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全司法新聞
 
事務の簡素化・効率化の実現を必ず!
今後の全司法を決定づける組織拡大 全国書記長会議
 

 4月21日〜22日、今年度第2回目の全国書記長会議が熱海で開催されました。会議は、@諸要求貫徹闘争期の最高裁交渉に全国の職場実態を反映させ、全国一丸となった行動で要求を前進させる意思統一を行うこと、A組織拡大について4月までのとりくみを振り返り、7月の全国大会、秋の支部大会に向けて、組織強化・拡大をすすめていくための意思統一を行い、各支部の出発点とすることを目的に開催されました。

労働時間短縮、健康課題、事務の簡素化・効率化が最重点

諸要求期のとりくみについて
報告する長岡書記長
 長岡書記長は、諸要求貫徹闘争のとりくみについて報告し、「今年最も重視する課題は、労働時間短縮、ハラスメントも含めた健康課題、そして事務の簡素化・効率化」だと述べました。
 とりわけ、事務の簡素化・効率化について、「適正化」やコンプライアンスが過度に強調されるもと、事務処理が複雑困難化し、硬直化している状況にあることを指摘し、「地方では人員が削られ、超勤上限規制が導入されたもとで、いかに事務を省力化するかは、全ての職場の共通の願いだが、現場レベルで考えうる省力化策には自ずと限界があり、最高裁が大局的な視点に立って『不要な事務は省略する』ことが求められる」と改めて強調し、7月5日に提起しているプレート行動にも触れて「超勤上限規制という大きな制度変革が行われた状況のもとで、最高裁がこれまで同様、下級裁任せ、現場任せという姿勢ではすまないし、そこに大義名分がある」と述べました。
 また、6月〜7月の「職場総点検・要求組織運動」について、この時期の職場会活動とあわせて実施し、「職場での問題や課題、一人ひとりが抱える要求を話し合う中で、組合員相互の信頼関係を築き、全司法の姿を職場に示すことを重視してとりくもう」と呼びかけ、そこで集約された意見にもとづいて要求を組織し、秋の各支部の定期大会で支部独自要求書を確立することを提起しました。

「身近」をアピールして、全国大会までに組合員拡大を!

 鳥井書記次長は、4月までの組合員拡大強化月間のとりくみを中間的に振り返った上で、今後のとりくみとして「全国大会までに一人でも多くの組合員を拡大することを全ての支部で目標としよう」と呼びかけました。
 その際のとりくみのキーワードとして「身近」ということをあげ、全司法が裁判所を良くするために行っていることなど新採用職員が「身近」に感じる話題で全司法の役割を知ってもらう、「身近」な組合員とともに働きかける、役員が日常的に関係を作り「身近」な存在になる、組合に加入することを「身近」(=自分のこととして)に考えてもらう、新採用職員以外にも「身近」な未加入者に働きかける等をとりくみのヒントとして提起しました。

「上限規制」で早朝の「サービス残業」が増えているのではないか…

 分散会では、最高裁交渉に繋げる観点から各支部の職場実態を出し合うとともに、組織拡大に向けた意思統一を行いました。特に超勤上限規制の課題では、多くの支部から、これまでよりも早朝に出てきて仕事をする人が増え、それが「サービス残業」になっているのではないかといった問題意識が示されました。
 集会のまとめの中で長岡書記長は、この4月の退職・採用の状況を踏まえ、すでに大量退職が始まっているとの認識を示した上で、「この大量退職期に新採用をどれだけ全司法に迎え入れることができるかは、今後の全司法の組織率を大きく決定づける。これからさらに新採用職員の加入に全力を尽くし、全国大会に向けて一人でも多くの仲間に迎え入れよう」と述べました。

 
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健康保持・増進に向けた施策の充実、
パワハラ根絶に向けた積極的な施策などを要求
2019年諸要求貫徹闘争 第1回人事局総務課長交渉
 

