新型コロナウイルス感染症の拡大が続くもとで、職場の中でつながりを作り、組合員に情報を届ける機関紙活動の重要性が改めて指摘されています。第78回定期大会では、大量退職・採用期を迎えて、組織強化・拡大の重要性が改めて議論されました。その要にあるのが支部の自主的・自立的な活動の強化であることが確認されましたが、支部が職場に見える活動をすすめるためには、機関紙が必要不可欠です。
このコンクールは「全国で各機関の機関紙を交流することによって、機関紙活動を大きく発展させる」ことを目的としています。本コンクールの応募紙を参考にし、そこから学んで、発行に足を踏み出してください。
優れた機関紙が活動の強みに
今回の最優秀賞は岐阜支部です。第1部門に応募された「いつか×書記長だより」は毎号豊富な情報量ながら、巧みなレイアウトで見やすく、楽しい雰囲気を作り出し、読ませる工夫が行き届いた紙面になっています。発行回数も18回で、月1回以上発行されており、記事の内容も、全司法全体の動き、支部のとりくみ、職場・組合員の情報などをバランス良く掲載しています。また、第2部門に応募された号外は、ITスキルに関して「役立つ情報」を発信するものとして作られています。労働組合が仕事に役立つ情報を提供することで組合員のニーズに応え、職場に存在感を示すとりくみは、他の労働組合でも成果をあげています。「この機関紙発行により、コロナ禍の状況にありながら、組合員の結集は強くなっており(中略)一致団結の勧誘により4月の新採7名全員加入が実現しています」と応募用紙で紹介されているとおり、優れた機関紙が活動の中心になる強みを実例として示すものとなっており、本大会も前年度から増勢で迎えています。
みんなで活動している様子が伝わってくる紙面
第1部門は、多くの組合員を登場させ、みんなで活動している様子が伝わってくる「龍馬」(高知支部)を優秀賞としました。手書きを加えた温かみのある紙面づくり、23回という発行回数も評価しました。圧倒的な情報量と43回という発行回数、組織活動と連携した強みを見せる「うず」(徳島支部)は、今回から導入した大会参加者投票で最多の得票を得たことをふまえ、大会賞としました。また、きちんと構成されたオーソドックスな紙面づくりと、レベルの高い記事を評価して「全司法あいち」(愛知支部)を審査員奨励賞としました。バランスのとれた記事を読みやすくレイアウトした「全司法旭川」(旭川支部)、特色の手書きや似顔絵を駆使した紙面づくりで読ませる「全司法しずおか」(静岡支部)は、審査員の評価でも大会参加者の投票でも支持を集め、努力賞としました。
青年部・女性部の活動が伝わる機関紙
第2部門は、みんなが登場する職場新聞の発行を続けている「日刊するが」(静岡支部本庁分会)が大会参加者の得票を集めました。青年協議長賞の「南風」(鹿児島支部青年部)は、青年部の活動が伝わってくる紙面でレイアウトもきれいでした。教宣部長賞の「いぶき」(高知支部女性部)は、自筆文字や写真からみんなで活動している様子が伝わってきました。青年部、女性部の機関紙はこの1紙ずつにとどまりましたが、楽しく活動している様子が伝わってくる機関紙の応募が増えるよう願っています。
今回、HP・SNS等のネットワーク上でのとりくみを対象とした第3部門を新設しましたが、中部地連の「LINEオープンチャット」しか応募がありませんでしたので、審査は行いませんでした。中部地連のとりくみはSNSの機動性を活かして組合員に情報提供を行うもので、他の地連・支部の参考になると考えます。
次年度は全国すべての支部が機関紙を発行し、このコンクールでおおいに交流できることに期待します。
全司法第40回機関紙コンクール
入選作品
最優秀賞 岐阜支部
第1部門―地連・支部
優秀賞 龍馬(高知支部)
大会賞 うず(徳島支部)
審査員奨励賞 全司法あいち(愛知支部)
努力賞 全司法旭川(旭川支部)
努力賞 全司法しずおか(静岡支部)
第2部門―その他
大会賞 日刊するが(静岡支部)
青年協議長賞 南風(鹿児島支部青年部)
教宣部長賞 いぶき(高知支部女性部)
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