2021年7月3日、初めてオンラインで開催された第37回国公九州ブロックの女性集会に参加し、大変有意義で元気のみなぎる時間を過ごすことができました。
労働組合活動の経験は「プライスレス」
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会場で準備したスタッフの様子 |
集会前半は、講師として、昨年度、全司法本部初の女性書記長を務められた現愛知支部委員長の鳥井絵美さんをお迎えし、「しなやかに・したたかに考える私たちと『●●』」をテーマに実りあるお話をしていただきました。
「私たちと憲法」についてのお話では、私たちの生活がいかに憲法によって保障され、守られているかということを実感しました。
また、女性参画では、管理職になることにとらわれず、自分の能力を発揮できる方法を自らが考え、実現していくことなのだという考えを述べられ、一人一人が生き方やライフスタイルが異なる中で、大変共感できる考えでした。
労働組合のメリットとして、組合活動の成果として得られるものや活動の経験は「プライスレス」であるとの言葉は組合役員を数年続けている私がまさに実感していることで、組合活動の中でのつながりでできた仲間の一人一人が私にとってお金で得ることのできない財産といえます。
職場環境改善がないと制度も絵にかいた餅に
集会後半は、座談会とピラティスに分かれ、私は、座談会のほうに参加したのですが、裁判所以外の職場の実情を聞く機会にめぐまれ、大変参考になりました。中でも印象的だったのは、男性の育休の促進は政策として積極的に進められているものの、指針目標が独り歩きして、職場のフォローが追いついていないのが実情だということです。職場環境が改善されなければ、せっかくの制度も絵にかいた餅にすぎません。今後は、そのようなところを交渉等でアピールできるよう工夫していく必要があると感じました。
初めてのオンライン開催でしたが、日ごろ育児などで直接足を運んでの参加が難しい方も、自宅で参加できるというメリットがあったと思います。今後、集合、オンライン両方のメリットを活かし、もっと多くの方との友好の輪を広げていくことができる日が来ることを心から願いたいと思います。
いろいろな課題を「自分」ごとへ
鳥井絵美さん(前全司法本部書記長)の講演要旨
今日の話は、いろいろな課題を「自分」のこととして考えるきっかけになればと思って組み立てました。
私たちと憲法
男女の本質的な平等を定めた24条は、平和条項である9条とならんで「世界のモデル」と言われています。24条の草案を作ったベアテ・シロタ・ゴードンという女性は、子供のころに父親の仕事の関係で日本に住んでおり、そのころに見た日本の女性に、どのような権利が必要かを考え、幅広い草案を作りました。憲法は私たちの権利を定めたものだからこそ、もっと「自分のもの」として憲法をとらえることが必要です。「憲法と日常」というテーマで写真集を出した一之瀬ちひろさんからも、ヒントをもらえます。
私たちと女性参画
これまで日本で「男女平等」が語られるときには、「男女の能力に違いはないから、扱いを平等にすべきだ」という議論が中心でした。一方、ジェンダー平等の先進国では、男女の違いを当然のものとした上で、「だからこそ政治の場をはじめとするジェンダーバランス、多様性を確保することが社会にとって重要だ」という考え方が主流です。
数値目標についてはいろいろな意見が聞かれますが、政治学の研究分野では、女性の意見が影響力を持つためには女性の割合を一気に30%にすることが必要だと言われています。社会や意識が追い付かないからとの理由でペースを落としてはいけないのです。
私たちと職場の実態
今、職場には女性が多くなっており、女性の管理職登用が当局の政策として進められています。しかし、求められるのはキャリアアップばかりで、キャリアを自分で選ぶものとはなっていません。職場で輝くためにはキャリアを自分で選ぶこと、つまりキャリアデザインができる職員制度を実現することが必要です。
同じ国公職場といっても職場の状況は大きく違います。違うからこそ、各々の職場で声をあげることが大切です。
私たちと運動
組合員が減少する中で、「労働組合に入るメリット」を問われることが増えました。しかし、「メリット論」に引っ張られず、既に確立している労働組合の意義とともに、組合の成果や活動の経験は「お金で買えない価値がある」と伝えていきましょう。
なお、「メリットが受けられない」という感覚になるのは、組合役員がサービスを提供する側で、組合員はサービスを受ける側と捉えている人が増えているからではないでしょうか。「主役は組合員」という意識も、改めて確認する必要があります。
これからも、「明るく・楽しく・元気よく」そして、「しなやかに・したたかに」活動を続けていきましょう。
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