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全司法新聞
 
「これからの社会、これからの裁判所、これからの全司法」を考える大会に
全司法第77回定期大会
 
感染防止につとめつつ、大会を実施

 全司法は、7月19日から21日、滋賀県長浜市において第77回定期大会を開催しました。新型コロナ感染拡大により、職場での事件処理・事務処理や労働組合活動に大きな影響が出る事態を経験する中で、「コロナ禍の先へ!新しい社会に展望を持ち、運動と組織を前にすすめよう!」のメインスローガンのもと、コロナに関連した職場実態や労働組合活動の状況、要求や今後の課題についての集中討議を行うとともに、職場諸要求、職種課題、組織強化・拡大のとりくみなどについて、活発な討議が行われました。

コロナ禍のもとでの職場実態で集中討議

 定期大会には、代議員・オブザーバー・役員など、全体で80名が参加し、議長に選出された大阪支部の中本千里代議員及び福岡支部の秋吉美希代議員により、議事が進行されました。
 はじめに、中央執行委員会を代表して中矢委員長が、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で明らかになった私たちの命や暮らしと政治の関わり、コロナ禍での職場や労働組合活動等に触れて、あいさつしました。
 続いて、本部から、2020年度運動方針案、2019年度決算報告・会計監査報告、2020年度一般会計予算案・特別会計予算案の提案・報告を行いました。
 運動方針案の提案で、鳥井書記長は、職場を基礎としたとりくみを中心に据え、要求実現まで粘り強くとりくみ、そのとりくみや成果を通じて全司法の組織を強くしていこうと呼びかけました。
 コロナ関係については、全司法の追及により最高裁から「下級裁から実情や意見等を聞くなどして、今回の経験を振り返り、今後の対応に活かしていく」との回答を引き出したことを踏まえ、感染拡大防止、労働条件、在宅勤務を含む業務継続の在り方、業務再開時の課題で要求を組織し当局に伝えることが重要だと述べました。

IT化意見を取りまとめ、「今後の方向性」前進面を推し進めよう

 民事裁判手続のIT化については、最高裁が意見を募っていることもふまえ、本部内にPTを設置し、意見書を取りまとめることを提起しました。また、最高裁が示した「今後の職務の方向性等」については、「事務の簡素化・合理化」や職員の職務の「専門性」を活かす事務処理態勢等の前進面を推し進めていくとともに、「退職者と同数の採用を続けることの相当性」という考え方については、当局の動きを注視していく必要があるとの本部見解を改めて説明しました。
 組織強化・拡大に関わっては、全司法の存在を職場に示しながら活動することの重要性を指摘し、4月採用者の全員加入に向けた決意を改めて固め合おうと呼びかけました。
 運動方針案の提案の最後には、「これからの社会・これからの裁判所・これからの全司法」を考える有意義な定期大会となることを期待すると述べました。
 討議では、のべ83名が発言しました。コロナに関連する問題については、時間をとって集中討議を行ったことから、発言の半数は、コロナ禍での職場実態や組合活動の状況、要求、今後の課題に関するものでした。
 討議を受けて本部が総括答弁を行った後、採決が行われ、2020年度運動方針・一般会計予算・特別会計予算は、満場一致の賛成で可決されました。

 役員選挙の実施(6面参照)後、最高裁支部の山崎哲志代議員の読み上げにより提案された大会宣言を採択。中矢委員長の団結がんばろう(コロナ対策のため、出席者は発声しませんでした)と「全司法一本締め」で閉会しました。

「感染防止面でも成功」をめざして

 本定期大会は、一旦は落ち着いたかと思われたコロナ感染者数が再び増加傾向を見せる中での開催となりました。
 「感染防止面でも大会を成功させる」ことを打ち出し、密防止に十分な広さの会場を確保した上、大会期間中は、全出席者の日毎の検温、会議・食事で使用する会場前での手指消毒、議長席・演壇へのアクリル板設置、発言のたびのマイク消毒、個室での宿泊、食事時の座席間隔確保と会場分散など、様々な対策を実施しながら運営しました。また、来賓は招待しませんでした。

 
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中矢委員長あいさつ(要旨)
コロナ禍による変化の中で、全司法の運動を前に進めよう!
 

