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全司法新聞
 
夏の国公青年セミナーを開催
 

学んで交渉した夏の国公青年セミナー

 6月25〜26日、夏の国公青年セミナーがオンライン併用で開催され、全司法からも参加しました。1日目には学習会や班別討議を行い、2日目には集合参加者が3班に分かれて、それぞれ人事院、内閣人事局、財務省と交渉しました。

「給与制度のアップデート」の問題点を学習

 セミナーの冒頭は、国公労連調査部の笹ケ瀬亮司さんを講師に「給与制度のアップデート」について学びました。
 給与制度のアップデートは、国家公務員を志望する若手人材が減少していることや、定年年齢引上げに伴って給与カーブを見直す必要性がでてきたこと等、社会と公務の変化に適応するために人事院が給与制度の変更を検討しているものですが、若年層の賃金が上げられる一方で中高年の賃金が下げられることなどが懸念されているとの説明がありました。
 また、給与決定と関係が深い人事評価制度について、人が人を評価するという制度上、適正な評価は難しく、人事評価を根拠に格差を拡大するような給与制度にさせないよう注意する必要があるとの話もありました。

職場実態交流、「年休取得を人事評価の目標にさせられた」

 講義の後、国公青年フォーラムの役員が講師を分担して交渉に向けた基礎知識の学習会を行い、交渉相手(人事院、内閣人事局、財務省)ごとにグループに分かれて、職場実態を話し合いました。「経済的に特急料金を負担する余裕がなく、普通電車で片道2時間半かけて通勤をする青年がいる」「他律的業務を行う部署では平均80時間の超過勤務が行われている」などの実態が出されました。
 また、人事評価について目標管理の手法をとる府省では、「超過勤務を一定時間内に収めることや年休を一定日数以上取得することを目標にするよう指導される。目標を達成できなければ評価に響くので、サービス残業をしたり、年休を取得している日にこっそり出勤したりしている。期末には自己評価をしなければならないが、高評価をつけると、上司から修正するように指導される」といった問題のある運用がはびこっていることが報告されました。なお、裁判所では全司法との交渉等を経て「目標管理の手法はとらない」ことになっています。

財務省交渉、今の若者が考える「普通」の宿舎にしていきたい

 人事院交渉では、賃金、給与制度のアップデート、勤務時間把握、人事評価制度等について青年の実情を伝え、改善を求めました。全司法からの参加者も、職場の実情を訴えました。回答は従前のものにとどまりましたが、「若手職員の話を聞ける重要な機会だった。今日の話は、担当者に伝えたいし、今後も引き続き意見を聴いていきたい」と述べて青年の意見を聴く姿勢を見せました。
 内閣人事局交渉では、人員確保や非常勤職員の無期転換等について追及しました。これに対して、人員については「業務の見直し等により定員を合理化(減員)する必要がある」、非常勤の無期転換については「公務の性質上難しい」といった趣旨の回答がされました。
 財務省交渉では、宿舎の確保やリノベーション等を求めました。回答では、現在必要戸数や通勤時間の調査を行っていること、今年度水回りのリノベーションやモニター付きインターホンを設置する予定であることなど、前向きな回答がなされました。また、今の若者が考える「普通」の宿舎にしていきたいという方向性も示されました。

参加者の感想

 交渉自体も貴重な経験でしたが、準備で他の単組の方と話した時間が特に印象深いです。自分達が普通だと思っていることが他の省庁では違ったり、裁判所ではありえないことが他省庁では起きていたり、同じ公務員でもこんなに違うんだと驚きや発見がたくさんありました。

 
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中部地連、「デジタル化」で上高団交渉を実施
 

 中部地連は6月26日に、裁判所のデジタル化に関する上高団交渉を行いました。中部地連では当局との間で年に2回の上高団交渉を配置しており、その内容(交渉議題)については、そのつど決めて申入れをしています。これまで職種や階層での配置が多かったものの、今回は裁判所の喫緊の課題であるデジタル化の課題で交渉を申し入れることとし、職種・階層・職場を問わず、広く組合員の参加を呼びかけました。

会議には中部以外からも全国の組合員らが参加

 交渉にあたり、前日には中部地連管内各支部の組合員を始め、本部の中矢委員長、東北地連、近畿地連、九州地連の方々など多くの方に参加いただき、対面とオンラインを併用した会議を行いました。会議では、中部地連管内各職場のデジタル化に向けた動きや実情を共有するとともに、全国各地の状況と照らし合わせて議論を行い、交渉で伝えることをまとめていきました。会議終盤ではWi-Fiルータの調子が悪化し、一時オンラインが使用できない状況となるなど、これが裁判手続中であればどうなっていたかという議論に発展し、改めてデジタル化で考えなければいけないことの多さと重要さに気づかされる機会となりました。
 事前に提出した要求書(交渉の議題)は、全国統一要求書のデジタル化に関する項目を参考に作成し、交渉では、@裁判手続や事務のデジタル化については、全司法と協議し、職員の意見や職場実態を踏まえたユーザーフレンドリーなシステム開発を行うこと、A周辺機器等のIT情報基盤の整備を行うこと、Bデジタル化に関する研修体制の改善や専門スタッフの養成を行うなど職員の不安を解消すること、Cトラブル・アクシデントにも対応可能な危機管理体制の整備を求めることなどを基本的な要求として主張しました。

