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女性の声を集めた寄せ書きを提出 |
集まってつながりの輪を大きく
2月25〜26日、地連女性担当者会議及び上京団交渉を行いました。
会議の冒頭、鳥井書記次長による「裁判所におけるキャリアデザイン」と題する学習会を行った後、国公女性協の活動報告、女性をとりまく情勢とこの間のとりくみについての基調報告を行いました。
その後の議論では、組織課題として、各支部における「参考になるとりくみ」を中心に経験交流を行いました。女性同士で集まる場を作ることの重要性が改めて確認され、集まってつながりの輪を大きくしていく中で「寄せ書き行動」に今後もとりくんでいくことを意思統一しました。
夫婦同居ができない異動、遅い異動内示で保育園が間に合わない
要求課題では、異動、ハラスメント、休暇制度、母性保護、女性の登用拡大といったテーマごとに、現状や課題について議論を深めました。異動については、内示時期が遅く保育園の手続に間に合わないことや、長距離通勤の現状、結婚していても同居ができない内示があること、昇任時の異動についての現状等が報告されました。また、短時間勤務やフレックスタイム制度を利用している中での問題点、生理休暇の取得率が低く申請の仕方を知らない職員がいること、出産状況調査の結果を踏まえて産前休暇を8週間にすることの必要性が確認されました。女性の採用が増えてきた中で全国的に限界が近づいている宿日直の課題については、女性部としても令状センター構想の早期実現を求める声が上がりました。
2日目の交渉では、全国でとりくんだ「寄せ書き」(1266筆)を提出し、男女ともに健康で生き生きと働き続けられる職場の実現を求めて、当局を追及しました。
イメージできない管理業務、管理職受験は高いハードル
登用拡大の課題について、会議では、職場において管理業務とは何かがイメージできない中で管理職受験はハードルが高い、特に事務局では係長への登用なしに管理職の選択を提示されても難しいといった声が出されました。男女ともに、両立支援制度を活用しながら、「仕事が楽しい」「裁判所で働いてよかった」と思えるよう、キャリアデザインの実現を目指すとりくみをすすめていこうと確認されました。
キャリアは自分で選ぶもの ―鳥井書記次長の講義から―
キャリアデザインとは、キャリア(仕事の経験・経歴)について、「自らが主体となって構想し、実現していくこと」を言います。キャリアデザインでは、自分の経験や能力、そして、ありたい将来像について、自分で考えながら、自らの能力を活かすための仕事・職務の形成をすすめていくこととされ、能力や意欲を生かすために、雇主が考えなければいけないこともありますが、キーワードは“自身で選ぶ”ことです。「管理職として管理業務をやるよりも裁判の現場で当事者と関わりたい」、「司法行政の実務にずっと携わっていたい」といった思いは大切にされなければなりません。全司法もこの間、「専門能力の向上や部門別の人材育成にも力を入れること」という主張をしていますが、裁判所における任用施策は、まだまだ「管理職になりなさい」ばかりで、裁判所におけるキャリアを“自身で選ぶ”ものとはなっていません。
裁判所において男女ともに「輝く」ためには、キャリアデザインができる制度設計を実現することが必要です。その中で自然に自身で「キャリアアップを選ぶ」人が出てくるのが理想だと思います。
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