活動を「再起動」する大会に

中矢委員長
 新型コロナウイルス感染症が拡大するもとで、裁判所の職場は、職員の感染防止、利用者を含む感染拡大防止策を講じつつ、事務処理を行うという課題に直面しています。そうした状況が今後も続くことを踏まえ、職場実態を出し合い、共有し、これからに備えることが重要です。
 この間、全司法の活動も停滞を余儀なくされました。ここで全国的に体制を立て直し、感染対策をしながら運動を「再起動」させる必要があります。感染拡大に留意し、第2波、第3波に備えつつ、長期化も想定しながら、日常生活を立て直し、裁判所の事務処理を元に戻していくのと同じように、全司法の運動も「再起動」させる、本大会はそのための大会です。

命や暮らしが政治と直結していることが明らかに

 コロナ禍のもとで、私たちの命や暮らしが政治と直結していることが、すべての国民の前に「現実の問題」として突きつけられ、誰の目にも明らかになってきました。
 PCR検査体制は未だに限定的で、感染の実態を把握することさえできていません。
 感染拡大防止対策として個人補償を行うという発想がなく、1兆7000億円という巨額の税金を「GOTOキャンペーン」に費やし、持続化給付金では委託先の電通が関与して事務手数料を「中抜き」する仕組みを作るなど、こういう状況に至ってもなお、財界・大企業のための政策しか念頭にありません。また、この間、進めてきた社会保障・医療制度の改悪で医療提供体制がきわめて脆くなり、医療崩壊の懸念があるにも関わらず、これを改めることすら考えていません。積極的にやったことと言えば、全国一斉休校、アベノマスクの配布など、「やってる感」の演出だけで、的外れなものばかりです。政権発足以来一貫して財界・大企業中心で、国民生活など一切顧みなかった安倍政権の本質が、わかりやすい形で明らかになりました。

「声を上げたら、政治が動いた」が変える国民の意識

 政治の問題点が見えてくる中で、多くの人たちが「おかしい」「なんとかしてほしい」と声を上げるようになったのも大きな変化です。政府が当初「世帯に30万円」としていた補償が、国民の声に押されて「1人10万円」に改められたことをはじめ、雇用調整助成金や持続化給付金なども少しずつ改善されています。検察庁法「改正」案は、1000万ツイートというSNSでの反対の声の広がりによって廃案となりました。
 「声を上げたら、政治が動いた」という出来事、経験が積み重ねられ、国民の中に「政治は自分たちのものだ」という意識の変化が起きようとしています。これは、きわめて重要です。
 そもそも労働組合の運動は、要求をまとめ、声をあげることで状況を変えていこうという運動です。「声を上げれば、変えられる」ことに確信が広がることは、運動を下支えする力になります。
 また、政治が国民生活に直結するというのは、「公的な」仕組みや業務は、そもそも国民のためのものであり、だからこそ重要だということを意味します。これは、公務・公共サービスや公務員に対する国民の意識を変えていくことにつながり、私たちの運動をとりまく情勢の大きな変化を生み出します。
 政治情勢も、社会も、職場も、コロナ禍を経て大きな変化が起きようとしている中で、本大会の議論を通して、全司法のこれからの運動を考え、前に進めていきましょう。

 
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総括答弁(要旨)
全司法の役割・成果を伝え 職場全体の理解と支持を広げよう!
 

情勢・全司法大運動

要求の正しさ・重要性をコロナ禍のもとで再確認


総括答弁する鳥井書記長

 情勢にかかわっては、先の豪雨で市民が避難してきた福岡地家裁大牟田支部における対応に関し、国民の命や財産を守るという対応がなかなかできない裁判所当局の実態が報告された。
 同じような事例は全国的に生じる可能性があることから、当局に問題意識を伝え、改善を求めていきたい。
 また、デフレの経済状況における賃上げの必要性や、消費税の廃止・減税、社会保障切捨てに反対するとりくみの必要性についても発言された。これまで労働組合が主張してきた最低賃金引上げや消費税減税、株価対策ではなく中小企業対策で経済を立て直すべきであるという要求の正しさ・重要性が、コロナ禍のもとで再確認されている。消費税や社会保障といった国民的課題に正面から向き合い、官民一体のとりくみに足を踏み出す中で、民間で働く人たちや広く国民に公務員賃金の引上げについても理解を広げることが必要であり、そうした共闘こそが賃上げや生活改善の「展望」である。人事院勧告に基づかない賃下げの可能性に不安の声も寄せられる今、改めて確信を持って、県国公や県労連に結集しよう。
 全司法大運動については、小さなことからこつこつと着実に集約を進めることの重要性を全国で共有し、次年度はすべての支部で今年を上回る集約をめざそう。

