4月、採用・異動で職場の人が大きく入れ替わる季節です。
全司法では今、職場での新たな結びつき、つながりを作り、一人でも多く組合員を増やし、仲間の輪を広げていくとりくみをすすめています。
この4月の新採用予定の職員は435人(各地連調査の合計)。全国的に見ると、本格的な大量退職・採用期に入りつつあることがうかがえます。ここから、職場の多数を結集するために、本気のとりくみが必要になってきます。
組織を強く、大きくするために、改めて全司法の役割について、本部メンバーが語ります。みなさんも、ぜひ職場で全司法の役割を語り、労働組合の大切さを伝え、多くの仲間に広げてください。
つながりを作る
中央執行委員・青年協議長 米島 徹
司法は仲間を作る最良の「ツール」
学生時代に様々なクラブやサークルに入って、一緒にがんばる仲間や先輩・後輩のつながりを作ったという人は、多いのではないでしょうか。
社会人になると、自分の職場で仕事をしているだけでは、そうしたつながりを作る機会はなかなかありません。その中で、全司法は全国の裁判所職員で構成され、「みんなで働きやすい職場を作ろう」という誰もが共感できる目的で作られているため、様々な人が加入しており、そこで得られるつながりも全司法の魅力の一つになっています。労働組合に入り、活動することは、年齢も地域も職種も越えた様々な人とのつながりを作る最良の「ツール」になると言えます。
労働組合を通じてできたつながりは、単なる「仲良し」ではなく、いざというときに頼りになる「財産」になり、職場での生活を明るく、豊かなものにします。とりわけ、若い人たちにとって、こうしたつながりを早い段階で築くことは大切です。
各支部青年部(青年対策部)や青年協もレクや学習会、懇親会などを通して同世代とのつながりを作る、深める機会をたくさん計画しています。労働組合に入り、いろいろなイベントに参加することで、職員生活に有用な知識を得られるのはもちろん、それだけではなく、いざというときに頼りになる仲間を作ることができます。
また、全司法にはいろいろな経歴、趣味などを持った仲間がいます。全司法で得られたつながりから、一緒に働いたことはないけど、趣味が共通し、仲の良い友達や長くつきあえる仲間ができたという人も多数います。
異動や総研入所も安心 つながりで仕事も円滑に
裁判所で働いていると、管内支部への異動のほか、裁判所職員総合研修所での長期研修、都府県外への異動もあります。知らない裁判所への異動は誰しも不安を伴うものです。全司法は所属庁内の組合員同士の関係を深めてくれるだけではなく、各種会議やレクを通じて、他庁の組合員と知り合う機会も作ってくれます。そこでできたつながりは、他の裁判所に飛び込む不安を軽減させてくれ、異動先での仕事を円滑なもの、楽しいものにしてくれます。
また、仕事で困ったときにも全司法のつながりを活かし、他庁の取扱いや同様の事例の有無などを尋ねることで、仕事の質の向上や過誤防止に役立てることもできます。
職場で長く働くうえで仲間がいることは何より心強いものですし、仲間づくりは最初が肝心です。新採用職員のみなさんを始め、若手のみなさんはつながりを作るという意味でもぜひ全司法に入って一緒に働きやすい職場を作っていきましょう。
職場のルールを作る
書記次長・組織部長 鳥井 絵美
組合員の「声」を土台に、制度新設、運用変更に関与
国家公務員の労働条件は交渉で決めるわけじゃなくて法律で決まるんだよね?裁判所は働きやすい職場だから、労働組合がなくてもいいのでは?そんなふうに考えている方がおられるかもしれませんが、そんなことはありません。
労働組合は、職場のルールを決める仕組みに組み込まれており、裁判所においても、全司法が関わって、人員配置などの職場体制や仕事の進め方など様々なことを決めています。制度やその運用に関しても、職員の要望を伝えることによって新設させたり、運用を変更させたりしているのが、全司法労働組合なのです。
