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全司法新聞
 
超勤上限規制のもと、事務の簡素化・効率化を最大の焦点に!
2019年諸要求貫徹闘争のポイント
 

 諸要求貫徹闘争は、次年度裁判所予算の策定に、私たちの要求を反映させるたたかいです。全司法はこの時期を全国的な要求の出発点と位置づけ、大幅増員や施設整備をはじめとする裁判所予算の拡充をめざし、全国一丸となった運動を展開します。

全国的な要求前進、職場総点検、組織拡大が3つのポイント

 諸要求貫徹闘争のポイントは大きく3つです。
 1つ目は、全国的な要求の前進をめざす最高裁交渉を職場のたたかいによって後押しすることです。諸要求貫徹闘争では人員・昇格をはじめとする全国的な要求の前進をめざし、全司法本部と最高裁との交渉を強化します。職場からの上申闘争を強め、5月20〜24日に実施する全国統一昼休み職場大会・要請書送付行動など、全国統一の行動に全員結集し、団結の力を当局に示すことが重要です。
 2つ目は、秋季年末闘争に向けた各支部における要求の掘り起こしを行うことです。諸要求貫徹闘争においては、「職場総点検・要求組織運動」として、全ての職場で職場会を開催し、職場で問題になっていること、不安に感じていることなどを話し合うことで、職場の要求を一人ひとりの確信にすることをめざします。地連・支部が主人公となる秋季年末闘争の立ち上がりを早く展開するために、職場の隅々から掘り起こした要求を集約し、9月の定期大会で支部独自要求として確立することを提起しており、職場会による対話によって、全ての組合員がそれぞれの職場の要求を自らのものとしていくことが大切です。
 3つ目は組織強化・拡大です。新採用職員を職場に迎えて一月が経過しようとしていますが、これまで実施したガイダンスや歓迎会などの経過や感触などを踏まえ、途切れることなく加入を働きかけていくことが重要です。また、重点対象を絞った未加入者への加入の呼びかけ、非常勤職員の組織化など、新採用職員以外の加入を広げていくことも忘れてはなりません。組織拡大を機関役員だけのものとせず、組合員一人ひとりが組織拡大の担い手となり、職場から組織拡大を押し進めることも大切です。

4月の配置、超勤規制ふまえ、事務の簡素化・効率化が重点

 民刑問わず事件処理の複雑困難化がすすむとともに、家裁では成年後見関係事件をはじめとする家事事件が引き続き増加傾向にあり、事件の種類を問わず事務の負担は高まっています。より一層適正迅速な裁判を実現し、国民の負託に応えていくためには、次年度予算における書記官、事務官、家裁調査官の大幅増員をはじめ、更なる人的態勢の強化が強く求められます。
 一方で、連年に渡り地方の職場から人員が削減され、大都市や大規模庁へのシフトは4月の人員配置でも顕著となっています。地方の職場の負担や不満は非常に大きくなっており、内部努力のみを強調した人員シフトを縮小するよう強く求め、地方職場の実態や特性、繁忙状況や事務処理の実情を踏まえた人員確保を行うよう求めます。
 4月から「超過勤務の上限規制」が導入されたことを踏まえ、勤務時間の適正な把握を徹底させ、上限時間だけに固執した不当な申告抑制やサービス残業の強要など、管理職による不適切な対応を許さないとりくみを強化します。加えて、事前申告や事後の報告も含めて、超過勤務の申告を適切に行うよう管理職員が声かけを行うとされており、私たち職員自身も過不足なく超過勤務を申告していくことが特に重要です。
 当局が「適正化」やコンプライアンスを過度に強調するもとで、事務処理の硬直化や増大を招き、職員の繁忙に拍車をかけています。加えて、超勤上限規制が始まっているもとで、抜本的な事務の省力化は、全ての職場の共通かつ切実な課題となっています。私たち職員は効率的な事務処理を日々追求していますが、現場レベルで取り得る省力化策には自ずと限界があります。諸要求貫徹闘争方針においては、事務の簡素化・効率化を最重要課題に位置づけ、書記官事務、事務局事務を問わず、通達改廃も含めた最高裁の責任による抜本的かつ実効性のある事務の簡素化・効率化を求めていきます。こうした本部の追及を現場から後押しするために、全国統一の「最高裁の責任による事務の簡素化・効率化を求める署名」にもとりくみます。