コロナ問題集中討議

コロナ対策の中で労働組合の存在意義を示そう

 新型コロナウイルスに関しては、感染拡大による職場への影響、現在の要求、これからの課題について集中的な討議を行った。報告された職場実態からは、当局の指示や情報共有・情報周知の在り方、在宅勤務を含むBCP態勢の在り方、コロナ禍の影響を受けた超勤実態の正確な把握とその手当て、感染防止策、特別休暇の運用等、多くの課題が確認できた。また、最高裁は「原庁の判断」という姿勢をとりつつ、実際は指示・命令しているというケースも報告されたことから、問題意識をもって注視していきたい。
 諸要求期の交渉において私たちの追及により引き出した「最高裁としても、下級裁から実情や意見等を聞くなどして、今回の経験を振り返り、今後の対応に活かしていく必要があると考えている」という最高裁回答をよりどころに、本部は、これらの課題について最高裁の責任を追及していく。
 各支部においても、全国の実態やとりくみを参考に、職場の要求に基づいて対応当局とのやりとりを強化し、混乱する職場の中において労働組合の存在意義を示してもらいたい。
 なお、超勤実態を当局に把握させるには、組合員も、もれなく、気兼ねすることなくきちんと超勤を申告する必要がある。いわゆる「かくれ残業」を職員一人ひとりの行動で職場からなくし、そのうえで、そうした「正しい申告」を現場で制限されることがあれば、「最高裁回答を守らない管理職」として組合がレッドカードを突き付けていく、そうした動きを両輪に、事件処理に必要な人員を確保させ、サービス残業、そして長時間労働を減らそう。

職場諸要求

すべての支部で創意工夫したとりくみを

 職場諸要求の課題では、複数の支部から年間のとりくみが報告された。アンケート、署名、要請書提出といった「組合員一人ひとりが行動する」独自行動は、組合員自らが活動と要求実現の「担い手」であることを意識できる行動であり、全国すべての支部で創意工夫したとりくみを行ってもらいたい。また、労働組合の運動や新たなとりくみについて、若い人も含めて、活発な議論をすべての支部で行おう。
 健康課題、事務の簡素化・効率化、IT化、人事評価制度、職種(家裁調査官・法廷警備員)、庁舎、宿日直等の課題については、いずれの発言についても、問題意識は今後の課題として受け止め、最高裁当局を追及する材料として活用したい。
 移転料については、新たな運用の実態を分析し、要件緩和をはじめ、更なる改善に向けたとりくみを進めていく。
 行(二)職の課題では、運転手の必要性が改めて確認された。当該職種の声を聴きながら、これまでどおりのとりくみをすすめていきたい。また、後補充をしないのであれば、それに代わるタクシー利用の緩和など各支部で具体的な要求を組織して、とりくみを進めよう。

事務官の職員制度

事務官の配置・研修・処遇の見直しが重要


 事務官の課題では、係長のポスト不足が深刻であること、中堅やベテランもジョブローテーションの名のもとに短期間での大量異動がなされてきたことの問題点が報告され、ゼネラリストからスペシャリストに転換するとりくみを強化していく必要があることや配置・研修・処遇の見直しの必要性が指摘された。具体的な改善に向けて、最高裁とやりとりを進めていく。
 また、ポストが不足している現状において「退職時5級」について維持されるのか不安に感じているという職場の声も紹介された。
 「退職時5級」の維持は可能であることに確信を持ち、そのためにすべての地連・支部で改めて、昇格のとりくみを強化しよう。
 非常勤職員のステップアップ制度の運用が開始される。雇用を守るということは労働組合として最大の課題であり、各支部において非常勤組合員に対して常勤転換に関する要求を丁寧に確認し、希望があれば常勤職員とするよう組合として要求していくことが必要である。こうしたとりくみを進める中で、非常勤職員の組織化を全国で旺盛に進めていこう。