全司法が要求を作るときには、職場で不満や要望を直接聴いたり、アンケートを行うなどして、組合員の「声」を土台にしています。そのうえで、課題について全国的な討議をし多角的な検討を加えて要求化しています。つまり、労働組合に入るということは、ほかのだれかが決めたことにただ従うのではなく、自分の「職場のルールを決める」仕組みに関わり、それを支える一員になるということです。
全司法は、常に組合員の側に立って「言うべきことをきちんと言う」スタンスを持った労働組合ですが、国民のための裁判所実現に向けて裁判所当局と建設的な意見交換を続けていることや、職場の声をつかんだ活動をしていることから、最高裁長官も「全司法の活動に敬意を表する」と述べ、「これまで築き上げてきた相互の信頼関係に基づき、率直に問題意識をぶつけ合い、忌憚なく話し合う中で、問題の解決を図っていかなければならない」として、裁判所の職場を良くしていくためのパートナーだと位置づけています。
全司法で得られる知識は職員生活を送る中でも大切
要求を作ってくためには裁判所の仕組みや動きを知ることも必要で、全司法は学習活動にも力を入れています。国家公務員法全般、昇給や昇格、人事評価や人材育成の仕組みなどについて、全司法に加入することでより深く知ることもできます。労働組合に入るということは、長い裁判所生活の中で自分が広い視野を持って仕事をしていくためにも大切なことです。
あなたの声で、全司法の活動で、職場は変わります。未加入の方は全司法に入って、組合員の方は職場会に参加して、ふだん感じていることを聞かせてください。
権利を守る
書記長 長岡 文生
不利益に対して、声を上げられるのは労働組合だけ
私たち裁判所職員は、裁判所という「組織」の中で当局の指揮命令系統に従い業務を行っており、また、異動や昇任・昇格など、私たちの働き方や処遇についても、当局の任命権に基づいて決められていきます。強い権限を有する裁判所当局に対し、私たちは唯々諾々と従うほかないのでしょうか。また、「こうしてほしい」「ここは問題ではないか」と感じた時に、私たちは一人で抗うことができるでしょうか。
職場で働いていると、「こうしてほしい」「これは困る」といった希望や不満を感じることがあります。仕事がきついと感じたり、家庭生活との両立に悩んだり、職場の人間関係などで問題を抱えることがあるかもしれません。また、仕事のすすめ方などについて、現場で働く職員として当局のすすめ方に疑問を感じたり、改善に向けた意見を言いたいことが出てくるかもしれません。そうした時、職員が自分一人で当局と話し合ったり、上司に掛け合ったりすることは、きわめて難しいのではないでしょうか。
労働組合はそうした、職場の中で職員が一人では解決できないことを、みんなで力を出し合って、一緒に解決していくために作られた組織です。
働く者が、自分らしく生き生きと働き続け、職場生活を送るために、時には、政府や裁判所当局、管理職が強いる不利益なことにもきちんと声をあげる、それができるのは労働組合だけです。
全司法は、そうして働く者の権利を守っています。もし、職場で困ったことがあれば、ぜひ全司法に相談してください。力になれることがきっとあるはずです。
組合員一人ひとりの要求実現に力を尽くす
裁判所は「他省庁に比べて働きやすい職場」と言われますが、このことは、これまで長年に渡る運動により積み上げられてきた成果が職場で生きているからであり、諸先輩方が私たちに残してくれた財産でもあります。三権の一つである裁判所の中で、労働者としての権利が確立されているのは、これを守り活かしてきた全司法の存在があるからです。これまでも全司法は、職場で生じた問題の解決や、職場の人員配置、昇格発令、異動など、一人ひとりの要求実現に力を尽くしてきましたし、当局の不当な対応や一方的に不利益を職員に押し付けることを許さない、「職場の防波堤」の役割を果たしてきました。
そして、これからも職場全体を守り、そして働く者一人ひとりの権利と利益を守るため、ともに全司法の仲間として活動していくことを、心から呼びかけます。
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