パワハラ対策、裁判手続IT化、令状センター等も

 健康管理の課題では、健康管理懇談会の充実と健康管理施策への反映に加え、労使が対等の立場で健康管理施策を協議する「健康安全管理委員会」の設置を求めます。また、依然としてパワハラの事案が報告される状況のもとで、パワハラに対する指針の策定や具体的なパワハラ防止策、「ハラスメント総合窓口」の設置を求めていきます。
 この他、裁判手続のIT化やNAVIUSの開発、「令状センター構想」の実現や現行宿日直体制の改善、調査官補の育成施策に関わる「二重の異動」の解消をはじめとする各職種の課題など、職場の切実な要求の前進に向け、最高裁との対応を強化します。また、非常勤職員の賃金、休暇制度など労働条件改善の課題では、国公労連への結集を強めるとともに、非常勤職員の関心の高い常用転換について、ステップアップ制度を活用した積極的な検討をすすめるよう最高裁を追及します。
 いわゆる「引越難民」が社会問題化する中で、この4月異動においても相当額の自己負担が生じています。赴任旅費の改善をめざすとともに、早期内示や赴任期間の柔軟運用など、裁判所の運用改善による職員の負担軽減を求めていきます。

7・5全国統一プレートで要求前進めざす

 これら切実な要求の実現をめざし、最高裁から最大限の努力姿勢を引き出すことを目的に、全司法は最大戦術である全国統一プレート行動を7月5日に配置します。
 この間全司法は、予納郵券の取扱い見直しをはじめ、様々な効率化策の提案を行っていますが、こうした提案を含め、最高裁が事務の簡素化・効率化に向けた具体的な検討姿勢を示すかどうかが一つの焦点となります。3回の人事局総務課長交渉、三局一課交渉、人事局長交渉、事務総長交渉の各交渉回答を総合的に判断し、各級機関の意見を踏まえて、最終的に実施の可否を決定しますが、全国の運動を高める中で前進回答を引き出し、最高裁回答を職場の隅々で活かしていくことで組織強化・拡大に結び付けていくよう、全国で旺盛にとりくみをすすめていきましょう。

 
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人員配置、超勤上限規制、
「適正化・コンプライアンス」問題での職場の声を形に!
 

署名にとりくもう!

事務の簡素化・効率化は必要・不可欠

 全司法は今年の諸要求貫徹闘争で、全国統一の職場内署名として「最高裁の責任による事務の簡素化・効率化を求める署名」にとりくみます。
 こうした署名を提起したのは、最高裁の責任で事務の簡素化・効率化をすすめることが、今、職場で必要不可欠なことであり、この諸要求貫徹闘争の交渉の中で、ぜひとも実現しなければならない課題だからです。
 4月に入り、新たな人員配置のもとで仕事が始まっていますが、今年度も地方から大都市への人員シフトが続いており、減員された部署や十分な人的手当てがされなかった部署については、引き続き、増員を求めるとりくみを強めていくことが必要です。一方で、職場の繁忙解消のために必要な方策として、事務の簡素化・効率化を思い切ってすすめさせる必要があります。
 とりわけ重要なのは、超勤縮減との関係です。人事院規則の改正により、4月1日から超過勤務の上限規制が始まりました。最高裁は「事務の簡素化・合理化、業務プロセスの見直し等を推進して、裁判部、事務局を問わず、組織全体として超過勤務の削減にとりくむ必要があると考えている」と回答しましたが、職場からは「人が増えない、仕事が減らない中で、どうやって超勤を減らすのか」といった強い不安の声が出されています。
 また、職員の健康管理、次世代育成支援、女性の登用拡大など、すべての課題において、最高裁の交渉回答は「事務の簡素化・効率化をすすめる」ことが当然の前提となっています。

最高裁自身の責任と権限で方策を示せ!

 しかし、その肝心の簡素化・効率化について、最高裁は「下級裁のとりくみを後押しする」との姿勢にとどまっています。
 一方、職場ではこの間、「適正さ」やコンプライアンスが過度に強調されるもとで、「慎重に」「念のために」と、事務がどんどん増加し、硬直化する傾向が強まっています。また、そのことが仕事に対するやりがいを奪ったり、ストレスの強い職場状況を作っていることも見逃せません。
 こうした状況のもとで、簡素化・効率化を現場ですすめることは難しくなっており、下級裁が決断できることも限られています。最高裁が大局的な視点に立ち、ドラスティックに簡素化・効率化をすすめるようイニシアチブをとって指示するとともに、そのことを明確なメッセージとして伝える意味でも、最高裁自身の権限で具体的な事務処理の簡素化策を打ち出すことが必要です。例えば、本部は、裁判部について「書記官を郵券事務から解放」するよう主張しています。