組織強化・拡大

若い人の意見を聞きつつ、考え方を丁寧に説明

 組織強化・拡大については、コロナ禍のもとでの各支部での活動の工夫とともに、引き続き組織強化・拡大に向けて奮闘する決意が語られた。「青年の存在は全司法の組織を活性化させるものであり、全司法の将来を支えるものだ」との発言があったが、全体で青年組織の活性化の必要性について確認したい。
 全体として、コロナ禍の中で組合活動が停滞したという状況があったことが共通の課題としてありつつ、各支部において様々な工夫がされていたことが共有できた。この大会を起点に、職場に根差した運動の再構築を図ること、新採用職員の全員加入を中心に「組合員を増やす」に全力を尽くすことを確認しよう。
 私たちは、全司法が果たしている役割や活動の成果を伝えることで、組合員の支持はもちろん、組合員拡大のために未加入者を含む職場全体から理解と支持を得なければならない。また、全司法の運動の維持・発展のために、若い人の意見を聞くことはもちろん、若い人にこれまでの考えや運動の根拠を丁寧に説明するといった相互理解の努力も続けていかなければならない。要求を大切にし、その実現に向けた努力を惜しまないこと、そして、職場での対話で全司法の姿を職場に示していけば、組織拡大という結果に必ず結びつく。要求の実現と組織の拡大に向けて、それぞれの持ち場で全力を尽くそう。

 
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全司法第39回機関紙コンクール審査結果
 

 定期大会にあわせて、第39回機関紙コンクールを開催しました。
 今回は、ここ数年と比較しても応募が落ち込みました。新型コロナウイルス感染拡大のもと、支部の日常活動に様々な困難があったことにも原因があると考えられます。
 記事の内容も、コロナ問題に関わるものが目立ちました。刻々と情勢が変わり、職員・来庁者の感染防止と緊急事態宣言のもとでの業務継続が課題となる中で、当局の施策、労働組合のとりくみ、職場の声などを伝え、「何か気づいたことがあれば、全司法へ」と呼びかける紙面は、こうした緊急時に労働組合とその機関紙が果たすべき役割を示すものとなりました。
 その象徴的な存在が、東京地裁支部刑事分会の日刊紙「おはようけいじ」です。
 日刊の発行態勢を長年に渡って維持し、組合員はもとより、未加入者や管理職からも貴重な情報源として信頼を得ていること自体、素晴らしいとりくみですが、今回のコロナ禍のもとでも、コロナ関連情報や職場の声をきめ細かく拾い上げ、途切れることなく週に数回のペースで発行を続けられました。しかも、これを東京地裁だけにとどめず、メールや「クラブ全司法」への転載を通して全国に伝えたことは、他の支部にとっても貴重な情報として大いに参考にされ、今回の応募紙の記事も「おはようけいじ」発のものが多く見られました。このように全国を牽引されたことに敬意を表して、最優秀賞としました。
 第1部門は、バラエティーに富んだ記事を圧倒的な見やすさ、わかりやすさで伝えている「いつか×書記長だより」(岐阜支部)を優秀賞としました。「幕の内弁当」のような楽しさがありながら、職場の身近な要求をとりあげた支部独自のとりくみがしっかり伝えられている、まさに「組合活動の見える化」のお手本となる紙面です。
 第2部門は応募紙が少なかったことから通常の入賞は決めず、管内分会で担当者が熱意を持って立ち上げた「遠州なだ」(静岡支部浜松分会)を、編集態勢の確立を含めた今後への期待を込めて、「新人賞」的な意味で教宣部長賞としました。
 第3部門の「いぶき」(愛知支部青年部)は、青年らしい新鮮な感覚が伝わるとともに、内容・レイアウトの非常に優れた紙面です。
 特にLINE風の表面としっかりした説明文の裏面を組み合わせた新採用特集号は秀逸でした。全司法青年協は独立組織と位置付けていることから「時の窓」の応募を認めました。労働条件を解説する連載など、全国の青年の手元に置いて日常的に学習資料として使っていただきたい内容です。
 今大会は、コロナ問題を経て「全司法の再起動」を打ち出しています。機関紙活動も発行態勢を立て直して「再起動」することを呼びかけ、次年度は改めて多くの機関紙がコンクールに応募されることを期待します。

