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  トップページ > 全司法新聞 > 2017年12月 > 2277号
 
 
全司法新聞
 
増員・昇格で最大限努力、多くの課題で前進・足がかり
2017秋年期・人事局長交渉
 
調査官育成新施策見直しを求める寄せ書きを提出

 全司法本部は12月5日、最高裁堀田人事局長と秋季年末闘争期の交渉を実施しました。
 最高裁は増員や昇格で「最大限の努力」姿勢を示すとともに、各課題で全司法の要求を受け止め、前進または足がかりとなる回答を行いました。
 交渉の冒頭、「家庭裁判所調査官の育成新施策の見直しを求める寄せ書き」482筆(12月12日現在の集約数は508筆)を提出し、職場からの意見をきちんと受け止め、引き続き「育成新施策の見直し」をすすめるよう強く要求しました。

【人員】

「最大限の努力を行っている」

 来年度予算における増員に向けては「これまで同様最大限の努力を行っている」との姿勢を示しました。一方で、国家公務員の定員を巡る情勢や事件数の動向に触れ、「次年度の増員をめぐる財政当局との折衝はこれまで以上に極めて厳しい」との認識を示しており、今後の動向を注視することが必要です。
 また、各庁の人員配置については「事件数の動向や事務処理状況等を踏まえながら、適正な人員配置に努めていきたい」と回答しました。

【超勤縮減等】

「始業前、昼休み、休日における勤務についても変わるものではない」

 超過勤務の実態把握については、「職員の健康管理の観点からは、管理職員も含めて、適切な方法により職員の勤務実態を把握することが重要である」「超過勤務を的確把握するためには、職員においても必要な超過勤務時間をきちんと申告してもらうことが重要である」としたうえで「下級裁に徹底したい」と回答しました。
 あわせて、「サービス残業や持ち帰り仕事については、あってはならない」との姿勢を示したうえで「始業前、昼休み、休日における勤務についても変わるものではない」と回答しました。
 また、超勤縮減に関わって、人事局のとりくみを最高裁内の局課で共有する中で「下級裁にも超勤削減に資する方策を伝えることができないか検討していきたい」と回答して、事務の簡素化・効率化に向けたとりくみをすすめる姿勢を強調しました。

【パワハラ防止】

第三者からの相談も可能

 パワーハラスメントの防止について、管理職員用のDVD教材を各高裁に配付することを明らかにしました。
 また、パワハラ根絶のとりくみは、セクハラ・マタハラ根絶のとりくみに劣後するものではないとし、本部からの追及を受けて、第三者から相談窓口への相談も可能であることを、交渉後の折衝で明らかにしました。

【電子速記タイプライター】

「できる限り速やかに整備」を視野に

 電子速記タイプライターの官支給については、「できる限り速やかに官側で整備することを視野に」すすめていること、仕様案(骨子)に対する意見聴取結果も参考に検討していくことを明らかにしました。

【調査官の異動】

「より具体的な支障の有無を把握」

 調査官の異動の際の意向打診については、「内示に近接した時期を含め、適宜の時期に、より具体的な支障の有無を含めた必要な事情の把握に努めていきたい」と回答したものの、全国規模での異動計画や各裁判所への配置人員が少ないことなどを理由に「具体的な庁名を明らかにした意向打診は困難」との姿勢は崩しませんでした。

【調査官の育成新施策】

引き続く「見直し」検討要求に「受け止めたい」

 育成新施策の見直しについては、「周囲と議論を重ねながら行動科学の知見を踏まえて調査事務の方法や内容を検討する姿勢で執務に臨んでおり、また、組織課題に対しても積極的にとりくんでいる」ことを根拠に「育成は概ね順調にすすんでいる」とし、実務修習の問題点も「二重の異動」の負担も理解しない回答に終始しました。
 これを受け、改めて寄せ書きを示し、引き続く検討を求めたのに対して、人事局長は「受け止めたい」と回答しました。
 任官後最初の配置については「庁規模に加えて、各庁の人的態勢も踏まえつつ、本人の家庭事情等にも一定の配慮をしながら選定しており、今後も、様々な規模の庁で勤務経験を持たせるという基本的な考え方に立った上で、各任官者の育成に相応しい庁を選定して配置していきたい」と、足がかりとなる考え方を示しました。
 なお、任官後、採用庁での研修中の宿舎貸与を認めたことは前進です。

