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全司法新聞
 
肌で感じた沖縄の歴史と今 国公青年セミナーinおきなわ
 

 国公労連・青年運動推進委員会主催の国公青年セミナーinおきなわが、5月19〜21日に沖縄県で開催されました。このセミナーは、平和と民主主義、安全保障の問題について認識を深め、地域・職場を越えた交流と仲間づくりを進めるために実施されたもので、全司法からの10名を含め、全国各地から136名が参加しました。

沖縄戦の歴史、そして今も危険と隣り合わせの生活

嘉数高台・陣地跡でガイドの方から説明
全司法の参加者(平和の礎にて)
 1日目は、糸数アブチラガマを見学しました。糸数アブチラガマは、沖縄戦終戦前の約3か月間、糸数の住民が避難場所として利用していた自然洞窟です。与えられた懐中電灯の灯を消すと指先すら見えないほどの暗さで、パンフレットやホームページ掲載の鮮明な写真で見るその姿とは全く異なります。暗闇の中、重傷を負った住民や兵士の多数の死に直面し、また、いつ米軍に襲われるか分からない恐怖と戦いながら、先の見えない避難生活を送っていた住民や兵士の気持ちを想像すると、いたたまれない気持ちになりました。
 2日目は、普天間基地、嘉手納基地及び辺野古新基地建設ゲート前テントを見学しました。沖縄戦の激戦地であった嘉数高台から辺りを眺めると、住宅街のど真ん中に広がる滑走路と多数のオスプレイが目に留まり、普天間基地が設置されている場所に違和感を覚えるとともに不安を抱きました。現に、2004年に米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落しているように、危険と隣り合わせの生活を強いられていることが分かりました。次の目的地である嘉手納基地までの間に、その沖縄国際大学の墜落跡地、軍人用住宅、アメリカン・ビレッジ等を見ることができました。良くも悪くも、米軍の兵が地域の一部になっていることが分かります。その後、「道の駅かでな」から、嘉手納町の面積の83%を占め、また、日本最大の飛行場である嘉手納基地を眺めました。嘉手納基地内から漏れた燃料等により、汲み取った井戸水に火を近づけると燃え上がるほどの汚染がある等、基地の存在は事故の危険性のみならず、環境汚染の問題もはらんでいることを知りました。

「悲惨な戦争体験」が継承されてきたからこそ…

 その後、普天間基地の移設先として建設作業が進められている辺野古の海を見学し、また、辺野古新基地建設ゲート前テントにおいて、反対運動をしている県民の方の話を聴きました。辺野古では、安全性等の観点から反対運動に関わっている方の中には元々辺野古移設の建設に関わっていた方もいること、沖縄県も辺野古移設反対を明言するパンフレットを発行していること、その反面、反対運動自体に反対する方、米軍の撤退によって、商売が立ちゆかなくなる等の理由により米軍撤退に反対する方もおり、沖縄の中にもいろいろな考え方があることを知ることができたのは非常に興味深く、また、難しい問題でもあると感じました。
 3日目は、平和祈念公園で、平和の礎と平和祈念資料館を見学しました。戦没者の追悼や戦争の教訓の継承等を目的に建設された多数の刻銘碑は、その犠牲者の多さ、平和の喪失により失うものの大きさを実感しました。平和祈念資料館では、住民を含め、多数の方が沖縄戦で犠牲になったこと、また、米軍だけでなく、スパイを疑われたり、足手まといだとして、日本兵からも命を奪われていた等、悲惨な史実を学ぶことができました。もっとも、「悲惨な戦争体験」を風化させることなく、その教訓が正しく継承されてきたからこそ、現在の沖縄があるのではないかと感じました。

単組を越えたつながりができた楽しく、有意義な時間

 1日目の夜には、全体交流・懇親会が、2日目の夜には、全司法・全法務の合同懇親会が開催されました。全国各地から参加した全司法の仲間と交流を深めるとともに、単組を越えたつながりを作ることができ、楽しい時間を過ごせただけでなく、非常に有意義でした。
 糸数アブチラガマ等を見学し、また、現地の方の生の声を聴くことで、沖縄の歴史と今を肌で感じることができました。教科書やテレビだけでは伝わらないこれらの体験を活かして、まずは、平和に関する自身の考えを持ち、今後の活動に活かしていきたいと思いました。また、職場諸要求において、対応当局が人事院となるものについては、国公労連への結集が重要になってきます。このセミナーにおいてできたつながりを国公労連での活動にも活かしていきたいと思います。
 財政活動や当セミナーの周知等にご協力いただいた各支部のみなさま本当にありがとうございました。
(青年協事務局長 米島徹)

