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全司法新聞
 
全国の青年の声をもとに、職場改善求める
青年協第2回常任委員会・最高裁交渉
 

 青年協は、11月1日に総研生との意見交換会、10日〜11日に第2回常任委員会と引き続く最高裁交渉を実施しました。交渉には、青年協役員とオブザーバーの合計16名が出席し、青年の厳しい生活実態や職場の実情、総研生アンケート及び意見交換会で把握した総研生の実態等を訴え、当局を追及しました。

統一レク「ボウリング大会」に加え「インスタ映え選手権」も

楽しく討議をする常任委員会
 第2回常任委員会では、第29回定期総会で確立した運動方針に基づき、通年的なとりくみや各闘争期でのとりくみを討議して具体化を図りました。
 また、各級青年機関の活動や職場実態の報告を行ったほか、秋季年末闘争期における全司法青年協統一要求書及び異動要求書の確立などを行いました。
 運動方針の具体化では、今年も青年の要求把握のため、「青年の暮らしむきアンケート」と「一人一言要求行動」の実施を確認しました。
 また、青年協の全国統一レクとして、今年は「青年協議長杯ボウリング大会」に加え、「インスタ映え選手権」を実施することが確認されました。これらの企画も活かし、青年活動の充実と青年の要求の実現に向け、この1年間も活動を行っていきます。

家庭事情に配慮した異動、書記官試験の改善、ただ働き残業根絶等を追及

 常任委員会後には、最高裁人事局福島総務課長との交渉を実施しました。賃金、諸手当、育児休業の代替要員の確保、異動、人事評価制度、新規採用者の確保、実務講義案等のデータ化、人員の確保、超勤縮減、ただ働き残業の根絶及び書記官試験など、青年層にとって重点となる課題について当局を追及するとともに、各地の青年協役員及びオブザーバーから青年の生活実態や職場の実情、アンケート及び意見交換会で集約した総研生の意見を直接訴え、その改善を求めました。
 当局からは、ほぼ全ての項目で従前の回答を維持したものとなりましたが、今後も私たちの要望・要求について誠実に対応する旨の回答がありました。受験会場までの交通費や宿泊費等の持出し解消のため、要求の強い書記官試験における試験会場の増設を求めたことに対しては、「試験地については、試験官その他の係員の確保、試験室の確保、受験者の交通の便などの事情を踏まえ、受験者側と実施側の負担を総合考慮して決定している」と以前よりも詳細な説明をした上で、「今後も適切に実施できるよう努めたい」と回答しました。

パワハラ・セクハラ露呈指定参考書等の自費購入、交通費持出しに大きな負担

 総研生との意見交換会に先駆けて、全総研生に対し、総研生アンケートを実施しました。結果、156通(回収率42・6%)の回答を得ることができ、総研生の実情を把握することができました。
 また、総研生との意見交換会では、総研生アンケートの回答を足掛かりに、参加した総研生からさらに深く、実情や意見を聴きました。
 青年協の継続的な追及と確認により、「高圧的な態度」は年々改善されていましたが、今年のアンケートでは、「改善されていない」との回答が倍増し、複数の教官及び事務局職員に関して、パワハラやセクハラを疑わざるを得ない意見が散見されました。
 教官と研修生という特殊な環境の中でも不適切な言動がなされないよう、指導等の徹底を求めました。
 また、依然として、寮の衛生環境が悪い、通所生が使用できるシュレッダーがないなどの問題が出されたほか、時間外処理が前提の課題が多く、とりわけ育児を抱える研修生が苦労している実態なども明らかになりました。
 講義で必須の参考書や六法の自費購入、入退寮や実務研修の際の荷物の配送料など、自己負担を強いられている実態を踏まえ、負担軽減を求めました。
 また、月の途中で原庁の研修と総研での研修が切り替わる場合や、実務研修で地家裁間に距離がある場合などに、交通費に自己負担が生じている事例が明らかになり、その是正も求めました。
 その他、任官する庁を内示されるのが遅れて、引っ越し準備等に支障が出ることを懸念する声も伝えました。

 
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声を上げれば変わる
労働組合の意義と役割を学び、肌で感じた行動
11・7中央行動
 
