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  トップページ > 全司法新聞 > 2017年11月 > 2274号
 
 
全司法新聞
 
安心して働き続けられる職場めざして
健康安全管理を重点課題に
 

 職員の健康管理に対する関心や要求はこれまで以上に強くなっています。職員が健康で働きやすい職場環境を整備・向上させることは当局の責務であり、心身の健康の保持、増進を図るための各種施策を更に充実させていくことが求められています。

少なくない職員が健康に不安

 当局は裁判所職員健康安全管理規程に基づき、各種の健康安全管理施策を行っていますが、メンタル不全をはじめとする長期病休者は後を絶ちません。8月31日現在における一般職員の長期病休取得者数(90日以上)は、裁判所全体で92人です。一定の減少は見られるものの、業務軽減などの事後措置を受けている職員も含めれば、少なくない職員が健康不安を抱えており、依然として裁判所における健康管理の重要性は高いと言えます。
 こうした職場実態や組合員の強い要求を踏まえて、全司法は2017年秋季年末闘争において、健康安全管理を重点課題の一つに位置付け、最高裁交渉における追及を強化していきます。

ストレスチェック制度の積極的な活用を

 ストレスチェック制度は、メンタルヘルス不調を未然に防止する一次予防であるとともに、検査結果を集団ごとに集計・分析し、ストレス要因の軽減・除去を図るなど、職場環境改善に活用することが、制度の主たる目的です。そのため、全司法は特にこれを重視し、受検率の向上や受検しやすい環境整備、集団分析結果の開示や実効性のある職場環境改善を最高裁に強く求めています。
 しかし、職場からは、受検が共用のインターネット閲覧パソコンに限られていることが、受検しづらい雰囲気に繋がっているとの指摘もされ、昨年度の受検率が46%にとどまる(行政府省の平均は81・4%)など、職場で十分活用されているとは言えない状況です。また、受検率が低調であれば、正確な集団分析に至らず、ストレス要因となる職場の問題が見過ごされるおそれもあります。人事院は「全ての職員が受検することが望ましい」、「職員が安心して受検できる環境づくりに努める」としていることからも、個人端末や自宅での受検、希望による書面検査など、受検しやすい環境整備を図るとともに、制度が効果的なものとなるよう、多くの職員が積極的に活用することが必要です。
 また、職場環境改善に向けた最高裁の姿勢は積極的なものとは言えず、「職場環境改善のための新たな措置を講じることは想定していない」としています。しかし他省庁では、集団分析結果から得られた課題の抽出や管理職からのレポート提出、環境改善対策を委託業者に作成させることなど、職場環境改善に向けた具体的なとりくみが行われており、他省庁の動向と比べれば、裁判所は後れていると言わざるを得ません。

健康管理懇談会での意見を当局の施策に

 職員のニーズを踏まえた健康管理施策の充実を図るためには、職員や全司法の意見・要望を当局の施策に反映させることが特に重要です。全司法が要求して勝ち取った「健康管理懇談会」は、2003年以降、各庁で定期開催され、一定定着しています。しかし、懇談会で出された職員の意見が十分施策に反映されているとは言えない状況であり、懇談会の結果を踏まえたとりくみも、単に議事録の回覧や庁内ホームページへの掲載にとどまるなど、懇談会そのものが形骸化しているのではないかとの疑問が出されています。規程上、健康管理等について職員の意見を聴く仕組みとして懇談会が位置付けられていることを踏まえると、各支部や職場で積極的に懇談会を活用し、職場からの意見反映を図っていくことが重要です。
 なお、民間では労使協議の仕組みとして「安全衛生委員会」の設置が義務付けられており、他省庁でも労使が参画する委員会が設置されています。しかし、裁判所は頑なに労使協議機関の設置を拒んでおり、こうした点から見ても、裁判所のとりくみは、他省庁から後れていると言えます。

 
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連絡員、庁用携帯電話の整備・超勤手当の運用で足がかり
秋年期第1回人事局総務課長交渉」
 

 全司法本部は、10月23日、健康管理、評価制度・人材育成、高齢者雇用・再任用制度、採用・異動、宿日直等の課題で最高裁和波人事局総務課長と秋季年末闘争における第1回課長交渉を実施しました。