 
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自主的活動 花開け! 第18回
「オンライン飲み会をきっかけに新採用職員が全員加入
鳥取支部」
 
オンライン飲み会で会話や笑顔が戻った

コロナのもと例年どおりとりくみができず…

 鳥取県では、4月初旬まで新型コロナウイルスの感染者は出ていませんでしたが、他県と同様に、2月下旬頃から各種のイベントが中止又は規模縮小となりました。
 鳥取支部では例年4月の第一週に、新採用職員と転入青年の歓迎会を、飲食店などに集まって賑やかに行います。しかし今年は前記のような状況から中止とし、代わりに昼食会を行いました。新採用職員3名全員が参加してくれましたが、やはり昼休みだけでは新採用のみなさんとゆっくり会話をすることができず、全司法に関する説明と勧誘を、やや一方的に行う形で終わってしまいました。
 さらに、昼食会の直後から緊急事態宣言に伴う業務縮小(在宅勤務)態勢に入り、勧誘活動が十分できないままでした。

新採用「色々な人と話せてとても楽しかった」

 そこで、5月中のある休日に、オンライン飲み会を企画しました。支部役員の発案ではありましたが、「若手職員一般の交流会」と位置づけ、未加入者を含めて広く声をかけたところ、新採用の3名のほか、組合員約10名が参加してくれました。
 当日は、新採用職員のみなさんに、職場での困りごとや疑問について自由に話をしてもらいました。使用したツール「Zoom」は通信が途切れることもなく使いやすく、2〜3時間盛り上がりました。
 新採用職員のみなさんからは「新採研修の延期や在宅勤務のため、庁内にいる同期とすらゆっくり話す機会がなかったので、他の職場の方を含めて色々な人と話せてとても楽しかった」「職場で日々、雑談や質問をしたいと思うが、コロナのこともあってみなさん忙しそうで、少しくらいの疑問なら『やっぱりやめとこうかな』と思って聞かないままにすることもある。今日はそういう些細なことも話せてホッとした」との感想がありました。
 参加者した組合員も「オンライン飲み会をする前に比べて、若手に少し会話や笑顔が戻ったように思う」「通常勤務再開後の慌ただしい日々の中でも、新採用職員に声をかけるきっかけになったと思う」と振り返ってくれました。
 飲み会中は、加入の働きかけは正面からは行いませんでしたが、結果的に後日の声かけにスムーズに応じてもらうことができ、新採用職員3名全員が加入してくれました。

 
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声を上げれば変えられる時 希望の実現に共に行動を!
全労連第30回定期大会
 
新議長に選出された小畑雅子さん(全教)

新自由主義の破綻で新しい社会への模索が始まっている

 7月29日から30日にかけて、全国労働組合総連合(全労連)の第30回定期大会がオンライン形式で開かれました。
 冒頭のあいさつで小田川義和議長は、コロナ禍で「全労連が結成以来たたかい続けてきた新自由主義の破綻が明らかになり、新しい社会への模索が世界中で始まっている」と述べました。
 また、全労連がコロナ禍で労働者・国民を守る役割を発揮し、全国一律最低賃金制を目指す運動では世論を変え、政権与党内の賛同や労組の枠を越えた動きを作り出したことを強調し、社会的役割と影響力を持つ全労連の拡大強化が呼びかけられました。
 コロナ禍から国民の命と暮らし守るとりくみを提起本大会では、「新型コロナウイルスを克服し、安倍改憲を止め、憲法が活きる社会を」などをスローガンに掲げ、国民の安心・安全を守る社会保障や公務公共サービスの拡充、「8時間働けば人間らしく暮らせる社会」を求めていくことが強調され、秋季年末闘争では9月〜12月に、コロナ禍から国民の命と暮らし、雇用と地域を守る行動にとりくむことが提起されました。また、最賃の全国一律制などを目指す2024年までのアクションプランが提案され、「地域間格差と貧困の解消は待ったなしの課題」として、全国一律制の法改正を2022年春に目指すことが確認されました。
 野村幸裕事務局長の総括答弁では、「声を上げれば変えられる時だ。国民・労働者の希望を実現するために共に行動しよう」と呼びかけられました。
 討論の中では、公務職場を代表して国公労連の中岡代議員(全通信)が発言し、国民が安心して暮らせる社会、公務員労働者が「全体の奉仕者」として誇りと働きがいが持てる職場づくりに向け、民主的公務員制度の確立や行政民主化の実現を目指して、地域における行政相談活動の実施や公務公共サービス拡充署名、要請行動などで奮闘する決意が語られました。
 日本のナショナルセンター初の女性トップが誕生大会では新議長に小畑雅子氏(全日本教職員組合(全教)委員長)、新事務局長に黒澤幸一氏(日本医労連)ら新役員が選出されました。日本の労働組合の中央組織で女性がトップになるのは、歴史上初めてのことです。