交渉に臨む全司法本部

 全司法本部は5月8日、諸要求貫徹闘争期における一連の最高裁交渉の皮切りとなる第1回人事局総務課長交渉を実施しました。交渉では、賃金や諸手当の改善、健康管理、定年延長、庁舎設備、次世代育成支援、男女平等・母性保護等の課題で、最高裁を追及しました。

通勤手当10万円もの持出しも

 賃金課題では、公務員の大幅賃上げや初任給改善、中高年層の給与抑制措置の是正などを求めました。総務課長は「職員の生活が少しでも改善されることを常に望んでいる」とし、「要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。また、諸手当の改善では、職場の要求が強い住居手当、単身赴任手当の改善や、特に通勤手当については、新幹線通勤等における自己負担額が月2〜3万円となり、多い人で月10万円もの持ち出しとなっている実態も訴え、その改善を強く求めました。総務課長は「種々の機会を捉えて、人事院に職員及び職員団体の要望等を伝えるなど、必要な時期に必要に応じた対応をしていきたい」と回答しました。

健康管理懇談会の形骸化を指摘

 健康管理懇談会の実施自体が目的化し、形骸化していることを指摘した上で、出された意見を健康管理施策に十分反映することを求めました。総務課長は「健康管理を担当する者の間で、懇談会の結果を今後の職員の健康保持・増進に活かせられないか検討している」との認識を示し「今後も各庁の健康管理施策に反映するよう下級裁を指導していきたい」と回答しました。
 また、災害発生時の特別休暇の柔軟運用を求めたのに対し「適切な特別休暇の承認の判断がされるよう、下級裁を指導していきたい」とし、「今後も引き続き職員の安全確保にも十分配慮しつつ、適切な業務の継続を行っていきたい」と回答しました。

集団分析に基づく職場環境改善 他省庁に劣後

 ストレスチェック制度については、「最終的には『全ての職員』がストレスチェックを受検することが望ましい」との認識を示し、受検方法の見直しについては、引き続き「検討しているところである」との姿勢を示しました。また、集団分析結果に基づく職場環境改善について、他省庁のとりくみより劣後しているとの問題意識に対し「管理職員への結果のフィードバックや管理監督者への研修、必要に応じた職員への個別面談等についてとりくまれている」とし、「裁判所の職場環境の改善に向けた支援は最高裁の役割であり、今後も各庁の支援を行っていきたい」との姿勢を示しました。
 一方、2018年度における現職死亡者数は19人であることが明らかとなり、更なる健康保持・増進に向けた施策の充実が求められます。このほか、パワハラ根絶に向けた積極的な施策のとりくみを求めたのに対し、一般職対象のDVD教材を整備したことを明らかにし、Q&Aの作成について「工夫できる余地がないか考えたい」との姿勢を示しました。

定年延長後の課題も追及

 定年年齢引き上げの課題において、確立した「定年年齢引き上げに関する要求書」に基づき、60歳を超える職員の給与水準や柔軟な働き方ができる制度設計、退職給付の在り方、役職定年等の給与格付けをはじめ、事務官処遇の維持と組織の新陳代謝の観点から、課長補佐・専門官を役職定年の範囲に含めるよう求めました。総務課長はいずれも「(政府の)検討状況を注視していきたい」と回答し、裁判所の制度設計にあたっては「適切かつ誠実に対応していきたい」との姿勢を改めて示しました。
 なお、2018年度中の早期退職者数は114人であり、引き続き増加傾向にあります。

年休取得の更なる推進や事務の簡素化・効率化を追及

 年次休暇の年間平均使用日数は、管理職員が16・76日、一般職が17・83日と増加傾向にありますが、また超勤上限規制に起因して取得日数が減少することがないよう配慮を求めたのに対し「その点は変わらないところである」「より一層取得しやすい環境作りに努めていきたい」と回答しました。超勤上限規制のもとでも年休取得を更に推進するためには、更なる事務の簡素化・効率化をすすめることが必要不可欠であることを重ねて主張しました。

