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  トップページ > 全司法新聞 > 2016年3月 > 2236号
 
 
全司法新聞
 
裁判所の「フレックスタイム制」全司法の要求ふまえ提案
育児・介護等の柔軟運用で課題も

 最高裁は2月17日、裁判所における「フレックスタイム制」の運用について検討状況を明らかにしました。全司法は1月6日に「『フレックスタイム制』の導入及び運用に関する要求書」を最高裁に提出し、これをふまえた運用の検討と、誠実な対応を求めています。

1日の勤務時間を7時間45分で固定


 「一般の職員の運用イメージ」では、1日の勤務時間数は原則7時間45分に固定、コアタイムを10時〜15時45分の5時間、フレキシブルタイムは始業時間と終業時間を各15分刻みに4段階で設定することで、最大1時間の時差出勤と同様の効果が得られる枠組みとなっています。割振単位は4週間とされ、一週間の全ての勤務日が同じ始業・終業時間となる枠組みです。
 全司法はこれまで、勤務時間は職員一人ひとりの重要な労働条件であることを踏まえつつ、安定的な公務遂行や司法サービスの維持・充実の観点及び職員の生活等への負担等の観点から、「現行の勤務時間から大きく逸脱しないものとすること」や、「全ての庁で時差出勤と同様の効果が得られるよう設定すること」などを要求してきました。最高裁は「司法サービスへの影響が生じないよう十分に配慮する必要がある」とし、「(時差出勤の)遅出型に類似した運用の大枠を検討している」と回答しており、全司法の要求をふまえた検討姿勢を示しています。加えて、4パターンの運用例を提示・選択する運用は、全司法の要求に一定応えたものです。

「育児・介護を行う職員」は柔軟に


 「育児又は介護を行う職員の運用イメージ」では、一般の職員とは異なり、割振単位を1週間とし、曜日によって異なる勤務時間の設定などが可能な枠組みとしています。コアタイムも10時〜15時15分の4時間30分とし、フレキシブルタイムは始業時間を8時から設定するなど、一般の職員より幅のある枠組みとなっています。「育児又は介護等の家庭事情を有する職員に対してはより柔軟な勤務時間の割振りとなるよう配慮」とした、全司法の要求が一定反映されたものといえます。
 一方、「育児・介護型」にあてはまらない個別事情等を有する職員についても、それぞれの事情に沿った柔軟な運用が必要です。また、「育児・介護型」においては人事院勧告にはあった土・日に加えて1日の週休日設定がなされていないことから、更に柔軟な制度設計が求められます。

適用は申告制、強制されない


 「フレックスタイム制」は原則として全ての職員が対象となりますが、適用は申告に基づくことから、強制されるものではありません。しかし、行(二)職員については、申告できない場合もあり得るとしています。個別の事情に応じて権利行使できる運用が必要であり、一律に適用除外とすることは問題です。

これを機に、超勤縮減と「サービス残業」根絶を


 全司法はこの機会に改めて実効ある超勤縮減策や早朝・昼休みを含めたサービス残業の根絶を求めています。当局の責任による勤務時間管理を徹底させるとともに、職場が手薄になる場合も予想され、業務量に見合う適正な人員配置を求めていくことも重要です。
 この他、独簡をはじめ小規模庁での取扱いや冷暖房の運転時間など、各庁の実情に応じて検討される事項も多く含まれています。職場からの丁寧な意見集約と当局への意見反映を行いながら、安定的な運用がはかられるようとりくむことが必要です。

 
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共済組合・骨子運審が開かれる 医療費負担の削減が課題
 

 2月9日(火)、次年度共済組合の事業計画の骨格を審議する骨子運営審議会が開催されました。全司法からは4名の運審委員(東京地裁・田中、神戸・三木、岡山・落合、愛媛・宮本。本部・井上委員は病欠)と長岡監査員(本部)が出席しました。

短期掛金維持、ジェネリック医薬品利用促進すすめる


 冒頭に共済組合本部より次年度の事業計画骨子案について、(1)短期掛金率(38・56‰)を維持する、(2)財務省の基準に基づき介護掛金率を4・80‰に引き上げる(現行4・74‰)、(3)レセプト管理・分析システムを整備するとともに、特定健康診断結果と統合分析する「データヘルス計画」を次年度中に策定する、(4)本年4月より総研分室診療所において火曜の月2回診療を休止するとともに、高松支部診療所を休止することなどの提案がありました。
 これを受けて、田中委員から全司法推薦の委員が提出した要望書に基づき、次年度事業計画及び予算に関する要望説明を行いました。説明事項は、(1)短期給付については、高齢者医療制度における総報酬割への完全移行に伴った負担増の問題、(2)厚生年金統合による制度の習熟不足等による将来不安の増大、(3)福祉事業におけるサービスの拡充と福利厚生パッケージの地域格差是正及び宣伝の充実など、限られた予算の有用活用のため議論を尽くす必要がある旨の発言を行いました。
 短期掛金の今後の見通しは、本年4月から標準報酬の上限引上げを行うことで収入面の増収を見込まれますが、高齢者医療制度への拠出金の増加が見込まれる中、依然として厳しい状況にあり、医療費負担の削減をすすめつつ、今後も注視する必要があります。また医療費削減に向けてはジェネリック医薬品の利用促進が求められ、通知事業の成果も分析をすすめることとしています。

