人員の確保、耐震改修の予算確保、級別定数改定 「最大限の努力」姿勢示す 最高裁人事局長交渉 |
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全支部から集約した「要請書」を提出 |
全司法本部は、6月14日、最高裁堀田人事局長との間で、交渉を実施しました。人員の確保、2012(平成24)年度補正予算で庁舎の耐震改修が執行未了となった案件の予算確保、来年度予算における級別定数改定に対し、それぞれ「最大限の努力」の姿勢が示されました。
人員
引き続き最大限の努力
人事局長は、「社会状況をも見極めながら多種多様な要因を総合的に考慮し、司法需要に的確に対処し、適正迅速な裁判を実現するために必要な人員の確保について引き続き最大限の努力をしていきたい」と回答しました。
また、書記官の増員については「必要な人員の確保について引き続き努力していきたい」、家裁調査官の増員については「家庭事件全体の動向や事件処理状況等を踏まえながら、これから検討していくことになるが、必要な人的態勢の整備に向けて、引き続き努力していきたい」とそれぞれ回答しました。
事務局への人的手当については「事務処理の簡素化、効率化が図りやすい部門であるところから、第一次的にはこうした事務の簡素化、効率化という観点も踏まえて事務処理態勢を検討していく必要があると考えている」と回答するにとどまりました。
ストレスチェック制度
制度趣旨に則った運用行う
「裁判所におけるストレスチェック制度の実施に関する基本方針」で示されている基本的な考え方の中で、「検査の結果を集団ごとに集計・分析し、職場におけるストレス要因を評価し、当該集団の職員の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講ずるよう努めることにより、ストレス要因そのものの低減を図る」ことがストレスチェックの目的とされていることを踏まえ、集団分析結果に基づく職場環境の改善を実効性のあるものとすることを要求しました。これに対し、人事局長は「制度の趣旨に則った運用をしていきたい」と回答しました。また、「人事院や行政府省等の状況や各庁の実情等を踏まえ、ストレスチェックの実施に必要な予算は確保することができた」と回答しました。
IT情報システム化
システムの安定稼働に努力
MINTASを含む各業務系システムについて、「迅速かつ必要な対応を行うことで、職員の裁判業務に影響を与えることなく安定的に稼働できるよう、引き続き努力していきたい」と回答しました。
MINTASのログオフまでの時間が短いこと等を指摘し改善を求めたところ、「セッションの時間が60分間であることは、MINTASの「お知らせ」や「よくある質問と回答」(FAQ)に掲載するなどの方法により、利用する職員に対してお知らせすることとしたい」、「情報システムにおける適正なアクセス権の制御・管理やセキュリティの観点を踏まえつつ、サーバに与える影響、利用する職員の利用しやすさ等を総合的に考慮し、引き続き検討していくこととしたい」と回答しました。
職員制度
「はやと」日本語ソフトインストール許可を検討
「電子速記タイプライターを官支給するつもりはない」との回答があった一方で、「はやとくん」システム関連ソフト(バージョンアップされたOSで稼働する日本語ソフト)の新たなインストール許可及びフット式スイッチを継続して利用できる環境整備については、いずれも「使用できる方向で検討したい」と回答しました。
家裁調査官の異動については「本人の生活環境にも十分配慮した異動が行えるよう、更に検討を重ねていきたい」と回答しました。
看護師の高裁ブロック研修については「各高裁の判断に基づいて行われるものであるが、最高裁においても、看護師に対するブロック研修が適時に行われるよう実施状況の把握に努めていきたい」と回答しました。
庁舎
補正予算の未執行案件
予算確保に最大限努力
老朽・狭あい庁舎の新営・増築・修繕については、「必要性・緊急性の度合いや当事者の利便を考慮しながら必要な予算を確保していきたいと考えている」と回答した上で、「特に、2012(平成24)年度補正予算で庁舎の耐震改修が執行未了となった案件については、必要な予算の確保に向けて最大限努力していきたい」と回答しました。
昇格
定数改定に最大限の努力
「来年度予算における級別定数改定をめぐる情勢は全く予断を許さないと言わざるを得ないが、各職種の職責や役割等を念頭において、職員の勤務条件にも配慮しながら、最大限の努力をしていきたいと考えている」と回答しました。
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