職場実態を山添議員に訴える参加者

 秋晴れの11月7日、国民春闘共闘・全労連等が主催する「19秋季年末闘争11・7中央行動」が行われました。公務・民間の労働組合から全体で約1500人が参加し、改憲阻止、消費税減税、全国一律最低賃金、教育予算の充実、人事院勧告の早期実施などの要求実現をめざして行動を展開しました。全司法は若い仲間による上京団を配置。労働組合の活動と役割を学び、声を上げれば変わる運動を肌で感じる行動となりました。

行動に先立ち、労働運動参加の大切さ学習

 この日の行動には、全司法からは、青年層を中心に18名が参加しました。
 参加者が行動の意義や目的を理解できるよう、最初に全司法独自の学習会を行いました。中矢委員長を講師に、大学入試共通テストの民間英語試験導入延期をめぐって労働組合が果たした役割を読み解きながら、「慣れ」「あきらめ」からくる無関心を乗り越え、それぞれの立場や、やり方で声を上げることの大切さを学びました。
 参加者からも「今の国の考え、全司法の考えを知ることができた」「裁判所の問題だけでなく社会全体で抱えている問題を学んだことによって、社会人として政治にもっと関心を持とうと思った」との感想が寄せられました。

呼びかけや決意表明に熱を感じ、迫力に圧倒

 学習会の後、日比谷野外音楽堂での中央総決起集会に参加しました。「大企業優遇より国民生活の暮らし優先を。軍事費より社会保障、格差と貧困の是正を。改憲も緊迫している。何としても阻止を」との主催者の呼びかけや、「消費税10%を直ちに中止」「変形労働時間制導入より教員を増やす政策を」「公務員賃金の引き上げを」などの参加団体からの決意表明に「そうだ!」と呼応する声に熱を感じたと迫力に圧倒される参加者もいました。
 集会の後には、霞が関から国会に向けての請願デモに参加しました。デモ行進中に、一般の方の飛び入り参加を目の当たりした参加者もあり、声を上げることの大切さを感じながら、要求をみんなで訴え国会議事堂まで歩きました。

増員、宿日直負担、システム不具合…、職場実態を議員に訴える

 その後、全司法独自行動として参議院法務委員(日本共産党山添拓議員)を招いて、院内集会を行いました。山添議員から司法行政に関わるこの間のとりくみや国会質疑の経過報告のほか、この国会中に相次いだ閣僚の辞任により公務員の給与法案の審議にも影響が出ている状況などタイムリーな状況報告も兼ねたあいさつをいただいた後、同議員と裁判所の職場実態にかかる意見交換会を行いました。
 参加者から、各職場の繁忙状況や大幅増員の必要性をはじめ、宿日直や連絡員体制の負担、裁判手続IT化予算の拡充や保管金システムの不具合解消などを訴えました。
 これからの裁判所を担う青年のまっすぐな訴えを受け、山添議員からは、職場実態に対する感想とともに、「現場の実態を改善し、裁判所で働く職員のみなさんの職場が改善することで、利用者へのサービス向上につながることは承知している」「国会でも取り上げ、裁判所の職場環境づくりに私も協力していきたい」とのコメントをいただきました。院内集会の最後には、来年の通常国会に向けてとりくむ全司法大運動に関する要請を行いました。
 参加者からは、「裁判所内の様々な問題を汲み取って、対応してくれようとする姿勢を見て、発信することの大切さを感じた」「現場から国会議員に意見を伝えることで、労働環境が変わるかもしれないというダイナミズムを感じることができる素晴らしい体験だった」などの感想が寄せられました。

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人員、超勤縮減、ITシステム化、宿日直などで交渉
秋年期第3回人事局総務課長交渉
 
最高裁交渉の様子

 全司法本部は11月19日、秋季年末闘争における第3回となる最高裁人事局福島総務課長との交渉を実施しました。交渉では、人員、超過勤務縮減、IT情報システム化、宿日直などの課題について、最高裁を追及し、要求の前進をめざしました。