厚生年金の分かりやすい情報提供を検討


 また、厚生年金一元化に伴い、分かりやすい情報提供が求められています。職員端末からKKRのホームページへのアクセスが制限されるもと、共済本部では現行のホームページの改修を本年度に行うこととしており、その中で検討していくことを明らかにしました。
 福利厚生では、東京ディズニーリゾートのマジックキングダムクラブの終了に伴い、パッケージサービス(次年度もベネフィットと契約)の利用に補助金を支出することとし、新たにベビーシッターサービスの利用でも同様の取扱いを行うことを明らかにしました。パッケージサービスについては引き続き地域間格差の解消が求められます。
 次年度事業計画の骨子は審議を経て了承されました。また、運審委員の支部視察を、次年度は5支部(新潟・和歌山・松江・熊本・秋田)で実施することを決定しました。

解説

労使同数で議論
 共済組合を運営する根拠となる国家公務員共済組合法によると、適正な運営に資するため省庁ごとに運営審議会を設置し(9条1項)、事業計画や予算決算は運営審議会の議を経る必要がある(10条)としています。「運営審議会」は、共済本部が作成した事業計画案を、議論をして、計画を確立させる役割を担っています。
 裁判所共済組合運営審議会の委員は10名で構成されており、諸先輩の努力によって1978年から事務主管者側委員と全司法推薦の組合員代表委員が各5名ずつの同数となっています。労使同数の委員を出していることで、これまで様々な要求を実現し、改悪に歯止めをかけてきました。
 省庁ごとに運営審議会が設置されていますが、労使同数の委員構成になっている省庁は少数です。

 
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自分たちの活動に自信を持って 東京地連組織部長会議

プランニングシート、「作りながら実践」が重要


分散会で率直に意見交換
 東京地連では2月13日に全支部参加で支部組織部長会議を開催しました。東京地連では、地連春闘方針で、(1)4月期新採用職員の全員加入、(2)異動連絡書の徹底、(3)4月以降の支部執行部の体制維持、の3点を基本方針として確立しました。支部組織部長会議では、この方針の意思統一と具体化の議論を中心に進行しました。
 会議では、冒頭の大杉委員長からのあいさつの後、本部長岡書記次長(組織部長)からのオルグがありました。オルグでは、直近の厳しい組織状況を率直に受け止めた上で、それでも、昨年の全国大会から組合員数を維持・増加している支部があること、これらの支部は教宣紙の定期発行をはじめとする日常活動の充実にとりくんできたこと、組織課題で苦戦している支部も「これまでどおり」から「一歩踏み出す」活動を実践するとともに、4月期新採用職員の全員加入が組合員数を増勢に転じさせるための必須条件である、との話がありました。
 また、目前に迫った4月(新しい職員の採用や異動による職場の大きな変化)に向けて、本部が提起するプランニングシートの作成・実践・見直し・修正が重要であり、プランニングシートを作りながら実践することで執行部だけでなく協力してもらえる組合員も含めてみんなでとりくむことが強調されました。
 最後に「自信を持って」「これまでのとりくみを漫然と行っていないか考えよう」「全体で確認したことは必ず実行しよう」の3点が呼びかけられました。

役員をすることで、職員として成長できる


 本部オルグを受けて地連から、(1)春闘期の全支部オルグの実施、(2)プランニングシートを踏まえたスケジュール・期限の徹底、(3)女性組合員の昼食会に対する財政補助などの具体策を報告しました。
 その後、分散会形式で、同じような課題を抱える支部が課題や悩みを出し合い、本部や地連からアドバイスをする形で討議を進めました。参加した各支部の組織部長から、日常活動について「役員をすることで、職員として成長できることに気づいた。この経験を広げていきたい」との意見が出されたり、新採用職員の拡大について「これまでは働きかける私たちの側の腰が引けていた。今年は自分たちの活動に自信を持って、思い切って加入を呼びかけたい」との決意が語られました。
 
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全ての労働者の賃上げ目指して トヨタ総行動

内部留保の還元を!


