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  トップページ > 全司法新聞 > 2021年8月 > 2360号
 
 
全司法新聞
 
全司法が果たす役割をみんなで広げ、
組織強化・拡大につなげる活動を全力で
全司法第78回定期大会
 
オンラインで団結ガンバロー

 全司法は、7月24〜25日および8月9日に、第78回定期大会を開催しました。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、収束を見通せない中、大会としては、はじめてのオンライン方式による開催となりました。「『暮らし』『職場環境』『日常活動』の3つの立て直しを本格的にすすめ、一歩前に動き出そう!」のメインスローガンに、さまざまな課題について討議を深め、全司法が果たす役割を職場の中で目に見える形で広げ、組織強化・拡大に全力でとりくむ方針を確立しました。

全司法が果たしている
役割に自信と確信を

 定期大会には、代議員・オブザーバー・役員を含め、101名が出席し、議長団に選出された森野俊裕代議員(愛知)および小林孝彦代議員(札幌)により議事がすすめられました。
 冒頭に中央執行委員会を代表してあいさつに立った中矢委員長は、大量退職期の入口にさしかかった今、引き続き厳しい組織状況にある中で、「組織強化・拡大にむけた決意を改めて固めあう必要がある」ことを強調しました。また、「職場のルールを作る」「相談し合い、助け合う」「仲間をつなぎ、居場所を作る」という「3つの役割」を改めて確認し、確信にしていこうと呼びかけました。
 続いて、本部から2021年度運動方針案(補足議案:事務官研修体系に関する全司法の見直し案を含む。)、公務に起因する損害賠償責任等に関する補償制度の新設案、2020年度決算報告・会計監査報告、2021年度一般会計予算案・特別会計予算案の提案・報告を行いました。

組織強化・拡大にむけた
決意を固めあう大会に

 簑田書記長は、新型コロナウイルスの感染拡大による深刻な事態が続く中、「3つの立て直し」をさらに一歩前にすすめるため、「3つの役割」を職場で果たしていくことを強く呼びかけ、運動方針案を提案しました。
 はじめに組織強化・拡大の課題にふれ、「大量退職・大量採用の本番をむかえる時期となり、組織強化・拡大を待ったなしの最重要課題として位置付ける」とし、「『職場に見える活動』を意識したとりくみができているか見つめ直す必要がある」と述べました。また、「組合員拡大に流れを変えていく決意を固めあう大会としたい」とし、「入ってほしいときちんと働きかける」ことが必要であり、「全司法が職場で果たしている役割に確信を持ち、自信を持って全司法の存在を職場に広げていくことが大切」であると強調しました。

「補償制度」の新設で組合員を守る姿勢を前面に

 公務に起因する損害賠償責任等に関する補償制度の新設案を提案した大杉総務部長は、「組合員を守る姿勢を前面に押し出すことに制度新設の主眼がある」とし、「全司法への加入を呼びかける際の大きなアピールポイントの一つとして活用し、組織拡大につなげていくことが重要」であると強調しました。

予算案などに3支部から
修正案提出

 公務に起因する損害賠償責任等に関する補償制度の新設案に対して、香川支部の鞆田順一代議員から自主共済保険の創設を主な内容とする修正案が提出されました。
 一般会計予算案には、徳島支部の定本和也代議員および愛媛支部の東山広利代議員から、2020年度の組合費収入から支出額を差し引いた約1346万円を支部に還元することや、地連・支部交付金を廃止(徳島)または減額(愛媛)し、その結果として組合費月額を480円(徳島)または500円(愛媛)減額することを主な内容とする修正案が提出されました。
 また、特別会計予算案に対しては、徳島支部の定本和也代議員から、制度改革闘争特別会計における1000円の特別費の臨時徴収を行わないこととする旨の修正案が提出されました。
 なお、採決までの間に、徳島支部代議員が提出した第3号議案に対する修正案の一部(約1346万円の支部への還元)、同4号議案に対する修正案および愛媛支部代議員が提出した第3号議案に対する修正案は撤回されました。