増員をめぐる情勢の厳しさを強調

 人員については、「来年度の増員をめぐる状況はより一層厳しいものとなっている」と強調しつつ、「適正迅速な裁判を実現し、国民の負託にこたえていくために、裁判所の人的態勢の充実強化を図っていく必要があることについて、財政当局の理解を得るべく説明を行っている」「必要な人員の確保について引き続き努力していきたい」との姿勢を示しました。
 しかし、シフトによる地方・小規模庁の人員削減を行わないよう要求したことに対しては、内部努力の必要性を強調し、「国民の理解を得るためにも、こうした人員配置の見直し等の内部努力は必要不可欠」との姿勢を崩しませんでした。引き続き、必要な人員の確保に向けて追及を強める必要があります。
 概算要求が15名の純減要求であったことの不当性について、裁判所の人的・物的充実を求める請願が国会で採択されていることも踏まえ、その姿勢を見直すよう要求したことに対しても、「必要な人員の確保には努めている」と回答するにとどまりました。

勤務時間把握など「下級裁に対して指導を徹底」

 超勤縮減の課題について、早朝・昼休み・休日だけではなく、通常勤務後の超過勤務についても、事前申告や管理職員による事後確認が不十分であり、超勤が暗数(サービス残業)化している実態を示して追及しました。それに対しては、従前どおり「官側が早朝、休日を含め超過勤務の実態を把握する必要がある」とし、「下級裁に対して指導を徹底」すると回答しました。また、「上限を超える超過勤務の実態があるのに、それに対する手当の支給がないとすればサービス残業になってしまう。職場では様々なケースが起こり得ると考えられるが、いずれにしても、『サービス残業や持ち帰り仕事については、あってはならない』との姿勢に変わりはないか」との追及に対しては、「サービス残業や持ち帰り仕事があってはならないとの姿勢は当然変わるものではないが、改めて下級裁に対して指導を徹底していきたい」と回答しました。
 事務の簡素化・効率化については具体的な回答はありませんでした。

IT「事務の合理化・効率化や過誤防止も考慮

 裁判手続のIT化についての検討にあたっては、「引き続き、職員及び職員団体の意見も踏まえながら検討していきたい」との基本姿勢を示しつつ、事務の簡素化・効率化に資するものとするよう要求したことに対して、「裁判事務の最適化に資するものになるように検討していきたい」と回答しました。検討内容が、事務の簡素化・効率化につながるものとなるよう意見反映を行っていく必要があります。
 NAVIUSの開発にあたっては、「職員及び職員団体の意見等も踏まえつつ」検討する姿勢を示し、「システム化すべき業務の範囲については、(略)書記官事務の在り方を踏まえつつ、真に必要かつ相当なものは何かという観点から検討しており、その中で事務の合理化・効率化や過誤防止といった点についても考慮している」と回答しました。これを足がかりとして意見反映をすすめる必要があります。

宿日直時の令状事務「勤務密度が異なる」と回答

 宿日直制度の見直し(令状センター構想)については、「克服しなければならない課題が多く、多角的かつ慎重に検討しなければならない問題」としつつ、「考え得る選択肢の一つ」との従前回答を維持しました。
 宿日直の令状・勾留事務を超過勤務とするよう要求したことに対しては、勤務時間中とは「勤務密度において自ずと異なる」とし、認めませんでした。また、宿日直を実施する前提となる6時間の仮眠時間の確保については、「実態は把握していない」、宿日直中に令状・勾留事務に関わった時間については「最高裁として把握することは考えていない」と回答しました。

★本部の視点

 超勤上限規制導入から半年が経過し、実態把握が緩んで「暗数化」が広がっているのではないかと指摘し、下級裁への指導の徹底を約束させました。みなさんの職場でも改めてチェックを!

