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  トップページ > 全司法新聞 > 2018年12月 > 2299号
 
 
全司法新聞
 
「仕事も組合活動も誇りを持って頑張りたい」と実感
11・8中央行動
 
厚労省前で要求アピール

 11月8日、国民春闘共闘・全労連等が主催する「18秋季年末闘争11・8中央行動」が行われました。外国人の新たな残留資格、改憲、「働き方改革」の具体化、消費税増税などが課題になっているもと、人事院勧告に基づく給与改善の早期実施、安心して働き続けることができる定年延長の実現、裁判所予算の拡充などの要求実現をめざして、全司法は若い仲間による全国上京団を配置。体験し、行動する中で労働組合の活動と役割を感じてもらう機会となりました。

臨時国会の焦点・課題を確認して行動に参加

 臨時国会において、給与法改正法案が提案・審議されるとともに、安価な外国人労働者の確保を狙った入国管理法の改正や消費税の増税と社会保障改悪が狙われ、改憲に向けた動きが焦点となる中で実施された「11・8中央行動」には、国家公務員、地方公務員、教員や医療職、民間で働く労働者など、全国から約2000人が参加し、霞が関一帯で様々な行動を展開しました。
 全司法からは、青年層を中心に全国上京団を配置して結集し、昼休みの厚生労働省前要求行動に参加した東京地連・在京支部の組合員も含め、33名が参加しました。
 行動に先立って、参加者が今回の行動の意義や目的を理解できるよう、「政治の動きと私たちの暮らし・労働条件」と題する学習会を行い、中矢委員長から、臨時国会の焦点や課題、そして、私たちの労働条件に直結する法律が国会で審議されていること、私たち(労働組合)にできることなどについて、解説しました。参加者からも「趣旨を理解して活動に参加することができた」「裁判所の問題だけでなく国全体としての問題も学べてよかった」との感想が寄せられ、行動参加にあたってのよい動機付けとなりました。

「他の団体と一緒に行動して、とても迫力があった」

内閣人事局要請後に国会へ
 学習会の後、「軍事費削って、くらし・福祉・教育に回せ!財務省前行動」に参加するため東京地裁から財務省に向かって移動しました。汗ばむほどの陽気の中、既に色とりどりの多くの旗が風に吹かれながら高く掲げられており、「おまつりみたい!」と表現する参加者もいました。
 財務省前行動では、安倍政権発足後に軍事費が増えたことも指摘しながら「消費税は低所得者ほど負担が重い。株式売買に対する増税はしない、法人税は引き下げるなど、ごく一握りの富裕層をさらに優遇し、庶民の負担ばかり上げることは許されない」との報告が主催者からあり、参加者全員で、国民本位の財政運営を行うよう、財務省に求めました。
 続いて、厚生労働省前に移動し、働き方改革などに反対する「働き方改革厚生労働省前行動」に参加しました。主催者から「第二次安倍政権が始まって以降、実質賃金は6%下がっている。最低賃金引き上げ、実質賃金改善を訴えていこう。高プロを職場に入れさせないたたかいを強化しよう」と呼びかけがされた後、医療現場、地方自治体、映画や演劇制作に携わる職場で働く参加者から、それぞれ職場実態や要求が語られました。ほかの職場の労働環境を知ることができたことは参加者への良い刺激になったようです。2つの行動を通じ、「組合活動をしている仲間の多さを感じることができた」「他の機関の厳しい労働環境を知り、組合の必要性を再認識した」「ほかの団体と一緒に行動をしてとても迫力があった」「団結を実感した」などの感想が寄せられました。
 集会の後には、霞が関から臨時国会が開催されている国会議事堂に向けて国会請願デモを行いました。全司法の参加者が先頭で横断幕を持ち、要求をみんなで訴えながら国会議事堂まで歩きました。
 国会請願デモの間に、全司法は独自行動として政府・内閣人事局への要請行動を行いました。各地連1名の代表団を組み、全ての支部から集約した「定員管理等に関する要求書」を内閣人事局に直接提出し、定員管理の抜本的な見直しを要求するとともに、2020年以降の新たな定員合理化計画を策定しないよう求めました。

志が実る職場づくりに、協力していきたい (仁比議員)

国会議員に職場実態を伝える
 内閣人事局要請団と国会請願デモ参加者はそれぞれの行動が終了した後で再度合流し、参議院議員会館内において、衆参法務委員(日本共産党藤野保史衆議院議員、同仁比聡平参議院議員)を招いて、独自の院内集会を行いました。両議員から司法行政に関わるこの間のとりくみや国会質疑の経過報告を兼ねたあいさつをいただいた後、仁比議員と裁判所の職場実態にかかる意見交換を行いました。
 参加者から、各職場の繁忙状況や大幅増員の必要性をはじめ、家裁調査官の繁忙状況や欠員不補充の課題、宿日直や連絡員体制の負担、庁舎の老朽化や法廷警備員の研修の必要性などを訴えました。これからの裁判所を担う青年のまっすぐな訴えを受け、仁比議員からは、職場実態に対する感想とともに、「現場の実態を改善し、若い人たちの要求が実現できるよう、国会でも取り上げていきたい」「皆さんの志が実り、裁判所職員としての成長が感じられる職場づくりに、私も協力していきたい」との決意が語られ、参加者を勇気づけるものとなりました。院内集会の最後には、来年の通常国会に向けてとりくむ全司法大運動に関する要請を行いました。
 参加者からは、「職場の実情を直接議員に伝えることができ、全司法は国を動かす力を持っているのだと実感できた」「裁判所のことを熱心に考えてくださる国会議員がいることを知り感激した」などの感想が寄せられました。

