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全司法新聞
 
みんなで語り合い、行動し、仲間を増やす春闘に!
2020年春闘方針のポイント
 

 春闘期は、全ての労働者の賃上げをはじめ、生活と権利を守り、格差と貧困の解消をめざす立場からの運動を官民一体となって発展させる時期です。併せて、職場においては4月の人員配置や昇格定数配布等へ向けたより具体的なとりくみを強化する中で、組合員拡大のとりくみを集中的に展開します。運動に展望と確信を持って、「ひとり一行動」を合言葉にとりくみを進めましょう。

賃上げ、消費税減税、社会保障拡充で景気回復を

街頭で賃上げ要求をアピール
 10月からの消費増税により個人消費が大きく落ち込んだことに加え、米中貿易摩擦や日韓関係の悪化が日本経済に大きな打撃を与えています。特に中小企業の倒産や休・廃業が増加するなど、日本経済が基盤から崩れていく危険性が指摘されています。そうした経済情勢も踏まえ政府は7年連続で経団連に対して賃上げ要請を行い、経団連も協力姿勢を示しているものの、一律の賃上げには消極的な姿勢を示しています。
 労働者の雇用不安も拡大しています。特に、財界の方針に従って政府が労働基準法を改悪し、労働者派遣を拡大するなど、非正規雇用は政策的に増え続けており、その結果、格差と貧困が拡大しています。
 一方で、国内の資本金10億円以上の約5800社の内部留保(利益剰余金)は449兆円に膨れ上がっています。これは労働者の賃上げや下請単価の引き上げ、設備投資を行わず、実業ではなく財の移動で収益を上げてため込んだものであり、「国内経済の更なる縮小」という負の循環を拡大させています。全体で見れば10%の賃上げをしても内部留保は更に積みあがる計算になる状況であり、企業に社会的責任を果たさせ、賃上げ等による景気回復をめざすことが春闘最大の課題となっています。
 また、景気回復のためには、個人消費を増やすことが必要不可欠ですが、政府は消費税増税、医療費負担増や年金制度改悪など、これに逆行する政策を推しすすめています。こうした政策の転換を迫ることも春闘の大きな課題となっています。

みんなで語り、行動する全員参加型の春闘を

 安倍政権がすすめる「働き方改革」、暮らし・福祉・教育の切り捨て、公務員削減による国の責任放棄、軍事予算の拡大、アメリカ追従の外交政策や貿易交渉、そして、「戦争する国づくり」をめざす改憲に加えて、行政や税金の私物化問題など、政治情勢は問題が山積しています。「政治を変えて暮らしを変える」ことが要求実現の大きな道筋です。将来の生活設計ができる働き方、自分がしたい生活、健康で文化的な生活とは何か、そのために国(公務員)がしなければいけないことは何かを語り合い、要求実現に向けて声を上げることの必要性を確信にして、“行動を起こす”ことが求められます。
 この間の日本の政治や社会の在り方に対しては行き詰まりを感じる人たちが増え、立場を越えた共闘が様々な分野で広がっています。20春闘では、そうした様々な運動をつなげ、更に広げていくことが重要です。署名や集会など要求を目に見える形にする行動が、春闘期にはたくさん提起されます。組合員の皆さん一人ひとりが、自分が賛同する要求のために何か一つでも行動を起こす「ひとり一行動」を基本に、全員参加型の春闘をめざします。
 年明けから始まった通常国会に向けては、「国民の権利と安心・安全をまもる運動」と「国民のための裁判所実現」のとりくみも強化します。2つの国会請願署名(@公務・公共サービスの拡充を求める署名、A全司法大運動署名)の集約を強化し、請願採択に向けた議員要請等にとりくみます。

要求の到達点を形にし、組織を強く大きくしよう

 職場においては、2019年諸要求貫徹闘争期から秋季年末闘争期のとりくみが一定の結果として表れる時期となり、人員配置・異動・昇格などが具体化します。
 重点要求の実現に向けて、地連・支部においては交渉・折衝を通じて要求実現の見通しを示させるなど、最後まで追及を緩めないことが大切です。
 加えて、年度末においては職場の繁忙度が増す傾向にあります。秋季年末闘争期の最高裁回答も活用しながら、全ての職場で適切な勤務時間管理を求め、超勤申告の抑え込みや申告控えによる超勤の暗数化やただ働きを許さないとりくみをすすめます。また、4月に向けてパワーハラスメントの指針策定に向けた人事院の動きが見込まれることから、裁判所における指針等の策定を求め、全司法の要求を反映させることも課題です。
 こうした職場の課題に対する全司法のとりくみや各支部の重点要求実現の見通しなどを、職場会や教宣紙などを通じて組合員と職場に還元し、要求実現に向けた労働組合の姿勢を示すことで、組織強化・拡大に努めることも重要です。
 春闘期にも2月中に全ての職場で職場会を開催します。また、新採用職員はもとより、再任用職員への呼びかけ、転出者・転入者へのはたらきかけ等、職場の中で職員を一人にさせず仲間に迎え入れるとりくみを、職場全体ですすめましょう。

