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全司法新聞
 
全司法第81回中央委員会
全司法が果たす役割を確信につなげ、要求実現と組織強化・拡大を
 
オンラインでの「団結ガンバロー」

 1月31日〜2月1日、第81回中央委員会を開催しました。11都府県に緊急事態宣言が出されている状況を踏まえ、移動・集合を最小限に抑える観点から、初のオンライン開催となりました。
 春闘をめぐる情勢を踏まえ、賃上げをはじめとした生活改善を求める国民的な運動に結集し、秋季年末闘争における職場諸要求の到達点の共有、全司法が果たしている役割をすべての組合員の確信につなげるとともに、オンライン・オフラインを活用したこれまでにない「総対話」のとりくみを展開し、要求実現と組織の強化・拡大をめざすことを意思統一しました。

対話し、学びながら参加する春闘へ

 中央委員会には、各支部から選出された中央委員、地連・支部からのオブザーバー、本部役員及び来賓の合計85名が参加し、議長に愛知支部・森野俊裕中央委員、福岡支部・甲斐統中央委員を選出し、議事が進行されました。
 中矢中央執行委員長の開会あいさつの後、来賓として出席された国公労連九後中央執行委員長は、春闘情勢に触れつつ、「コロナ禍で厳しい情勢だからこそ労働組合への注目や期待が高まっている。ピンチをチャンスに代えて、強く大きい組織を作っていこう」と連帯と激励のあいさつをいただきました。
 議案の提案では、簑田書記長が、秋季年末闘争の総括及び情勢を踏まえた2021年春闘方針並びに補足議案である「民事訴訟手続IT化に関する全司法の考え方」を提案し、「対話し、学びながら参加する春闘にしよう」と呼びかけました。
 その後、大杉財政部長から2020年度会計中間決算報告、福本会計監査委員から中間監査報告を行い、ともに承認されました。

コロナ禍における職場実態、裁判手続のIT化、事務の簡素化・効率化などを討論

 討論では、春闘情勢、全司法大運動、裁判手続のIT化、コロナ禍における職場実態、事務の簡素化・効率化、非常勤職員制度、宿日直、自動車運転手をはじめとした職種課題などについて発言がありました。
 組織拡大に関わっては、1月期新採用職員の加入が実現した支部からガイダンスや加入呼びかけで工夫した点など実践例が紹介され、4月期新採用職員の早期全員加入にむけて「対話」を意識したとりくみを実践していくことが確認されました。
 討議では、のべ32名から発言があり、これを受けて簑田書記長が総括答弁を行った後、採決が行われ、春闘方針(補足議案を含む。)が満場一致で可決されました。
 最後に、「18・19歳の『非行』に少年法で対応することを求める決議」及び「2021年春闘アピール」を採択し、職場諸要求の実現と組織強化・拡大に全力を尽くす決意を固め合いました。

 
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中央執行委員長あいさつ
コロナ禍の春闘は、コロナ禍とたたかう春闘
 
あいさつする中矢委員長

感染症対策
国の役割が重要

 新型コロナウイルスの感染状況は引き続き高い水準にあり、現在、11都府県に緊急事態宣言が出されています。
 感染症対策は社会全体であたっていく必要があり、個人ができることは限られています。感染防止のために経済活動を止めるなどの措置も必要になることから、そうした対策をとっても、暮らしが成り立つように営業補償、生活支援などの財政支援を行うことが必要になります。ワクチンももちろん重要ですし、検査を拡大してり患者を見つけ、必要な隔離を行い、発症者の治療を迅速、確実に行える医療体制を確立することが必要不可欠です。
 そうしたことができるのは、国をおいて他にはなく、国の役割、舵取りをする政治の役割がきわめて重要です。それでは国は、政治は今、そうした役割をきちんと果たしているでしょうか?

