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  トップページ > 全司法新聞 > 2018年3月 > 2283号
 
 
全司法新聞
 
労働法制改悪反対、公務員制度確立、働く者の権利を守ろう
3・7中央行動/国公労連集会
 
国会に向け霞が関から請願デモ

 3月7日、全労連・国民春闘共闘等は、くらし改善のための大幅賃上げ・底上げ、労働者保護を破壊する「働き方改革」阻止、憲法を踏みにじる安倍暴走政治ストップなどの課題を掲げて、中央行動を実施しました。全司法からは東京地連管内及び本部から30名が結集しました。

「働き方改革」法案は白紙に戻すべき

 3月中旬の春闘最大ヤマ場を前にした今回の中央行動は、裁量労働制や「高度プロフェッショナル制」などの「定額働かせ放題」の制度導入、過労死ラインを容認する残業規制などで社会的にも注目を集めるようになった「働き方改革」関連法案の主管庁である厚生労働省と、隣接する人事院の前に2000人が集まった集会でスタートしました。
 主催者としてあいさつした小田川義和全労連議長は、労働時間データねつ造問題で、「働き方改革」の根拠が崩壊したとして「すべてを白紙に戻すべきだ」と強調しました。また、集会では、雇用安定と格差是正、賃金底上げの流れを加速させ、すべての労働者のベースアップ、時給の引き上げの実現にむけてたたかいをすすめることが確認されました。
 集会終了後、労働法制改悪反対、森友・加計疑惑をはじめとする行政の私物化を許さない、安倍9条改憲阻止などの課題を掲げて、国会に向け請願デモを行いました。

「賃下げ訴訟」の総括に立ち新たな権利闘争をすすめる

 請願デモの後、国公労連は独自集会として「公務員労働者の権利と民主的公務員制度確立をめざす決起集会」を開催し、公務員賃下げ違憲訴訟の総括と新たな権利闘争の方向性を確認しました。
 集会の記念講演で、自らも代理人の一人であった尾林芳匡弁護士は公務員賃下げ違憲訴訟の意義について、以下の6点をあげました。
@ 権利侵害に対する初の国公労働者の集団訴訟で、国公労連の権威と団結を高めた。
A 各地・各分野の国公労働者が果たしている役割と生活実態、賃下げの被害を明らかにした。
B 行政訴訟としては「異例の措置」として、国側証人に証言させた。
C 政府が狙っていた減額措置の延長を阻止した。
D 日本の公務員制度に対して改めてILOに注目させ、日本政府への勧告を出させた。
E たたかいを通じて、民間も含めた多くの労働者・国民との共同が広がった。
 これを受けて、鎌田国公労連書記長は、労働基本権回復を含む労使対等3要素の拡充をめざす「新たな権利闘争」を提起しました。その中で、「国民のための行財政・司法の確立と公務員の権利確立は表裏一体、国民の理解と支持を広げることが重要」とするとともに、「労働組合組織のありようが、労働法制や労働基本権の効果に影響を与える」として、組織強化・拡大の重要性を改めて強調しました。

 
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「裁判所で働いてよかった」と思えるキャリアデザインの実現を
地連女性担当者会議・上京団交渉
 
女性の声を集めた寄せ書きを提出

集まってつながりの輪を大きく

 2月25〜26日、地連女性担当者会議及び上京団交渉を行いました。
 会議の冒頭、鳥井書記次長による「裁判所におけるキャリアデザイン」と題する学習会を行った後、国公女性協の活動報告、女性をとりまく情勢とこの間のとりくみについての基調報告を行いました。
 その後の議論では、組織課題として、各支部における「参考になるとりくみ」を中心に経験交流を行いました。女性同士で集まる場を作ることの重要性が改めて確認され、集まってつながりの輪を大きくしていく中で「寄せ書き行動」に今後もとりくんでいくことを意思統一しました。

夫婦同居ができない異動、遅い異動内示で保育園が間に合わない

 要求課題では、異動、ハラスメント、休暇制度、母性保護、女性の登用拡大といったテーマごとに、現状や課題について議論を深めました。異動については、内示時期が遅く保育園の手続に間に合わないことや、長距離通勤の現状、結婚していても同居ができない内示があること、昇任時の異動についての現状等が報告されました。また、短時間勤務やフレックスタイム制度を利用している中での問題点、生理休暇の取得率が低く申請の仕方を知らない職員がいること、出産状況調査の結果を踏まえて産前休暇を8週間にすることの必要性が確認されました。女性の採用が増えてきた中で全国的に限界が近づいている宿日直の課題については、女性部としても令状センター構想の早期実現を求める声が上がりました。
 2日目の交渉では、全国でとりくんだ「寄せ書き」(1266筆)を提出し、男女ともに健康で生き生きと働き続けられる職場の実現を求めて、当局を追及しました。

イメージできない管理業務、管理職受験は高いハードル

 登用拡大の課題について、会議では、職場において管理業務とは何かがイメージできない中で管理職受験はハードルが高い、特に事務局では係長への登用なしに管理職の選択を提示されても難しいといった声が出されました。男女ともに、両立支援制度を活用しながら、「仕事が楽しい」「裁判所で働いてよかった」と思えるよう、キャリアデザインの実現を目指すとりくみをすすめていこうと確認されました。