 
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賃金改善要求強く、早朝のサービス残業が増加。
非常勤は処遇改善とともに雇用継続への不安
2020春闘要求アンケートの全司法集約分の結果
 

生活実感「苦しい」、中高年層で特に多く

 今年度も国公労連に結集して「春闘要求アンケート」にとりくみました。
 生活実感では、「かなり苦しい」「やや苦しい」が42・8%となっている一方、「ややゆとりがある」「かなりゆとりがある」はわずか8・3%に過ぎません。特に、50歳以上では「かなり苦しい」「やや苦しい」が50・4%、再任用者では66・0%と他の年代よりも高くなっており、中高年層の賃金抑制が行われてきたこと、再任用者の賃金設定の低さが反映された回答となっています。
 「最近の職場状況について、気になっているもの」としては、「業務量の増加や要員の削減で、仕事が忙しくなっている」「メンタル疾患などの長期病休者が増えている」「国民からの要望などプレッシャーが強まっている」の順に回答が多く、昨年度と同様の傾向にあります。
 「組合が力を入れるべき活動・労働条件」については、「賃金・退職手当等の改善」「職員の増員」の回答が特に多く、次に「仕事と家庭の両立支援対策」「業務のカット・簡素化」が続いています。
 自由意見欄には、パワハラを行う管理職員に対する指導・降格などの対処を求める意見、再任用者の低賃金からくる生活苦などの声が出されました。また、超勤命令の上限規制の導入に伴い、早朝にサービス残業をする人が増えたことや、それを管理職員が見て見ぬふりをするという実態も指摘されました。

 

非常勤契約更新、低賃金に不安

 今年度は、「非正規で働く仲間の要求アンケート」にもとりくみました。
 生活実感では、「かなり苦しい」「やや苦しい」が68・0%となっており、常勤職員よりも25・2ポイントも高くなっています。また、「ややゆとりがある」「かなりゆとりがある」との回答はゼロです。非正規・非常勤職員が低賃金におかれている実態が表れた結果となりました。
 「今の職場で不安に思うこと」(3つ選択)では「雇用契約を更新されないのではないか」が48・0%で最も多く、「正社員との賃金・労働条件の格差」(32・0%)、「職場や仕事がなくなるのではないか」(24・0%)、「賃金が安い」(20・0%)と続きました。
 自由意見欄では、雇用期間終了後の不安の声、休暇制度の拡充・改善を求める意見、時給であることから毎月の収入が不安定となってしまうため、月給制を求める意見などが出されました。

 
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「組合の存在意義」を感じてもらう良い機会に
中部地連ロースクール
 
労働組合の意義をみんなで討議

 12月14日、名古屋市にあるウィルあいちにおいて、中部地連ロースクール(労働学校を改称)を開催しました。今回は「全司法の歴史と運動について」、「昇格について」と題して、本部から中矢委員長にお越しいただき講義をしていただきました。また、2つの講義の間に「裁判所に組合がなかったらどうなる?」というテーマで班別討議をし、最後に各班から発表をしてもらいました。

「情報力、長年の蓄積」は組合の強み

 全司法の歴史については、裁判所に労働組合が結成された当時の話や3・18見解が出された経緯について教えていただきました。また、昇格については、普通に昇給した場合と昇格した場合に具体的にどれだけ金額の違いがあるかを示してもらいながら説明をしていただきました。講義を受けた若手の組合員から「組合に入って具体的な活動が不鮮明であったが、今回の講義は組合の歴史を時代背景とともに説明を受けたのでわかりやすかった」「すごく勉強になった。昇格の仕組みと昇格実現に向けた取り組みについては、組合の情報力、長年の蓄積でもあり、組合の強みだと思う。そこを組合員全員が知ることが第一歩だと思う」という意見が寄せられました。

組合がなかったらどうなる?

 班別討議での発表では、組合がなかったら「現場の声が当局に届かなくなる」「当局が好き勝手なことをやり始める」「パワハラが増えたり労働条件が悪くなる」「相談できる場所がなくなる」「組合がないと国公共済会に加入できない」など、様々な意見が出されました。
 「組合費を払わなくてよくなる」「役員や活動の負担がなくなる」ことについても、参加した青年たちの中でしっかり討議され、それによって失うものが大きいとの意見が数多く出されていました。
 今回のロースクールを企画した者として、若手の組合員に組合の存在意義を感じてもらったいい機会だと思いました。
(中部地連書記長皆戸貴光)

 
 
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