、最高裁が財務省に提出した概算要求では、裁判官・書記官は一人も増員要求を行わず、家裁調査官については全国でわずか5人の要求となっています。
 このことについて、全司法本部のアカウントでXにポストしたところ、わずか数日間で10万インプレッションを超え、多くの反応が寄せられました。
 これを受けて、全司法本部は9月6日、書記長談話を発表し、秋季年末闘争の最重点課題とすることを決定しました。
 その他の職種も含めて、繁忙な職場から出された増員要求に背を向ける最高裁の姿勢を追及することとあわせて、職場からのとりくみを強めましょう。

書記長談話はこちらから
http://www.zenshiho.net/seimei/20240906.html


Xの反応から

◇ これはひどい。共同親権制度ができるというのに、調査官は47都道府県あわせて5名しか増えないそうだ。あの国会審議はいったい何だったんだろう。
◇ 家裁の忙しさ、見てると本当エグいですよね。ほぼパンク状態。なんとかしてあげてほしい
◇ これで共同親権を決められたら悲劇しか生まれない。
◇ やっぱり裁判所全体としては減員要求か。しかも最高裁事務官48人増って「査定で何人減らしても結構です」ってメッセージにしか見えないわ。
◇ 全司法労働組合さんの国会ロビーや声明などの現場からの骨太アクションを国は無視するな。全司法労働組合さん、心からリスペクトしています
◇ え? 全国で たった5人? え? 少な…
◇ 後見開始申立、静岡家裁富士支部の事件の家裁調査官の面談を同地裁沼津支部庁舎で実施…家裁調査官が富士にはいなくて、遠方から向かう都合で家裁調査官のいる沼津支部庁舎で面談したなあ。

2025年度裁判所予算の概算要求の概要

(単位 : 百万円)

 347,933 (令和6年度は330,979+16,954 5.1%増)
 ※要求・要望額には「重要政策推進枠」8,871を含む

1.裁判事務処理態勢の充実 31,199(前年比 +20,337)
 ○ 裁判手続等のデジタル化関連経費
   25,715(前年比 +20,134)
  ◇ 民事訴訟手続のデジタル化 9,263(前年比 +4,383)
  ◇ 刑事手続のデジタル化 7,070(前年比 +6,893)
  ◇ 民事非訟(執行・保全・倒産等)・家事事件手続のデジタル化 8,429(前年比+ 8,151)
  ◇ 司法行政のデジタル化 952(前年比 +707)
 ○ 家庭裁判所の充実強化関連経費
   5,485(前年比 +203)

2.裁判所施設の整備 17,567(前年比 +2,929)
 ○ 裁判所施設の新営等

3.定員要求
 ○ 増員48人(家裁調査官5人、事務官43人)
   家裁調査官は速記官からの振替え
    ※速記官の予算定員を財務省に返して、替わりに家裁調査官定員をつけるので
     職員数としては増えない(転官するわけではない)。
   事務官の増員はすべて最高裁、下級裁は減員
 ○ 定員合理化等 61人
   ※速記官から家裁調査官への振替5人を含む。
   下級裁の事務官と行(二)職(技能労務職員)を減員

 
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カギは「公共財」と「ケア」
全員参加型の運動で組織の拡大・強化を
国公労連第70回定期大会
 

人権を守る「公共財」としての公務公共の再生を

大会議長に吉村書記次長
 8月29日〜31日、国公労連第70回定期大会が開催されました。
 2023年度の活動総括では、2025年度からの新たな定員合理化目標数の半減、非常勤職員に対する「3年公募要件」の撤廃等をあげ、粘り強いたたかいの成果であることが強調されました。
 運動方針の提案では、重点課題として人員削減など新自由主義的改革で傷ついた社会インフラ、生活と雇用、人権を守る「公共財」としての公務公共の再生を市民とともに追及すること、労働組合が持つ「集団的ケア」の感性を活かし、組合員同士で支え合い、励ましあう「全員参加型」の組合活動を進め、組織の強化・拡大をめざすことが提起されました。

家裁の人的・物的充実やデジタル化などについて発言

 討論の中で、全司法からは、井上書記長が、民法改正による共同親権導入に対応するためには家庭裁判所の人的・物的充実が不可欠であること、人事院勧告は賛否両論あるが、得られた成果を組織拡大に活かし、労働運動の成果であることを伝えていこうと発言しました。また、猪股副委員長は、デジタル化によって国民が利用しやすい裁判所の実現には職員数が足りていないと発言しました。
 また、全司法の仲間がブロック・県国公から複数名が参加し、長岡文生さん(福岡)は、通勤手当の拡充は地域での運動を強化した成果であること、高野智子さん(秋田)は、寒冷地手当の不支給による一方的な不利益変更は許されないこと、岩崎保さん(岩手)は地域共闘の重要性をそれぞれ発言するなど、運動方針を補強する発言を行いました。

浅野委員長・笠松書記長を選出。全司法から関口さんが再任

 新たな役員体制では、浅野龍一委員長(全法務)、笠松鉄平書記長(国土交通)を選出。全司法からは、丹羽秀徳中央執行委員(愛知支部)、野中俊博会計監査委員(東京地裁支部)が退任し、関口香織中央執行委員(神奈川支部・再)が選出されました。

 
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台風を乗り越え、オンライン併用で開催!
青年協第34回定期総会
 
 全司法青年協は、8月31日〜9月1日に第34回定期総会をオンライン併用で開催し、全国34支部から総勢62人が参加しました。
 総会議案はすべて可決され、役員も候補者全員が信任されました。

議長あいさつ

配信拠点に集まった常任委員と参加者
自由時間を満喫できていますか?