【宿舎】

「運用基準見直し」で大きく前進、保育園のための証明も

 宿舎の貸与については、運用基準の見直しを行ったことを示し、「必要な戸数を確保するよう努めるとの最高裁のスタンスに変わりはない」と回答しました。
 運用基準の見直しについては交渉前に説明があったものですが、「家裁調査官及び行(一)技官については、常に第2類型に該当することとしたほか、(転居を伴う異動から4年を経過し)類型に該当しなくなった場合であっても、所属庁の長が適当と認める合理的な期間中は退去要請を行わないことや、被貸与者が転勤等により当該宿舎を明渡さなければならない場合において、家族入居を検討する仕組みを導入した」ものであり、大きな前進です。
 また、保育園等への入所申請で必要な場合に「入居予定である旨の証明も行うこととした」と回答しました。

【宿日直】

「要望が出されたことはきちんと受け止めたい」

 全司法が出した「宿日直制度の見直しを求める提言(令状センター構想)」については、「多角的かつ慎重に検討をすすめなければならない問題であることは理解してもらいたい」との回答にとどまりましたが、令状センター構想の早期実現に向けて検討を加速させるよう求めたのに対し、「要望が出されたことはきちんと受け止めたい」と回答しました。
 なお、裁判官の泊まり込み態勢について岡山地裁に拡大されることは前進です。

【昇格】

「引き続き最大限の努力を続けたい」

 「給与問題が職員の勤務条件の中でも最も重要な問題であることは十分に認識している」と回答し、昇格定数の獲得について「更に引き続き最大限の努力を続けていきたい」との姿勢を示しました。
 専門職5級の占有期間を限定的に延長する枠組みでの発令について、「適任者がいる場合には、同枠組みによる昇格が適切に行われるものと認識している」と回答しました。
 また、「級別定数改定をめぐる情勢はこれまでと比較にならないほど厳しい」としながらも、書記官4級・5級、調査官3・4級について、「更に引き続き最大限の努力を続けていきたい」と回答しました。
 行(二)職員の付加業務については「これまでも、職場の状況や個々の職員の執務状況等を踏まえて行ってきているものと認識しており、今後もそういった状況を丁寧に確認した上で行うなど、十分に配慮していきたい」と回答しました。

 
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現場が求める業務削減策を検討 書記官担当者会議・上京団交渉
 
書記官上京団交渉直前の様子

 11月26日〜27日、地連書記官担当者会議を開催しました。今回の会議では、テーマを@事務の簡素化・効率化と適正な人員配置、Aシステム、B書記官の育成と研修、処遇改善、C法廷をはじめとした庁舎内の安全確保、D令状センター構想と宿日直負担の軽減、E各種制度の充実に設定し、各担当者からの意見をまとめながら、交渉での追及点を整理していきました。

「適正な事務の確保」が過度に強調

 今回の会議では、特に@についての議論が活発になされました。書記官の事務の効率化については、「適正な事務の確保」が過度に強調され、現場では、事務の簡素化・効率化とは逆行するような事務の煩雑化・厳格化がすすんでいます。それに対し、現場が求める業務削減策の検討を行いました。討議の中では、事務の煩雑化が目立つ郵券処理についての簡素化策やJ・NETポータルを充実させることで効率化に資するアイデアが出されました。合わせて、連年の書記官定員削減を強行されている部署では、権利行使すら満足にできないという実態も報告されました。
 また、早朝や昼休み、休日出勤における超過勤務手当の考え方、所持品検査の対応(一義的には外部委託に馴染むものであり、それが難しいようであれば一般職が対応する)、渉外事件に関する当事者対応などについては、最高裁が発出している通達や事務連絡、全司法との交渉回答が現場で正確に伝わっていないことが報告されました。
 宿日直の負担軽減については、全司法が提言する令状センター構想を推しすすめることが必要であることを確認した上で、現在の宿日直態勢の負担感などを意見交換しました。

回答を活用し、さらなる簡素化・効率化をすすめよう

 以上のような職場実態や現場の声を踏まえ、交渉で現場の切実な声としてぶつけ、最高裁としての姿勢を確認しました。
 最高裁の回答は従前のものを超えるものはありませんでしたが、現場に浸透していない回答を改めて確認したことから、これらを活用して、書記官業務の更なる簡素化・効率化を現場からすすめていくために、地連及び支部が職場の執務実態を確認しながら当局と対応していくことが求められています。

