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全司法新聞
 
全司法大運動 23年目の採択めざし、国会議員要請行動
 

 全司法は5月31日、全司法大運動国会議員要請行動にとりくみました。全国で集約した「裁判所の人的・物的充実を求める請願署名」を国会に提出するための重要なとりくみで、全国から29名が参加し、83名の国会議員に対し、請願採択に向けた要請を行いました。

意義を理解した上で要請へ行動前に学習会を開催

 午前中は、中矢委員長を講師に「国会議員要請のポイント〜何をアピールするか」と題した学習会を行いました。国会請願とは何かについて憲法や国会法といった法的根拠を確認したうえで、請願署名が国会の中でどのように扱われ、どのような役割を果たしているのかについて理解を深めました。また、裁判所の事件動向や定員の推移を確認して課題を共有したほか、国会の中で裁判所や法律に関わる案件の審議を行う法務委員会においてどういった議論がなされているのかについて、その議事録から確認し、今、国会(国民)から裁判所に何が求められているのかについても学びました。そのうえで、国会議員にどのようなことをアピールし、どういったことを要請するのかについて具体的に確認しました。

現場の実情を国会議員へ議員との懇談・要請を実施

仁比議員、藤野議員に署名を託す
 午後からの要請行動出発集会には、法務委員の藤野保史衆議院議員(日本共産党)及び仁比聡平参議院議員(日本共産党)が参加されました。両議員からの国会情勢報告を兼ねたあいさつでは、議員の問題意識や、議員がした質問に対して最高裁がどう答弁したかなど具体的に紹介されたほか、引き続く課題やそのために議員や私たちができることが熱く語られ、「全司法の皆さんのとりくみが裁判所の充実につながっている。国民のための裁判所実現をめざしてともに頑張っていきましょう」と呼びかけがありました。その場で両議員に対し、集約した署名の一部として約3万5000筆の請願署名を託しました。
 引き続き、参加者から職場の実態や要求を伝えました。人員課題、とりわけ小規模庁における職場実態や、職種課題(調査官、運転手、速記官など)、宿日直、庁舎等について発言があったほか、少年法適用年齢引き下げについて現場の実態をふまえた意見も語られました。最後に藤野議員は、一人ひとりの発言に触れながら、「現場の様子、現場の声を国会審議に活かしていきたい」と述べられました。その後、地連単位で班を作り、地元議員を中心に議員会館内の議員室を訪問して要請行動を実施し、要請したその場で13人の議員に紹介議員の承諾を得ることができました。また、地元事務所訪問でアポイントをとった柚木道義議員(無所属)と中国地連の参加者が40分にわたる懇談をしたほか、逢坂誠二議員(立憲民主党)、松田功議員(立憲民主党)も議員本人に対応いただいたのは大きな成果です。
 参加者からは、「職場の現状を議員が理解してくれており、これも全司法のとりくみの成果なんだと思った」「職場の問題点を伝えていくことの重要性を改めて感じた」「活動をやることのやりがいが持てた」「とても充実した日程だった」等の感想が寄せられました。この経験を職場で共有し、これからの運動につなげていきましょう。

 
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全支部での青年部の結成・再結成を!
青年協第4回常任委員会・最高裁交渉
 

 全司法青年協は、5月25日〜27日、第4回常任委員会と引き続く最高裁交渉を実施しました。
 常任委員会では、次年度の運動方針案についての討議、各地区における活動状況等の報告等を行ったほか、青年協統一要求書及び統一異動要求書を確立しました。
 次年度の運動方針案の検討では、1年間の運動を振り返り、今後のとりくみについて話し合いました。その中で、今期募集している「全国統一レク・コンテスト」の結果を踏まえた「新たな全国統一レク」の提起や、全ての支部での青年部の結成・再結成に向けた地連・支部との連携の強化、「国公青年交流集会2019」への結集を新たに掲げました。7月中下旬に送付する議案書について積極的な討議を行い、総会での充実した討論を期待します。

