全司法本部は5月31日、諸要求貫徹闘争における最高裁人事局福島総務課長との第3回交渉を実施し、IT化、人事評価制度、庁舎・機械設備等、休暇・休業・次世代育成支援、男女平等・母性保護、宿日直、社保・共済等の課題で最高裁を追及し、要求の前進をめざしました。
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デジタル化や休暇などの議題で交渉 |
裁判所のデジタル化
予算確保に最大限の努力
IT化にかかわって、システム開発等に当たっては「職員の意見や要望等を的確に把握」する必要があるとし、「職員及び職員団体の意見も踏まえながら検討を進めていきたい」との姿勢を示すとともに、「裁判所のデジタル化に向けた職員の意見等募集用窓口を設置する」ことを明らかにしました。また、「裁判手続のデジタル化のために必要な予算の確保に向けては、最大限の努力を行いたい」との姿勢を示しました。
一方で、ウェブ会議用のパソコンや施設の要求については「要望があることは承知した」としつつも「今後の業務の在り方や予算状況等の諸事情を総合的に考慮した上で検討する」との回答にとどまりました。
人事評価制度の評語区分の見直し
基本的な考え方に変わりはない
人事評価制度における評語区分の見直し(5段階↓6段階)に伴う裁判所の運用については、「制度の基本的な考え方に変わりはない」とし、「平素の勤務ぶり等をつぶさに見」る、「職員がこつこつと適正な事務処理を行っている場合にも、当該職員の職務の級、官職、職責、経験等を踏まえた上で、適切な評価」を行うとして、これまでの回答を維持しました。
育児短時間勤務等の業務調整
管理職員が主導して調整・工夫している
育児短時間勤務等の利用者の業務量の調整が行われていない実態を示し、実態把握をするとともに、給与減額を含む制度内容を周知し、管理職の責任において業務調整を行うよう特段の対応を求めたことに対しては、「十分目配りしていくように下級裁を指導していきたい」と回答するものの、「管理職員が主導して他の職員の業務分担を含めた調整をしたり、業務の実施方法について工夫したりすること等を行っているものと認識している」と、現実の職場実態とかい離した認識を示しました。
また、春闘期にとりくんだ「女性健康問題から考える『誰もが働きやすい職場づくり』アンケート」の結果を示して、生理休暇をはじめとする母性保護の諸権利を気兼ねなく行使できるよう職場環境の改善を求めたことに対しては、「管理職員等の研修等を通じて、母性保護のための権利行使の重要性を認識させるとともに、それらの権利行使が認められている趣旨を、更に徹底し、取得しやすい環境作りをしていくよう指導」すると従前回答を繰り返しました。
令状センター構想
多角的かつ慎重に検討
宿日直にかかわっては、法務省の検討会が令状事務の電子化を含む報告書を取りまとめたことをふまえ、令状センター構想の早急な検討を求めたことに対して、「報告書の内容等も踏まえながら」と述べつつも、「引き続き多角的かつ慎重に検討していきたい」と慎重姿勢を崩しませんでした。
共済組合支部の廃止にかかわって、引き続き組合員サービスの低下につながる統合は行わないよう求めるとともに、統合した場合に残る業務の担当部署や被統合庁の係長ポストの取扱いについて追及しましたが、「別人格」を前提とした立場に終始しました。
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