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全司法新聞
 
16春闘 憲法と暮らしをまもる国民的運動で、大幅賃上げと雇用の安定を
宣伝行動で大幅賃上げをアピール

 戦争法の強行成立や労働者派遣法の改悪など、平和や私たちの暮らし・雇用を脅かす安倍政権の暴走政治が続く一方、これを批判し、「立憲主義・民主主義を守れ」「良質な雇用と労働の確保を」との共通の要求で、国民的運動が大きな盛り上がりを見せています。全司法は、1月24〜25日の第76回中央委員会で春闘方針を確立し、大幅賃上げや雇用の安定等に向けたとりくみを国民的運動の中に位置付けて展開し、要求前進をめざします。

大幅賃上げをめざし全員参加型の運動を

 戦争法やTPPで国民の批判を浴びた安倍政権は、その目先をそらすかのように新3本の矢((1)GDP600兆円、(2)介護離職ゼロ、(3)出生率1・8)を打ち出し、「一億総活躍社会」の実現をめざすとしています。しかし、真っ先に掲げられたのは私たち国民の生活を潤す政策ではなく、さらなる法人税の減税でした。これは、「アベノミクス」と称して実施されてきた経済政策や、過去にも消費税増税と法人税減税がセットで実施されてきたこと等と同じく、財界の要請に従って行われたものです。安倍首相は「大企業が儲かれば、いずれそのおこぼれが労働者にも回ってくる」とのトリクルダウン理論を主張してきましたが、これまで労働者におこぼれが回ってくるどころか、却って労働者の実質賃金は下がり続け、不況を脱出できない状況を生み出しています。その一方で、大企業の莫大な儲けは内部留保として溜め込まれ、資本金10億円以上の大企業の内部留保は、現在では301・6兆円にものぼっています。「アベノミクス」の破綻はもはや明白な事実です。労働者・国民の生活改善をはじめ、日本経済を立て直すためにも、大企業の莫大な内部留保を活用して賃金を引き上げるとともに、国民的な運動を盛り上げ、国民本位の経済政策への転換をはからせていくことが必要不可欠です。
 昨年の春闘では、大企業を中心に2%台の賃上げにとどまるなど不十分ではあったものの、2年連続でベア獲得を実現しました。16春闘では、賃上げの流れを断ち切ることなく、大幅賃上げを実現し実質賃金の低下に歯止めをかけ、労働者・国民の生活を改善することが最大の課題です。国公労連は、今春闘で月額平均2万円以上(4・9%)の統一賃上げ要求を掲げています。庶民の懐を圧迫する来年4月の消費税増税の中止とあわせて大幅賃上げをめざしながら、全組合員参加型の春闘をめざしていくことが求められます。

戦争法「廃止」をめざし世論を広げるとりくみを

 第189通常国会における戦争法の審議の過程では、立憲主義を否定し、法の支配を根底から覆そうとする安倍首相の独裁者的な態度が鮮明になるとともに、その姿は安倍政権に対する批判へと変化・発展し、労働組合だけでなく、様々な年代・層の市民が戦争法「反対」の一点で共同し、国民的な運動を大きく盛り上げてきました。戦争法は昨年9月19日に強行採決されましたが、これに反対・抗議する国民的な運動は今もなお広がりを見せ、夏の参議院選挙を見据え、戦争法に賛成した議員の落選運動や日本共産党が提起した「国民連合政府」の呼びかけ、総がかり行動実行委員会参加団体による「市民連合」の誕生など、戦争法「廃止」の一点で幅広い共同のとりくみの模索が続いています。私たち全司法も、憲法尊重擁護義務を負った国家公務員として、また、法律に関わる仕事をしている裁判所職員で組織する労働組合として、さらには、組合員とその家族の生命と生活を守るため、憲法違反の戦争法を決して認めるわけにはいきません。引き続き、戦争法「廃止」に向けた運動に積極的に結集していくことが求められます。
 とりわけ、総がかり行動実行委員会が提起し、全国で2000万筆の集約をめざす「戦争法の廃止を求める統一署名」を、「まもろう憲法・国公大運動」の当面する運動の重点に位置付けてとりくみます。「再び戦争の奉仕者にならない」の合言葉のもと、1人10筆の集約目標を掲げ、当面の目標として、3月末までに組合員とその家族等から1人5筆以上の集約達成をめざします。また、4月以降は街頭署名や他団体要請など、地域に足を踏み出し世論を広げるとりくみを、職場から全力を挙げて展開します。