青年協の最高裁交渉
 
「一人一言要求」が完成

事務官・書記官も含め異動要求の実現を

 27日には、確立した青年協統一要求書及び統一異動要求書に基づき、最高裁人事局和波総務課長と交渉を実施しました。交渉の冒頭、全国の青年から寄せられた「一人一言要求」を当局に手交し、青年の生の声を受け止めるよう求めました。
 賃金課題では、電車の本数の少ない地方においては特急料金が出ないために長時間通勤を強いられている実態や、賃金が少ない中で手出しが生じている実態等を挙げ、賃金の底上げと各種手当の改善を求めました。
 採用・異動について、今年4月期においては重点要求に挙げた多くの青年の異動が実現したことは一定評価できるものの、事務官・書記官に限ると、異動希望が叶った青年は極めて少なく、不十分な結果である旨指摘し、来年の4月期には、事務官・書記官も含めて重点要求者全員の異動が実現するよう、強く求めました。
 CE・CA試験と総研の運営については、試験地の増設や成績通知の充実、共済診療所総研分室の廃止に伴い、研修生の健康管理に支障が生じないよう必要な措置を講じることなどを求めました。

超勤上限規制 しめつけ・暗数化の実態 各地から

 サービス残業の根絶については、4月から超勤の上限規制が始まったものの、単なるしめつけに終始している実態、月の半ばで30時間を超え、残りが暗数化している実態、超勤の実態把握が不十分な早朝や休日のサービス残業が増えている実態等が各地から挙げられ、その是正を求めました。同僚間のパワハラ等もあるため、一般職員もハラスメントの理解を深めるよう求めました。 人員については、人員シフトの給源にされている四国や九州から、一つの分野を担当する職員が一、二人ということも常態化しており、簡素化・効率化の検討をする余裕もないという実態等が挙げられ、増員を求めました。
 最高裁回答は、概ね従前の回答にとどまりましたが、春闘期の交渉に引き続き、青年の生の声に対し、総務課長から丁寧なコメントがあり、交渉参加者も現場の生の声がきちんと最高裁に届き、青年の要求について検討されていることを実感しました。要求はすぐに実現するものばかりではありませんが、一つ一つの職場の声が最高裁を動かします。引き続き、職場の青年の声を集めることが重要です。

 
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超勤把握「管理職員からの声掛け」「きちんと申告してもらうこと」が重要と確認 2019年諸要求貫徹闘争 第3回人事局総務課長交渉
 

 全司法本部は5月28日、第3回人事局総務課長交渉を実施しました。今回の交渉では、人員課題や労働時間短縮・超勤縮減等、IT情報システム化、採用・異動、宿舎、旅費・庁費等の予算増額、宿日直など、今年の諸要求期で特に重要な課題について追及しました。

「必要な人員確保に努力」
「内部努力は必要」との姿勢は変えず

総務課長交渉の様子
 「成年後見関係事件をはじめとする家事事件については増加傾向が続いているものの、その他の各種事件は減少又は横ばいで推移している」との認識を示し、「裁判所全体及び各庁の事件数や事件処理状況等をきめ細かく把握した上」「社会状況をも見極めながら多種多様な要因を総合的に考慮し、必要な人員の確保に引き続き努力していきたい」との基本姿勢を示しました。また、書記官についても同様に、必要な人員確保に向けた努力姿勢を示したものの、家裁調査官の増員については「家事事件及び少年事件の事件動向や事件処理状況等を踏まえながら、これから検討していく」との回答にとどまっています。
 この他、地方における人員削減の縮小を求めたのに対し、総務課長は「内部努力は必要不可欠」とし、「事務量等を見極め」「十分検討を行った上で実行してきている」と回答し、地方職場の要求に真正面から応えたものとはなっていません。

「官側が早朝、休日も含め超過勤務の実態を把握する必要があることは当然」

 超過勤務の上限規制に関わって、総務課長は「上限規制の導入後においても、サービス残業や持ち帰り仕事はあってはならない」、「超過勤務については的確かつ遅滞なく把握するよう指導を徹底」するとした基本姿勢を示しました。本部はこの間、特に早朝・休日のサービス残業が増加していることを指摘しましたが、これに対し総務課長は「官側が早朝、休日も含め超過勤務の実態を把握する必要があることは当然」との認識を示した上、職員の申告や管理職の把握が不十分であるとの指摘に対し「適切な勤務時間管理を行うためには、管理職員からの声かけはもちろん、職員においても具体的な超勤の内容をきちんと申告してもらうことが重要」として、その重要性の認識を管理職員と部下職員が共有することも含め「管理職員に対する指導を徹底していきたい」と回答しました。