 
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日民協など、民事裁判IT化で学習会
「国民の裁判を受ける権利」に議論が集中
 
 7月29日、日民協、青法協、自由法曹団など、全司法と協力関係にある法律家団体の主催で、民事裁判IT化学習会が開催され、全司法本部から、中矢委員長、米島青年協議長、河上中執が参加しました。

進めるうえで「誰のための法改正か」が重要

 学習会の基調報告で西田穣弁護士(自由法曹団)は、「自分はIT化自体には親和的で、進めるべきだと考えている」と自己紹介されたうえで、民事裁判手続IT化が検討されてきた経過や内容を解説し、あわせて、@誰のための法改正なのか?(いかに利便性が高くとも、国民の裁判を受ける権利を後退させてはならない)A裁判の直接主義を後退させないか?B大衆的裁判闘争をたたかえるか?(裁判所が、当事者の意見、大衆の関心に接する機会が減少するのでは)C弊害はないか?(司法過疎を加速させないか、非弁活動を助長しないか)との観点から問題点を指摘したうえで、とりわけ、義務化する制度を設けることに強い懸念を示し、すべて選択制にすることを提起されました。
 また、今後、自由法曹団として意見書を出す準備をしているとのことで、民事裁判手続IT化の中で示されている各論点について、問題意識を示されました。
 オンライン申立てについては「導入には賛成するが、義務化の必要性はない。良いシステムであれば、義務化しなくても利用される」、システム送達につ
いては「賛成だが、本人確認の方法を検討すべき。訴え提起時のシステム送達は反対」等の考え方を示すとともに、「濫訴の訴えを防止するための方策、特別な訴訟手続、訴訟の終了・和解など、IT化とは必ずしも関係ないものが入っているが、問題が多く、反対あるいは慎重な検討が必要」だと指摘されました。

「強制されること」への懸念が出される

 その後の議論では、ITを利用できない当事者への対応、口頭弁論や証拠調べをオンラインで行うことへの疑問、IT利用を強制されることへの懸念などが出されました。
 この学習会はオンライン併用で開催され、弁護士や学者など30名以上が参加しました。オンラインで参加した河上中執(書記官対策担当)は「常に『国民目線』で、より良い制度にしていくかを考えなければ建設的な議論は生まれないと改めて感じました」と感想を述べています。
 これらの法律家団体では引き続き、裁判手続IT化について検討を進めることにしており、全司法も参加することにしています。

 
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地連行(二)担当者会議・上京団交渉
 
行(二)上京団交渉の様子

 7月12日〜13日、地連行(二)担当者会議と引き続く最高裁交渉を実施しました。会議・交渉には、オブザーバーを含めて延べ11名が参加しました。
 初めに本部からの報告をもとに、行(二)職をとりまく情勢や課題について認識の共有をはかりました。
 今後の行(二)運動について、人員減少で行(二)職種の職場会の開催が困難な場合においても、課単位での職場会や、支部等の役員が個別に対話することを通して、職場実態や要求についての行(二)職の声を拾うとりくみを「土台となる活動」として意思統一しました。