 小田青年協議長は、参加者の青年に対して「普段の自由時間を満喫できているでしょうか?長時間労働や職場の厳しい状況に追われ、私たちの自由時間がまるで『働くための準備時間』になっているのではないか」という問いかけから、現代の働き方について問題提起を行いました。
 そして、自由時間の減少が「新自由主義」という国の政策に起因していることを指摘し、裁判所を含む国の機関が人手不足に陥り、一人ひとりが効率化を強いられている現状に触れました。
 その上で、私たちが自由時間を取り戻すためには労働組合が重要な役割を果たすと強調し、労働組合が人間らしく働ける職場環境を守るための交渉や支え合いの場を提供していることを紹介しました。
 あいさつの最後には、今の働き方に問題がないか、そしてどうすれば人間らしく心身ともに元気に生きていけるのか、参加者への問いかけで締めくくりました。

事務局長提案

 谷津事務局長は2024年運動方針案について次のとおり提案しました。

賃金水準の向上と物価高への対応

 昨今の国際的な価格高騰や円安による物価上昇は深刻であり、私たちの生活を圧迫しています。2024年人事院勧告に基づき、初任給は増加したものの、30代後半以降の賃上げは依然としてわずかです。
 この現状を受け、2024年度の活動では、物価高騰に対応した賃金水準の引き上げを求め、すべての世代が安定した生活を送れるよう、積極的に行動していきます。

裁判所のデジタル化と職場環境の改善

 裁判手続のデジタル化が進行する中、業務の効率化が進められていますが、同時に職場の負担が増加しています。人員削減が進み、一人ひとりにかかる負荷は大きくなっています。2024年度は、この問題に対処するため、デジタル化に伴う業務負担の軽減策を交渉し、青年が働きやすい環境を整えることを目指します。

組織の強化と拡大

 組合員数の減少は、組織全体の力を弱める大きな課題です。2024年度は、組織の強化と拡大を図り、若い世代を中心に組合員を増やす活動を積極的に行います。
 また、裁判所が大量退職期を迎えていることもあり、次世代を担うリーダーの育成が急務です。若手職員の育成に注力し、組織の持続的発展を支えていきます。

予算の有効活用

 2024年度の予算は、過去の活動成果を踏まえ、効果的に活用していきます。収入の限られた状況下であっても、組合員のためになるとりくみを実施するため、予算の適正な執行と管理を徹底して進めます。

組合員の交流と連帯の強化

 昨年度の友好祭典や学習会を通じて、多くの青年が連帯を深めました。今年もレクリエーション活動や交流イベントを通じて、青年同士の絆をさらに強化していきます。
 特に、12月に予定されている国公青年交流集会(コネクト)の準備を進め、さらなる交流の場を提供していきます。
 最後に、2024年度の青年協の運動方針として、賃金改善、職場環境の改善、組織強化・拡大、次世代育成、そして組合員同士のつながりをより深めることを目標に掲げています。皆さんの協力と積極的な参加をお願いいたします。

各青年からの声

 定期総会では、全国の代議員やオブザーバーから38本もの発言があり、賃金手当や総研設備、組織強化に関して多くの意見が出されました。

一人一言要求の実施時期と方法について

 岐阜の金森代議員から、一人一言要求行動の実施時期についての質問がありました。
 これを受けて、谷津事務局長からは「『一人一言要求』は、毎年5月に青年協が行う交渉の際に、当局に対して提出しているものであり、現時点においては、これまでどおりの4月に実施したいと考えています。そのうえで、一人一言要求の作成が新採用の組合員にとって、何を書いたら良いかという負担になっているのであればとりくみやすくするような工夫を検討します」と答弁し、「一人一言要求」の提案を補強しました。

賃金手当の見直し

 賃金・諸手当については、福岡の又吉代議員、高知の町田代議員、秋田の和田代議員、札幌の杉本代議員が発言し、民間の給与水準が高く、2024年の人事院勧告では通勤手当が増額されたが、共済の算定に通勤手当も対象となるため、共済掛金が上がるのであれば新幹線での通勤を諦めることにつながることが課題として挙げられました。引き続き賃金・諸手当の改善が求められています。

労働組合に関するかるたゲームを実施

オンライン併用かるたで楽しく学ぶ

 2日目の学習会では、オンラインを活用した労働組合に関するかるたゲームを実施しました。司会が労働組合に関する用語の説明を「上の句」として読み上げ、集合参加者は机上に置かれた用語が記載されたかるたを素早く取り、オンライン参加者はZoomのチャット欄に早押し形式でかるたに付された番号を入力する形式で行われました。
 正解が出ると、中矢中央執行委員長がその用語を詳しく解説し、参加者は楽しみながら学習を深めました。この学習会は、全国の青年が一緒に労働組合の知識を学べる良い機会となりました。

 
 
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