「事務官研修体系に関する全司法の見直し案」を提案

 職場諸要求については、職員端末からのインターネット接続や事務の簡素化・効率化などにおける要求の前身面・到達点を示すとともに、「最高裁回答を職場で活かす」とりくみを重視して「職場のルールを作る役割」を果たす全司法の姿を職場に見せる活動をすすめようと訴えました。
 また、昨年6月に最高裁が「今後の裁判所における組織態勢と職員の職務の在り方の今後の方向性等について」を示したことをふまえ、この転機に全司法の要求を反映していくものとして「事務官研修体系に関する全司法の見直し案」を提案し、これを「素材」に最高裁との協議・交渉に臨んでいきたいと述べました。

全議案、賛成多数で
本部案が可決

 オンライン開催に伴い大会日程全体を短縮したことに伴い、討議時間も例年よりも切り詰めざるを得ませんでしたが、のべ89名から、組織強化・拡大、全司法大運動、IT化、超過勤務縮減、宿日直、職員制度などの課題で発言がありました。また、修正案が提出されたこともあり、予算案についての発言も多くありました。
 修正案提案者、財政部長から答弁があり、総括答弁の後、議案の採決を行いました。採決の結果、各修正案は否決され、中央執行委員会から提案された議案(原案)はすべて可決されました。

国公労連派遣役員に
丹羽さんを選出

 役員選挙では、立候補者全員が信任されました。専従役員では、森慧佑中央執行委員(国公労連派遣)が退任し、丹羽秀徳さん(愛知)が選出されました。丹羽さんについては、国公労連中央執行委員に推薦するとの人事案件が承認されました。職種担当では、橋本浩孝さん(福岡)が事務官対策担当として新たに選出されました。
 最後に、組織強化・拡大を最重要課題としてとりくむことを確認し、職場や組合員の要求実現と「国民のための裁判所」実現にむけ、全国の組合員一人ひとりが、それぞれの持ち場で全力を尽くすことを決意する大会宣言を採択し、中矢委員長の団結ガンバローで閉会しました。

 
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いただいた祝電・メッセージ
 

 以下のみなさんから大会に祝電・メッセージをいただきました(順不同、敬称略。全司法内部からのものを除く)。以下のQRコードからご覧いただけます。

衆議院議員

 阿部知子、逢坂誠二、小川淳也、神谷裕、櫻井周、寺田学、日吉雄太、松田功、松平浩一、森田俊和、屋良朝博、柚木道義

参議院議員

 良鉄美、田名部匡代、寺田静、芳賀道也、宮沢由佳

政党

 日本共産党中央委員会

労働組合

 全国労働組合総連合、日本国家公務員労働組合連合会、全法務省労働組合、全労働省労働組合、国土交通労働組合、全経済産業労働組合、全日本国立医療労働組合、全国税労働組合、全税関労働組合、国家公務員一般労働組合、全情報通信労働組合

その他

 裁判所退職者の会全国連合会、憲法会議、日本国民救援会中央本部、中央社会保障推進協議会、労働者教育協会、日本国家公務員労働組合連合会共済会、株式会社きかんし、中央労働金庫霞が関支店

 
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この組織を引き続きみんなで守り、育てていきたい
中矢委員長あいさつ
 

 本大会は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況を踏まえて、定期大会としては初のオンライン開催としました。従来の大会と比べると制約される面もありますが、オンラインで出来ることを検討する良い機会でもあります。ぜひ、積極的な参加をお願いします。

大量退職期を迎え、組織強化・拡大に向けた決意を

オンラインであいさつする中矢委員長
 さて、私たちの職場は今、大量退職期の入り口に差し掛かっています。1980年代後半から90年代前半にかけて採用された人たちが定年を迎え、徐々に職場を退職していきます。当時採用された人たちは圧倒的多数が全司法に加入し、先輩たちからのバトンを引き継いで労働組合を支えてきた世代です。今も、多くの機関で役員の中心になっていただいています。
 こうした世代が間もなく裁判所からいなくなり、それに替わる新採用職員が入ってくるもとで、どれだけ多くの方に全司法に入っていただき、活動に参加していただくことができるかということが、これから数十年という長さで全司法の組織状況に関わってきます。それだけではなく、裁判所の職場がどうなっていくかということにも関わってきます。
 全司法は2014年の第71回定期大会で、大量退職・採用期に向けた方針を立てました。その後、これに基づくとりくみを進め、労働条件面では多くの要求を前進させ、最高裁に「今後の方向性」を示させました。一方で、組織強化・拡大の面では十分なとりくみになっているとは言えず、引き続き厳しい組織状況にあります。いよいよ大量退職期の本番を迎えて、組織強化・拡大に向けた決意を、ここで改めて固め合う必要があります。