人事評価制度の運用改善を求めることを確認

 処遇の維持・改善については、部下数制限によって昇格が厳しくなっていることに加え、人事評価制度のもとで、行(二)職にはほとんど上位評価が出されないことや付加業務が評価に反映されていないなどの実態が出され、昇格改善とともに、「日頃の仕事ぶり全体を見る」「コツコツと適正な事務処理を行っている場合も適切に評価する」との最高裁回答を文字どおり実現するよう追及を強めることが確認されました。あわせて、賃金や昇格の改善については、国公労連への結集を強める必要があることも改めて確認しました。
 また、退職後不補充による執務態勢の変更や業務委託の説明については、庁により対応の違いがあることが明らかになり、早期の情報開示と丁寧な説明、意見聴取を求めていくことを確認しました。

運転手の必要性が浮き彫りに

 運転手の減少に伴い、少年押送や家裁調査官の出張への影響、会計課担当者のタクシーに係る契約やチケット管理の事務負担など、運転手の後補充や庁用車の必要性についての意見が多く出されました。
 なお、コロナ感染拡大時の行(二)職員の出勤や在宅勤務等の態勢については、庁によるバラツキが極めて大きいことが明らかとなり、当局に検討を求めていく必要があることが確認されました。
 最高裁との交渉では、会議で出された職場実態や討議の結果をふまえ、賃金、人員、職員制度、昇格、人事評価制度、労働条件などの課題で最高裁を追及しました。最高裁の回答は、従前回答にとどまったものの、生活実態や職場実態を直接伝えることにより、行(二)職の課題に目を向けさせる機会となりました。

 
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少年法 役割と実態を発信することが引き続き重要
 

与党・法制審の動きを受けて18・19歳は少年法の対象

 少年法の適用年齢について議論してきた自民、公明両党のプロジェクトチーム(PT)が7月30日に「適用年齢を引き下げず、改正民法施行に伴い成人となる18、19歳も少年法の対象とする」ことで正式に合意したと報道されています。
 また、法制審議会少年法・刑事法部会も昨年末以降、そうした方向で議論をすすめており、8月6日には事務局が「取りまとめに向けたたたき台」を示しました。
 こうした状況のもと、全司法本部少年法対策委員会は7月30日に委員会を開催し、考え方を整理しました。

運動の到達点をふまえ、引き続き「引下げ反対」

@公選法や民法と統一して「当然のもの」として適用年齢引下げが行われる可能性が高かった状況を変化させ、少年法が有効に機能しているとの認識を広げ、ここまで「押し返した」ことは運動の成果である。
A「18・19歳について少年法を適用する」方向で法制審が決着したとしても、少年法に対する誤解にもとづく世論、「適用年齢引下げ」等の意見が根強く存在することを踏まえると、「巻き返し」を警戒する必要があることから、引き続き「少年法適用年齢引下げ反対」の立場で、家裁の役割や少年事件処理の実態を伝える活動が重要である。

原則検送拡大、推知報道解禁、ぐ犯をなくす問題点

B原則検送事件を「法定刑の下限が1年以上の懲役・禁錮」の犯罪(強盗や強制性交、放火など)まで拡大することは、原則検送の制度自体が「少年法の原則と例外を逆転させる異質なもの」であることに加え、現行制度の「被害者の死亡」という重大かつ明白な結果が発生しているのと比較して、強盗などの事件では発生した結果や行為態様に様々なものがあり、罪名のみで判断して原則検送の対象とすることには、より慎重な検討が必要である。
C今後、特に推知報道とぐ犯の扱いが焦点化されると考えられるが、推知報道の禁止等が少年の立ち直りにおいて重要な役割を果たしていることは事実であり、少年法55条で家庭裁判所に移送されるケースも含めて、慎重な議論が必要である。また、18・19歳についてぐ犯を一切認めないことは、現状の女子少年院の収容者状況(3割程度はぐ犯)等から考えても慎重な議論が必要である。

『事例集』を活用して

 少年法対策委員会は『家裁調査官の少年事件事例集18・19歳の事件簿』を発行しています。このパンフレットを活用して、家裁の役割や少年事件の実態を伝える活動に積極的にとりくむことを確認しました。

QRで『家裁調査官の少年事件事例集18・19歳の事件簿』が読めます。
 
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