労働条件改善・国民生活守るたたかい一体で

 菅政権は登場した時から「自助」を一番に掲げ、公の責任を放棄する姿勢を見せていました。学術会議の任命拒否問題では、権力を振り回し、まともに説明しない問答無用の姿勢を見せました。それは、コロナ対策でも全く同じです。
 春闘は、賃上げをはじめとした労働条件改善のたたかいと、国民生活を守るたたかいが一体になったものです。とりわけ、今年は、コロナ禍のもとで国の役割をきちんと実行させていくこと、大企業に社会的責任を果たさせ、内部留保を取り崩して労働者の雇用を守り、賃上げ、下請け企業への単価引き上げを行わせること、この2つを柱に運動していくことが重要です。コロナ禍のもとでの春闘は、人災の様相を呈してきたコロナ禍とたたかう春闘でもあるのです。

「コロナ前」より前進させる「立て直し」を

 この中央委員会は、新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが未だ立たないもとで、全司法としてどう活動を進めていくかを、みんなで話し合い、決めていくための中央委員会です。
 昨年の秋季年末闘争では、コロナ禍のもとで「暮らし」、「職場環境」、「日常活動」の立直しという3つの立直しを提起し、これに基づいてとりくみをすすめてきました。
 今年の春闘では、引き続き、この3つの立直しを、職場からの運動で進めることが重要だと考えています。「立直し」と言いましたが、単にコロナ前に戻せば良いわけではありません。「暮らし(社会)」も、裁判所の「職場環境」も、労働組合の「日常活動」も、実はコロナ前から問題があったり、不十分だったところがあったはずです。それも含めて乗り越え、前進するための「立直し」をみんなでやっていきましょう。

 
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討論の特徴
 

春闘情勢

コロナ禍だからこそ、賃上げの世論を作る活動を

 2021年春闘方針に関する討論は、「新型コロナウイルス感染拡大の影響で従前どおりの活動が困難であるが、そのような状況だからこそ、賃上げの世論を作り上げていけるように、官民一体の活動を行っていこう」(愛知)との力強い言葉から始まりました。
 賃金に関して、経団連から、コロナ禍では企業が賃上げをすることが困難であるとの報告がなされていたことに触れ、「全司法の掲げる『総対話』の活動をきっかけに、要求実現を目指そう」(福岡)との発言がありました。
 また、核兵器禁止条約の発効に触れ、「唯一の戦争被爆国である日本が批准すれば、世界的な影響を与えることになる。今後も平和に向けた活動を続けるべき」(福岡)との平和への活動の重要性を訴える発言もありました。

コロナのもとでの職場

感染防止や在宅勤務を課題にとりあげ要求前進

 コロナ禍における職場実態の報告や組合員の要求、労働組合の活動に関する発言が多く出されました。
 甲府支部は、最初の緊急事態を踏まえて交渉で要求し、支部と甲府当局間における「BCPの検証にかかる意見交換」を実現した経過を報告。「飛沫対策、除菌などの感染防止対策、書記官室の狭隘などが一定改善された。職大やレクなどができない中、こうした動きを教宣紙に載せて、活動を伝えている」と発言しました。
 愛知支部からは「9月から当局が在宅勤務の試行を実施し、自宅でパソコンが使用できるよう届け出をさせたり、官用の携帯電話に転送して在宅勤務で電話相談を行うなどの検討がされた。支部でも交渉等で在宅勤務のあり方について要求してきた。官用パソコンを在宅勤務で使えるようになって、快適に作業ができるようになった」と報告されました。
 佐賀及び愛知支部から、当直室で実施されている感染防止対策について報告がありました。また、「PCR検査を受けることになった職員に対する職場からの電話聞き取りが負担である」(広島)、「3月に実施予定の調査官応用研修について、今の感染状況を受けて不安の声が上がっている。オンライン研修とするか延期してもらいたい」(甲府)といった組合員からの意見も出されました。
 コロナ関連では、全司法大運動に関して、年末の帰省ができないもとで「本人の了解を得て代筆できる旨周知した」(福岡)との報告もされました。

