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全司法新聞
 
次回友好祭典は2026年に開催
全司法青年協常任委員会・最高裁交渉
 

 11月11日〜13日、青年協主催の総研生座談会、青年協常任委員会と最高裁交渉を実施しました。

総研生座談会
寮の備品不足、PC利用、調研生カリキュラムが課題

次回友好祭典は2026年に決定!

 毎年恒例の総研生座談会ですが、今年は本部書記官対策及び調査官対策の協力も得て開催しました。
 座談会に先立って実施した総研生アンケートでは、寮の備品が不足している実態、書研生に貸与されたPCの使い勝手の悪さ、調研生のカリキュラムの過密さに関する不満が目立ちました。座談会では、これらの点についてさらに詳しく話を聞き、交渉材料にしました。
 座談会の最後には、おまけのコマとして、現役書記官及び調査官(青年協常任委員・本部役員)による「総研でやっておいてよかったこと」「家裁支部書記官の1日」をテーマにミニ講義を実施しました。

常任委員会
「暮らしむきアンケート」500件集約を目標に


 常任委員会は、委員の10名に加え、オブザーバー4名が参加しての開催となりました。
 今回の議題は今年度の活動方針の具体化で、例年開催している「青年の暮らしむきアンケート」を500件集めること、8月に開催した友好祭典の写真を使って新採勧誘動画を作成すること、全国統一レクとしてオンラインボードゲーム大会の開催を検討すること、イベントに参加しにくい支部・独簡で働く青年を対象としたオンラインミーティング(仮称:ちいかわ分会オンラインミーティング)を開催すること等を決定しました。
 また、次回友好祭典は2026年の開催を目指すことを確認しました。

青年ウケのムーブは昼食会か?
総研の問題を議論

 組織課題に関する意見交換では、「新採用のガイダンスで『(加入届を)今日書かなくてもいいか』と聞かれたときにどう答えるべきか分からない」という問いかけに対し、「組合の意義は加入しないと分からない。いつでも辞められるからとりあえず入ってみてほしい」という回答例が紹介されました。
 飲み会に誘ってもなかなか青年が集まらないという問題、青年の脱退が多いという問題については、日常的に職場会(昼食会)を開催している支部では、青年の参加も多く、新採用職員に対するフォローのとりくみとして効果があることなどが報告されました。
 また、ある地連では、友好祭典で組合に興味を持った青年たちが集まって、自主的にレクの企画を進めているということが紹介されました。各地区の成功例を今後につなげる良い議論になりました。

交渉
書研生貸与パソコンの使用方法などを追及


 交渉では、総研生座談会および全国の青年から集めた職場実態報告をもとに、@人勧での賃上げを踏まえてもなお青年の生活が苦しいこと、A育児等の事情のある職員に配慮する一方で、特段事情のない青年は休みたいときに休みにくい状況にあること、Bデジタル化で青年が頼られすぎて負担を感じており、デジタルが苦手な職員に対する研修が必要であること、CCE・CA試験を受験するための交通費や休暇の取得が負担になっていること、D書研生に貸与されたパソコンの使用方法が限定的すぎてほぼ活用できていないこと、E調研生が実務修習中にただ働き残業を強いられていること、F健康診断の充実を多くの青年が求めていること、などといった実情を述べ、改善を求めました。
 回答は従前回答にとどまったものの、主張すべきことはしっかりと伝えた交渉になりました。

 
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「労働組合の役割が実感としてわかった」 11・10中央行動
 

 11月10日、全労連・国民春闘共闘等が主催する「23秋季年末闘争11・10中央行動」が行われました。全司法は上京団を配置して全国から20名以上が集まり、行動に参加しました。

賃上げがあっても、実質賃金は18か月連続マイナス

 最初に「今日の行動に参加する前に、一緒に考えてみましょう」をテーマとして、全司法独自の学習会を実施しました。講師をつとめた中矢委員長は、岸田政権が2023〜2027年度の5年間で43兆円(裁判所予算の約100年分)の財政支出を決めたことを切り口に、物価高騰が続くもとで生活改善のために政府が果たすべき役割があること、軍事費の増大でなく憲法が示している外交努力による国際紛争の平和的解決が求められていることを解明しました。あわせて、主権者である国民は政治に対して「モノを言っていく」権利があるし、「モノを言っていく」ことが必要だと述べ、その後の行動に参加する意義を説明しました。
 学習会の後は、日比谷野外音楽堂での中央総決起集会に参加しました。
 集会では、全労連の小畑議長が「労働者の奮闘で実現した賃上げも物価高に追いつかず、実質賃金は18か月連続のマイナス」だと指摘し、消費税減税・インボイス中止、全国一律での最低賃金制度、ケア労働者の大幅賃上げなどを求めていくと述べました。
 また、官民の多くの労働組合がそれぞれの要求をアピールし、全司法の参加者は、私たちの要求と一致する点はなにか、私たちの職場ならどうするかを考えながら話を聞いていました。
 集会の後は、国会にむけて請願デモを行いました。沿道にいた人の中には、横断幕を熱心に読んでいる人も見られるなど、関心の高さを肌で感じながら国会まで歩きました。
行動に参加して要求をアピール