コロナ禍のもとでどう活動していくか

 また、昨年の春先以降、新型コロナウイルス感染症の拡大が社会全体の問題になっていますが、これが全司法の活動にも少なからず影響を与えています。集会や会議がやりにくくなったり、食事をしながらの気軽なとりくみは、さらに気を使う状況があります。役員のみなさんとお話していると、役員自身も相談する機会が少なくなって、委員長・書記長など一部の役員の方が一人で課題を抱え込む傾向が生まれていることもマイナスの影響を与えています。
 新型コロナの状況は残念ながら、まだしばらく続きそうです。職場でも人と人とのつながりを作ることが難しくなっていますが、本来はこういう時こそ、労働組合がその存在を職場に見せるべき時です。「コロナ禍のもとで、どう活動していくのか」を考え、実行していくことは、まったなしの課題になっており、ぜひ本大会で方向性を見出したいと考えています。

「3つの役割」を確信にしていく大会に

 この間、私たちは「職場のルールを作る」「相談しあい、助け合う」「仲間を繋ぎ、居場所を作る」という全司法が職場で果たす3つの役割を強調してきました。これは、最初、新採用職員の歓迎会などで、全司法がどういう組織なのかを説明するために考えたものです。しかし、使っているうちに、それにはとどまらないことに気がつきました。本部も、支部も、全ての機関がこうした3つの役割を十分に果たすことを目標に活動していくことが重要であり、きちんと活動できているかどうかを振り返る時にも、これが指標になると思います。また、組合員はもちろん、できるだけ多くの人たちに、こうした「全司法の役割」を知ってもらうことで、組合員が自分たちの組織に自信を持ち、管理職や未加入者も含めた職場全体が全司法への信頼を寄せてもらうことにつながり、組織強化・拡大のための基盤になっていきます。今回の大会はこの「3つの役割」を改めて確認し、具体的な内容を深め、確信にしていく大会にしたいと考えています。

「国民のための裁判所を作る役割」「生活と権利、平和と民主主義を守る役割」

 職場で果たす「3つの役割」に加えて、「裁判所の労働組合」である全司法にはあと2つ、役割があります。一つは「国民のための裁判所を作る役割」です。私たちが、自分たちのことだけではなく、裁判所を良くする活動にも真剣にとりくむことで、私たちの要求も多くの人たちから支持され、活動のやりがいにもつながってくるのではないかと思います。全司法大運動もそうですし、この約5年間の少年法適用年齢引き下げ反対の運動もそうです。こうした活動を通して多くの団体や個人から全司法が信頼され、「全司法は頑張っている」という声が寄せられていることも、この機会にご紹介しておきます。
 もう一つは「生活と権利、平和と民主主義を守る役割」です。今、コロナ禍のもとで、「暮らし」「職場環境」「日常活動」の3つの立て直しにとりくんでいく必要があると考えていますが、実際にコロナ禍のもとで労働組合が働く人たちの権利を守り、国民生活を守る活動にとりくんでおり、様々な成果を上げています。こうして日本の社会全体の中で、労働組合の必要性や役割が広く国民に再認識されるようになれば、そのことは、新しく裁判所に入ってくる人たちの労働組合に対する見方にも、裁判所で働く仲間の考え方にも大きな影響を与えていくことにつながります。
 同様の意味で、10月までには総選挙がありますが、労働組合の活動や要求がこれまで以上に尊重される政治情勢を作ることができれば、長い目で見れば、全司法の組織強化・拡大のうえでもプラス面での影響が出てくることを指摘しておきたいと思います。