職場諸要求

簡素化・効率化、IT化などさらなる前進、意見反映を

 事務の簡素化・効率化に関して「上訴記録の丁数廃止など、これまで多くの要求が前進してきたが、ここで手を緩めることなく、さらなる簡素化・効率化をすすめさせよう。マニュアルの作成は現場に丸投げにせず、全国統一で作成するべきである。また、裁判所ホームページの掲載も各庁で差があり、全国的な司法サービス提供の観点から問題がある。要求の実現を職場にアピールすることで組織拡大にもつなげられる」(徳島)との発言がありました。同様の観点から「裁判員裁判における調書整理期間が短か過ぎる。控訴審送付用映像データのDVD焼き付け作業が相当負担になっており、USB等でのデータ送付にすべき」(和歌山)と意見が出されました。
 裁判手続IT化に関連して、「高裁刑事、家裁、簡裁にNAVIUSが導入されたが、使い勝手が非常に悪い」(大阪)、「ウェブ会議の活用がすすめられているが、プラットフォームとしてのTeamsの利用に消極的な弁護士がそれなりの数いて、ウェブ会議をやりづらいとの声が出ている。今後のIT化に向けては、システムの予算を確保して、使えるものを作って欲しい」(東京地裁)、「民事裁判手続IT化が話題になっているが、倒産手続や裁判外紛争解決手続のIT化の議論もすすんでいる。こうした情勢にも目を向けて運動すべき」(福岡)等の発言が出されました。
 非常勤職員のステップアップ制度について「受験したいとの非常勤職員の強い要望があるが、最高裁当局は実施に消極的な姿勢を見せている。制度を作り、運用する最高裁がそれで良いのか。今後も試験実施に向けて当局を追及していく」(最高裁)との発言がありました。

庁費、職種、宿日直、権利などで実態報告

 大分支部からは「ここ数年、庁舎維持管理費が縮小され、独立簡裁の清掃が週1回となって、来庁者からトイレの汚れを注意されたこともある。コロナ対策で共用部分のアルコール消毒を現場の職員が行っている実態もあり、増額してもらいたい」との発言がありました。
 「現在、運転手が対応できない時はタクシーで少年の押送をしているが、不測の事態を考えると、少年押送のための運転手の確保は必要であり、押送体制のあり方を検討すべき」(大分)、「4月に在京の運転手が正式に最高裁配置になる。高裁配置の守衛が家裁に応援に行くことが明らかになったり、電話交換手の退職による減耗分は外部委託によるという話があり、どうなるのかと思っている」(東京高裁)など、行(二)職をめぐる課題について発言がありました。
 宿日直については、「同規模庁で裁判官泊まり込み体制になっている中、福岡ではタクシーで宿舎に行って夜間の令状処理をしている。複数件の請求があるとタクシーに乗っている時間も長く、迅速処理にも反し、記録を庁外に持ち出す心理的負担もある。また、仮眠時間が確保されない。様々な問題があることから早急な解決を目指して奮闘する」(福岡)、「民事裁判手続IT化の情勢を活かして、令状センター構想の実現にむけたとりくみをすすめてほしい」(大阪)などの発言がありました。
 広島支部からは、職場の欠員に関する課題で組合への事前対応がないなど、当局の不誠実な対応に抗議し、当局が謝罪した例が紹介されました。
 また、最高裁支部からは全司法新聞新年号の記事に触れながら、書記官総合研修所内で働く職員の実態に関する発言がありました。

組織強化・拡大

新採用に寄り添い、「入ってほしい」と伝えよう

 コロナ禍で新採用職員に対する加入の働きかけがすすまない課題が指摘されているもとで、12月以降に採用された職員に対するとりくみの経験が報告されました。

全司法の役割を伝えて

 「これまで新採用の加入がすすまなかった教訓を活かし、年末年始から周到な準備をして1月採用にむけたとりくみを実施して、8名中5名が加入した。ケーキとコーヒーを用意し、ガイダンスの後、なるべく同じ職場の先輩を交えて5?6人程度の少人数のグループに分かれて話をした。裁判所を選んだ理由を聞き、『働きやすい職場』だと聞いたからという理由だったので、そうした職場を作ってきたのが全司法だということを説明して、入ってもらった」(愛知)。

同じ職場の組合員が声かけ

 「新採用職員と同じ職場の組合員で、役員経験もある50歳台の人が着任翌日に庁舎の案内をしながら全司法について話をし、職場の問題や組合の要求による到達点を説明して『一緒にやっていきましょう』と声をかけて加入してもらった。職場も協力的な雰囲気なのが良かった」(三重)。

