賃金・諸手当改善
「関係機関に伝える」
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人事局総務課長交渉の様子 |
全司法本部は7月10日、人事院勧告に向けた重点要求書に基づき、最高裁人事局和波総務課長との交渉を実施しました。
賃金改善については、春闘相場や最低賃金の底上げ・全国一律最賃制の必要性が指摘されているといった情勢を踏まえ、地域間格差・世代間格差を解消すること及び各種手当の改善も含めた公務員賃金の改善を図るよう求めました。最高裁は「職員及び職員団体が、生計費の維持、確保という観点から、賃上げに向けた強い要望を持っていることは認識しており、職員団体の要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。
諸手当の改善については、初任給、通勤手当、住居手当の改善を求めました。最高裁は「これまでも種々の機会を捉えて、人事院に職員及び職員団体の要望等を伝えるなど、必要な時期に必要に応じた対応をしてきているところであり、今後とも同様の方針で臨んでいきたい」と回答しました。
非常勤
「行政府省の制度を参考に、今後検討」
非常勤職員制度については、賃金・手当・休暇制度等の改善のほか、公募要件の撤廃や常勤化(ステップアップ制度)の枠組みを求めました。最高裁は「賃金、休暇制度等の改善について、要望は人事院に伝わるようにしたい」「ステップアップの枠組みについては、行政府省の制度も参考にしつつ、今後検討していきたい」と回答しました。
国家公務員の定員管理については「政府の総人件費抑制に向けた定員合理化に協力していく必要がある」との姿勢を崩さず、政府が6月28日に「令和2年度から令和6年度までの定員合理化目標数」を決定したことについては「意見を述べる立場にはない」と回答しました。
定年延長にかかわっては、定員管理、定年延長に伴う給与制度及び昇格運用等について追及しました。しかし、最高裁は「政府において必要な対応について検討されるものと承知しており、裁判所としては引き続きその検討状況を注視していきたい」と回答するにとどまりました。
休暇制度等について、最高裁は「要望は人事院に伝わるようにしたい」との姿勢を維持しました。全司法からは、子の看護休暇の改善、特に対象となる看護に予防接種が加わったものの、現場においては、かかりつけ病院から平日の時間指定をされたにもかかわらず子の看護休暇が認められなかった例があるなど、画に描いた餅になっていることを指摘したほか、不妊治療のための休暇新設を強く求めました。
女性がん検診や青年の血液検査をはじめとする健康診断項目の充実・改善については「人事院規則で定められていない検査項目についての健康診断の実施は困難」とし、「要望は人事院に伝わるようにしたい」と回答しました。
パワハラ防止策
「DVD使用の際には、補足説明する」
パワハラ防止策について、指針の策定や相談対応態勢の充実を求めたのに対しては従前回答にとどまりました。4月に整備した一般職向けDVD教材の使用にあたって慎重を期すことを求めたのに対しては、「DVD教材を使用した研修等を実施する際には、受講者に対し、パワー・ハラスメントの定義やパワー・ハラスメントと業務上の指導等の違いについて補足説明するなどパワー・ハラスメントに関する基本的な理解を得られるように努め、相談窓口の周知をするなど、様々な角度・視点からパワー・ハラスメント防止のための効果的なとりくみを行うことを指示している」旨回答しました。
職員の安全確保対策
「事案に応じた対応を継続」
職員の安全確保対策について、裁判所としての対応要綱の策定を求めたのに対し、最高裁は「各庁において、収集した情報を元に、事案に応じた安全確保のための対応をとっているものと承知しており、これからも継続していきたい」と回答しました。それに対し、暴行や傷害など有形力の行使はもとより、インターネットでの誹謗中傷や名誉棄損など無形による危害行為に対しても、最高裁として指針を提示し、組織的に対応すべきだと追及しました。
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