交渉で人的態勢整備、PT改善、インフラ整備を追及

他地連からも参加した会議
 参加者からは、「現在各庁では民事部にデジタル化のための人員が配置され、デジタル化に向けた準備が比較的円滑にすすんでいるのに加えて事務の軽減につながっているところが多いが、今後他の部署でデジタル化が進んだ場合、同じように人的手当がなされるのか不安がある」との人的態勢に関する意見や、各庁で設置されている検討PTについて「目的がはっきりしない」「別の庁の二番煎じとなり必要性に疑問がある」「事務官は関与することがほとんどなく、職場内でも情報格差が出ている」「刑事・少年部の取り組みは想像での議論に終始している」「議論したものがどういった流れでどの程度上に伝わっているのか」等、多くの不満が出されました。
 設備については、「実務や検討に必要なアカウント数が整備されていない」「ウェブ口頭弁論が始まるのに、ディスプレイの配布数が法廷の数に見合わない」「縦型にもできるディスプレイが必要」「新営が予定されている庁舎はデジタル化後の事務を考慮したものにしてほしい」「デジタル化は原則全職員を対象としており、例外を作らず行二職にもパソコンを配布してほしい」等の発言がありました。
 また、パソコンやシステムに不具合が出た場合、復旧に長い時間がかかる現状を伝えた上で、「システムの不具合や危機管理に対しては当局でしっかりと検討や整備を行ってほしい」「システムが継続して稼働できる能力を高め安定感のあるシステムを実現してほしい」といった要望も伝えました。

国民も職員も利用しやすいシステム構築に役立てていくと回答

 これに対し当局は「各職場や職員がデジタル化に前向きに取り組んでいただいている」との認識を示し、「デジタル化は職員の協力なしでは実現できないので、協力してもらいたい」「より積極的な意見交換をしていただきたい」「高裁で努力できるものは努力し、最高裁に伝えるべきことはしっかり伝える」「職員や職員団体の意見を幅広く集約し、国民も職員も利用しやすいシステムの構築に役立てていく」との回答がありました。各職場の実情や意見を率直に伝えられた良い機会となりました。

 
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職場実態・生活実態を示して最高裁を追及
2022年度地連行(二)担当者会議・上京団交渉
 

 6月18〜19日、地連行(二)担当者会議及び上京団交渉を実施しました。
 会議には、オブザーバーを含め、全8地連と本部から14名が集合で出席し、行(二)職の職場実態について、情報共有・意見交換を行い、議論を深めました。

行(二)職上京団交渉の様子
物価高騰に見合った賃上げを

 賃金に関わっては、光熱費をはじめ、物価が高騰する中、低賃金におかれている行(二)職の生活に影響が生じており、賃上げ要求を強める必要性が強調されました。また、仕事があるにも関わらず、あえて行(二)職員には超過勤務をさせない実態があり、手当収入がなくなったとの意見も出されました。

最高裁は処遇維持のための具体的な工夫・努力を

 昇格に関わっては、退職後補充が行われず、職員が減少する中であっても部下数が昇格の要件となっていることから、従前の到達級に達することなく退職せざるを得ない実態が改めて出されました。そのため、処遇維持のための具体的な努力を行うよう最高裁への追及を強める必要があるとの意見が多く出され、あわせて国公労連に結集して人事院に対する要求を強める必要性も強調されました。
 評価制度に関わっては、「問題が生じることなく毎日の業務を行っている」ことを評価の対象にさせる必要があるとの意見が出されました。また、評価者が行(二)職の業務を理解していないこと、評価者を信頼できないこと(評価者に信頼関係を築く姿勢がないこと)などの実態が報告されました。

パソコン配布、活用の検討を

 デジタル化に関わっては、行(二)職へのパソコン配布を求める意見とともに、自動車運転手や守衛の業務には、むしろタブレットやスマホ等が有効に活用できるのではないかとの意見が出されました。
 会議に引き続いて実施した上京団交渉では、会議の内容をふまえ、行(二)職の職場実態や生活実態を伝え、要求の実現にむけて努力するよう追及しました。

