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地連担当者会議+上京団交渉リスタート!
 

 昨年(2020年)度は、新型コロナウイルス感染症の影響で、ほとんどの職種で集合しての地連担当者会議と上京団交渉が実施できませんでしたが、この秋は感染防止対策を講じつつ、オンラインを併用して、集合形式での会議と交渉を実施しています。
 リスタートした「職場実態を最高裁に直接伝えるとりくみ」について、10月24日〜25日の事務官、10月31日〜11月1日の調査官の各担当者会議と上京団交渉の様子をお伝えします。
 11月14日〜15日には青年協常任委員会と最高裁交渉、21日〜22日には書記官担当者会議と上京団交渉、11月23・29日には速記官担当者会議と上京団交渉を実施します。

事務官

人的態勢やシステムの問題点で意見交換

事務官上京団交渉の様子
 会議初日の24日は、井上書記次長の本部あいさつに続き、橋本事務官対策担当中執が人員、職員制度及び昇格改善要求を中心に基調報告を行い、その後、課題ごとに討議を行いました。参加者の多くが委員長や書記長のいわゆる三役クラスということもあり、たいへん活発な議論が繰り広げられました。
 人員課題については、この間、大都市を除いては増員がない中、全国的に事務局を中心に繁忙状況が続いており、突発的な超過勤務も少なくないもとで、事前申告ができないために結果として超過勤務を申告せず、サービス残業になっている実態が複数報告されました。
 また、新たなシステムが次々に導入されていますが、導入されて間もない人・給システムが非常に使いにくく、混乱している庁もあるとの報告があり、NAVIUSについては「全く使えないシステム」だとの意見が各地から共通して出されました。
 その他、新型コロナウイルス感染防止対策として在宅勤務を行うよう呼びかけられている一方で、在宅で出来る仕事はあるが、記録が持ち帰れないとの意見も出されました。
 昇格課題では、59歳で未だ3級の人がいるなど、「退職までに誰でも5級」の到達点には程遠い現実も報告されました。

現実的には4級のまま
退職を強いられている

 翌日の最高裁交渉では、新しい当局回答はなかったものの、職場の繁忙状況を訴え、増員要求や新型コロナウイルス感染防止のための備品購入をはじめとした予算確保、研修を行うにあたってオンライン研修を行うための設備の整備や「退職までに誰でも5級昇格」の枠組みはできているものの、現実的には4級のまま退職を強いられている職員もいる現実をふまえ、研修制度を充実させ、きちんとした職務評価を行い、退職までに5級昇格ができるよう当局を追及できたことは大きな成果だったと思います。
 今後は、それぞれの地連、支部及び分会で交渉を行って、当局を追及していくことが重要となります。

調査官

庁用車廃止が進むもとで出張の負担が増大

担当者会議はオンライン併用で(調査官)
 調査官担当者会議は、集合・オンライン併用で行いました。コロナ禍や家庭事情で参集できない地方の担当者とも、直接意見交換を行うことができました。
 人員配置では、特に地方で、育休・病休者の欠員補充が十分なされていない実態が報告されました。小規模庁はそもそも配置人数が少なく、同一職種の補充がない場合の職場の負担は甚大です。調査官は、今年初めてワークライフバランス定員2名が概算要求に挙げられましたが、実態からみれば一層の増員が必要です。
 また、庁用車廃止が一層進むもとで、公共交通機関が不便な地方庁からは、出張に伴う移動負担を訴える意見が複数出ました。さらに、改正少年調査票の本格実施に対する不安や、来年4月に改正少年法施行を控えているにも関わらず、運用の見通しが示されないことから、現場での検討も進まない不安も出されました。
 その他、SEABISの入力に時間を要する負担感からICカードの導入拡大を求める意見、異動の早期内示を求める意見、研修のオンライン化を望む意見、総研の環境改善を望む意見、新型コロナウイルス関連で物品不足や休暇取得が分かりにくいという意見など、様々な問題点が共有されました。

ハラスメントや管理職の強引な姿勢など、実態が報告

 さらに、今回は、支部の主任調査官のパワハラにより体調不良者が出た事例、首席及び次席調査官が事件分配軽減を断行しようとした事例、希望を聞かない異動面談、望まない又は不適切な指導によって退職に至った養成課程生の事例など、パワハラ問題を含む複数の問題事例の報告がありました。
 上京団交渉では、会議で話題となった具体的な実態や問題事例をとりあげて、当局回答と現場の実情に乖離があることを追及し、全体を通じて家裁調査官の専門性に着目した魅力ある職員制度にしていくことの重要性を伝えることができたと感じました(最高裁当局も地連担当者の発言を頻繁に録取していました)。
 昨年は、コロナ禍で各地の担当者が直接交渉の中で実態等を主張することができませんでしたが、今回、交渉を実施して、地方の実情を直接伝えることの重要性を再認識しました。今回の会議と交渉を足がかかりに、職種活動の充実を各地に広げていくことが重要です。

