諸要求貫徹闘争は、次年度裁判所予算の策定に、私たちの要求を反映させるたたかいです。全司法はこの時期を全国的な要求の出発点と位置づけ、大幅増員や施設整備をはじめとする裁判所予算の拡充をめざし、全国一丸となった運動を展開します。
全国的な要求前進、職場総点検、組織拡大が3つのポイント
諸要求貫徹闘争のポイントは大きく3つです。
1つ目は、全国的な要求の前進をめざす最高裁交渉を職場のたたかいによって後押しすることです。諸要求貫徹闘争では人員・昇格をはじめとする全国的な要求の前進をめざし、全司法本部と最高裁との交渉を強化します。職場からの上申闘争を強め、5月20〜24日に実施する全国統一昼休み職場大会・要請書送付行動など、全国統一の行動に全員結集し、団結の力を当局に示すことが重要です。
2つ目は、秋季年末闘争に向けた各支部における要求の掘り起こしを行うことです。諸要求貫徹闘争においては、「職場総点検・要求組織運動」として、全ての職場で職場会を開催し、職場で問題になっていること、不安に感じていることなどを話し合うことで、職場の要求を一人ひとりの確信にすることをめざします。地連・支部が主人公となる秋季年末闘争の立ち上がりを早く展開するために、職場の隅々から掘り起こした要求を集約し、9月の定期大会で支部独自要求として確立することを提起しており、職場会による対話によって、全ての組合員がそれぞれの職場の要求を自らのものとしていくことが大切です。
3つ目は組織強化・拡大です。新採用職員を職場に迎えて一月が経過しようとしていますが、これまで実施したガイダンスや歓迎会などの経過や感触などを踏まえ、途切れることなく加入を働きかけていくことが重要です。また、重点対象を絞った未加入者への加入の呼びかけ、非常勤職員の組織化など、新採用職員以外の加入を広げていくことも忘れてはなりません。組織拡大を機関役員だけのものとせず、組合員一人ひとりが組織拡大の担い手となり、職場から組織拡大を押し進めることも大切です。
4月の配置、超勤規制ふまえ、事務の簡素化・効率化が重点
民刑問わず事件処理の複雑困難化がすすむとともに、家裁では成年後見関係事件をはじめとする家事事件が引き続き増加傾向にあり、事件の種類を問わず事務の負担は高まっています。より一層適正迅速な裁判を実現し、国民の負託に応えていくためには、次年度予算における書記官、事務官、家裁調査官の大幅増員をはじめ、更なる人的態勢の強化が強く求められます。
一方で、連年に渡り地方の職場から人員が削減され、大都市や大規模庁へのシフトは4月の人員配置でも顕著となっています。地方の職場の負担や不満は非常に大きくなっており、内部努力のみを強調した人員シフトを縮小するよう強く求め、地方職場の実態や特性、繁忙状況や事務処理の実情を踏まえた人員確保を行うよう求めます。
4月から「超過勤務の上限規制」が導入されたことを踏まえ、勤務時間の適正な把握を徹底させ、上限時間だけに固執した不当な申告抑制やサービス残業の強要など、管理職による不適切な対応を許さないとりくみを強化します。加えて、事前申告や事後の報告も含めて、超過勤務の申告を適切に行うよう管理職員が声かけを行うとされており、私たち職員自身も過不足なく超過勤務を申告していくことが特に重要です。
当局が「適正化」やコンプライアンスを過度に強調するもとで、事務処理の硬直化や増大を招き、職員の繁忙に拍車をかけています。加えて、超勤上限規制が始まっているもとで、抜本的な事務の省力化は、全ての職場の共通かつ切実な課題となっています。私たち職員は効率的な事務処理を日々追求していますが、現場レベルで取り得る省力化策には自ずと限界があります。諸要求貫徹闘争方針においては、事務の簡素化・効率化を最重要課題に位置づけ、書記官事務、事務局事務を問わず、通達改廃も含めた最高裁の責任による抜本的かつ実効性のある事務の簡素化・効率化を求めていきます。こうした本部の追及を現場から後押しするために、全国統一の「最高裁の責任による事務の簡素化・効率化を求める署名」にもとりくみます。
パワハラ対策、裁判手続IT化、令状センター等も
健康管理の課題では、健康管理懇談会の充実と健康管理施策への反映に加え、労使が対等の立場で健康管理施策を協議する「健康安全管理委員会」の設置を求めます。また、依然としてパワハラの事案が報告される状況のもとで、パワハラに対する指針の策定や具体的なパワハラ防止策、「ハラスメント総合窓口」の設置を求めていきます。
この他、裁判手続のIT化やNAVIUSの開発、「令状センター構想」の実現や現行宿日直体制の改善、調査官補の育成施策に関わる「二重の異動」の解消をはじめとする各職種の課題など、職場の切実な要求の前進に向け、最高裁との対応を強化します。また、非常勤職員の賃金、休暇制度など労働条件改善の課題では、国公労連への結集を強めるとともに、非常勤職員の関心の高い常用転換について、ステップアップ制度を活用した積極的な検討をすすめるよう最高裁を追及します。
いわゆる「引越難民」が社会問題化する中で、この4月異動においても相当額の自己負担が生じています。赴任旅費の改善をめざすとともに、早期内示や赴任期間の柔軟運用など、裁判所の運用改善による職員の負担軽減を求めていきます。
7・5全国統一プレートで要求前進めざす
これら切実な要求の実現をめざし、最高裁から最大限の努力姿勢を引き出すことを目的に、全司法は最大戦術である全国統一プレート行動を7月5日に配置します。
この間全司法は、予納郵券の取扱い見直しをはじめ、様々な効率化策の提案を行っていますが、こうした提案を含め、最高裁が事務の簡素化・効率化に向けた具体的な検討姿勢を示すかどうかが一つの焦点となります。3回の人事局総務課長交渉、三局一課交渉、人事局長交渉、事務総長交渉の各交渉回答を総合的に判断し、各級機関の意見を踏まえて、最終的に実施の可否を決定しますが、全国の運動を高める中で前進回答を引き出し、最高裁回答を職場の隅々で活かしていくことで組織強化・拡大に結び付けていくよう、全国で旺盛にとりくみをすすめていきましょう。

|