
「集まる」青年協復活
全司法青年協は8月26日〜28日に第33回定期総会および全国青年友好祭典を東京で開催しました。総会はオンライン併用、友好祭典は完全集合形式で行い、全国40支部から総勢109人が集まりました(友好祭典については2・3面に掲載)。
総会議案はすべて可決され、役員も候補者全員が信任されました。来賓として、国公青年フォーラム運営委員長の吉原太一さん、全法務青年女性協議長の松尾瞳さんが参加して、激励のメッセージを伝えました。
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議長団の進行で活発な議論 |
議長あいさつ
「転職」ではなく「組合」という解決策も
小田青年協議長は、「コロナ禍に一区切りついた今、これからの活動のあり方について一緒に考えてほしい。また、青年の転職が増えていることについて、問題に直面したときに転職という解決策をとってしまうと、職場は改善されないまま。そうしたことが全国で起これば、いずれはどの会社・職場も何かしらの問題を抱えていて、『どこがマシか』という選択しかできなくなってしまう。裁判所には全司法という頼れる労働組合がある。今後の裁判所をよくするためにも、今日の議論では職場実態について話し合ってほしい」と思いを述べました。
事務局長提案
楽しく健やかに生きるために青年協に結集を
仲程事務局長から運動方針について提案がありました。
定員合理化計画、給与制度のアップデート、定年延長など青年にとって今後の働き方に大きな影響を与える分岐点にあることに触れ、青年も自分の問題として考え、向き合っていく必要があると語りました。
年3回実施している最高裁交渉について、今年は総研寮の電子レンジ増設が実現したことを紹介し、要求のもとになるのは青年一人ひとりの声であることから、日頃のアンケートや職場実態報告を、今後も提出してほしいと呼びかけました。
また、今年は各地でレクや学習会が開催されており、今年企画できなかった地連・支部でも今後ぜひ企画してほしいと述べました。
最後に、楽しく健やかに生きるために、議論を重ねながら一緒に手を取り合って頑張っていこうと呼びかけました。
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青年特有の要求続々 |
諸手当
寒冷地手当が足りない・熱帯地手当もほしい
釧路の青木代議員から「燃料費高騰で今年の冬は例年の倍(月4〜5万円)の光熱費がかかった」という実態や、埼玉の太田代議員から「埼玉は暑くて冷房代が嵩むので暑い地域には熱帯地手当を出してほしい」という発言がありました。
休暇
制度周知が大事
広島の奥代議員から「特別休暇の制度を知らず、年休を使っている青年がいる。もっと手厚く説明してほしい」との意見が出ました。
採用・異動・宿舎
情報とお金を早く
札幌の稲垣代議員から「調査官補の任官先の内示を実務修習中にしてほしい。集合研修中にされると、荷造りや内覧のために現所属庁・任官先・総研を行き来するのが大変」という意見や、徳島の宗和代議員から「『名簿借り採用』だが、採用に向けた面談は3月1週目に行われ、準備がぎりぎりだった」という実態、大阪の羽達代議員からは「赴任旅費の支給時期が遅すぎて調査官補の生活が苦しい。採用直後にこのような仕打ちでは、新採の裁判所に対する信用を失うのではないか」といった問題意識が出されました。
宿舎に関して、財務省は「今の若者が考える普通」の宿舎を目指すとしていますが、これに対して高知の大久保オブからは、「今住んでいる宿舎は築50年以上。雨が降るとふすまがたわむ。南海トラフ地震が予想される地域なので、耐震性を高めてほしい。また、せめて1部屋くらいはフローリングにしてほしい」との発言がありました。
宿日直
青年は断りにくい
秋田の秋山代議員からは「青年は先輩から宿日直の交代を頼まれたら断りにくい。人事院勧告では、フレックスタイムのより柔軟な利用について書かれているが、これが導入されたら宿日直を後輩に頼む人がさらに増えそうで心配」といった意見が出されました。
総研・CE・CA
今時Wi-Fiは必要インフラ
千葉の長田代議員から「総研にいる間だけWi-Fiを契約するのは大変。今時Wi-Fiは必要インフラなので、総研で整備してほしい」という意見、福岡の本山代議員からは「総研の研修スケジュールの周知が遅すぎる。ふりまわされている感覚」という発言がありました。
組織
調査官にも声をかけて
甲府の坂田代議員からの「甲府ではなかなか青年が集まる機会がない。他の支部の活動を聞きたい」という問いかけに対し、札幌の稲垣代議員から「札幌では毎週夕方に書記局で執行委員会を開き、青年協への報告事項の検討やレクの準備をしている。レクとして、例年4月に新採歓迎食事会、5〜6月にBBQ、7月に旅行会をしている」と紹介されました。また、この議題については、夕食会で話題になるなど討議時間外での情報交換も活発になされました。
長野の中澤オブからは「調査官は任官後の庁で青年部とのつながりを作りにくい。積極的に声をかけてほしい」と呼びかけました。
新採勧誘については、神戸の米田代議員から「毎年青年協の動画を活用しており、好評」との発言がありました。
「呪いの言葉の解き方」を伝授
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学習会・「呪いの言葉の解き方」 |
学習会では流行語大賞トップ10「ごはん論法」でもおなじみの上西充子さんを講師に迎え、「呪いの言葉の解き方」をテーマにグループワークを行いました。グループワークでは、例えば「国家公務員なんだから全国異動は覚悟しているはず。嫌なら辞めればいい」というような青年の思考や選択肢を狭める「呪いの言葉」に対し、相手の土俵に載らずにどのように答えるかをグループで考えました。
社会人経験が浅い青年にとって、問題の存在に気付くこと自体が難しいことです。そんな青年が問題に気付くためには、「呪いの言葉」を一つ上の次元から捉え直し、問題の本質を考える必要があることが分かりました。
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