全司法本部は、6月13日、諸要求貫徹闘争ヤマ場における最高裁堀田人事局長との交渉を実施しました。人員の確保、昇格の級別定数改定について、それぞれ「最大限の努力」姿勢が示されたほか、他の重点要求についても一定の到達点を築くことができました。
人員
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全支部から集約した「要請書」を提出 |
引き続き最大限の努力
次年度の増員に向けては、「国民の理解を得ていくためには、これまでどおり事務の合理化、効率化等による内部努力が不可欠」「次年度の増員を巡る財政当局との折衝はこれまで以上に厳しくなる」との認識を示しながらも、「司法需要に的確に対処し、適正迅速な裁判を実現するために必要な人員の確保について引き続き最大限の努力をしていきたい」との姿勢を示しました。
その上で、書記官については「必要な人員の確保について引き続き努力していきたい」、家裁調査官については「家庭事件全体の動向や事件処理状況等を踏まえながら、これから検討していくことになるが、必要な人的態勢の整備に向けて、引き続き努力していきたい」と回答しました。その一方、事務局への人的手当については「事務処理の簡素化、効率化が図りやすい部門であることから、こうした事務処理の簡素化、効率化という観点も踏まえて事務処理態勢を検討していく必要がある」との従前回答にとどまりました。
なお、「国家公務員の女性活躍とワーク・ライフ・バランス推進」のための定員に関わっては、「書記官及び調査官についても、育児等の事情を持つ職員が一定存在することは認識しており、(中略)、書記官及び調査官の増員についても検討している」と回答しました。
超勤縮減
事務の簡素化、効率化をこれまで以上にすすめる
「裁判所においても超過勤務の削減はますます重要な課題となっている」との認識を示し、「組織全体として超勤削減に向けて事務の簡素化、効率化に向けたとりくみをこれまで以上にすすめていきたい」と回答しました。その上で「サービス残業や持ち帰り仕事はあってはならない」「超過勤務については、的確かつ遅滞なく把握するよう今後も管理職員に対する指導を徹底するとともに、報告に対する職員の負担感への配慮の要望があったことは下級裁に伝えたい」との従前回答を維持しました。
ストレスチェック制度
受検率向上に向け工夫
ストレスチェック制度については、昨年度の運用状況を踏まえた受検率向上に向けた工夫として、「本年度は、一般的にストレスが強まると考えられている4月の異動時期にできるだけ近接した時期に受験できるように、実施期間を7月3日から同月31日までとしたほか、事務の効率化や情報セキュリティ強化の観点から、ID・初期パスワードを封書で交付する方法に変更し」たことを明らかにしました。
ハラスメント防止
当該職員の意向を十分に確認、尊重しながら対応に当たる
パワハラの苦情相談手続きに関わり「事案の内容等に応じて、最高裁が各裁判所における調査結果を確認したり、各裁判所を指導する等の対応を行っているほか、さらに必要があれば、調査等をすることもあり得る」「パワハラに限らず、職員から苦情相談があった場合には、当該職員の意向を十分に確認、尊重しながら対応に当たるよう努めて
おり、今後も同様に対応していきたい」と回答しました。
職員制度
電子速記タイプライター、できる限り速やかに官側で整備
電子速記タイプライターの官支給について「できる限り速やかに官側で整備することを視野に入れて調達に向けて検討中」とした上、「仕様については、速記官の意見を聴きながら検討していく予定である。職員団体についても、要望があれば申し出てもらって差し支えない」と回答しました。
家裁調査官の育成新施策に関わっては、「特に任官後の小規模庁配置が昨年度末でちょうど3年が経過したことから、その育成等の状況を適切に把握した上で、本年4月の任官者の配置後の状況も踏まえ、引き続き必要な検討を行っていきたい」と回答しました。
宿舎
運用基準、緩和する方向で検討
「転居を伴う異動に当たっては、必要な戸数を確保するよう努める」とした上で、宿舎貸与に関する運用基準について「緩和する方向で見直せないか検討中」と回答しました。また、類型該当者の宿舎確保に関わって「家裁調査官や営繕技官については、常に第2類型(頻度高く転居を伴う転勤等をしなくてはならない職員)に該当する余地がな
いか前向きに検討中である」と回答しました。
昇格
定数改定に最大限努力
「来年度予算における級別定数改定を巡る情勢は全く予断を許さない」との認識を示す一方、「各職種の職責や役割等を念頭において、職員の勤務条件にも配慮しながら、最大限の努力をしていきたい」と回答しました。
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