2月8日、裁判所共済組合の2023年度骨子運営審議会が開催され、23年度事業計画の骨子案を審議するとともに、3月22日の計画運営審議会で審議される共済組合組織統合案の説明が行われました。
23年度短期掛金率は維持、介護掛金率は引下げ
23年度の短期掛金率は、現行の38・56‰(福祉分1・01‰を含む。)が維持されます。22年度は約8・2億円、23年度は約6・6億円の黒字が見込まれるものの、24年度には約1・1億円の赤字となり、25年度以降、赤字幅が拡大するものと見込まれています。今後の赤字等に対応するため、積立金が確保されており、22年度末に約90億円になると推計されているものの、赤字が累積し、積立金が40億円程度にまで減少することととなった場合には、掛金率の引き上げを検討せざるを得なくなると想定されます。
介護掛金率は、現行の9・03‰から8・75‰に引き下げられます。
福利厚生パッケージサービス事業は継続、人間ドック等補助は現状を維持
福利厚生パッケージサービス事業の継続の必要性が検討されてきたところ、利用率は新型コロナの影響から脱しつつあること、育児・介護、引越の3者見積書取得サービスなど、余暇の充実だけでなく、生活に必要なサービスも利用されていることから、事業継続が相当と判断されました。引き続き、利用しやすく、地域格差のないサービスの提供等に努めることとなります。
特定保健指導の20年度の利用率に基づく、後期高齢者支援金(短期経理から支出)の23年度の加算額は約4300万円となる見込みです。引き続き、実施率向上にむけた周知等のとりくみがすすめられます。また、組合員証のみでの利用やウェブでの予約・面談が可能となるよう、外部委託サービスの導入が検討されています。
人間ドック等の補助事業は、22年度と同様に実施されます。
貸付事業の適用利率は、普通貸付は4・26%を維持、特別貸付は1・16%を維持、住宅貸付・特別住宅貸付は現行の1・33%から1・55%に引き上げられます。
全司法推薦の委員による支部視察は、水戸・岐阜・神戸・広島・鹿児島の5支部を対象に、出張またはオンラインで実施されます。
3月には、24年4月に東京高裁管内の
最高裁・東京・横浜以外の支部を統合することを審議
共済組合組織の統合に関わっては、現在の検討状況について、被統合庁に残る業務は、@組合員がメールで直接本部に提出できない届出書等で、一定期間に同種のものを本部に郵送する業務、A共済備品の廃棄に付随する業務、B共済委託事業(食堂、売店)に付随する業務、C診療所の運営業務のうち現地で行うことが相当な業務であるとし、最小限にする方向で引き続き検討していると説明がありました。また、最高裁・東京・横浜の3支部が統合される4月期の厚生管理官室(共済本部)の係構成について、最高裁の担当部署から、企画系3係・実施系7係を置くことを検討していると聞いていると説明がありました(現在の厚生管理官室は、共済本部3係・最高裁支部2係)。
3月22日に開催される計画運営審議会では、24年4月に、東京支部および横浜支部以外の東京高裁管内の支部を共済本部に統合することについて、審議が行われます。また、25年4月以降の統合スケジュールについては、23年度中に行われる運営審議会において、東京高裁を除く7高裁管内すべての統合に関する検討をふまえて、審議することが検討されています。
組合員の意見反映やアクセスの維持・充実が必要
組織統合(支部の廃止)がすすめられようとしている中、現行の支部視察のように、双方向での対話を行うことにより、委員が組合員の意見や要望を直接把握し、互いに理解を深めあうとりくみの継続を求めていく必要があります。また、共済組合の広報・連絡・相談・照会・各種手続において、ホームページとメールや新たなコミュニケーションツールの活用が検討されていることから、官物パソコンの貸与を受けていない職員や育休等により相当期間出勤しない職員などに対する十分な配慮を行うよう求めていく必要があります。
「運営審議委員」について
運営審議会の10名の委員のうち半数の5名は共済組合員を代表する者から任命することとされており、全司法が推薦する5名が任命されています。また、監査員3名のうち1名も全司法の推薦により任命されています。この日の運営審議会には、全司法から5名の委員(光田透修・立川、谷真弓・神戸、北島庸徳・岡山、兼頭忠宏・愛媛、大杉浩二・本部)と監査員(猪股陽子・本部)が出席しました。
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