加入後のフォローも重要

 「青年部が主体になって加入のとりくみを実施している。フレッシュセミナー2日目に短時間のガイダンスをし、翌日に一人ひとり加入届を直接持って行き、『入ってほしい』と声をかけた。結果、全員に入ってもらったが、加入後のフォローも大事なので、1週間後に青年部との顔合わせを行った。コロナ禍で採用された新採用は、先輩職員との接点が持ちにくく、不安を感じているので、組合の役割は大きい。4月に向けて引き続きがんばりたい」(岡山)。

とにかく一度加入してもらう

 「加入届は氏名押印以外の記載事項をあらかじめ埋めてから渡すなど、とにかく採用初日に提出してもらうよう徹底している。『労働組合のことを知ってもらってから』という考え方もあると思うが、実際には入ってみないとわからない。とにかく一度加入してもらうことが必要。そのためには説明もきちんとするし、加入後は、やめたいと思うことがないようにフォローすることが大切。個別面談によるヒアリングをするなどフォローも怠らないようにしている」(島根)。

各職場・フロア単位の少人数で

 「新型コロナのもと、組合員に活動が見えにくくなっており、4月の新採用の拡大もすすんでいない。どうにかしてすすめようと考え、大規模なイベントは難しいので、各職場やフロア単位での少人数での勧誘を行っている。1月採用も第1週にアタックした。その後、再び緊急事態宣言に入ってしまったが、繋がりは切れておらず、引き続き奮闘したい」(福岡)。

コロナ禍だからこそ、当たり前の活動を疎かにしない

 新採用以外の組織強化・拡大については、「1月25日の全司法の結成記念日に合わせて朝ビラを実施し、職場で話題になった」(愛知)、「退職まで管理職だった再任用の職員に加入してもらった。コロナの影響で活動が難しく、日常活動が見えにくくなっているもとで、職場会を開催する、全司法新聞を職場に配布するといった、当たり前の活動を疎かにせずとりくんでいくことが重要」(福岡)、「職務に起因する損害賠償制度を新設することは、何かあった時に守ってくれるという安心感につながり、加入を呼びかける際のツールになる。また、支部の財政が厳しいことにも目を向けてもらいたい」(徳島)、「全司法独自の損害賠償制度を作ることで、加入のメリットを感じてもらい、組織拡大に役立つと確信している」(香川)等の発言がありました。

 
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コロナ禍で青年の声を集め活動を推進 青年協活動報告(要旨)
 

田中佑昌事務局長が青年協の2020年度上半期の活動と今後のとりくみについて報告しました。

アンケートで実態把握総研生の経済的、精神的負担が明らかに

田中事務局長から
青年協報告
 今年度の秋季年末闘争期の職場討議の報告があった支部は54支部中31支部、統一要求書を提出した地連・支部は、6地連・28支部でした。春闘期こそは、青年部の有無を問わず、全ての支部で職場討議を実施し、全ての支部・地連で提出できるよう、支部で積極的に援助、指導をしていただくようお願いします。
 今年度も総研生アンケートを実施した結果、総研生に経済的・精神的負担が生じていることが明らかになりました。総研への参集の際に、授業計画の連絡が遅く、生活の本拠を確保する時間的余裕がなかったこと、11月の一時退寮と1月の再入寮時の荷物の送料の全額自己負担が、生活をかなり圧迫していること、コロナに感染したら信用失墜行為になるという説明がされたことなど、さまざまな実態が明らかになりました。制限された環境下で研修を受ける研修生が安心して研修を受けることができるよう、引き続き各地連・支部と協力しながら、総研生の研修、生活環境改善のとりくみを続けていきます。
 「暮らしむきアンケート」については、昨年度は732通もの回答を得て、多くの青年の声を集めることができました。職場討議のみでは拾えない意見や具体的な数値を把握することができ、また、未加入者にも配布することで全司法のとりくみをアピールすることにもつながります。今年度分については現在、集約作業を行っています。

コロナ禍においても、「加入しよう」「加入してほしい」の重要性は変わらず

 組織拡大、特に新採用職員について、今年度はコロナの影響により、例年どおりの勧誘活動が実施できなかった支部が多く、例年と比べると加入拡大はすすんでいません。この状況下でも、採用初日に短時間の説明会や少人数の座談会を企画するなどして、早期加入を達成した支部もあります。コロナ禍においても、「加入しよう」「加入してほしい」と声かけをする重要性は変わりません。
 一人でも多くの新採用職員を仲間に入れ、組織を拡大していくためにも、うまくいった地連や支部の経験を活かすとともに、ぜひ青年と一緒に次の4月採用者の勧誘計画を立て、実際に声掛けなどにとりくんでいきましょう。

