情勢
国民的運動への参加を
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総括答弁する阿部書記長 |
安倍政権が狙う、自民党の憲法改正草案をベースとした改憲の危険性が代議員からの発言で指摘された。安倍首相は、参議院選挙で改憲勢力が3分の2を占めるや否や、選挙期間中は一切触れることのなかった改憲に意欲を見せている。国民を騙し討ちしたものと言わざるを得ず、国民が安倍政権に憲法改正を「白紙委任」したものではないことは指摘しておきたい。一方で、安保法制の審議を契機に高揚した市民運動は大きな発展を遂げている。安倍政権の暴走を許さないとするこの国の民主主義が市民レベルで鍛えられ、政治を動かす力にまで発展している。この国が、主権者たる国民の声を反映した「平和と民主主義を守り抜く」国になるのか、「戦争へと突き進む」国になるのか、重大な岐路に立たされている現局面において、私たちも職場や生活を守り、憲法尊重擁護義務を負う国家公務員の労働組合の一員として、憲法改悪を許さない運動に積極的に参加していくことが重要である。
アベノミクスの問題点についても発言があった。安倍政権は「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざすとして、労働者保護のための様々な規制を取り払い、雇用と労働条件の悪化をすすめ、労働者を安上がりに使うための労働法制の改悪を狙っている。現在、多くの労働者が不安定な雇用と労働条件、低賃金に置かれ、貧困と格差は加速度的に広がっている。こうした状況を打破していくためには、財界・大企業本位の財政運営・経済対策から、大企業の横暴を規制し、大企業の莫大な内部留保を社会的に還元させていくこと、また、労働者の働くルールを守るとりくみへの結集を強め、国民的な運動を高めるとともに、誰もが安心して働き続けられる社会の実現を求めていくことが重要である。
震災復興支援
被災者の気持ちに寄り添った復興・支援を
熊本地震発生後の状況及び現在までの復興状況、全司法がとりくんだ熊本地震支援カンパへのお礼が、熊本支部の代議員から述べられた。また、岩手、宮城の代議員からは、東日本大震災から5年経過した現在の問題や課題が述べられた。早急な被災地の復興と被災者本位の支援に向けて、被災者の気持ちに寄り添いながら、私たちにできる支援を実行していく必要がある。
全司法大運動
貴重な到達点、素晴らしさをアピールして
これまでの枠にとどまることなく、職場内の署名をはじめ、外部団体や地域にも足を運び、国会議員への要請も積極的に行いながら、署名数の増加と国民世論の形成をめざしてとりくみをすすめていくことを確認したい。
長年のとりくみが法務委員を中心とした国会議員の理解と共感につながり、多くの紹介議員を得ることにつながっている。請願採択は狭き門であり、その中で貴重な到達点を勝ち取っている全司法大運動の素晴らしさをもっとアピールし、署名の上積みを含めたとりくみの強化を図っていこう。
職場諸要求
秋は地連・支部での奮闘を
必要な人員を勝ち取れるのかは、これからの秋のとりくみでの地連・支部の奮闘にかかっている。職場実態を丁寧に訴えながら、必要な人員配置や増員を求めていってもらいたい。
人員が十分手当されず職場が繁忙となり、人間関係も希薄となる中、健康を害する職員も後を絶たない。労働組合として、職場でお互いの顔が見える活動を意識して行い、いつでも気軽に相談できる関係を作ることが大切である。先日導入が決まったストレスチェック制度についても、実効性あるものとなるよう、追及を強めていきたい。
ITの課題では、MINTASやSEABIS、J・NETポータルに関わる問題や家事事件処理のための新たなシステム構築の要望、導入スケジュールの問題や各種問い合わせに対する最高裁の対応など、様々な問題が指摘された。職場から寄せられる様々な問題や要求について、一つひとつ解決を図っていく立場から、最高裁への追及を強めていきたい。
男女問わずワーク・ライフ・バランスを実現していくために、超勤縮減をすすめることや「フレックスタイム制」を有効活用することは、今後意識してとりくんでいくべき重要な課題である。当局が主体的に実効性ある超勤縮減策を講じるよう、職場からの追及の強化を要請していきたい。
昇格については、人事評価制度が導入されていることを踏まえ、早い時期から個別具体的に重点要求者を挙げ、当局に昇格時期を意識した運用をさせていくことが重要である。各級機関で、昇格実現のとりくみの再構築をめざしていこう。
少年法
弁護士会との協力・共同を
少年法の適用年齢引き下げの問題をめぐって、複数の支部の代議員から、弁護士会などとタイアップしたとりくみが報告された。全国全ての単位弁護士会で自民党特命委員会「提言」に反対する決議を上げていることを踏まえ、地連・支部で弁護士会との協力・共同を模索していってもらいたい。本部からも、各単位弁護士会の窓口紹介や資料整備、各級機関への情報提供などサポートに努めていきながら、これまで少年法が果たして来た役割を再認識し、とりくみを強めていきたい。
組織
全ての期間が新しい仲間づくりに努力を
執行委員会や職場大会の運営上の工夫、教宣活動の重要性、要求実現にまじめにとりくみ新たな加入が得られた経験など、「日常活動の充実・強化」の実践に向け、多くの代議員から発言があった。引き続き、全ての支部で、日常活動の充実・強化に向け、できるところから手をつけていくことを確認し合いたい。
厳しい組織実態の中で、今後検討すべき課題もあり、様々な困難も伴うが、全司法の存在をアピールし、職場に根差したとりくみを続けていくことが重要である。全ての機関が同じ思いで新しい仲間づくりに努力を尽くしていくことを意思統一したい。全司法結成70周年を迎えるこの年に、全司法が果たして来た役割、勝ち取ってきた要求に一人ひとりが自信と確信を持ち、運動の発展と要求の前進、組織強化・組合員拡大に向けて、全ての機関が大きく躍動する、そのような1年にしていこう。 |