全司法は裁判所にとって絶対に必要なもの

 裁判所は、本来的に裁判官中心の組織です。私たちの先輩は、この組織の中で全ての職員が裁判官と対等に物を言うことができ、一人一人が大切にされ、働きやすい職場にするために全司法を作り、私たちに託してくれました。裁判所の歴史を見ると、全司法があって活動してきたからこそ、職場で自由に物を言うことができ、「働きやすい職場」だと言われるようになってきたのは明らかです。その力が弱まれば、これが一気に崩れていくことでしょう。現に、全司法の組織状況が厳しくなるもとで、裁判所の職場は、以前と比べると、随分窮屈になり、「働きにくさ」が広がっているのではないでしょうか。
 全司法は組合員にはもちろんのこと、裁判所にとって絶対に必要なもの、なくしてはならないものです。その組織を引き続きみんなで守り、育てていきたい。そうした思いから、本大会は組織強化・拡大に焦点を当てた大会にしたいと考え、みなさんに配布した議案書も組織強化・拡大のとりくみを最初に記載しています。みなさんの積極的な参加で、この方針が豊かに補強され、次年度の活動の指針となっていくことをお願いして、私からのあいさつとします。

 
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総括答弁(要旨) 全司法が果たす「3つの役割」をもとに
支部の活動を強化しよう!
 
総括答弁する簑田書記長

労働組合が尊重される
政治に「変える」時

 新型コロナウイルスの感染拡大は急激なスピードで爆発的な広がりを見せ、全国の感染者数は過去最多を更新し続けている。政権自らが事実上、「医療崩壊」を認めざるをえない事態に陥るなかで、政治が私たちの暮らしや仕事に影響を及ぼしていることが明らかになっており、社会の動きに目を向ける機会づくり、学習活動にもとりくんでもらいたい。10月までには総選挙が予定されており、労働組合の活動や要求がこれまで以上に尊重される政治に「変える」べき時だということをあらためて強調したい。
 全司法大運動について、岩手支部の「要求前進のためのあらゆる要素が盛り込まれている」との発言はまさにそのとおりであり、改めて全体で確認したい。25回の請願採択で、国会内で政党・会派を超えた理解と共感の広がりを見せている全司法大運動の意義を職場にさらに広め、コロナ禍のもとでも工夫したとりくみで、全ての支部で今年よりも署名の上積みができるようにしていこう。
 少年法適用年齢について、引き続き18歳、19歳を少年法の対象とし、家裁への全件送致を維持させたことは私たちの運動の大きな成果であり、これを今後の運用に活かしていくことが重要である。引き続き、少年法の理念を守る運動を広げていこう。

全司法の活動で職場が
良くなっていること確信に

 諸要求期の最高裁交渉では、IT化に関する要求が前進し、「簡素化・効率化」が要求前進のキーワードとなったが、これは最高裁が「今後の方向性」を示すもとで、その積極面に全司法の意見を反映させ、要求前進につなげたものである。全司法の運動が切り開いてきたものだということを確信にしたい。
 ここ数年、電子速記タイプライターの官支給、調査官補の二重の異動解消、上訴記録の丁数打ち廃止、ハラスメント防止対策、移転料の3倍上限の支給など、数多くの労働条件を前進させてきた。全司法が「職場のルールをつくる役割」を発揮し、全司法の活動により職場環境が良くなっていることを私たちの確信につなげ、それを職場に広げていくことが大切だ。
 地連・支部が主役となる秋のとりくみが始まることから、自分たちの職場実態を改めて見つめ直し、諸要求期の最高裁回答を職場で活かして、対応当局との交渉で追及を強めてもらいたい。
 超勤縮減・勤務時間管理の課題では、諸要求期の最高裁交渉で引き出した「管理職の責任において」という回答を活かして、たとえ事前申告がなかったとしても当局自らが職員の勤務時間を掴む必要があることを下級裁に浸透させる必要がある。
 人事評価に関わっては、「成績不良の職員」に対する分限処分の対象拡大について、複数の支部から強い反対意見が出された。本年4月に政府の有識者検討会が出した報告書に基づく人事評価の見直しも検討されていることから、これとあわせて最高裁を追及していきたい。
 6月4日に定年延長の法案が成立したが、9項目の附帯決議がつけられている。「職員団体等の関係者との協議を行い、円滑な実施を図ること」などが記載されたことは、国公労連に結集してきた成果であり、制度設計や運用にむけて追及を強めていきたい。
 新型コロナの影響で、会議室等の確保が困難となっている実態やコロナ関連の備品等の課題など、複数の支部から報告があった。全国的な状況を掴み、改めて要求を組織し、今後の運動につなげていきたい。
 不妊治療休暇が新設される見通しだが、これは、全司法の女性部が長年要求し、国公労連女性協に結集して、職場の要求を伝えたものである。こうした運動の成果を確信に、あらためて国公労連への結集を確認したい。
 「事務官研修体系に関する全司法の見直し案」の補足議案について、これを補強する発言があった。全国書記長会議で提案した当初案に各支部からの様々な角度からの意見を反映させて「全司法が目指す見直し案」になった。これを持って最高裁と対峙していきたい。

