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全司法新聞
 
平和への鍵は、原爆被害の実相を理解すること
原水爆禁止2023年世界大会に青年協議長が参加
 

 8月5日〜8日、広島市及び長崎市で原水爆禁止2023年世界大会が開催されました。全司法からは、小田青年協議長が青年の分科会及び閉会式(いずれも8日・長崎)に参加し、平和公園で千羽鶴(国公労連女性協のとりくみの一貫として全司法女性対策部が作成)を捧げました。
 また、6日には本部役員有志で広島の平和記念公園を訪れ、平和への祈りを捧げました。

吉原国公青年フォーラム運営委員長
/小田青年協議長
千羽鶴を捧げる小田青年協議長 千羽鶴に平和への
想いをこめて

耳をふさぎ目を閉じる練習を毎日

 青年の分科会では、被爆者で日本原水爆被害者協議会代表委員の田中煕巳さんが体験談を語られました。
 田中さんは、中学1年生の時に長崎で被爆しました。8月9日、田中さんが自宅2階で本を読んでいると、突然世界が真っ白になりました。「何か大変なことが起こっている」と思い、1階に駆け降りて、耳をふさぎ、目を閉じました(爆弾の衝撃で目が飛び出し、鼓膜が破れることを防ぐため、当時は毎日耳をふさいで目を閉じる訓練をしていました)。その後しばらく気を失ったものの大きなケガはなく、すぐに家族と防空壕に避難し、終戦の日までそこで生活しました。
長崎・集会 被爆体験談を語る
田中さん(右)

街中が遺体を焼く臭いだった

 田中さんは、爆心地付近に住む親戚を探すため、隣町へ向かう途中で見た光景が忘れられないと語ります。崖にへばりついた子どもの遺体、川に頭を突っ込んだ状態で生死不明のおばあさん。救護所(小学校の校舎)では、たくさんの重傷者が床に転がされ、近所の女性たち5〜6名だけで救護をしていました。田中さんが見ている間にも、多くの人がうなりながら息絶えていきました。遺体は校庭に積み上げられ、夕方にまとめて火葬しました。火葬は1週間毎日行われ、街中に遺体を燃やす臭いが充満していました。

被害形態はさまざま

 爆心地の近くで被爆した人たちは、大やけどや内臓の細胞が破壊されたことにより亡くなりましたが、爆心地から離れたところで被爆した人たちも目に見えない被害に苦しみ続けました。当時、放射線の人体への影響は一般に知られておらず、病院に行っても診断がつかないことも多々ありました。アメリカ占領軍により、原爆被害について口外することを禁止されていたことも、被爆者への理解が広がらない一因となりました。健康被害だけでなく、経済的な被害もありました。田中さんの家庭では父親が戦死し、遺族年金も給付されず、無収入になってしまいました。学校卒業を諦めかけたこともあったそうです。

「非人道的」、被害の実相を伴った理解を

 最後に田中さんは、「今の政府がやっていることは違憲だ。政府に憲法を守らせることが平和活動の基本。政府は核兵器を『非人道的』だというけれど、何が『非人道的』なのか、内容を伴った理解をしていないように感じる。本当に原爆被害の実相を知っている人なら、『抑止力』という発想にはならないはずだ」と仰いました。そして参加した青年たちに対して、「被爆者に当時のことを根掘り葉掘り聞いて、平和運動の力にしてほしい。同時に、平和運動を続けるためには、本当の仲間、頼れる仲間を作ることが必要だ」とメッセージを送りました。

核廃絶の願い、世界から

 閉会式では、中満泉さん(国連事務次長・軍縮担当上級代表)、アハマド・ファイザル・ムハマドさん(国連マレーシア政府代表部常駐代表)、岸本聡子さん(東京都杉並区長)による挨拶や韓国人被爆者、長崎市民、海外平和団体等からのスピーチが行われました。また、九州・沖縄の代表者、高校生団体、女性団体等から決意表明がありました。
 会の最後には、核兵器廃絶を共通の要求とする国際的な共同行動や核兵器禁止条約への支持・参加を求める運動を強めること等をよびかけ、閉会しました。

広島・現地で感じた被害の大きさ
広島・慰霊碑に並ぶ人々

 6日、本部役員有志で広島の平和記念公園を訪れました。35度を超える炎天下の中、慰霊碑の前には平和への祈りを捧げる人で長蛇の列ができていました。「原爆が投下された日の広島はもっと暑かっただろう」と当時の様子を想像したり、大やけどの熱さを癒すために多くの被爆者が飛び込み、人で埋め尽くされたという公園横の川を見て、被爆者がどれだけ苦しんで亡くなったかを考えたり、現地に行ったからこそ感じられるものがありました。