「職場の環境を変えるのに政治も関係があると認識できた」

 盛りだくさんの企画で慌ただしい場面もありましたが、全体を通して、参加者からは、「職場の環境を変えるのに政治も関係があると認識できた」「政治とは無関心でいられないことを十分に理解できる良い機会だった」「ふだんできない経験ができた」といった感想のほか、「もっと学んでみたい」「仕事も組合活動も誇りを持って頑張りたい」「自分の言葉で意見を述べることができるようになりたい」といった決意が寄せられました。また「ぜひ多くの人に参加してほしい」という声も寄せられました。
 「新たな組織方針」では、次世代の運動の「担い手」の育成を全国でとりくむべき課題の一つに位置付け、とりわけ上京団行動等のとりくみを重視し、青年や若手の組合員の参加を積極的に追求することとしています。東京での行動、次はあなたが参加してください!

 
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青年の声を集める活動もとに、誠実で丁寧な説明を引き出す
青年協第2回常任委員会・最高裁交渉
 

 青年協は、11月10日に総研生との意見交換会、11日〜12日に第2回常任委員会と引き続く最高裁交渉を実施しました。交渉には、青年協役員とオブザーバーの合計11名が出席し、青年の厳しい生活実態や職場の実情、意見交換会で把握した総研生の実態等を訴え、当局を追及しました。

「暮らしむきアンケート」で多くの青年の声を

常任委員会で真剣に討議
 第2回常任委員会では、第28回定期総会で確立した運動方針に基づき、通年的なとりくみや各闘争期でのとりくみを討議して具体化をはかりました。
 また、各級青年機関の活動や実態の報告を行ったほか、秋季年末闘争期における全司法青年協統一要求書及び異動要求書の確立などを行いました。
 運動方針の具体化では、今年も青年の要求把握のため、「青年の暮らしむきアンケート」と「一人一言要求行動」を実施することを確認しました。特に、12月にとりくむ青年の暮らしむきアンケートは、一人でも多くの青年から回答を得るため、全青年組合員から集約すること、未加入者に対しても可能な限り協力を依頼することに加え、回答・提出の負担が減るようアンケート作成の段階でも様式を工夫することを確認しました。

家庭事情に配慮した異動、書記官試験改善等を追及

 常任委員会後には、最高裁人事局和波総務課長との交渉を実施しました。賃金、諸手当、異動、新規採用者の確保、超過勤務及び書記官試験など、青年層にとって重点となる課題について当局を追及するとともに、各地の青年協役員・オブザーバーから青年の生活実態や職場の実情、事前アンケートと意見交換会で集約した書記官養成課程研修生及び家裁調査官養成課程研修生の意見を直接訴え、その改善を求めました。
 当局からは、ほぼ全ての項目で従前の回答を維持したものとなりましたが、今後も私たちの要望・要求について誠実に対応する旨の回答がありました。中でも、同一職種による育休代替要員の確保や新規採用者の確保などを訴えた際には、努力姿勢を示すとともに、給源の不足が同一職種による育休代替要員確保の一つの障害になっていることが丁寧に説明されました。

「高圧的な態度」改善も、衛生環境、過密日程、二重の異動…

 総研生との意見交換会に先駆けて、全総研生に対し、事前アンケートを実施しました。結果、157通(回収率44・7%)の回答を得ることができ、総研生の実情を把握することができました。また、総研生との意見交換会では、事前アンケートの回答を足掛かりに、参加した総研生からさらに深く、実情や意見を聴きました。事務局の高圧的な態度については、9割以上の総研生から「改善されている」との回答があり、これまでのとりくみが結びついたものと評価しています。もっとも、組織としての高圧的な態度は改善されたものの、パワハラと評価しうる事例も報告されており、総研においても他の職場と併せて、パワハラの根絶にとりくむ必要性が明らかになりました。
 また、依然として、寮の衛生環境が悪い(長期間「修理依頼中」の洗濯機・乾燥機、布団のダニなど)、記名式の研修日誌については、本音を書くことができず、「意見交換ツール」として有益だと感じないなどといった意見が多数出ました。また、通所生が使用できるシュレッダーがないなど文書管理・廃棄にも関わる問題や過密スケジュールに対する負担感、実務研修中の転居や賃料の負担、「二重の異動」による経済的負担の大きさなども明らかになりました。また、「自ら通達等を調べることができるよう、J・NETポータルを閲覧できるようにしてほしい」といった要望も出されました。加えて、「壊れている穴あけパンチや掃除機を直してほしい」などといった要求も多数挙がっています。現場では直接庶務係や会計課に相談するような案件ですが、担当部署が周知されておらず困っていることや、相談しづらい雰囲気が依然として残っていることも明らかになりました。