山積する課題の解決をめざし要求実現と組織の強化・拡大を

 職場諸要求の課題では、4月の人員配置や昇格発令に加えて、裁判所への「フレックスタイム制」の導入、職員貸与PCのインターネットからの分離に伴う閲覧用PC及びネット環境の整備、事件処理に多大な支障を及ぼしているMINTASの不具合の早期解消と安定的稼働、ストレスチェック制度の導入に伴う全司法や職場からの意見聴取の仕組みづくりなど、課題が山積しています。これに加え、マイナンバー制度の施行により、個人情報の漏洩防止対策や業務上知り得たマイナンバーの適切な管理等の要請から、事件部、事務局ともに神経を使う作業が生じ、それに起因する業務量の増大も予想されます。こうした観点から、業務量に見合った人員の確保と実効性のある超勤縮減対策をさらにすすめていくことも、喫緊の重要課題として位置付けられます。
 これまでにない新たな課題が山積しているのが今年の特徴ですが、職場からの丁寧な意見反映をはかりながら、一つひとつ着実に解決をめざすことが大切です。
 また、これらのとりくみを通じ、本部だけでなく、地連・支部も含めて、全司法の活動と役割を積極的に職場に示すことで信頼を勝ち取り、一人でも多くの仲間を全司法に迎え入れることを意識的に追求します。全司法の最重点課題である組織の強化・拡大を、今春闘の要求実現に向けた各種とりくみと一体として展開し、着実に前進させていく努力が今、強く求められています。

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厳しい生活実感、健康不安を抱える職場状況が明らかに
2016年春闘要求アンケート
 
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 2016年要求アンケートでは、賃金改善を求める切実な声が示されるとともに、職場の繁忙状況を背景に、心身の健康不安や長時間残業の実態なども明らかになりました。国公労連は16春闘の賃金要求額を「月額2万円以上」として提起しており、全司法も公務産別の運動に結集するとともに、3月の最高裁交渉で職員の生活改善を追及します。

厳しい生活実感


中高年・青年層の賃金改善が課題

 生活実感では「かなり苦しい」「やや苦しい」が合わせて48%となっており、引き続き厳しい生活実感が窺われます。一方で、昨年度比では一定減少しており、賃下げ特例法の終了や給与の総合的見直しにおいても経過措置を勝ち取ったこと等により、生活実感が上向きつつあることも見受けられます。世代別、青年層はもとより50歳以上や再任用層において生活が苦しいとの回答が多くなっています。これは度重なる中高年層への賃下げ攻撃などを反映していると考えられ、再任用職員の処遇改善を含め、青年や中高年層の賃金改善は今後の課題です。

過半数が健康不安


大幅増員・超勤縮減が必要

 最近の職場状況について、アンケートでは「業務量の増加や減員により繁忙」との回答が39・9%と最も高く、次に「国民からのプレッシャーが強まっている」「メンタル疾患など長期病休者の増加」が続いています。心身の健康不安について55%の職員が「強く感じる」「やや感じる」と回答し、一部には月80時間を大きく超える職員の存在も明らかになっています。大幅増員や実効性のある超勤縮減により、心身とも健康で、ワークライフバランスにも配慮した働き方が求められています。

賃金改善と人員確保


労働組織としての力を発揮

 こうした厳しい職場実態のもと、「労働組合が力をいれるべき課題」として、「賃金・退職手当等の改善」が58・4%、「仕事と家庭の両立支援対策」が36・3%、「公務職場の増員」が34・9%となっています。同時に、国民本位の行財政・司法の確立に向けて「賃金改善などの労働条件改善」と「増員による態勢強化」が必要との回答が98%を占め、賃金改善と人員確保の課題は職員の切実な要求となっています。こうした要求を実現していくためには、全ての労働者の雇用と労働条件の改善に向けた国民春闘の構築と、官民一体となった運動の展開が求められます。そして、健康で働き続けられる職場づくりのため、全司法の組織を大きくしながら、これまで以上に労働組合としての力を発揮しなければなりません。

 
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「フレックスタイム制」の導入及び運用について要求書を提出
 
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 全司法本部は1月6日、「フレックスタイム制」の導入及び運用に関する要求書を最高裁に提出しました。これは、昨年末に集約した各地連・支部の意見をふまえて確定したもので、今後、春闘期の交渉で当局に対し主張・追及していくことになります。