組合員・未加入者問わず、多数の声を集めよう

 事務の簡素化・効率化は待ったなしの課題になっており、最高裁の姿勢を変えさせるためは、職場から声をあげていくことが必要不可欠です。その具体化として、全司法本部は、この署名を提起しました。
 署名は6月11日の人事局長交渉で提出することにしており、5月30日までに本部に送付するよう求めています。
 組合員全員が署名するのはもちろんのこと、この課題に共感し、協力してもらえる未加入者にも幅広く声をかけ、職場の圧倒的多数の声を署名に結集したいと思います。
 職場の組合員のみなさんのご協力をお願いします。

最高裁判所長官 大谷直人殿

最高裁の責任による事務の簡素化・効率化を求める署名

 全司法はこの間、超勤縮減・長時間労働の是正と職員の健康管理、両立支援制度をはじめとする各種制度が気兼ねなく利用できる職場環境整備等の観点から、事件部・事務局を問わず、当局の責任による事務の簡素化・効率化を強く要求してきました。こうした要求に対し、最高裁は「組織全体として超勤削減に向けて事務の簡素化、効率化に向けたとりくみをこれまで以上にすすめていきたい」としながらも、「下級裁のとりくみを後押しする」との姿勢にとどまり、最高裁の責任による抜本的な事務の省力化については積極的な姿勢を示していません。
 職場では「適正化」やコンプラインスが過度に強調されるもと、事務処理の一つひとつに手間が増えている状況にあり、事務の簡素化・効率化どころか、むしろ事務の硬直化や増大を招いています。一方、恒常的な繁忙状況が続く中で、この間の増員は必ずしも十分なものではなく、欠員補充も十全に行われないなど、人的態勢でも安定性を欠いている状況にあります。加えて、地方では毎年のように人員が削減され、「これ以上の減員は困難」とした声は更に強まっています。
 2019年4月から超過勤務の上限規制が導入されましたが、事務の簡素化・効率化がすすまないもとで、上限規制だけが強調されることになれば、様々な矛盾が職場で起こることになりかねません。
 私たち職員は、日々、事務の簡素化・効率化に向けて検討していますが、現場レベルで考えうる省力化策には自ずと限界があります。最高裁が大局的な視点に立って、ドラスティックに「不要な事務は省略する」など事務処理を取捨選択することが必要であり、通達改廃も含めた最高裁の責任による事務の簡素化・効率化を強く求めるものです。

 
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新採用職員のための 裁判所の労働条件解説(1)
勤務時間と休暇制度
 

勤務時間7時間45分、柔軟勤務の制度も

 勤務時間は、1日7時間45分です。勤務時間帯は、8時30分から17時(12時15分〜13時は昼休み)が一般的です。大都市圏の通勤混雑緩和のための時差通勤、育児時間やフレックスタイム制度などにより、変則的な勤務時間の場合もあります。なお、勤務時間外に行った勤務(宿日直勤務を除く)については、早朝・昼休み・夕方・休日など、時間帯を問わず、いずれも超過勤務に該当します。
 休日は、土曜日・日曜日、祝日及び年末年始(12/29〜1/3)です。
 なお、各地家裁本庁や一部の地家裁支部では宿日直業務があり、宿日直業務が割り当てられた場合、通常の勤務時間後や休日に勤務を行う必要があります。

年次休暇1時間単位で取得可・理由も不問

 休暇については、@年次休暇、A病気休暇、B特別休暇、C介護休暇の4種類があります。このうち、有給休暇は@〜B、Cは無給休暇です。
 @年次休暇は、職員が希望する時期に、利用目的を問われずに使用できる有給休暇です。付与される日数は年間20日ですが、4月1日採用の場合、採用年に付与されるのは15日です。年次休暇の取得単位は、1日が原則ですが、裁判所では特別な理由がなくても、1時間単位での取得が認められています。年次休暇を消化できなかった場合には、20日を限度に翌年に限って繰り越すことができます。なお、2017年の職員一人当たりの平均取得日数は16・7日です。
 B特別休暇については、結婚休暇や産前・産後休暇、子の看護休暇、忌引き、夏季休暇などがあります。
 その他、育児休業制度や育児時間、配偶者動行休業制度など、休暇以外にも仕事と育児や介護等の家庭生活を両立するための様々な制度が整備されています。休暇・休業等の各種制度については、「両立支援ハンドブック」にまとめられています。各職場に備え付けられていますので、ご確認ください。

困ったことがあれば全司法へ

 全司法は職場のみなさんの声を拾い上げ、裁判所当局に要求することで各種休暇・休業制度を利用しやすいものに改善させてきています。休暇の申請が認められなかった、申請しづらいなど、困ったことや疑問があれば、全司法にご相談ください。

 
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