 
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「暮らし」「職場環境」「日常活動」の3つの立て直しで
全司法の役割・存在をアピールしよう 簑田書記長の総括答
 
総括答弁する簑田書記長

「総対話」のとりくみを起点に春闘結集へ

 情勢に関わっては、コロナ禍のもとで、限定的な活動しかできないもどかしさもありながら、膨大に膨れ上がった大企業の内部留保を社会に還元し、企業の社会的責任を果たすよう、地域での行動に結集しながら声を上げることの決意が語られた。また、経団連がコロナ禍を理由に賃上げに消極姿勢を示す中で、わたしたちの要求アンケートに基づく、賃上げ要求の正当性に触れ、賃上げの声を強めることの大切さが語られた。
 いずれも、今年の春闘は、コロナ禍だから賃下げ「やむなし」、「仕方がない」ではなく、コロナ禍だからこそ賃上げの声を強め、とりくむことへの呼びかけがなされたものである。
 全国の仲間が賃上げのたたかいに確信をもってとりくんでいけるよう、すべての支部でこれを受け止め、全司法が掲げた『総対話』のとりくみを起点に、地域における官民共同のたたかいを軸とした春闘のとりくみに結集してもらいたい。

職場諸要求

在宅勤務の考え方・指針を示させるよう、あらためて追及

 在宅勤務の在り方について、二度目の緊急事態のもとで、在宅勤務に替えて年休取得が広がっていることへの懸念や、当直室の感染防止対策の不十分さなどが指摘され、各庁任せの運用がより一層職場の不安につながっていることが明らかとなった。討議の中でも他庁の状況を知りたいとの発言が多かったことから、地連・支部での垣根を超えた情報交換を強めてもらいたい。同時に、こうした情報交換の機会も、全司法があってこそだということを多くの仲間に広めてもらいたい。本部としては、在宅勤務の考え方等について改めて追及を強め、最高裁に指針を示すよう求めていく。
 事務の簡素化・効率化に関しては、これまで勝ち取った全司法の成果が確認されるとともに、新たな提案もなされた。職場の問題を丁寧に拾い上げて要求化し、改善を図ることで、全司法の姿を職場にアピールし、職場からの信頼を得ながら、組織拡大につなげることが大切だということを確認したい。
 障がい者を対象としたステップアップ制度について、最高裁が制度を作っておきながら、実施しないとしていることについての問題指摘があった。使用者としての姿勢を正し、社会的責任を果たすよう職場での追及を全国的に強めるとともに、コロナ禍で不安の大きい非常勤職員の組織化もあわせてとりくんでもらいたい。
 そのほか、裁判手続のIT化にむけて視野を広げたとりくみの必要性や、少年押送に伴う運転手の確保、宿日直、研修など、様々な実態が報告された。これらを踏まえ、全司法の要求や意見が、これからの裁判所の職場をつくっていく役割を引き続き発揮していきたい。

全司法大運動

内部署名など身近なところから確実に

 全司法大運動では、コロナ禍に伴い年末年始の帰省もできない状況から、工夫したとりくみの必要性が指摘された。本部としても、コロナの状況下に配慮した行動提起をすることは当然のこととして、内部署名をはじめ身近な所からの署名集約を徹底し、確実にとりきる覚悟でとりくんでもらいたい。

組織強化・拡大

コロナで不安を抱える新採用職員に寄り添い、組織拡大へ

 組織強化・拡大に関して、コロナ禍での新採勧誘のとりくみが難航し、加入の低迷が続いていることが複数の支部から報告された。そうした中でも、感染対策なども含め小グループで対話するための準備段階での十分な検討が功を奏した事例や、青年に限らずベテラン層からの身近な職場からの加入呼びかけ、フレッシュセミナー後の早期呼びかけによる加入の報告がなされた。あわせて、加入後も個別面談などの感染対策を講じながらのフォローのとりくみもきちんと怠らないことが重要であることについても語られた。
 秋から引き続き、「暮らし」「職場環境」「日常活動」の3つの立て直しを発展させることを提起している。
 中央委員会でも、この3つの立て直しを柱とした全司法の果たす役割・存在をアピールし、組織を拡大していくことで、全司法の未来につながることが強調された。
 この一連の流れを確認した上で、春の「総対話」のとりくみを通じて、コロナ禍のもとでも大いに活動する決意をあらためて固め合いたい。そして、コロナで強い不安を抱える新採用職員に寄り添い、この4月の新採加入のとりくみに全力を注いでもらいたい。