 
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要求と組織、それぞれの課題を出し合って
各地連で定期大会を開催
 

 8月から各地連の定期大会が開催されています。東京、近畿、九州(いずれも8月5日)、北海道、中国(いずれも19日)、中部(19・20日)の大会の様子をお伝えします。

北海道地連
欠員補充を強く要求


 北海道はこの4月期に14名の人員削減がありましたが、退職等で年度途中の欠員があった場合に、当局は「内部の事務分担を見直す」と言ってすぐに補充しないことが多く、「欠員補充されるまでは」と頑張っていた職場の人員が削減された実態が報告されました。これに関わって「職場で病休者が多く、今年は2名の現職死亡があった。こうした場合に後補充や代替要員をきちんと確保して欲しい」との発言がありました。
 組織強化・拡大に関わっては、若手組合員に対するフォローのとりくみとして地連オルグやウインタースクールに期待する意見が出されました。

東京地連
組合員に声をかけ続けることが大事


 地連執行部から「組合員を増やす・執行部をはじめとした組織の力量を上げるための活動」を中心に運動方針の提案がありました。これを受けて、各支部のとりくみが報告されるとともに「自分が組合員でいるのは、良くしてもらったという思いと、何かあった時に助けてもらえる安心感があるから。組合員に声をかけ続けることが大事だと思う」との発言がありました。
 要求課題では、病休や休職などがあった際の人員配置、超過勤務の実態把握がされていないこと、長野・上田支部と新潟・長岡支部の宿日直廃止要求、運転手の新採用を求める等の発言がありました。

中部地連
デジタル化の上高団交渉に手応え


 「残業は当たり前、毎朝8時には全員が出勤している係もあるが、超勤はつけていない」「異動希望があるにも関わらず、面談で『1年目だから異動はない』との対応があった」といった問題が報告されました。
 組織強化・拡大に関わっては「コロナ禍でできていなかった組合員の交流会を再開した。集まることにより交流を深めていきたい」との発言があり、青年部の活動を積極的に進めているとの報告もありました。
 地連が実施したデジタル化をテーマとした上高団交渉について「良かった。ワークライフバランスや超勤問題をテーマとした交渉も良いのではないか」との発言がありました。

近畿地連
組織と青年の会議が意思統一の機会となった


 「60歳までに5級」の要求に関わって「中高年は大問題と受け止めているが、若手はより良い職場環境を求めて転職する考えを持っている。この状況を真摯に受け止めるべき」との発言がありました。また、この課題での署名の集約数が不十分であったことについて指摘する意見もありました。
 地連が4月期に向けて、組織担当者会議と青年の会議を同時に開催したことについて「意思統一の機会となった」と前向きに受け止める発言があり、各支部から新採用の加入拡大についての経験が語られました。
 その他、賃金、人員、デジタル化、赴任旅費、宿直等の要求課題で発言がありました。


近畿地連大会の様子(8月5日)

中国地連
組合活動は明るく、楽しく、元気よく


 7日にあった人事院勧告について「若手には手厚いが、物価高騰に見合っておらず不満」「通勤手当、特に新幹線の手当てについて何の言及もなく不満」と言った発言が出されました。
 超勤実態の把握について、管理職の声かけがやられている職場もある一方、「管理職が現認しても声かけしていない」実態も少なくない様子が報告されました。
 組織強化・拡大に関わっては、「新採用の早期加入はある程度すすんでいるが、早期に脱退する人がいるのも事実、脱退させないためのとりくみフォローも大事にしていきたい」「組合活動は明るく、楽しく、元気よくやっていく」「労働組合が何をしているか、折衝や交渉について説明をしていきたい」等の発言がありました。

九州地連
国民に目をむけた予算と運動が必要


 情勢に関わって「政府は賃上げが必要と言いながら何の手も打たず、逆に防衛費を増額している。国民に目をむけた予算とさせるための運動を盛り上げる必要がある」との発言がありました。
 職場実態では「若手職員のメンタルや中途退職が多い。働きやすい職場となっていない」との指摘がありました。
 組織強化・拡大に関わっては、「集まるとりくみは大切。集まることにより共感が生まれるし、若い人に影響も与えることができる。職場会を重視し、未加入者も集めるなどのとりくみが必要」との発言がありました。
 また、「せいふうまつり」(地連主催の友好祭典)の成功や、全司法大運動の議員要請行動の成果について発言がありました。


九州地連大会の様子(8月5日)
 
 
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