 
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古田青年協議長 沖縄支部を訪問
 

 国公青年セミナーにあわせて、古田青年協議長が全司法沖縄支部を訪問しました。その様子を現地支部から…

立ち見が出るほどの職場大会

「とても勉強になった」と参加者
 沖縄支部は5月18日、古田中央執行委員(青年協議長)をお迎えし、全国統一昼休み職場大会を開催しました。開催にあたって、事前に教宣ビラを発行する等して参加を呼びかけた効果もあって、職場大会には50余名もの組合員が参加し、会場は一時立ち見が出る程の盛況ぶりでした。
 古田さんからは諸要求貫徹闘争の意義や目的、具体的な重点課題、特に人員課題と労働時間短縮、サービス残業根絶の課題を中心にお話しいただきました。組合員に限らず執行委員でも、知っていそうで意外と知らない部分が多かったため、「とても勉強になった」との感想が寄せられました。
 また、この日のオルグに合わせて、夕方から青年層を対象とした学習会を実施しました。引き続き古田さんにも参加いただき、的確な助言をいただきました。今後も本部や地連オルグの機会等を活用して、学習活動にも力を入れていきたいと思います。

4月の人員削減で繁忙に。人的手当を強く要求

 さて、沖縄では、ここ数年人員の削減が立て続けに強行されていて、この4月期には、書記官3名(シフトによる減を含む)事務官3名もの大幅な減員が強行されました。このため、職員の間では不安や不満が広がっていて、事務局や地裁刑事部、家裁家事係等を中心に繁忙度が高まっています。職場大会の結集率の高さは、こうした問題に対する組合員の関心の高さの表れとも言えます。沖縄支部としては今後、人員課題を異動要求とともに最重点要求に位置づけて、来たる所長交渉では繁忙部署への手当てを強く要求していきます。
(沖縄支部)

 
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超過勤務、的確かつ遅滞なく把握するよう指導を徹底
2018年諸要求貫徹闘争期第3回人事局総務課長交渉
 

 全司法本部は5月22日、和波最高裁人事局総務課長と諸要求貫徹闘争における第3回交渉を実施しました。交渉では、人員、労働時間短縮・超勤縮減等、IT情報システム化、庁舎設備、宿舎、旅費・庁費等の予算増額、宿日直などの要求を主張しました。

人員

必要な人員確保に引き続き努力

交渉に臨む全司法本部
 「成年後見制度関係事件をはじめとする家事事件については増加傾向が続いているものの、その他各種事件は減少又は横ばいで推移している」との認識を示し、「各庁各部署の個別具体的な状況に応じて人員配置の見直しを検討するとともに、社会状況をも見極めながら多種多様な要因を総合的に考慮し、必要な人員の確保について引き続き努力していきたい」との基本姿勢を示したものの、国家公務員の定員を巡る厳しい情勢や事件数の動向等を踏まえ、「次年度の増員をめぐる財政当局との折衝はこれまで以上に厳しくなるものと考えている」と回答しました。
 また、繁忙状況が続く家事部門については「事件動向のみならず、成年後見制度利用促進基本計画の閣議決定後の事務処理状況等を踏まえながら適正な人員配置に努めたい」としましたが、家裁調査官の増員については「家庭事件全体の事件動向や事件処理状況等を踏まえながら、これから検討していく」との回答にとどまりました。

労働時間短縮・超勤縮減等

事前申告ができなかった場合も実態把握は当然

 超勤縮減については「組織全体として超勤削減に向けて事務の簡素化、効率化に向けたとりくみをこれまで以上にすすめていきたい」との基本姿勢を示した上で、「とりくみを正しい方向に向けさせて、事務の簡素化・効率化をすすめていけるよう、最高裁のとりくみを紹介するなどしていきたい」「(各庁の)事務の合理化・効率化策を広く高裁に情報提供し、可能な範囲でとりくみをすすめるよう促していきたい」と回答しました。
 サービス残業根絶に関わっては「サービス残業や持ち帰り仕事はあってはならないし、超過勤務については的確かつ遅滞なく把握するよう今後も指導を徹底したい」と回答しました。その上で、早朝・休日の超過勤務に関わって「適正な勤務時間管理を行うためには原則としてその事由等を事前に申告してもらう必要がある」「事前申告がなされれば当該業務を正規の勤務時間内に処理できるよう、処理の期限を延ばしたり担当者の事務分担を調整するような検討も可能となり、超過勤務の削減に資するものと考えている」と述べましたが、一方で「事前に申告ができなかった場合でも官側が超過勤務の実態を把握する必要があることは当然である」と述べるとともに、「超過勤務の申告がしにくくなる言動を管理職が行うことはあってはならない」と回答しました。