あらためて支部活動の
重要性が明らかに

 「組織強化・拡大」について、本大会では次年度の最重要課題と位置付けて議論し、組合員の目に見え、労働組合の存在を感じてもらうために「教宣紙活動」を通じた日常活動など「コロナ禍のもとでの活動」を早急に作っていく必要があることを確認したい。
 また、「組合員一人ひとりが参加できる活動」の実践が何よりも大切であることが改めて確認された。「役員はサービスを提供する側で、組合員はサービスを受ける側」といった誤った考えに陥っていないか、各支部でも活動を見つめ直し、「みんなで決めて、みんなでやる」ことを再確認してもらいたい。
 新採用職員加入拡大のとりくみで、加入に結びついている支部では、短時間での座談会、少人数のグループや1対1でのガイダンス、オンラインを活用した呼びかけなど、限られた時間の中でも、効果的に組合の意義・役割を説明し、加入を呼びかけるための綿密な準備を行ったことが結果に結びついている。加入の成果に結びつけるためには、コロナ禍のもとでも、短時間であっても顔と顔を突き合わせた「対話」の機会をつくることが何よりも重要である。「対話」を通じて「加入してもらいたい」との思いを確実に伝えるための工夫を凝らしてもらいたい。
 オンラインについては、そのメリット、デメリットを踏まえて活用をしていきたい。一つは、オンラインによる職種集会を積極的に行なっていきたい。また、オンラインを活用して本部が積極的にオルグに入り、全国の組合員と「対話」し、励まし合いながら組織の強化・拡大を図っていきたい。
 今大会では、あらためて支部活動の重要性が明らかになった。組合員と接して日常的に活動し、加入の呼びかけを行うことは、支部にしかできない。支部活動の充実・強化が全司法の運動を前進させ、組織強化・拡大の重要な「カギ」となる。
 各支部においては、「職場のルールを作る」「相談しあい、助け合う」「仲間を繋ぎ、居場所を作る」という全司法が職場で果たす「3つの役割」に照らして、十分な活動ができているかを点検・確認をしながら、支部活動の強化を図っていってもらいたい。

 
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公務起因の損害賠償等の「補償制度」を新設
「相談しあい、助け合う役割」に活用を
 

 第78回定期大会で新たに「公務に起因する損害賠償責任等に関する補償制度」を新設しました。
 組合員が過誤などで公務に起因する損害賠償責任を追及され、賠償金を負担することとされた場合やカスタマーハラスメントなどで権利・利益を侵害され、その回復のために法的措置が必要になった場合に上限100万円の範囲で必要な補償を行う仕組みです。組合員の安心を支え、組織強化・拡大のツールにしたいと考えています。
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 また、これを契機に組合員からの様々な相談を受けて、一緒に考え、解決していく活動も強化し、全司法の「相談しあい、助け合う役割」をこれまで以上に発揮したいと考えています。
 職場の中で心配なこと、不安なことがある方は、遠慮なくお近くの組合役員、または全司法本部までご連絡ください。

全司法本部
電話:03-6272-9810
メール:mail@zenshiho.net
Twitter:@ZenshihoHombu

 
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原水爆禁止2021年世界大会・ヒロシマデー集会
 

核兵器禁止条約の発効から
初の世界大会

 広島への原爆投下から76年がたった8月6日、原水爆禁止2021年世界大会・ヒロシマデー集会がオンラインで開催されました。
 今年1月に核兵器禁止条約が発効して初めて開催される大会となり、国内外の幅広い代表が参加し、「核兵器のない平和で公正な世界をつくろう」と呼びかけられました。
 主催者報告では、「核兵器廃絶へと前進するためには、核保有国や核依存国で政治を変えることが不可欠」であることが強調され、「被爆国である日本で世論を広げ、核兵器禁止条約を拒み続ける政治を転換するために行動しよう」と参加者に訴えました。

