要求実現に向けて、すべての機関で交渉を
秋季年末闘争では、来年4月の人員配置、異動、昇任・昇格等の発令など、職場の切実な要求を実現に結びつけるためにも、地連・支部・分会をはじめ、青年部・女性部など全ての機関が主体的に、職場に根ざしたとりくみを行うことが不可欠です。諸要求貫徹闘争期にとりくんだ「職場総点検・要求組織運動」で出された職場の意見・要求をもとに独自要求書を確立し、その実現や解決に向けた創意工夫あるとりくみを職場ぐるみで展開すること、とりわけ、全ての機関で交渉を実施し、当局を追及して要求の前進をめざすことが重要です。
本部では、最高裁交渉や職種(事務官、調査官、書記官、速記官)上京団交渉を行い、2017年度裁判所予算案の確定期に向けたとりくみを強化します。
「国民のための裁判所」実現に人的態勢が必要
事件の一層の複雑・困難化と事務処理の質的・量的な高まりに伴い職場の繁忙度が増しています。成年後見事件をはじめとする家事事件が依然増加傾向にあり、頻発する後見人による不正事案への対応も相まって、繁忙状況が続いています。この間一定の人的手当が行われているものの、抜本的な繁忙解消には至っておらず、成年後見制度利用促進法の施行に伴う事件増が予想されることからも、家裁職場からは更なる人的手当を求められています。
地簡裁では、社会経済情勢の変化等を背景に、民事事件が一層複雑・困難化し、より高い専門性を求められています。地裁刑事事件や医療観察事件が増加傾向となっているほか、社会的に注目を集める訴訟が相次ぎ、事件処理に当たっての適正・迅速化の要請も強まっています。この間、家裁への人員シフト元となった職場も多く、「これ以上の減員は限界」との声が強まっており、事件部の充実に向けた大幅増員が求められています。また、全国的に独立簡裁の2人庁化が広がっており、大規模庁への人員シフトがすすめられる中で地方の中小規模庁が受け皿となっている実態も明らかとなっています。「国民のための裁判所」実現の観点からも、小規模庁や独簡の人的態勢整備を求めていくことが必要です。
事務局においても、改修工事等を担う会計課をはじめ、総務課、人事課においても、依然高い繁忙状況にあり、当局の責任により、事務処理の簡素化・効率化を図らせることは喫緊の課題となっています。
サービス残業根絶、異動、昇格など実現に力尽くす
職場の繁忙状況が続くもと、長時間過密労働が恒常化し、サービス残業が依然として存在しています。各級機関において、超過勤務やサービス残業の実態を把握し、超勤縮減とサービス残業の根絶に向けて各庁当局を追及していく必要があります。
また、家庭事情やライフサイクルに配慮した異動計画の策定や切実な異動要求の実現を求めるとともに、昇格に関わっては各地連・支部が昇格要求者名簿を作成し、個別具体的な発令を当局に求めていくことが大切です。こうした一人ひとりの要求を大切にし、その実現に向けて力を尽くすことが、全司法に対する職場からの求心力の高まりへと繋がっていきます。
この他、「フレックスタイム制」や「ストレスチェック制度」など新たな制度の運用の検証・改善が求められるとともに、様々な問題を抱えるITの課題など、職場実態や職場で生じた問題をつぶさにとらえ、各級機関がその解決に向けて下級裁当局を追及していくことが重要です。
憲法を守り活かす運動とともに
安倍政権は衆参両院で3分の2の議席を獲得したことを受けて、改憲に一層の意欲を示し、秋の臨時国会から憲法審査会での改憲議論をすすめる意向を示しています。南スーダンへの自衛隊派遣や「駆けつけ警護」など、昨年成立した戦争法が本格的な運用段階に入ろうとしているもと、憲法を守り活かし、戦争法廃止を求める国民的な運動に強く結集していくことが求められています。また、「公務員賃下げ違憲訴訟」の控訴審は、12月5日に判決を迎えます。判決日には原告団会議を開催し、今後のたたかいの方向性について意思統一します。同時に、訴訟提起により給与減額を2年で終わらせたことなど、本件訴訟の意義や運動の到達点を、改めて職場で共有していくことが大切です。

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