総行動に参加した全司法の仲間
 2月11日、全司法愛知支部はトヨタ総行動に参加しました。
 トヨタ総行動とは、日本を代表する企業であるトヨタ自動車に社会的責任を果たすよう求め、「内部留保」を従業員や下請け企業に還元することで、全ての労働者の賃上げを目指すための運動です。
 民間企業の賃上げ運動をなぜ公務員が行うのかと疑問に思う方もいるかもしれませんが、我々公務員の賃金は民間企業の従業員との比較による人事院勧告に基いて決定されるため、民間企業の賃金が上がれば公務員の賃金も上がるという構造になっているからです。
 さて、今年のトヨタ総行動は午前と午後で別々の場所で活動を行いました。
 午前は名古屋駅西口で愛知国公加盟単組が集結し、トヨタ総行動の意義が書かれたビラを通行人に配布するとともに、職場実態を訴えました。私たち全司法も国民に利用しやすい裁判所を実現するためには裁判所の予算拡充や人的・物的充実が必要だとアピールしました。

参加規模の大きさに驚く


 午後からはトヨタ本社までデモ行進しました。本社近くの公園には集会に参加するため様々な団体の旗やのぼりを持った人が集まっていましたが、愛知だけでなく北陸や静岡から参加している人たちもいて、規模の大きさに驚きました。
 今年のトヨタ総行動は愛知支部の組合員のみならず、本部の阿部書記長、長岡書記次長をはじめ全司法の近隣支部からの参加もあり、私たちの活動が全国で繋がっていると思うとうれしく思いました。
 私たちの賃金が上がることも重要ですが、そのためにも国民全体のことも考える必要があると思います。その意味でもこの行動は大変有意義なものでした。

(愛知支部・丹羽秀徳)

 
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この春に退職を迎えられる組合員のみなさんへ
 
全司法中央執行委員長 中矢正晴
 退職されるみなさん。
 この春は、みなさんの職場生活において「一区切り」となりますが、これまで裁判所の職場を支えていただいたこと、全司法の活動にご協力いただいたことに、心からお礼を申し上げます。
 とりわけ、退職や再任用終了で職場を去られるみなさんについては、長い間、本当にお疲れ様でした。
 お元気で、充実した第二の人生を歩まれることを祈念するとともに、引き続き、退職者の会の活動や「全司法新聞」の購読等を通して、みなさん同士が相互につながるとともに、私たち職場の後輩ともつながっていただくことをお願いいたします。

引き続き、職場で「核となる組合員」として


 再任用の組合員のみなさんは、4月以降も組合員であることに変わりはありません。
 今年の退職者からは、年金支給開始年齢が62歳からに繰り延べられます。私たちは2011年に人事院が意見の申し出を行ったとおり、定年延長を実施するよう求めてきましたが、政府はこれを受け入れず、引き続き「再任用」で対応することになりました。しかも、理屈上は「義務的」ということになっていますが、ほとんどの行政府省でフルタイムの再任用が実現しておらず、全司法が勝ち取った「原則として希望者全員が、フルタイムで勤務できる」ことは貴重な到達点になっています。給与面でも「現役時」との落差はおおいに不満なところですが、それでも行政府省と比較して相当、有利なものとなっています。
 再任用の処遇については昨年4月から月例給が1100円引き上げられ、単身赴任手当や新幹線による通勤手当等も一部改善がありました。今後も引き続き、再任用の処遇改善や配置部署の要望など、全司法としても再任用職員に関する要求実現に向けて積極的にとりくんでいきたいと思います。
 再任用のみなさんには、これまでに得た知識や経験を活用していただき、仕事のうえで「管理職ではできない後輩へのきめ細かな助言」を行うとともに、「全司法組織強化拡大プロジェクト」が打ち出している「核となる組合員」として、職場から全司法の活動を支えていただくことをお願いします。
 
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退職者の会にぜひ、加入しましょう!
 
全司法で、より良い環境づくりを
 3月に退職される皆様、長い裁判所生活、たいへんご苦労様でした。多くの方は再任用となるでしょうが、裁判所側は退職金も支払い「退職者」です。勤務先も変わり、労働条件も変わるでしょう。全司法労働組合に引き続き入り、また、改めて入って、仲間とともにより良い環境づくりに手を貸していただけますようご期待申しあげます。

再任用でも「退職者の会」に加入できます
 同時に「裁判所退職者の会全国連合会(略称・裁退連=35年の歴史を持ちます)」に加入されることを、切におすすめします。
 退職後は、医療・年金・介護、近所づきあい、今後の生活など戸惑うことが多くなります。退職者の会は一人ぼっちにならない、困りごとは相談し合う、二〜三か月に一回は親睦行事をやる、仲間の消息を知らせ合う組織です。
 再任用者は準会員として会費は無料、各会に直接加入は年額2500円前後です。いずれもニュース(会報)は直送します。
 当該労働組合支部や「会」からのお誘いに、ぜひ前向きにお応え下さい。みなさんの加入歓迎いたします。
裁退連会長 石山光信
 (石山さんは2月20日にご逝去されました。謹んでご冥福をお祈りします。)
 
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