 
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「各庁各部署の実情等を踏まえた適正な人員配置に努めていきたい」と回答 秋年期第3回人事局総務課長交渉
 

 全司法本部は11月14日、秋季年末闘争第3回となる最高裁人事局和波総務課長との交渉を実施しました。次年度の増員をはじめ、労働時間短縮・超勤縮減、ITシステム化、休暇・休業、次世代育成支援対策、男女平等・両立支援等の課題で最高裁を追及しました。

家裁調査官の育休正規補充「小・中規模庁の困難さも踏まえ検討」

総務課長交渉の様子
 人員課題について、「来年度の増員をめぐる状況はこれまで以上に厳しいものとなっている」との認識を示しつつ、「適正迅速な裁判を実現し、国民の負託にこたえていくために、裁判所の人的態勢の充実強化を図っていく必要があることについて、財政当局の理解を得るべく説明を行っているところである」と回答し、「必要な人員の確保に引き続き努力していきたい」との姿勢を示しました。また、全国的なシフト政策を見直し、地方職場から人員を削減しないよう求めたのに対し、総務課長は「個々の庁について、各種事件数の動向や事件処理状況等の種々の要素を考慮し、事務量等を見極めて行ってきている」、「各庁各部署の実情等を踏まえた適正な人員配置に努めていきたい」と回答しました。
 この他、職場の欠員が繁忙に拍車をかけている実態を指摘し、代替要員の確保や小・中規模庁における十全な正規補充を求めました。総務課長は「育児休業を取得した職員の業務を処理するための手当の必要性はあるものと考えている」とした上で、家裁調査官の正規補充について「小・中規模庁における代替要員確保の困難さも踏まえた上で」「実施規模等について検討していきたい」と回答しました。本年4月期の家裁調査官の正規補充は、札幌高裁管内や高松高裁管内ではそれぞれ1人となっており、小規模庁も含めた欠員補充は職場の切実な課題となっています。

超勤命令の上限規制「人事院規則を注視しつつ、裁判所としての対応を検討」

 国家公務員の超過勤務命令の上限規制に関わって、適切な勤務時間把握について追及するとともに、管理職が超勤申告の抑制を行うのではないかとの懸念があることから、上限を超えた場合の事後的検証はペナルティとせず事務の簡素化・効率化に活用するよう求めました。総務課長は「人事院が、超過勤務命令を行うことができる上限について、原則1か月45時間かつ1年360時間等と設定し、これを人事院規則で定めることになったことについては承知している。今後、人事院規則の規定内容等を注視しつつ、裁判所としての対応について検討を進めていきたい。サービス残業があってはならないという姿勢は変わるものではない」と回答しました。
 また、特に超過勤務が多い最高裁については、「上限規制の動きも踏まえ、これまで以上に超過勤務の削減にとりくむ必要がある」とし、「行政府省における効率化の検討状況なども勘案しながら、引き続き超過勤務削減に努めていきたい」と回答しました。本部からは、国会関係業務の簡素化について国会や各政党に申し入れるべきだと主張しました。

裁判手続IT化「幅広い職員の意見反映が望ましい」

 裁判手続IT化では、PTの議論がブラックボックスであり、職員の意見が反映される仕組みになっていないと指摘しました。これに対し総務課長は、「各庁のPTにおける議論が適時に職員全体で情報共有され、その検討に幅広い職員の意見が反映されることが望ましい」との認識を示し、「裁判所全体で幅広く意見交換等が行われるような方策を検討していきたい」と回答しました。
 また、人給システムの導入について、現に他省庁で生じている不具合等について指摘し、拙速な導入は行わないよう求めましたが、最高裁は「行政府省等からの情報収集に努めるとともに、導入に際しては、各職場での事務処理等に支障が生じないよう、必要な準備を行っていきたい」との回答にとどまっています。

繁忙が権利行使をためらわせる懸念を指摘

 次世代育成支援策に関わって、最高裁はこれまでも、「男女を問わず、仕事と生活を両立しながら真に協働できる職場にしていくため、育児や介護の各種両立支援制度の活用に向けたとりくみを行ってきた」と回答していますが、家裁調査官においては、育児時間や早出遅出勤務の取得など育児や介護のための制度を利用した職員数が減少し、介護休暇では昨年、一昨年と利用者がいないことも明らかになっています。職場の繁忙状況が権利行使をためらわせていることも懸念され、安心して制度が利用できる職場環境の構築が求められます。
 その他の課題については、概ね従前回答を維持しました。

 
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