【健康管理】

ストレスチェック「できる限り多く受検が望ましい」

 ストレスチェック制度については、「職員がメンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており、できる限り多くの職員に受検してもらうことが望ましいと考えている」と回答し、この間のとりくみを説明したうえで「今後の受検の勧奨の在り方等については、今年度の運用状況も踏まえて、引き続き検討していきたい」と回答しました。
 パワハラ防止については、人事院が「各府省のとりくみを支援する」としていることをふまえ、「管理職をはじめとする職員全般に対し、今後も引き続き、知識付与及び意識啓発を図っていきたい」と回答しました。

【人事評価制度・人材育成】

ベテラン層職員「経験等を生かした能力発揮が図られるよう育成」

 人事評価制度に関わっては、「今後とも、客観性、公平性、透明性、納得性の高い制度として運用され、人材育成や執務意欲の向上に資するものとなるよう努めていきたい」との基本姿勢を維持しました。
 人材育成にかかわっては、「全ての職員について職場の実情や個々の職員の個性、資質、業務内容に応じた目標等を設定し、計画的かつ継続的にとりくむ必要があり、この点は、職員の経験年数等によって異なるものではない」と回答しました。そのうえで、「年齢を重ね経験を積んだ職員に対しては、その経験等を生かした能力発揮が図られるような育成が意識的に行われるよう、引き続きとりくみたい」と回答しました。

【宿日直等】

被疑者国選「資料提供を準備」

 令状センター構想にかかわっては、法制面や予算面、セキュリティ面等の課題や、国民や関係機関の理解が得られるのかという克服しなければならない課題をあげて「多角的かつ慎重に検討を進めなければならない問題である」と回答しました。回答を受け、検討を加速させるよう求めました。
 連絡員体制の運用にあたっては、待機義務がないことについては、「改めて各庁に対し伝えていきたい」と回答しました。また、庁用の携帯電話について「個人情報保護の観点も踏まえ、連絡係職員方式を実施している各庁が適切な事務処理態勢を構築する上で必要であれば、令状事件処理用の携帯電話の整備について対応を検討していきたい」と回答し、超勤手当について「裁判所への移動に係る時間については、この勤務には該当せず、個別具体的な業務を処理する場合において、同手当は支給されるものである」と回答しました。連絡員として登庁した場合の除雪作業や執務にあたる準備を「具体的な業務」として認めさせていくことなど、これらの回答を足がかりに各庁の運用を改善させていくことが重要です。
 なお、被疑者国選の対象事件拡大にあたり、マニュアル等の整備を求めたのに対し、「執務の参考となる資料を提供できるよう準備をすすめている」ことを明らかにしました。

【その他】

 高齢者雇用・再任用制度、採用・異動、権利については、基本的には従前の回答を維持しました。

 
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「新たな組織方針で運動のイメージづくり 全国書記長会議(10/15〜16)
 
この1年間の運動をイメージして…

 10月15日〜16日、熱海で全国書記長会議が開催されました。秋に開催する書記長会議を地連別でなく全国開催としたのは久しぶりです。
 書記長が「全体の運動を構築し、組合員を牽引する立場」であることを踏まえ、今回の書記長会議は、(1)7月の定期大会で決定された「新たな組織方針」について理解を深め、しっかりとした運動のイメージを一緒に作り上げて共有すること、(2)秋季年末闘争方針の各課題について、とりくみのポイントを確認し、要求実現のための運動を強化すること、を目的に開催しました。また、全国の仲間としっかり話し合い、イメージやアイデアを持ち帰って「すぐに具体的なとりくみを実践しよう」という決意を固め合う機会としました。

11月は、すべての職場で集まって話し合おう

 鳥井組織部長の報告では、最高裁が「職員等の意見は謙虚に聞くべきである」として全司法との誠実対応を約束した3・18見解以降も、当局との関係は組合員の数や要求の内容、運動の質といった「組織力量」に大きく左右されることが指摘され、要求実現のためにも、「組織強化・拡大」のためのより具体的なとりくみをすすめていくことの必要性が強調されました。そのうえで、今年度、(1)すべての支部で職場会の枠組みを作り、「職場における対話活動」を全司法の活動の土台にする、(2)すべての地連・支部で独自要求書を確立して、12月初旬までの交渉配置をめざす、(3)職場全体で要求を前進させる運動を進めるため、創意工夫した「独自行動」にとりくむ、(4)学習を強化し、次世代役員の育成に力を入れる、(5)組織拡大目標とスケジュールを形にして共有し実践する、ことなどが提案されました。
 11月中に、すべての職場で、組合員が集まって職場のことを話す機会がもたれます。皆さんも、自分の職場で開催されたときには必ず出席して、実情や要求を出し合ってください。また、各支部で提起されるとりくみにご協力ください。