「平和を実現するには何ができるか」

 特別企画の国会議員との対話では、「核兵器禁止条約に参加する日本を!」と題して、広島県の大学生と高校生が、核兵器廃絶や平和な世界の実現について、日本共産党の笠井衆議院議員との対話がなされました。
 大学生からは、オリンピックで6日の黙とう要請を拒んだオリンピック委員会のバッハ会長ついて、「市民の想いをないがしろにしている」と語られ、高校生からは「平和を実現するには何ができるか」との質問がなされました。
 笠井議員からは、「最悪の暴力である戦争をなくさないといけない。そして核兵器のない社会を実現していく必要がある。若いみなさんが核兵器は全面廃絶すべきと世界に発信していくことで、命と尊厳が守られる平和な社会がつくれるよう一緒に頑張りたい」と応えました。

禁止条約を力に「核兵器のない世界」をめざして

 ヒロシマデー集会の最後には、「広島からのよびかけ」(文書)が発表されました。よびかけでは「被爆者の声が世界を動かし、核兵器禁止条約の発効という歴史的達成を勝ち取り」「禁止条約を力に『核兵器のない世界』をめざして力強く前進する」決意をあらたにして、「核兵器廃絶へと前進するため」「唯一の被爆国である日本の政治を条約支持の方向に転換することがきわめて重要」であることが確認されました。
 オンラインでの開催にも関わらず、国内外から30 00人近い参加者が集まり、国境を越えて核兵器廃絶にむけた運動をすすめていることを実感したヒロシマデー集会でした。

 
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人事院勧告期における最高裁交渉
賃金、諸手当、高齢期雇用・定年延長、
非常勤職員制度などの課題で当局を追及
 
2021年人勧に向けて最高裁と交渉

賃金改善要求
関係機関に伝わるようにしたい

 7月20日、全司法本部は「2021年人事院勧告にむけた重点要求書」に基づく要求の前進をめざし、最高裁福島人事局総務課長との交渉を実施しました。
 賃金改善にむけて、公務員賃金の大幅引き上げ、地域間格差と世代間格差の解消、初任給の官民較差の是正などを求めました。最高裁は、いずれも「職員団体の要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。一時金や諸手当(地域手当、通勤手当、扶養手当)の改善を求めたことに対しては、「必要な時期に必要に応じた対応をしてきているところであり、今後とも同様の方針で臨んでいきたい」と回答しました。
 また、行(二)職員の部下数制限の撤廃にむけて関係機関への働きかけを求めましたが、従前回答にとどまりました。

定年後の職員のあり方
適切かつ誠実に対応していきたい

 非常勤職員制度については、賃金及び生活関連手当、休暇制度の改善、公募要件の撤廃、ステップアップ制度の実施庁拡大などを求めましたが、いずれも従前回答にとどまりました。
 高齢期雇用・定年延長に関わっては、定年延長法の参議院内閣委員会審議で「給与制度について順次必要な検討・措置を行うにあたっては、人事院は、労働基本権制約の代償機関としての責務を確実に果たすとともに、職員団体等の関係者の納得を得る努力を最大限に行うこと」との附帯決議が採択されたことを踏まえ、定年後の職員のあり方について全司法の納得を得る努力を行うことを求めたのに対し、最高裁は「必要に応じて職員や職員団体の意見を聞くなど、適切かつ誠実に対応していきたいと考えている」と回答しました。
 また、現行再任用制度で賃金・一時金の水準を引き上げること、生活関連手当を支給すること、年次休暇の繰り越しが可能となるよう措置を講じることなどを求めたのに対しては、いずれも「職員団体の要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。

勤務成績が不良な職員に対する対応
分限処分のためのものでもない

 民主的公務員制度について、人事評価制度を中・長期的な人材育成などに活用すること、短期の評価を直接給与や昇任・昇格に反映しないことを求めましたが、従前回答にとどまりました。
 また、6月30日に内閣人事局通知「勤務成績が不良な職員に対する対応について」及び「成績不良者の能力・意欲向上マニュアル」を下級裁に情報提供すると説明したことについて、公正・客観性が担保されない人事評価制度に基づく分限処分の厳格化は行わないこと、分限処分の拡大につながる対象の拡大は行わないことなどを求めました。最高裁は「下級裁への情報提供にあたっては、これまで行ってきた勤務成績が不良な職員に対する指導改善を充実させるものであり、裁判所として全く新たな運用を行うというものではなく、分限処分のためのものでもないといった趣旨を職員に丁寧に説明するよう伝えた」と回答しました。