 
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第90回メーデー 原点や歴史を思い起こそう
 

中央メーデーに本部・在京から参加
 5月1日の第90回メーデーは全国29か所で開かれ、15万人以上が参加しました。
 東京・代々木公園で開催された中央メーデーには2万8000人が参加しました。

平均賃金は23万円も減

 中央メーデーで主催者あいさつをした小田川義和全労連議長は、「90回目の節目の年に、8時間労働制を求めて労働者が立ち上がったメーデーの原点や歴史を思い起こし、決意を新たにしよう」と呼びかけました。この30年間で大企業が内部留保を5倍に増やす一方、労働者の平均賃金は23万円も減少したとして「労働者から富を取り上げる大企業に怒りの目を向けなければならない」と訴えました。
 また、「元号が変わっても、富の偏在や低賃金・長時間労働、忖度政治はなかったことにできない」と指摘し、安倍改憲阻止のたたかいに全力をあげ、「全ての働く仲間、市民と連帯し、政治を変えよう」と呼びかけました。

ハラスメントは人権侵害、労働組合の役割重要

 各労組代表からのアピールの中で、国公労連女性協の橋本議長が「国公労連で7年ぶりにハラスメントの実態調査を行ったが、女性の4人に1人が何らかの被害にあい、パワハラ被害を受けたことがある人は15%を超えている。ハラスメントの解決には労働組合の役割が重要だ。ハラスメントを人権侵害と位置付けるILО条約の批准を求める。人事院に実効ある対策を求めるとともに、組合を強く大きくしていきたい」と決意表明しました。

ハラスメントは人権侵害、労働組合の役割重要

 各労組代表からのアピールの中で、国公労連女性協の橋本議長が「国公労連で7年ぶりにハラスメントの実態調査を行ったが、女性の4人に1人が何らかの被害にあい、パワハラ被害を受けたことがある人は15%を超えている。ハラスメントの解決には労働組合の役割が重要だ。ハラスメントを人権侵害と位置付けるILО条約の批准を求める。人事院に実効ある対策を求めるとともに、組合を強く大きくしていきたい」と決意表明しました。

サウンドデモ、SNSなどのとりくみも

 集会後のデモ行進では、昨年に引き続いて国公労連はサウンドデモを実施、全司法から中矢委員長、鳥井書記次長、関口中執(東京地連書記長)もコーラーとして参加して、原宿〜代々木の繁華街をラップ・コールでアピールしました。明るく賑やかでノリの良いサウンドデモは、ショッピングに来た若者や外国人観光客からも注目を集め、沿道からスマホで撮影する人の姿もあちこちで見られました。
 また、全労連がSNSによる「メーデー見える化キャンペーン」を提唱するもとで、フェイスブックに宮城、千葉、静岡、愛知、石川、大阪、兵庫、広島、島根、福岡、大分、宮崎支部など各地のメーデー会場から、全司法大運動署名にとりくんでいる様子を含め、リアルタイムで書き込みがあり、全国のとりくみを繋ぎました。