旅費システム、現場の要望を意識した環境整備に言及

 全司法本部は諸要求期に先立ち、「裁判手続IT化に関する要求書」を最高裁に手交し、IT化やシステム設計に向けた方向性や書記官事務のあり方と職務評価の更なる向上などを要求しました。総務課長は「利用者の利便性の向上を図るとともに、裁判所をはじめとする関係者の業務効率の向上がはかられるよう、これまでのシステム化の実情等も踏まえながら適切に検討していきたい」「書記官はあらゆる裁判の運営を支える官職であり、IT化された民事訴訟手続においても、このような役割を適切に果たせていけるよう書記官事務のあり方について検討を行い」「役割の重要性にふさわしい職務評価が与えられるよう努力していきたい」との姿勢を示しました。また、システム開発は事務の簡素化・効率化に資するものとするよう求めたのに対し「裁判事務の最適化に資するものになるよう検討していきたい」と回答しました。
 SEABISの旅費システムについて、ユーザー別のマニュアル整備を求めたのに対し、「最高裁において一律にユーザー別のマニュアルを作成することはなじまない」との従前の姿勢を示しながらも、新たに「現場の要望を意識し、円滑な旅費事務に資する適切な環境整備に引き続き努めていきたい」と回答しました。

宿日直 労基法・人規とかけ離れた実態を指摘

 人事院規則上、宿日直は「待機を中心とする勤務密度が極めて薄い断続的勤務」と位置付けられており、裁判所の宿日直の実態は人規の趣旨と大きくかけ離れています。本部はこの矛盾を指摘し、各庁の勾留等の令状処理件数や長時間に渡る業務実態を踏まえて、必要に応じ超過勤務に切り替えるよう求めました。これに対し総務課長は「(大規模庁も含め)宿日直勤務における業務量が常態として勤務時間内のそれと同程度にあるとは言い難い」との回答を繰り返し、各庁の宿日直の実態と大きくかけ離れた認識に終始しました。「勤務密度は宿日直の開始から終了までの拘束時間全体で見るべき」との認識を示しましたが、労基法や人事院規則上、宿日直で行うか否かは、業務内容から判断すべきであり、裁判所の宿日直の実態や最高裁の認識は法の趣旨に大きく矛盾していると言わざるを得ません。こうした矛盾の解消のためにも、令状センター構想の早期実現が求められます。

 
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「リゾート」ではない沖縄の現実を実感 〜沖縄支援連帯行動に参加して〜
 

沖縄戦の歴史、基地の様子を目の当たりにして

住宅地に隣接した普天間基地
 5月20日〜22日、「国公労連2019年沖縄支援・連帯行動」に、愛知支部の丹羽委員長とともに参加してきました。初日は島南端にある平和祈念公園内の沖縄戦などによる全戦没者の名前が刻まれた平和の礎と平和祈念資料館を訪れました。
 平和祈念資料館では、沖縄戦から戦後の米軍基地の現状までを伝える膨大な資料を目の当たりにし、戦争という異常事態にあっては、人間が理性を失うことは簡単であることをまざまざと見せつけられ、胸が苦しくなりました。2日目は、普天間基地が一望できる嘉数の高台、嘉手納基地が見渡せる「道の駅かでな」、沖縄の民意を無視して土砂搬入が続けられている辺野古を巡りました。
 嘉数の高台は平和と基地学習のために整備された公園で、ここからは普天間基地に配備されている多数のオスプレイや、米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学がよく見え、住宅地のど真ん中に存在する基地の実相がよく分かりました。

基地の近隣に「住まざるを得ない」沖縄

 嘉手納町の面積の83%を占める嘉手納基地では、1棟3000万する戦闘機用の緊急避難シェルターが何棟も整備されていることや米軍機が轟音とともに離陸していく現実を知ることができました。また、民意に反して着々と土砂が搬入され続ける辺野古の海からは、数キロ先にカヌチャベイのリゾートホテル群が見えましたが、美しい沖縄の海の環境を壊し、景観も損ねかねないと感じました。
 新基地建設ゲート前テントにおいて反対運動にとりくむ方々との意見交換は、とても大きな収穫でした。時に、「何も無かった所に米軍基地ができ、その周りに勝手に住民が転居してきたのではないか」という認識が示されますが、この認識は誤りです。多くの基地は、戦時中、住民が避難している間に米軍が強制接収して建設しており、戦後、住民たちは故郷の地に帰ることができなくなりました。基地の近隣に「住まざるを得ない」のが沖縄の人々の現状であることを、痛感しました。
 リゾート地沖縄は大好きでしたが、戦争や基地の問題には目をつぶってきた自分がいました。今回、現状をきちんと知ったことで、沖縄の状況をもっともっと全国に発信しなければならないと決心しました。
(東京地連 関口香織)

 
 
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