 
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電子速記タイプライター早期の官支給実現等を要求
速記官担当者会議・上京団交渉
 

電速タイプ「手元に来るまで」着実かつ慎重なとりくみを

速記官上京団交渉
 12月3日〜4日、速記官担当者会議と上京団交渉を実施しました。
 会議では、最重点要求である電子速記タイプライターの官支給について、最高裁が調達のための具体的な仕様書の検討に入り、速記官に対して意見聴取を開始しているこを踏まえ、速記官が真に希望する仕様の機器を整備させるためにも、どういった形で最高裁へ意見を上げていくことが必要かという観点で議論がされました。
 議論の結果、小さな疑問点であっても一人一人が最高裁へ意見を伝えていくことが重要であることが確認されるとともに、来年度の概算要求において、30台を整備するための経費として3000万円という額が示されたことから、具体的な整備庁や整備後のメンテナンスについても、現場の速記官の意見・要望が反映されるようしっかり最高裁へ要求していくことで一致しました。
 また、本部速対を中心に、現場のニーズを的確に把握して最高裁へ伝えていくことも確認されました。また、私物の電子速記タイプライターの使用継続が認められるのかどうか等、まだ多くの疑問が残されていることから、それらを一つひとつ解消していくとともに、「手元に来るまで」着実かつ慎重にとりくみをすすめていくことが確認されるとともに、例年実施している養成再開署名に今年度もとりくむことで一致しました。

電速タイプ関係、立会時間の割り振り関与等も主張

 会議に引き続き行われた上京団交渉においては、最高裁から示された仕様案骨子に対して、電子速記タイプライターのキーの形状に関する点、出張用に三脚が接続できるような仕様であることや「はやとくん」システムと連動させられる仕様であることなどの具体的な要望を、最高裁に伝えました。また、購入後10年以上が経ち、今にも壊れそうな電子速記タイプライターを使用している速記官も多いことから、一日も早い官支給を切望する声も率直に届けました。
 そのほか、立会時間の割り振りに速記官が関与できない実態がまだ続いている支部の声や、必要な備品の整備といった要求も主張しました。実際の官支給に向けて、全司法本部・各地連・各支部とも連携してとりくんでいきます。

 
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要求組織は職場の対話から 全国職場会の様子(2)
 

 全司法では、職場に根ざした活動で組織の強化・拡大を目指す出発点として、11月中に全国すべての職場で職場会を開催することとしています。前号(2276号)に引き続き、各地で開かれている職場会の様子をお聞きしました。

【大分支部】

全分会で職場会を実施 一人ひとりの声を丁寧に集める

 大分支部は、現在組合員のいる分会が、本庁・杵築・佐伯・中津・日田・臼杵・別府の7分会となっています。今回の「職場における対話活動」は、本庁分会内の7つと管内分会ごとに1つずつの、計13の職場会での実施となりました。
 管内分会での職場会については、支部執行委員がオルグで出席し、意見を集約しました。
 本庁分会の各職場会には、職場長を配置しており、職場長を中心としての運営のため、活発な発言がなされていますし、分会又は支部執行委員もオブザーバーとしてフォローしています。
 大分支部では、職場会を支部交渉前に、必ず実施しており、今後も組合員一人ひとりの声を丁寧に集約していきます。

【大阪支部】

仕事の工夫や指導・配置のあり方を活発に話し合う

 11月27日(月)に大簡民事北部屋、同月29日(水)に西部屋の職場会を開催しました。24日(金)には、大阪支部の所長交渉があったことから、その報告も兼ねて開催しました。
 北部屋の職場会では、10月に異動されてきた事務官や、10月の新採用事務官を含む7人が参加されて、終始和やかな雰囲気の中で開催されました。北部屋は1〜10係まである大所帯で、係ごとに事務官の仕事も微妙に異なることもあり、お互いに仕事がスムーズに運ぶように先輩事務官や書記官がどんな工夫をしているのか、意見交換ができて有意義なものとなりました。
 西部屋の職場会では、3人が参加されて、常日頃の忙しさや事務のあり方について意見交換しました。管理職は「過誤をするな、早く帰れ」と言うが、各人の能力に見合った指導をすべきであるし、再任用職員の配置についても、大簡のような迅速に大量処理をする職場よりも、経験を活かせる職場に配置すべきでは、との意見もありました。

 
 
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