「小規模庁の負担の大きさ」など実態を伝える

 その後、全司法独自の行動として、裁判所の実態や職場の要求を国会議員に伝えるための意見交換会を実施し、本村伸子衆議院委員、仁比聡平参議院議員(いずれも日本共産党選出の法務委員)が参加されました。
 参加者からは「連年の大都市への人員シフトにより地方の職場が疲弊している。全国的な増員が必要」「メンタルヘルスを悪化させる職員が増えているが、病気等で欠員が出ても補充されず、小規模庁では特に負担が大きい」「繁忙な部署では20時間以上残業しているが、上限が近づくと面談で超過勤務を控えるように言われるので、サービス残業になっている」「育児休業の取得促進が言われる一方で、職場でのフォローがされていない」「チームズの移行に関する弁護士等からの問い合わせで、通常業務に支障が出ている」など、職場実情にもとづく様々な要望が出されました。
 報告された実態について、両議員からは背景事情や詳細な説明を求められるなど、熱心に話を聞いたうえで「こうして現場のみなさんの声を聞く機会は大切だと思っている」(仁比)、「お聞きしたことを今後の国会審議に活かして、裁判所予算の拡充に繋げていきたい」(本村)と表明されました。
 参加者からは「他の職場でどんなことが問題となっているのか知ることができてよかった」「議員との懇談で熱心に話を聞いてもらえたのはとても良かった。次の機会があるならもっと職場のことを話したい」「議員に伝えるために職場の話をしたが、改めて職場の現状を認識する機会になった」等の感想が出されました。
 また、一日の行動を通して「労働組合の役割が実感としてわかるので、ぜひ多くの組合員にこうした行動に参加してもらいたい」との意見も出されました。

 
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デジタル化等を見据えた庁舎…? 秋田新庁舎
 

 11月はじめ、秋田地家裁及び仙台高裁秋田支部が新庁舎に移転しました。そこで、全司法本部から、井上書記長と小田青年協議長が新しい庁舎の様子を取材しました。

デジタル化を見据えた設計ではない模様

 昼休みに秋田支部の組合員8名に集まってもらい、座談会を実施しました。
 冒頭、井上書記長からの「デジタル化に対応した設備はありますか」という質問に対し、裁判官室にウェブ会議ブースが設置されていたり、事件関係室にLAN配線が届いていたりするものの、その他にデジタル化を感じられる設備はないとのこと。最新の庁舎にはデジタル化を見据えた設備が備えられているものと期待していましたが、実際には期待に応えるものではありませんでした。設計段階ではデジタル化の検討が進んでおらず、従来型の庁舎設計になっているのではないかとの意見も出されました。
 紹介のあった裁判官室のウェブ会議ブースは、腰高のパーティションで仕切られたような空間に椅子と机があり、各自パソコンを持ち込んで使用する方式になっているとのこと。密室にはなっていないため、ウェブ会議の会話は裁判官室内に漏れる構造です。

一室化された執務室
秋田の新庁舎を訪問

 執務室は「組織見直し」を意識しているのか、「事務局」「民事部」といった大きな単位で1部屋を共有しており、事務局は大部屋を腰高収納庫で仕切るスタイルになっていました。広さに余裕があり、部屋全体を見渡すこともできるため、息苦しさを感じることなく居心地は良いとのこと。
 しかし、これまで壁面収納だったものが腰高収納に変わったため、全体的に収納容量が減ってしまいました。

秋田の大雪に耐えられるのか?