 
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施行72年目の憲法記念日 9条改憲反対で6万5000人
 
6万5000人が集まった憲法集会

 5月3日、東京臨海広域防災公園で「平和といのちと人権を!5・3憲法集会」が、昨年を5千人上回る6万5000人の参加で開催され、全司法本部からも参加しました。

変えるべきは憲法ではなく政権

 主催者あいさつで、集会実行委員会の高田健さん(総がかり行動実行委員会共同代表)は、安倍政権の改憲の動きを私たちの運動で跳ね返してきたと強調し、「市民と野党の共同の力で今国会での改憲発議を阻止し、参院選で改憲勢力を打ち倒そう」と訴えました。
 続いて、メインスピーカーの4人が次のとおり発言しました。「憲法9条と言うと、『そんなもので平和は守れない』と言う人もいるが、違います。人間が人間を殺すことを恥じないといけない。憲法9条は世界の宝です」(湯川れい子さん、音楽評論家・作詞家)「沖縄の人々の民意が反映されない民主主義とは何ですか。お互いを尊重し話し合って決めていく。憲法にはそのことが書かれています」(元山仁士郎さん、「辺野古」県民投票の会代表)「変えるべきは憲法ではなく政権です。自民党の改憲案でいう教育の充実も合区解消も緊急事態対応も現行法でできることです」(高山佳奈子さん、京都大学教授)「私が編集長を務めたNHKの番組が、当時官房副長官だった安倍首相の圧力で変えられました。心あるジャーナリストと市民の連携で言論や表現の自由を守り、安倍政権を終わらせましょう」(永田浩三さん、ジャーナリスト・武蔵野大学教授)

選択肢、国民に信頼してもらえる形で

 集会には、立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、日本共産党の志位和夫委員長、社民党の又市征治党首、「沖縄の風」の伊波洋一議員が参加して連帯のあいさつを行い、市民連合の広渡清吾さん(東大名誉教授)が「市民と立憲野党の共同こそが新しい選択肢であることを、国民に信頼してもらえる形で示さなければなりません」と述べました。
 その後、差別や貧困などの問題にとりくむ市民代表によるリレートークや「3000万人署名」の完遂などを呼びかける行動提起があり、参加者は都内をパレードしました。
 この日は、東京だけでなく全国各地で、「安倍9条改憲」に反対し、憲法を守り活かす立場からの集会がとりくまれました。

 
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新採用職員のための 裁判所の労働条件解説(3)
人事評価
 

昇任・昇格・昇給・勤勉手当に活用人材育成の資料にも

 裁判所における人事評価制度は、職員がその職務を遂行するに当たり挙げた業績を把握した上で行われる勤務成績の評価(半期評価)と発揮した能力を把握した上で行われる評価(年間評価)で構成されています。半期評価は勤勉手当に、半期評価及び年間評価は昇任(上位の官職に任命すること。例:書記官↓主任書記官)、昇格(職務の級を上位の級に変更すること。例:1級↓2級)及び昇給(号俸を上位の号俸に変更すること。例:1級25号俸↓1級28号俸)の決定に活用されます。年間評価は中長期的な視点に立った職員の人材育成の資料の一つとしても活用されます。
 半期評価及び年間評価はいずれも絶対評価ですが、昇給や勤勉手当などは予算の枠組みがあるため、相対的な当てはめが行われます。そのため、各評価で上位の評価(S又はA)を得ても、昇給や勤勉手当の成績区分がBの成績区分に決定されることもあります。評価は、期首面談において目標を設定した上で、自己評価及び期末面談における意見交換や指導・助言等のプロセスを通じて行われ、一次評価者、二次評価者及び最終評価者による多段階評価となっています。

「目標管理」はしない「地道にこつこつ」もきちんと評価

 裁判所の人事評価制度は「目標管理」の手法を取っていないため、評価の対象は「目標の達成度」ではなく、その人の「仕事ぶり」全体です。また、プロジェクトへの参加など特定の業務への関与の事実等をもって他者との比較で評価されるものではなく、地道にこつこつと適正な事務処理を行っている人も適切な評価がなされる仕組みになっています。
 また、評価結果は期末面談の際に開示されます。「評価結果の説明に当たっては、可能な限り各評価項目にも関連づけて、具体的な事実等も示しながら、今後の能力開発や人材育成にも資するような形で行われ」ます。
 昇給には直近の評価結果が、昇任及び昇格には直近2年間の評価結果が活用されます。評価結果等は各自で記録し、不明な点や納得できない点があれば、評価者に説明を求めましょう。開示された評価結果に関する苦情相談の申出は、開示日(面談の日)の翌日から1週間以内となっています。

 
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