職場諸要求実現のため12月初旬までに交渉を

 長岡書記長からは、人事院勧告・次年度概算要求・国民の権利を守り民主的な司法をめざすとりくみ・少年法改正の審議状況などの課題について、ポイントととりくみが説明されました。また、職場諸要求課題については、組織部長の提案と重ねて12月初旬までに交渉配置をし、要求実現を勝ち取っていこうとの呼びかけがありました。
 職場諸要求の課題として強調されたのが、(1)早朝・昼休み・休日の勤務時間把握に焦点をあて、サービス残業根絶をめざすこと、(2)健康管理懇談会を全司法の要求前進の機会として活用していくこと、(3)対象者の名前を挙げた昇格交渉を各支部で行うこと、(4)各支部が抱える宿日直、連絡員体制の問題点については支部で丁寧に拾い対応当局を追及するとともに、令状センター構想の早期実現に向けたとりくみを強化すること、といった点です。各課題について、これまでの到達点や全司法がまとめた主張ポイント(追及点)も活用しながら、とりくみをすすめていく必要があります。

組合員の理解、協力、応援が「力」に!

 これらの報告の後、分散会を行い、課題やとりくみについて意見交換を行いました。会議の最後に持たれた全体討論では、職場会の意義や朝ビラの効果、教宣をはじめとする活動の『見える化』の重要性について発言がなされたほか、1年の活動について参加者の決意が活発に語られました。また、書記長の責任や負担にどう向き合っていくかについても意見交換がされました。
 組合員の皆さんの理解と協力、そして応援が役員の「力」になります。活動への参加・協力を改めて呼びかけたいと思います。

 
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国連全司法の意見を届けよう
「子どもの権利条約」でカウンターレポート提出へ
 

「子どもの権利条約」でカウンターレポート提出へ

前回(2010年)のとりくみ
 1989年の第44回国連総会において採択された「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められたもので、1990年に発効しました。日本は1994年にこれを批准しています。
 条約締結国は5年ごとに報告を提出することが求められており、6月30日、日本政府は第4回・第5回にあたる政府報告書を国連に提出しました。
 国連はこうした報告書について、市民・NGOからのカウンターレポート提出を積極的に求めており、全司法は過去の政府報告書に対して、多くの市民団体等と共同でレポートを提出してきました。前回、全司法が提出したレポートは国連の正式文書に活用される到達点を築いています。

政府の認識に、現場のデータで反論

 今回の政府報告書に対しても、本部少年法対策委員会を中心に文案を作成し、現在、提出に向けた作業をすすめています。
 文案では、政府がこの間の少年法「改正」の背景として「14歳、15歳の年少少年による凶悪重大事件が後を絶たず憂慮すべき状況にあった」等と述べていることについて、統計的な数字もあげて「この認識は明らかな事実誤認である」と反論しています。そのうえで、「現在の日本においては、登校拒否・不登校や家庭への引きこもりといった非社会的な少年の問題、虐待を受ける乳幼児・児童の問題、子どもの自殺率の高さといった問題は深刻化しているが、いわゆる反社会的な傾向が強い非行少年は減少している」と主張しています。

少年法適用年齢引き下げについて問題点を指摘

 あわせて、現在検討されている少年法の適用年齢引き下げについて、「現在、日本政府は、民法における成年年齢を20歳から18歳に引き下げる法案を制定しようとしており、近い将来、少年法の適用年齢が20歳未満から18歳未満へと引き下げられる法案が提出もしくは採決され、日本の少年法制を壊滅させる可能性が極めて高くなっている」「18歳・19歳の少年非行を家庭裁判所への全件送致から外してしまうことは、歴史的に見れば、1945年以前の少年司法・矯正教育の状態に大幅に後退させ、子どもの権利を奪うことになる」と指摘しています。
 全司法が提出するレポートの内容については、11月4〜5日に開催する少年法対策会議の中で紹介し、確認することとしています。

 
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第5回全司法イラスト・コンテストの募集中!

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