 
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裁判所共済組合骨子運審の報告
 

21年度の掛金率

短期は維持、介護は引上げ

 2月2日、裁判所共済組合の21年度骨子運営審議会が開催され、21年度事業計画の骨子等の審議が行われました。
 運営審議会の10名の委員のうち半数の5名は組合員を代表する者から任命することとされており、全司法推薦の5名(宗形恭太郎・旭川、光田透修・立川、山本省平・大阪、北島庸徳・岡山、大杉浩二・本部)が任命されています。この日の会議には、全司法から5名の委員と監査員(井上隆博・本部)が出席しました。
 21年度の短期掛金率は、現行の38・56‰(福祉分1・01‰を含む)を維持することとなりました。短期経理の収支は、21年度は、黒字を見込むものの、22年度からは赤字となることが見込まれています。その主な要因は、高齢者医療制度に対する拠出金が増加傾向で推移すると見込まれることにあります。全司法は、高齢者医療を共済組合などの健康保険組合からの拠出金ではなく、国の責任で負担するよう求めています。共済本部は、他の国共済組合等とともに、財務省に対して、拠出金の負担を軽減するための措置を講じることを関係機関に申し入れるよう要望していることを明らかにしました。
 介護掛金は、現行の7・17‰から9・35‰に引上げられます。介護納付金が全面的に総報酬割で算出されることになったことに伴い、今年度から見込みを大幅に上回る増額となったことによるものです。

福利厚生

人間ドック等補助や無料電話相談、引き続き実施

 福利厚生パッケージサービスについて、21年度からの受託者の選定がすすめられています。全司法は、地域間格差解消、利用しやすいサービスの提供、組合員の意見をふまえたサービス改善の対応の可否を重視した受託者選定を求めており、共済本部は、組合員の求めるサービスの提供が可能な業者が選定できるようにしたいと説明しています。
 人間ドック等補助や24時間無料電話健康相談などの生活習慣病対策・健康増進事業は、現行と同じ内容が予定されています。
 貸付事業における適用利率は、21年度から特別貸付が1・86%から1・76%に引下げ、住宅貸付・特別住宅貸付が1・27%から1・31%に引上げとなります。
 全司法の委員による支部視察については、今年度はコロナの影響で中止となりましたが、21年度は札幌・さいたま・金沢・大津・宮崎の5支部で行われることとなりました。委員の出張を控えるべき情勢となった場合は、テレビ会議の方法により実施されます。

全国51支部の共済本部への統合を提案

 共済本部から「共済組合組織統合(案)の概要」の説明が行われました。全国に51ある支部(共済組合係)全てを共済本部に統合するという内容です。
 統合のスケジュールとしては、@22年度に東京支部を最高裁に移転する(事実上の準備)、A23年4月に最高裁・東京・横浜の3支部を本部に統合する、B24年4月以降の数年内に、高裁管内ごとに各支部を順次本部に統合する、とされています。
 統合される業務は、共済組合の業務に加え、共済組合係が担当している児童手当、財形貯蓄、確定拠出年金(iDeCo)等の国の業務も含まれます。
 組合員から提出された届出書等を共済本部に送付する業務や、共済本部から送付される組合員証や周知文書等を組合員に配布・周知する業務等は、原庁に残り、その担当部署については、業務の性質等をふまえて、関係部局と調整していくこととされています。
 この日の会議では、共済本部からの説明と説明に対する質疑が行われたのみで、検討をすすめることの可否を含めた審議は、3月22日の計画運営審議会や22年度以降の運営審議会において行われます。
 なお、この日の会議における全司法の委員による質疑に対する共済本部の説明については、別途、各地連・支部にお知らせしています。

 
 
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