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裁判手続IT化がいよいよ本格化
2022年諸要求貫徹闘争方針のポイント
 

 5〜6月に、全司法は最高裁との集中的な交渉を軸として、職場諸要求の実現を求める「諸要求貫徹闘争」を実施します。そのポイントについて、簑田書記長が解説します。

1.意義と目的

職場の要求を最高裁交渉に集中させる運動を

 裁判所当局(最高裁)は、6月までに裁判所全体の政策と基本方針を決定し、次年度予算の概算要求方針を策定します。こうした最高裁の予算編成作業にあわせて、全司法は、この時期を諸要求貫徹闘争期として「要求課題の出発点」と位置づけています。
 全国各地の職場で起きている諸問題の解決にむけて、最高裁が策定する概算要求に私たちの要求を反映させることを重視し、職場の要求を最高裁交渉に集中させる運動を全国一丸となって展開します。

2.2022年諸要求貫徹闘争の重要性

裁判手続IT化、定年引き上げ、評価制度などの検討状況を明らかにさせる

 2022年諸要求貫徹闘争は、次の点が重要となります。
@裁判手続のIT化に伴う書記官事務の在り方や、専任事務官の育成・研修制度など専門性を中心に据えた職員制度への転換が焦点となるもとで、最高裁自らが示した「今後の裁判所における組織態勢と職員の職務の在り方の方向性について」(以下「今後の方向性」という。)を踏まえた専門性の活用と付与によって職務評価の向上と処遇改善につなげること。
A2025年に本格実施となる民事訴訟手続のIT化、2023年4月からの定年年齢の引き上げ、本年10月からの人事評価制度(評語区分)の見直しなど、重要な制度の実施・変更が目前に迫るなかで、検討状況を明らかにすること。
B「国民のための裁判所」実現の観点から、必要な人員確保と裁判手続IT化を見据えた裁判所予算の拡充をめざしてとりくむ「全司法大運動」について、通算26回目となる請願採択を勝ち取ること。

3.諸要求貫徹闘争の焦点(重点課題)

「今後の方向性」具体化の道すじを示させる

 3月8日に民訴法改正法案が国会に提出されるなど、裁判手続IT化がいよいよ本格化します。これにより、今後の裁判所のあり様は大きく変わることが予想されます。
 今年の諸要求貫徹闘争では、最高裁が一昨年に示した「今後の方向性」をもとに、当局が考える職員政策を明らかにさせ、全司法との建設的な意見交換を求めます(上図のとおり)。
 昨年末、最高裁は今年度予算の説明にあたって、これが「今後の方向性」を踏まえたものになっていることを明らかにしました。そうした情勢を踏まえ、この諸要求期に焦点となる課題は、以下のとおりです。

@「裁判手続のIT化は、まだはじまったばかり…」(人員、IT情報システム化、庁舎・機械設備、宿日直)
*IT技術を活用した新たな運用の検討と具体化
*利用者のサポート態勢を含むIT化を支える人員(予算)確保
*利用しやすく安定的に稼働するシステム構築とそのための予算確保
*刑事手続のIT化をふまえた令状センターの実現
*通信機器等が備わった事件関係室の整備
A「全国的に人的配置を見直すだけの効果が表れていない」(事務の簡素化・効率化)
 引き続く事務の簡素化・効率化の推進。とりわけ、依然として繁忙状況が著しい事務局事務の簡素化・効率化
B「各職種の専門性の活用と付与も、検討がすすんでいるとの認識には立っていない」
(職員制度)
*裁判手続IT化後の書記官権限の拡大をはじめ、法律専門職としての役割を高め、職務評価の向上
*研修を充実させて専門性の活用や付与を重視した事務官制度への転換、任用配置等を組み合わせた職務評価の向上
C「人員配置が最適かどうかを判断するための客観的な超勤実態の把握が行われていない」(超勤縮減・サービス残業の根絶)
 客観的な勤務時間の把握の徹底(4月から開始される最高裁の職員端末の使用時間の記録化を注視)
 とりわけ、人員配置の見直しを先行させる当局の姿勢に対して、「今後の方向性」の具体化の道すじを示すことに焦点を当てた追及を強めます。