休暇、両立支援、健康・安全確保など
要望は、人事院に伝える

 休暇制度等については、休校等に対応した出勤後の休暇、本人及びその親族等がPCR検査・ワクチン接種を受ける際の休暇、不妊治療のための休暇などの新設を求めました。最高裁は、いずれも「職員団体の要望は、人事院に伝えることとしたい」と回答しました。
 また、在宅勤務にかかる費用(通信費など)ついて、自己負担が生じないよう求めたことに対しても「職員団体の要望は、人事院に伝えることとしたい」と回答しました。
 両立支援制度に関わっては、子の看護休暇、育児時間及び育児短時間勤務の改善を求めました。最高裁は、いずれも「職員団体の要望は、人事院に伝わるようにしたい」と回答しました。
 健康・安全確保等に関わっては、職員厚生経費の確保、健康診断の充実、女性がん検診の改善、青年層の血液検査実施などを求めましたが、いずれも従前回答にとどまりました。
 また、一般健康診断の胃の検査を胃内視鏡検査とすることを求めたことについては「人事院等の動向を注視していきたい」、健康診断の対象年齢の見直しを求めたことに対しては「職員団体の要望は、人事院に伝わるようにしたい」とそれぞれ回答しました。

 
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月例給は改定なし、一時金は0.15月引下げ
2021年人事院勧告のポイント
 

「職員の労苦に冷や水を浴びせる」引き下げ

 人事院は8月10日、国会と内閣に対して2021年度の国家公務員の給与に関する勧告等を行いました。
 給与勧告では、国家公務員の給与について、民間給与との比較を行った結果、「官民較差が極めて小さい(19円、0・00%公務が民間を上回っている)」として、月例給の改定を見送りました。改善されなかった点は不満ですが、21春闘をめぐる状況が相当厳しいもとで、一時はマイナス勧告も想定されたのに対し、労働組合が粘り強くたたかった結果の反映です。
 一方、一時金については、「民間の改定状況が相当厳しい」として、期末手当から0・15月分引き下げる勧告を行いました。国公労連は、長期化するコロナ禍のもとでの政策判断が求められるもとで、これに背を向け、「あくまで民間準拠に固執し、昨年に引き続き職員の労苦に冷や水を浴びせる」ものだとして抗議する声明を出しました。

不妊治療休暇が実現、
育児休業制度も拡充

 また、勧告とあわせて国家公務員の育児休業等に関する法律の改正について意見の申出を行い、原則1回までとされている育児休業の取得回数を2回までに拡大、不妊治療のための休暇(原則年5日、頻繁な通院を要する場合は5日加算)を新設、育児参加のための休暇を子が1歳に達する日まで(現行は産後8週間まで)拡大する等の措置をとることを求めました。人事院は「男性職員による育児の促進や女性職員の活躍促進を更に進めるため」としていますが、この間、労働組合が改善を要求してきた成果でもあります。

「客観的な記録を基礎とした超過勤務時間の管理」を示す

 「公務員の人事管理に関する報告」には、@人材の確保及び育成、A妊娠、出産、育児等と仕事の両立支援、B良好な勤務環境の整備、C定年の引上げ及び能力・実績に基づく人事管理の推進の4項目が記載されました。Bのうち、長時間労働の是正の中では「客観的な記録を基礎とした超過勤務時間の管理を制度上の原則として示す」と書かれ、「業務量に応じた要員が確保される必要があることを改めて指摘したい」と強調されています。また、テレワーク等の柔軟な働き方への対応では、人事院に有識者による研究会を設けて検討することが示されました。定年の引き下げに伴う「能力・実績に基づく人事管理の推進」についても、今後の動きを注視していく必要があります。

 
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訂正
 

 2359号の「『職場のルールを作る』全司法の役割」で裁判官以外の職員数が「2万5592人」とあるのは「2万1801人」の誤記です。裁判官を含む数になっていました。お詫びして訂正します。

 
 
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