 
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九州地連労働学校 「あらためて全司法を語る」
 
 九州地連は6月24日、九州地連労働学校をオンラインで開催し、全司法本部の大杉副委員長に「あらためて全司法を語ります」、元国土交通労働組合九州運輸支部所属の松藤貴仁さんに「なかまをつくるなかまづくり」というテーマで講演をいただき、19名が参加しました。

次の世代につなぐため、各自が「誰に」「何を」語るのかを考え、行動に移してほしい

大杉浩二副委員長
 第一講義の「あらためて全司法を語ります」では、労働組合のしくみ、労働組合が運動する理由などを説明した上で、戦前の裁判所、全司法の結成、その後の全司法に対する攻撃など、その時代の状況について詳しく説明され、全司法が歴史の中で大切にしてきたことは、「どんな困難な状況でも組織を守りとおすこと」「職場に根差した労働組合として要求実現のために努力すること」であり、このことを大切にし、次の世代に繋いでいくことが重要であると述べられました。現在の裁判所当局の全司法に対する基本姿勢である「3・18事務総長見解」では、「見解」が出された背景、「見解」が実質的に中身を伴うものにするための定着させるとりくみ、「見解」の意義を本当に生かしていくためにも全司法が組織を維持する必要があると説明されました。
 「誰に語るのか、何を語るのか」を考え、各自が行動に移していただきたいと述べられました。

交流のきっかけづくりとなるオルグが重要

 第二講義の「なかまをつくるなかまづくり」では、労働組合離れが起きている状況の中で、組織化がうまくいかない理由、声掛け・説明する環境作りの難しさに触れ、交流のきっかけづくりとなるオルグのとりくみの重要性が述べられました。講義の内容は全て講師自身の経験や考えに基づき述べられ、オルグを通しての組織化として、できる範囲内でオルグの環境を作り、規模を問わず定期開催を目指し、動員に力を注ぎ工夫する(交流会とセットなど)。このとりくみを継続する中で、リピーターを増やし、声をかける・伝えるなかまを増やしていく、それが「なかまをつくるなかまづくり」に繋がると述べられました。

組合活動に必要な基本的な話を聞けた

 参加者からは、「活動に必要な基本的な話を聞けた」「これからの組合活動に役立てたい」などの感想があり、充実した労働学校となりました。

 
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鹿児島、「退職者の会」結成に向けて始動
 
みんなで集まって
オンライン・ミーティングに参加

 鹿児島では、組合で一緒に活動してきた退職者や再任用者と役員の間で個人的なライングループができています。ラインで日々の暮らしの中で感じたことや近況、集会等の情報交換を行うとともに、メーデーに集まった後にランチ飲み会をしたり、退職者からは全司法大運動署名数十筆が寄せられたりもしました。
 この間、本部がオンライン開催した3回の全司法・退職者サポーターズ交流会にはそれ以外のメンバーも含め支部独自の交流会(飲み会)も兼ねて参加しています。そういうなか、このライングループも広げながら鹿児島でも退職者の会を作ろうという動きがでています。以下、その発起人(退職者)の思いを掲載します。

退職後の「ゆったり時間」はとっても素敵。でもそれが「孤立」にならないよう繋がることも大事。

 「退職後はゆったり安心して暮らしたい」現場で日々仕事に追われる誰しもが思っていること。でも退職して見えてきたことは…。
 65歳で全額支給となった年金も、今年は微増したものの物価高で実質減。年金制度の安定という名目で導入されたいわゆるマクロ経済スライドで今後とも給付額は抑え込まれる。
 大きな病気はしなくとも加齢に伴い病院通いとかが増えてくるもの。昨年10月から一部後期高齢者(75歳以上)の自己負担医療費が値上げ。介護保険も利用料引上げや給付引下げなどが厚労省の社会保障審議会で検討中。世代間格差是正ということで社会保障全体が抑制されようとしている。
 一方、地元の新聞には、馬毛島で米空母艦載機離発着訓練、奄美大島瀬戸内で敵基地攻撃のための大型弾薬庫増設、喜界島や徳之島で米海兵隊と自衛隊の離島奪還共同訓練、鹿屋自衛隊基地で米軍無人偵察機MQ9配備。戦争準備のようなきな臭い記事が続く。
 「退職したら一人ぼっち?」安穏とはしていられない社会の中で、高齢者の社会的孤立も見えてくる。
 退職後の「ゆったり時間」はとっても素敵。でもそれが「孤立」にならないよう繋がることも大事。今はオンラインで簡単に繋がることができる時代。仕事や組合で頑張っていたときほどではなくても、互いの元気とか確認しあえる程度のゆるゆるの繋がりでも広げられたら。そんな思いで退職者の会を作りたいなと思っている。

 
 
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