裁判手続のIT化

必要な予算の確保に向けて努力姿勢を示す

 「次期システムの開発、統合にあたっては、これまで職員及び職員団体から出された意見等を踏まえて、(中略)操作方法や画面のレイアウト、レスポンスやバックアップ体制、帳簿レス化等の点を中心に、使い勝手のよいシステムになるよう開発をすすめている」との基本姿勢を示しました。 また、機能を縮小することで増加する書記官事務の負担について「最高裁として、裁判手続の適正確保、業務の合理化・効率化といった観点から常に検討し、必要に応じて適宜見直しを行った上で各庁に還元していきたい」と回答し、最高裁における検討姿勢を明らかにしました。
 また、裁判手続のIT化に関わっては「職員及び職員団体の意見も踏まえながら検討していきたい」と回答するとともに、必要な予算の確保に向けて努力姿勢を示しました。この他、職員の負担感が強いSEABISの旅費システムについては「事務の簡素化・合理化に資する機能改修要望や職員団体の意見・要望は関係機関に伝えていきたい」と回答しました。

赴任旅費の改善

「まずは裁判所内の実情の把握に努めたい」

 その他の課題に関わっては、宿舎の確保に向けた最大限の努力姿勢を示すとともに、宿舎貸与にあたって「できる限り速やかに宿舎を提示できるよう引き続き努力したい」との姿勢を示したこと、赴任旅費の自己負担の問題について、全司法の要求を財務省に伝えるとともに、「最高裁として、まずは裁判所内の実情の把握に努めたい」と回答するなど、それぞれの課題で一定の到達点を築きました。

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今後の展望を示させることが重要に 行(二)担当者会議・最高裁交渉
 

 全司法は、5月27〜28日、地連行(二)担当者会議を開催し、行(二)職をとりまく情勢や課題を確認したうえで、引き続き28日午後から上京団交渉を実施しました。会議・交渉にはオブザーバーを含めてのべ15名が参加しました。

賃金・処遇で、厳しい生活実態が報告

行(二)職の実態を最高裁に伝える
 会議では、賃金や処遇の維持・改善、後補充がなく人員が減っているもとでの本務に関する職場実態、付加業務に関する実態、人事評価制度、備品の整備や研修の要望を含む労働条件全般、定年延長の課題等について議論を深めました。
 賃金・処遇等の課題については、各参加者から厳しい生活実態が報告され、行(二)表撤廃を含めた賃金改善の運動を強化していくことが確認されました。また、部下数制限の撤廃に向けて人事院への働きかけを強めることや、最高裁に対しても行(二)職が安心して働き続けられるよう、今後の展望を示させることが重要だと確認しました。

庁舎警備の縮小・廃止がすすむ

 職場においては、最高裁が下級裁に対して「外注警備の見直しを促した」ことから、多くの庁で庁舎警備の廃止・縮小の動きがすすんでいます。その中で、外注警備員の配置人数や配置場所・配置時間などの変更点について、職場や守衛等の関係職種に意見が聞かれず「通告」として説明されたり、説明さえされなかった庁もあることが明らかになりました。
 また、運転手の後補充がなされないもとでの代替策として、当局は民間委託(タクシー利用)が可能としてきましたが、会議において地方のタクシー事情や業務委託契約時の課題が出される中で、「少年押送は裁判所固有の業務として裁判所職員で行うべきではないか」という指摘も出されました。

定年延長は柔軟性を持たせた制度を

 定年延長に関わっては、家庭の経済状況から早期実現を求める声が上がっている一方で、体力的に厳しい、フルタイムで働けるか不安といった声も寄せられ、柔軟性を持たせた制度設計にすることを強く求めていくことが確認されました。
 交渉では、会議で出された職場実態とそれに基づく各職種の要求を最高裁に直接伝えました。ほぼ従前回答にとどまったものの、行(二)職の実態に目を向けさせることができる有意義な機会となりました。

 
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