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簡素化・効率化の具体化、大量退職期を前に質の向上が課題
地連書記官担当者会議・上京団交渉
 
職場実態と要求を確認

過剰な過誤防止策、不合理な事務いまだ散見

 10月27日〜28日、地連書記官担当者会議と引き続く上京団交渉を行いました。
 会議では、人員や事務処理態勢、書記官事務の簡素化・効率化、超勤上限規制導入後の職場実態、IT化やシステムの現状と課題、研修の充実、ハラスメント、宿日直など幅広い課題で、ときには法律や通達・事務連絡などの根拠にも触れながら、職場実態と要求を確認しました。
 事務の簡素化・効率化については、郵券管理事務において10月の郵便料金改定により交換業務が増加していることやその負担の大きさが多く報告され、当事者が利用しやすい裁判所を実現する観点からも郵券予納の廃止を強く求めていくことを再確認しました。また、上訴記録の丁数打ちの廃止、書証目録や保管物・押収物目録の見直しについても討議しました。その中で、簡裁では省略可能な書証目録を事務連絡により全件作成する不合理な取扱いがされている庁があるという実態も報告されました。
 また、令状事務において5段階のチェックを行っている庁やFAX送信につきトリプルチェックを強いられる庁があるなど、過剰な過誤防止策が取られている実態も報告されました。

研修の質の向上を

 超勤の上限規制については、事前申告が事務の改善につながっていないとの報告がなされました。また、朝・昼の超過勤務はいまだ多くの庁で認められておらず、家庭事情で残業ができない職員が業務内容と必要性を述べて始業前の勤務を申告しても認められなかった例も報告されました。
 NAVIUSについては、帳票が旧システムより不足していることや差込み印刷機能の使い辛さが報告されました。民事裁判手続のIT化がすすむもとで、システムの不具合が多いとの声も出されました。
 研修制度については、BUを含めた研修の現状を確認したうえで、知識付与型の研修の必要性、テレビ会議を利用した研修機会の拡充、養成課程においては公判前整理手続、家事、執行・破産に関する実務的な講義の充実、IT化を見据えた研修内容と設備(パソコンの貸与など)等の要求を確認しました。また、大量退職期を見据えた書記官養成に関する考えを最高裁に明らかにさせることが必要だとの声も上がりました。
 会議後の上京団交渉では、事務の簡素化・効率化の観点を中心に、会議で出された各実態や意見について主張しました。

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PT、異動、育成施策の見直しなど、家裁調査官の重点課題を検討
地連調査官担当者会議・上京団交渉
 
職場実態、問題点、提案等を主張

人員不足の中でPT、採用広報の負担も

 11月4〜5日、地連調査官担当者会議と引き続く上京団交渉を行いました。
 会議では、地連担当者から各庁の実情が紹介されました。都市部では、育児等による短時間勤務職員が多く、恒常的に実働人員不足が続いている上、PT、採用広報活動等に追われ、繁忙を極めている実態が報告されました。
 地方部では、タクシーや特急の利用基準が硬直的で、填補や出張の負担が大きい実情や、任官1年目の調査官を育成する態勢が十分ではない実態が報告されました。
 育休代替要員について、そもそも確保できなかった庁、同一職種で確保されなかった庁の報告がなされました。あわせて、代替要員の仕事の大変さが原因で確保が難しくなっているのではないかとの指摘もありました。
 また、当局は調査官職種でワークライフバランス推進定員を要求していませんが、育児中の女性職員が多い同職種でこそ確保すべきとの意見がありました。

内示時期などの他、多額の自己負担も問題

 組織的事務処理体制については、組全体の仕事が煩雑になり、事務の効率化に逆行するおそれが高いとの問題点が指摘されました。
 また、結果が実務に活かされないPTが作られている状況や最高裁との連携がとれていないためにPTの成果が無駄になったという実例、生産的なPTの在り方にも議論が及びました。
 少年関係では、議論が不十分なまま、少年調査票改定が進められることへの不安が訴えられました。
 異動については内示時期の問題や、転居費用が極めて高額に上り、多額の自己負担があった事例も紹介されました。
 また、来年3月には、新施策の初年度に当たる調査官が3回目の異動期を迎えることから、導入時に最高裁が説明していた「希望庁又はその周辺庁」への異動が実現するのかどうか、結果を注視していくことが重要だとの指摘もありました。
 養成課程では、実務修習の過密スケジュールの問題に加え、任官後の単独での事件処理を見据えたカリキュラムに見直すべきだとの意見も出されました。
 上京団交渉では、会議で報告された実態、問題点、提案等を実例を挙げて主張しました。

 
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