4.組織強化・拡大のとりくみ

要求実現の活動と結びつけ、組織を強くし、組合員を増やそう

 要求前進の最大の力は組織の強化・拡大です。諸要求貫徹闘争期のとりくみと結びつけて、組合員を増やすとともに、職場での対話の機会を増やし、組合員同士のつながりを作り、組織の強化を図ることが重要です。
 新採用職員については、4月上旬の歓迎行事の到達点を踏まえ、さらに具体的に働きかけることで一人でも多く全司法に迎え入れるとともに、新しく組合員になった仲間に対するフォローをしっかり行っていくことが重要です。
 また、全司法が「職場のルールを作る役割」を果たしていることを職場に積極的にアピールし、オンラインも活用した対話、結びつきを作る活動を展開することで、組織の強化・拡大を図っていくことが必要です。
 全司法が果たしている役割を組合員一人ひとりの確信につなげ、全国大会までに一人でも多くの組合員を増やすことをめざしましょう。

 
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最高裁・東京・横浜支部の本部統合(2023年4月)を決定
裁判所共済組合2022年度計画運審
 

「必要なサービス維持できる」とスケジュール提案

 3月23日に開催された計画運営審議会において、共済組合組織の統合について審議が行われました。
 共済組合の組織統合については、昨年2月の2021年度骨子運営審議会において案が示され、その後、統合の可否を含めた検討が行われてきたところ、共済本部は、「現時点において統合することによって共済組合業務を進める上での大きな問題や差し支えが生じることはなく、統合後も組合員にとって必要なサービスを維持できると判断した」とし、今回の計画運営審議会で、@23年2月頃に東京支部を最高裁庁舎に移転すること、A23年4月に最高裁、東京及び横浜の各支部を本部に統合すること、B24年4月に東京高裁管内の残りの支部を本部に統合する方針で検討をすすめることについて、議を経ることを提案したものです。

全司法の委員は決定できる段階にはないと「反対」

 全司法推薦の委員5名は、組合員から組織統合に対する反対・懸念・不安の声が引き続き出されていることをふまえ、統合後のサービス提供方法の全体像、被統合庁に残る業務の担当部署、共済本部と共済組合員の間の取次業務の窓口などの重要な事項が明らかになっておらず、統合を結論付ける段階には至っていないと追及するとともに、統合の検討状況に関する情報提供がされないなど、共済組合員の理解と納得を得るための作業が欠落していることを指摘し、統合を決定できる段階にはないことから、引き続き慎重に検討を行うことを求め、前記A及びBに反対票を投じました。
 しかしながら、当局側委員5名が賛成したことから賛否同数となり、運営審議会会長(最高裁経理局長)の決するところにより、前記の議案はすべて承認されました。

2023年2月頃、東京支部は最高裁庁舎に移転

 来年2月頃に東京支部が東京高裁庁舎から最高裁庁舎に移転し、4月には最高裁、東京及び横浜の各支部は本部に統合されることとなります。
 今後も、共済本部において、統合にむけた検討は続けられます。引き続き、組合員サービスの低下を許さず、維持・向上させるために意見反映をはかる必要があります。

共済支部組織統合・今後の計画

2023年2月頃
 東京支部を東京高裁庁舎から最高裁庁舎に移転(承認)

2023年4月
 最高裁、東京、横浜の各支部を本部に統合(承認)

2024年4月
 東京高裁管内の残りの支部を本部に統合(統合する方針で検討を進めることを承認)

2025年4月以降
 東京以外の高裁管内の支部を本部に統合(具体的なスケジュールを示すことは困難であるとして、運営審議会には諮られていない)

 
 
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