キャリアは自分で選ぶもの ―鳥井書記次長の講義から―

 キャリアデザインとは、キャリア(仕事の経験・経歴)について、「自らが主体となって構想し、実現していくこと」を言います。キャリアデザインでは、自分の経験や能力、そして、ありたい将来像について、自分で考えながら、自らの能力を活かすための仕事・職務の形成をすすめていくこととされ、能力や意欲を生かすために、雇主が考えなければいけないこともありますが、キーワードは“自身で選ぶ”ことです。「管理職として管理業務をやるよりも裁判の現場で当事者と関わりたい」、「司法行政の実務にずっと携わっていたい」といった思いは大切にされなければなりません。全司法もこの間、「専門能力の向上や部門別の人材育成にも力を入れること」という主張をしていますが、裁判所における任用施策は、まだまだ「管理職になりなさい」ばかりで、裁判所におけるキャリアを“自身で選ぶ”ものとはなっていません。
 裁判所において男女ともに「輝く」ためには、キャリアデザインができる制度設計を実現することが必要です。その中で自然に自身で「キャリアアップを選ぶ」人が出てくるのが理想だと思います。

 
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青年の要求で交渉。友好祭典の具体化すすめる
青年協第3回常任委員会・最高裁交渉
 
しっかり議論し、楽しく学ぶ(常任委員会)

 青年協は2月18日〜19日、第3回常任委員会と引き続く最高裁人事局総務課長交渉を行いました。常任委員会では、「青年の暮らしむきアンケート」の分析、4月新採用職員対策にむけたとりくみ、8月に開催する全国青年友好祭典の内容や財政活動についての検討、春闘期における青年協統一要求書の確立及び各地の青年部・青年対策部からの意見についての検討を行いました。

住居関係費が生活を圧迫

 昨年12月から今年1月にかけてとりくんだ「青年の暮らしむきアンケート」は、全国の青年720名から回答が得られました。生活状況については、「かなり苦しい」「やや苦しい」との回答が54・6%で、昨年から2ポイント減となりました。しかし、将来の生活設計に活かせる貯蓄の有無については、「ない」との回答が56・5%で、前年度比3・2ポイント増となっており、生活に余裕が生まれるには至っていません。青年の生活を圧迫している支出は何かについては、「住居関係費」とする回答が57・4%となっています。改善を希望する手当で最も多いのが「住居手当」(61・3%)であることとあわせて、住居手当が実態に見合っていないことが明らかとなりました。

新採用対策、青年が積極的に活躍しよう

 4月新採用職員対策については、青年協で発行している「組合加入のご案内」を改訂したほか、勧誘の計画策定には青年の意見を反映させ、支部と協力しながら青年が積極的に活躍していく方針で各支部青年部を支援していくことを確認しました。
 8月25日から26日にかけて、愛知県蒲郡市で開催する「2018全国青年友好祭典」については、初日に「体を動かす」レクリエーション、二日目に「頭を動かす」レクリエーションとして具体的に計画することを確認しました。また、財政活動(物販)を3月中に提起することが決まりました。

宿舎確保に「最大限努力」の回答

 交渉では、常任委員とオブザーバーあわせて9人が参加し、賃金課題を中心に、育成、人員、ただ働き残業根絶、宿舎等の課題について、職場実態や暮らしむきアンケートの結果をもとに当局を追及しました。各種手当の改善要求では、通勤手当について有料道路の料金分が支給されないことにより3万5千円もの持ち出しが出ていること、同居実績がない場合でも単身赴任手当が支給されるよう支給基準を緩和すること、地域手当の不公平感について発言がありました。ただ働き残業に関わっては、18時までの超勤は申請をしない風潮のある職場があること、終業後に数十分にわたり上司が仕事の話を持ち掛けるため帰るに帰れない職場があることを指摘しました。宿舎の確保について「最大限努力する」との回答があったほかは、おおむね従前の回答を維持しました。
 交渉後は本部中矢委員長を講師に、民事裁判手続のIT化や新たな組織方針などについて学習の場を持ちました。

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政府が「裁判手続等のIT化」を検討
 

「相当強いニーズがある」との認識で推進

 昨年6月、政府は「裁判に係る手続等のIT化を推進する方策について速やかに検討し、本年度中に結論を得る」(未来投資戦略2017)ことを閣議決定しました。現在、これにもとづき、内閣官房に設置された「裁判手続等のIT化検討会」(以下、「検討会」)で検討がすすめられています。
 検討会は財界等の要請もふまえ、利用者の立場から見た場合「相当に強いニーズがある」「我が国は国際的にも遅れている」との認識のもとに、裁判手続のIT化をすすめるものとなっています。

IT技術で「3つのe」を目指す

 その基本的な方向性として、民事裁判手続で次の「3つのe」を目指すとしています(図参照)。
 訴状・準備書面や証拠等の電子データによる提出や、手数料の電子納付、メールを利用した送達などの「e提出」
 テレビ会議等のさらなる活用で、直接出頭する必要のない期日を拡大する「e法廷」
 Webによる進行管理や期日調整、電子化された訴訟記録の閲覧謄写を実現する「e事件管理」
 検討会は10月30日に第1回の会合が開かれ、3月8日までに7回開催されており、3月末までに議論のとりまとめがされる見込みです。「法理論的・実務的観点は別途議論」とされており、検討会の方向性をふまえて、法務省等で検討がすすめられるものと考えられます。

これまでのIT化の総括と十分な予算確保が必要

 検討会が目指す方向の基礎になるのは、「裁判記録の電子データ化」と「通信技術の積極的な活用」ですが、これらをすすめるにあたっては、裁判所におけるこれまでのIT化の経過と総括のうえに立ち、三権の一つである司法分野に関わる国民的基盤の整備として、十分な予算を確保して行う必要があります。
 全司法のとりくみとしては、「国民のための裁判所」実現の観点とあわせて、人的・物的態勢整備、執務のあり方や職務評価等も視野に入れて、早い段階から職場の意見を反映させることが重要です。

 
 
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