情勢の動きをふまえ、「導入」を視野に要求

 人事院は昨年8月「フレックスタイム制」を勧告し、政府は12月4日に実施を閣議決定しました。これにより、4月から公務に「フレックスタイム制」が導入されるのは必至となっています。また、秋年期の人事局長交渉で、公務に導入された場合の裁判所への導入について、最高裁が検討姿勢を見せていることから、今後、急ピッチで検討がすすむことが予想されます。
 全司法はこれまで国公労連に結集し、「フレックスタイム制」の導入に反対してきました。その基本的な立場に変更はないものの、以上のような情勢の動きをふまえ、裁判所当局に対して誠実な協議・意見交換を求めるとともに、一方的な導入及び運用が行われることのないよう追及を強めていく観点から、今回の要求書を提出したものです。

「現行の勤務時間」が基本、「活用」の観点も

 要求書の基本的な考え方は次の3点です。
 第1に、これまで全司法は、「フレックスタイム制」が導入された場合に起きる様々な問題点を指摘してきました。とりわけ、法廷立会や受付事務との関係、小規模庁での対応、勤務時間管理の複雑さ等を指摘してきたことをふまえ、「現行の勤務時間から大きく逸脱しないものとすること」を基本に据えています。
 第2に、仮に導入される場合は、これまで全司法が要求してきた課題を前進させるという考え方です。時差通勤庁の拡大、小学生以上の子育てのための措置、家族の介助等の個別事情を抱えた職員に対する勤務時間上の措置など、活用できる部分は活用していく立場を明確にしました。
 第3に、これを機にあらためて、ワークライフバランスの推進、実効性のある超過勤務縮減とただ働き残業の根絶、業務量に見合った増員や適正な人員配置を求めていくことです。

「職場の仕組みを作る」全司法の役割

 本部は春闘期の最高裁交渉で、この要求書にもとづいて主張・追及しますが、具体的な運用に関わっては、各地連・支部等でのとりくみも必要になります。
 「職場の仕組みを作る」全司法の役割を発揮し、組織の強化・拡大につなげることが重要です。

「フレックスタイム制」の導入及び運用に関する要求書

 勤務時間の割振りの設定に当たっては、安定的な公務遂行や国民への司法サービスの維持・充実の観点及び職員の生活等への負担や適切な勤務時間管理の観点から、現行の勤務時間から大きく逸脱しないものとすること。
 なお、職員一人ひとりの勤務時間の割振りの検討に当たって参考とできるよう、数種類の勤務時間のパターンを作成・提示の上、選択させるなどの工夫を行うこと。
 「フレックスタイム制」の適用は職員の申告に基づくものとし、適用を希望しない職員に対しては、無理な押し付け等は行わないこと。
 行(二)職員など、業務の性質上特定の勤務時間で勤務することを要する職員に対しては、「フレックスタイム制」の適用について、本人の希望も考慮の上、十分な配慮を行うこと。
 コアタイムについては、特に裁判所の組織及び職務の特性である法廷業務(法廷立会時間)に影響を与えない時間帯に設定すること。
 フレキシブルタイムについては、すべての庁で時差出勤と同様の効果が得られるよう、始業時刻及び終業時刻を設定すること。
 なお、窓口業務について、利用者に対し適切な対応が行えるよう、当局の責任において業務分担の調整等を行うこと。
 育児又は介護等の家庭事情を有する職員に対しては、より柔軟な勤務時間の割振りとなるよう配慮すること。
 育児又は介護等に準ずる家庭事情を有する職員及び個別事情や特別事情を有する職員に対しては、柔軟な勤務時間の割振りとなる措置を検討すること。
 「フレックスタイム制」の導入の有無に関わらず、より適切な勤務時間管理の徹底に努めるとともに、「働き方の見直し」のとりくみを一層推進し、事務の簡素化・効率化に向けた組織的なとりくみにより、実効性のある超過勤務縮減策とただ働き残業の根絶を図ること。
 あわせて、業務量に見合った増員や適正な人員配置に引き続き努力すること。
 「フレックスタイム制」の導入に当たっては、2016年4月からの運用開始を前提とせず、全司法や職場からの意見を聴取し検討・協議するための時間を十分確保すること。
※ 要求事項のみ掲載

 
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