事務官担当者会議で出された主な意見

職場の繁忙状況

*裁判部では、書記官の人員削減によって事務官の事務量が増大している。
*事務局は、会計課(特に、動的会計)が恒常的に繁忙な状況にあるなかで、庁舎新営を抱える庁の会計課は繁忙度が非常に高い状況にある。また、人事課においては人・給システムの導入、総務課においては情報セキュリティ関連業務などによって、事務局全体が繁忙な状況にある。
*早朝や昼休みなど、実際に勤務しているにも関わらず、超過勤務の申告をしない、管理職からの声掛けもないためにサービス残業となっている実態が複数報告され、事務量と職員の配置人数が釣り合っていないのではないかという問題意識も示された。
*事務の簡素化・効率化のためのシステム化のはずが、事務の簡素化・効率化が図られていない。

新型コロナウイルス感染症対策

*窓がない事件関係室等をはじめ、庁舎内の換気が十分に行われているのか疑問。
*商業施設や他の行政府省などは検温のための機器設置が当たり前となっている状況のなか、裁判所では検温のための機器すら設置されていない状況はおかしい。
*受付窓口での感染防止対策や職員間のパーテーション設置をはじめ、裁判所は感染防止対策物品が不足している。

昇格

*50歳代や40歳代後半で3級の専任事務官が複数いるが、係長ポストに限りがあるために深刻な団子状態となっている。

調査官担当者会議の事前調査で出された意見

調査官の配置に関する問題

*育児休業を取得したヒラ調査官の事件の配てんについて、口頭説明のみで、首次席による分担については明確な説明がなかった。
*管内支部では、若手中心の配置のわりに主任の指導不足から若手を中心に残業がかなり増えている。

SEABISの操作などの負担

*SEABISでの旅費請求作業に膨大な時間を要している。

タクシー利用基準の緩和に関する意見

* タクシー利用申請が煩雑で利用控えをしている。

異動に関する意見

*内示の時期が遅いので、保育園へ入れないことがあった。
*在職証明の提出が間に合わないと、保育園に入園できないので、早期の内示を出してもらいたい。

オンライン研修の充実

*中央研修は、全国から集めてのこれまでの形式より、オンライン方式で多くの人が参加できる研修を望む。

パワハラ事例の意見

*調査官補に対する指導担当者のパワハラがあった。
*特定の上司の主任(既に異動)からのパワハラ的な言動を理由に、ヒラ調査官が病休を取得した例があった。
*婚姻や身上に関する話題になった際に、管理職が無神経な発言をする場面が多い。

その他

*「組織的事務処理」が管理や統制の手段として使われている。

 
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「国民のための裁判所」、職員制度、昇格などで主張
秋年期第2回人事局総務課長交渉
 
職種担当も含めての第2回交渉

 全司法本部は11月10日、秋季年末闘争における最高裁人事局福島総務課長との第2回交渉を実施しました。交渉では、「国民のための裁判所」の実現、職員制度に関する要求、昇格要求について、最高裁を追及し、要求実現をめざしました。
 なお、さきの大会で決定した事務官研修制度の見直し案に基づいて主張したことに対して、今回の交渉では具体的な回答は示されませんでした。

IT化、通訳人、少年法

IT化「予算確保にむけて最大限の努力を行いたい」

 IT化に関わっては、政府の「裁判手続等のIT化検討委員会の取りまとめ」が示す、適正・迅速で国民にとって利用しやすい裁判の実現、国民の司法アクセス向上、裁判手続の迅速化・充実化に資すること等を引用し、「こうした目的に沿って検討をすすめている」「裁判手続のIT化のために必要な予算の確保にむけては、最大限の努力を行いたい」と回答しました。
 通訳人の人員と質の確保を求めたことに対しては、民事・行政事件における通訳人の情報を「通訳人候補者名簿データベースに一元化することを検討して」おり、新規登録および閲覧ができる職員の範囲を拡大する方向で調整していると回答しました。
 改正少年法の運用にあたって、法制審や国会での議論、附帯決議が付された趣旨等をふまえたものとするよう求めたことに対しては「個々の事件処理については裁判官の判断事項」とし、法制審での検討内容、改正法案、付帯決議の内容等は「裁判官を含む職員に周知している」、少年法実務研究会が12月に予定されており、「その結果は、下級裁に還元される予定」と回答しました。

