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職種担当中執を含め交渉を実施 |
全司法本部は11月6日、第2回となる最高裁和波人事局総務課長との交渉を実施しました。今回の交渉では、国民のための裁判所実現、職員制度(職種)、昇格の3課題について、職種担当の中央執行委員も参加して職場の実情を訴え、要求実現を目指しました。
【国民のための裁判所】
成年後見「必要な支援をしたい」
司法制度改革に関わって、最高裁は「職員及び職員団体の意見を踏まえながら、人的・物的な面を含めた態勢の整備を計画的に行ってきた」、「事件数の動向や事務処理状況等を常に注視し、必要な検討等を行っていく必要がある」との基本姿勢を示しました。また、家裁の態勢整備について「家事事件が増加傾向にあることは認識しており」「新たな制度施行後の事務処理状況等も踏まえながら、適正な人事配置に努めたい」と回答しました。また、成年後見に関する自治体等との連携について、指針や工程表の提示を求めたのに対し、「一律に指針や工程表を示すことは困難」としながらも、「行政府省等のとりくみ状況について随時情報提供」し、「各地の先進的なとりくみを各家裁に還元するなど必要な支援をしたい」と回答しました。
【調査官の職員制度】
「(異動の)意向打診は困難」
家裁調査官の課題では、職場の要求に照らして極めて不満な回答が相次ぎました。家裁調査官の異動政策について、最高裁は「公平性を損なわない範囲で、本人の生活環境にも十分配慮した異動が行われるよう更に検討したい」としたものの、事務官・書記官と同様に庁名を明示した意向打診を行うよう強く求めたのに対しては、全国異動を理由に、「計画段階で変動しやすく、その影響も広範囲に及ぶことから、具体的な庁名を明らかにした意向打診は困難」と回答しました。これまでは、実情調査の段階で大まかな地域のみの可否を確認されたにすぎず、全く違う地域への異動内示を受けた事例もあります。広域異動は育児をはじめ異動後の生活に大きな影響を与えますが、全国異動を理由に明確な意向打診を行わないとする回答は、職員の負担に目を向けず、家裁調査官に対し大変酷なものあり、最高裁の姿勢を疑問視せざるを得ません。
また、育成新施策についても、「概ね順調にすすんでいる」、(グループ修習について)「実務修習の質を高めることができ」「抜本的に見直すことは考えていない」、「修習計画に無理はない」「通常は超勤を行うことは少ない」、(二重の異動について)「継続的な育成の観点から有効かつ必要」との回答に終始し、現場の意見を受け止めない最高裁の姿勢が明らかになりました。
一方で、任官後の宿舎貸与について「採用庁に戻った際の宿舎貸与も含めて」「必要な見直しを早急に行っている」ことを明らかにしました。
【職員制度】
電子速記タイプ「再来年度から整備もあり得る」
電子速記タイプライターの官支給については「最も早くすすめることができれば再来年度から整備することもあり得る」とし、「必要な機能を十分精査して検討を行いたい」と回答しました。
当局の責任による書記官事務の簡素化・効率化を求めたのに対し、「あるべき事務処理態勢を構築していく」としながら「従前と比べて事務が拡充するものもある」「適正な事務を確保が目的であり理解してもらいたい」と回答し、書記官事務が増え続け負担が増している実態を直視しない姿勢が明らかとなっています。
【昇格】
「全力を尽くしていきたい」
昇格では、人件費を巡る厳しい情勢を強調し、「これまでにない厳しい状況もあり得る」としながらも、「職務に応じた適正な処遇を行い、モチベーションの維持向上を図る必要がある旨強く主張し」「年末に向けて全力を尽くしていきたい」との基本姿勢を示しました。
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