 庁舎全体については、秋田特有の気候に耐えられるのか不安だという声が続出。仮庁舎では、設計の甘さが原因で積雪に耐え切れず窓ガラスが割れたという苦い経験もあり、新庁舎で同じことが起こらないか疑問視されています。

意見は日頃から伝えるべし

 一関書記長は当時を振り返り、「庁舎新営が職員に知らされる段階では、意見を出しても手遅れになっていた。新庁舎に関する意見は、庁舎新営を要求する時点で伝えておくべきだった」と語ります。デジタル化の方向性が見えてきて、今後各地で庁舎新営の動きがあることが予想されます。全国の地連・支部でも、秋田の様子を参考に、今後の要求を検討されてみてはいかがでしょう。

 
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繁忙と移動が大きな課題 地連調査官担当者会議・上京団交渉
 
フレッシュなメンバーで当局を追及

 11月5日〜6日、地連調査官担当者会議及び上京団交渉を実施しました。
 会議では、@人員と超過勤務の実態、A異動施策、遠距離通勤の問題、B赴任旅費、出張旅費の問題、C育成新施策の実情を中心に討議を行いました。今回の会議は、調査官の半数が新施策任官者というフレッシュな顔ぶれとなりました。

育休・病休の代替確保不十分、少年事件激増で繁忙

 人員配置に関わっては、全国的に育休取得者、病休者の代替が調査官で確保できていない実態が報告されました。
 また、複数の庁で少年事件の係属数が激増し、少年事件担当調査官が減っている中で執務態勢が追い付かず、極めて繁忙な状況にあることが報告されました。

早朝のサービス残業、持ち帰り仕事が多い

 超過勤務については、早朝のサービス残業や、育児時間等を取得している職員等の持ち帰り仕事の実情が共有されました。早朝の超過勤務は、職員側の申請する意識も低いことがうかがえ、最高裁回答を踏まえ、職員側も意識して申請する必要があるとの意見が出ました。
 また、多様な働き方を推進するため、テレワークの運用拡大を求め、より柔軟な運用と、勤務時間把握のための仕組み作りを求めていくことを確認しました。

「平等に不平等」な異動

 異動について、任官直後の調査官補が「平等に不平等」な異動を強いられている実態や、3庁目の「希望地及びその周辺」さえ叶わない実情が報告され、異動施策が破綻している実態が明らかとなりました。また、異動面談において、調査官補に異動希望を一任とするよう指導する等、不適切事例の報告がありました。赴任旅費については、支給が夏や秋になっている事例が複数報告され、制度改善とともに、認定事務の簡素化・効率化を求める声がありました。

調研生にもPC貸与を

 育成新施策に関わっては、実務修習中の超過勤務が過度に規制されている実情が報告されました。また、書研生がPCの貸与を受けていることから、調研生にも貸与を求める声が上がりました。
 交渉での当局回答は、従前回答に終始したものの、職場の実情や制度上の問題を具体的に訴え、改善を求めました。

 
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最後の速記官の退職まで不安なく執務できる環境を
地連速記官担当者会議・上京団交渉
 
速記タイプ更新を!

速記タイプの経年劣化深刻

 10月21日、オンラインで地連速記官担当者会議を開催しました。討議の中では、速記官の約2人に1台の割合である全国96台の配布で購入がストップされてしまった電子速記タイプライターについて、各地から経年劣化や不具合の症状が出ているという報告が多数ありました。実際に器械の故障で最高裁に修理依頼をし、器械の送付手続等を行った庁からは、「最高裁からのレスポンスが遅く、修理手続の進行に非常に時間が掛かった」という具体的な報告がありました。
 現在官支給されている電子速記タイプライターには「購入から2年以上経過したのでメンテンナンスをしましょう」というメッセージが頻繁に表示されています。最高裁は、「製造元によれば、適切に使用していれば長期間にわたって使用可能と聞いている」と言い、メッセージは放置してよいとの指示を職場に下ろしていますが、メンテナンスもされない器械をこのまま退職まで使用できるのか、また、経年の使用により今後は突然の故障も予想されるところ、特に予備タイプが配置されていない少人数庁からは大きな不安の声が上がりました。

一言要求行動実施を決定

 こうした実態を踏まえ、最高裁に対して、最後の速記官の退職まで不安なく執務できる環境を整えさせること、電子速記タイプライターはパソコンと同じく更新が必須の物品であり、更新計画を立てさせること、電子速記タイプライターを今後も購入させることを強く求めていく点を参加者で確認し、速記官一人一人の一言要求行動を実施することを意思統一しました。

立会事件選定に関われるようになった

 このほか、会議に先駆けて実施した事前調査の結果を基に、全国の問題事象や執務上の情報を意見交換しました。長年立会事件の選定に速記官が関与できていなかったために関与を要求し続けていた庁において、やっと要求が実り、選定に関わることができるようになった旨の報告もありました。

最高裁へ要求ぶつける

 10月30日に行った交渉では、会議で確認した全国の意見を基に、電子速記タイプライターの購入、更新の要求をはじめ、名前や庁名を挙げての昇格要求、執務環境の改善、研修の在り方、特定健康診断の充実等の具体的な要求を最高裁にぶつけました。

 
 
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