研修

オンライン研修「できるところから実施していきたい」

 オンライン研修の態勢整備を求めたことに関しては「ワークライフバランスの観点等もふまえ(中略)問題意識を持って検討している」「できるところから実施していきたい」と回答しました。
 コロナ禍で2年連続実施されていない中央研修については「高裁委嘱研修に組み込んで実施することは困難」との認識を示すとともに、「未研者の解消については(中略)検討している」と回答しました。また、研修生の入寮については「昨今の感染状況にかんがみ、本人の希望に応じたより柔軟な運用にも努めている」と回答しました。

職員制度

行(二)職「付加業務を踏まえた評価が行われている」

 書記官事務の簡素化・効率化に関わって、秘匿情報の取扱いついては、法制審の動向もふまえつつ、「IT化を待たずに何か工夫ができないか引き続き検討してみたい」と回答したものの、具体的方策は示されませんでした。また、日銀代理店統廃合に伴い取扱銀行が遠方になる支部における歳入歳出外現金出納官吏の本庁集約を検討していることを明らかにしました。
 第78回定期大会で決定した「事務官研修体系に関する全司法の見直し案」のポイントを主張し、これらをふまえた研修制度を確立するよう求めたことに対しては、「個別の回答は差し控えたい」と具体的な回答は行いませんでした。
 行(二)職の処遇に関わって、付加業務をふまえた人事評価による勤勉手当・昇給への反映について、「付加業務を行っている場合には、そうした事実や当該業務における勤務ぶり、勤務実績等も踏まえた評価が行われている」との認識を示すとともに、それは行(二)の全職種にあてはまるものと回答しました(※昇格にあたっての付加業務の理屈付けは庁務員のみ)。

昇格

「評価制度の理解が深められるよう努めたい」

 昇格要求にかかわっては、各職種・各級における改善を求めたことに対して、従前どおりの回答を行いました。また、勤務評定のA以上の比率が行政府省に比べて低いことをふまえ、人事評価制度や評価結果が昇格の要件となっていることをあらためて認識するよう下級裁への指導を求めたことに対しては、「研修等の機会を通じて、管理職員の人事評価制度の理解を深められるよう努めていきたい」と回答しました。行(二)職等の昇格にあたっての部下数制限の撤廃については、従前回答にとどまりました。

 
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国公青年フォーラム総会2021
 
オンラインを含め、29人が参加

青年のつながりをつくることを追求した1年

 10月30日に2021年国公青年フォーラム総会がオンラインで開催され、全司法からは、青年協議長の岡野健太さん(本部)、同事務局長の廣瀬旅人さん(愛知)と同事務局次長の末政かなえさん(大阪)が参加しました。
 国公青年フォーラムから、今年度のとりくみの経過と総括、運動方針案の提案があり、今年度の春・夏の青年セミナーはオンラインで開催され、セミナーは青年が学び交流できる場であることから講義形式の内容だけでなく、グループワークも多く取り入れたと報告がありました。
 とりくみの総括ではコロナ禍だからとあきらめず、青年のつながりをつくることを追求した1年であったことが強調されました。
 また、12月に予定していた国公青年交流集会が延期になったことから、12月5日(日)に交流集会のプレ企画が開催されますが、来年の交流集会の成功に向け、このプレ企画に多くの青年に参加してもらいたいと呼びかけられました。

国公青年運動に全司法も力を合わせて

 総会では分科会も開催され、「聞きにくい疑問をズバッと質問」「他の組織の仕事をしりたい」「これからの青年運動を考えよう」の3グループに分かれて、各組織の青年が意見交換を行いました。
 「これからの青年運動を考えよう」では、どこの組織も大勢で集まって行うアクティブな企画がしづらくなっていて、青年の強みであるつながりを活かせず、加入後のフォローが難しくなっているとの悩みがでていました。
 一方、教宣紙やビラなどにQRコードを載せて、組合紹介の動画を視聴できるようにしたり、Webアンケートに回答できるようにするなど、スマホなどの端末で手軽に組合と関わることのできる機会が増えたとの意見がありました。
 青年フォーラムでも引き続き、青年運動の活性化のため、フォーラムNewsなどの機関紙の定期発行や様々なイベントの開催が期待されています。
 この総会で国公青年フォーラム立ち上げから3年間運営委員長を担っていた森慧佑さん(全司法函館支部)が退任し、新運営委員長に全司法青年協議長の岡野健太さんが選出されました。国公青年フォーラムのイベントにも多くの全司法の青年を送り出し、公務の労働組合全体で力を合わせて青年運動を活気づけていきましょう。

 
 
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