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全司法新聞
 
増員・昇格で最大限努力、「フレックスタイム制」、ネットの接続の方向性など回答−12月1日 秋年期人事局長交渉
 
秋季年末闘争をしめくくる交渉

 全司法本部は12月1日、最高裁堀田人事局長と秋季年末闘争期の交渉を実施しました。
 最高裁は増員や昇格で「最大限の努力」の姿勢を示すとともに、各課題で全司法の要求を受け止める姿勢を示しました。また、「フレックスタイム制」については「導入することも検討する」、インターネットの接続については「サイバーセキュリティ戦略の趣旨を踏まえて対応」と今後の方向性をうかがわせる回答を行いました。
 交渉の冒頭には、すべての地連・支部から提出された「電子速記タイプライター本体・消耗品の官支給を要求する要請書」を提出しました。

人員


人員確保に最大限努力

 2016年度予算における増員に向けては、「民事訴訟事件の内容が社会経済情勢の変化を背景により一層複雑困難化してきていることや、成年後見関係事件が引き続き増加傾向にある」との認識を示したうえで、財政当局の「理解を得るべく全力を挙げている」との姿勢を示すとともに、「人員の確保に向けて『最大限の努力をしていきたい』との姿勢に変わりはない」と回答しました。
 一方で、国家公務員の定員を巡る情勢や事件数の動向等に触れ、「財政当局との折衝はこれまで以上に厳しいものとなっている」との認識を重ねて示しており、今後の注視が必要です。

「国民のための裁判所」


少年法案示されれば、意見提出あり得る

 少年法の適用年齢引き下げに関しては「具体的な改正案が示された場合には、制度を運用する立場から意見を提出することはあり得るが、具体的な改正案が示されているわけではない現状において、立法論について、意見を述べることは差し控えたい」と回答しました。今後、政府内での検討がすすめば、足がかりとなる回答です。また、これまで全司法が検察審査会の資料の充実を要求してきたことに応え、給与課長交渉で配布するとしていた「『検察審査会事務局職員の事務について』を研究会資料として配布した」ことを明らかにしました。

労働時間短縮等


「フレックスタイム制」導入することも検討

 「ゆう活(朝型勤務)」については、「朝型勤務の実績等を取りまとめているところであり、それらの取りまとめが終了し、説明できる段階になり次第、説明したい」とし、次年度については「政府の方針や国全体への広がりに加え、現在取りまとめている裁判所における今年度の朝型勤務の実績等の結果や行政府省の動向等を踏まえ、改めて検討する必要があると考えている」と回答しました。
 「フレックスタイム制」の拡充については、「裁判所の組織の特殊性や職務の特性等も踏まえて検討するとともに、必要に応じて職員及び職員団体の意見を聴くなど誠実に対応していきたい」と回答しました。
 また、勤務時間法が改正され、公務員全体で導入することになった場合については、裁判所として「導入することも検討することになろう」と回答しています。12月4日の閣議決定をふまえ、引き続き反対の立場で国公労連に結集するとともに、来年4月実施を視野に入れ、全司法としても具体的な要求をとりまとめることが必要になっています。

健康管理


「パワハラ防止ハンドブック」を周知

 ストレスチェック制度の公務への導入については「制度の趣旨や内容の詳細については、現在人事院で検討している段階であり、今後も引き続き情報収集に努めるとともに、裁判所における対応については、人事院や行政府省の動向等を踏まえて検討していきたい」と回答しました。本部は12月1日に人事院規則が既に改正されていることを指摘し、人事院が「必ず職員の意見を取り入れる措置を行いなさいということは言う」と国公労連に回答していることを伝えたうえで、安全・衛生委員会の設置等の措置をとることを強く求めました。
 パワー・ハラスメントの防止については、「人事院において作成された『パワー・ハラスメント防止ハンドブック』を、管理職員を含めた全職員に対し情報提供したほか、同ハンドブックを管理職員による事務打合せ等の機会に話題の参考とするよう指示した」ことを明らかにしました。今後、同ハンドブックを職場で活用していくことが重要です。

IT


「サイバーセキュリティ戦略」踏まえ対応

 SEABISの物品管理システムについては、給与課長交渉で明らかにした購入と供用以外の操作についても「必要に応じ個別の操作マニュアルを作成し、配布することを検討したい」と回答しました。
 標的型メール攻撃に対する訓練について「今年度は、対象職員数を約一万人に拡大して実施する方向で準備をすすめている」ことを明らかにしました。
 刑事・行政・家庭事件において情報を活用できる環境を整備するための民事情報データベース(M‐info)の改修作業については、今年度中に完了予定であることを明らかにしました。
 また、インターネットの接続制限について、交渉回答の中で、政府が9月4日に閣議決定した「サイバーセキュリティ戦略」に言及し、「裁判所も国家機関の一つであり、政府の動向も注視しつつ情報セキュリティ確保のための対策をとる必要がある」との考えを明確にしました。そのうえで接続制限の見通しについて「サイバーセキュリティ戦略の趣旨を踏まえると、更に情報セキュリティの確保を強化するために、職員貸与パソコンをインターネットから分離し、インターネット閲覧用のパソコンを別途整備すること等の対策も検討したい」との方向性を示しました。今後、これを踏まえた要求を確立していくことが必要になっています。

職員制度


調査官「新施策」、必要な検討は行う

 電子速記タイプライター等については「官支給するつもりはない」との従前回答にとどまりました。これを受けて、本部は改めて「全国の強い要求を受け止め、早急に電子速記タイプライターを官支給すること」を強く要求しました。
 調査官の異動については「今後とも、公平性を損なうことのない範囲で、本人の生活環境にも十分配慮した異動が行えるよう、更に検討を重ねていきたいと思っている」と回答しました。
 「家庭裁判所調査官の育成のための新たな施策」については、「各庁においてスケジュール管理にも配慮していると認識しており、グループ修習を中心とした修習計画に無理があるとまでは考えていない」と回答しました。同時に、同施策について「今のところ見直すことは考えていないが、状況を適切に把握し、必要な検討は行っていきたい」と回答しており、今後の足がかりとしていくことが重要です。

昇格


最大限努力の姿勢。一時流用は厳しい見通し

 「級別定数改定をめぐる情勢はこれまでと比較にならないほど厳しい状況である」との認識を示しつつ、「職員の処遇の維持・改善に向けて少しでも定数を獲得するため、更に引き続き最大限の努力を続けていきたい」との姿勢を示しました。
 一方、一時流用については、財政当局の姿勢の厳しさを強調し、「現在の昇格運用が維持できるか予断を許さない状況である」とし、とりわけ家裁調査官6級の運用(占有期間1年)について「これまでの運用を維持することは極めて困難な情勢になってきているものと言わざるを得ない」との厳しい見通しを示しました。

 
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家事版MINTASのレスポンス、予納郵券の取扱いなどを議論
地連書記官担当者会議・上京団交渉
 
書記官担当者会議の様子

 11月29日〜30日、地連書記官担当者会議及び上京団交渉を実施し、オブザーバーを含めて全国から13名の書記官が結集しました。
 裁判部の繁忙状況では、とりわけ家裁家事部の職場実態について集中的に議論しました。ここ数年の増員に伴い一定程度は負担感が軽減されたという全司法のとりくみの成果とともに、引き続く増員の必要性を確認しました。
 その一方で、全国各地で、最近家事部に導入されたMINTASについて、処理速度が非常に遅いうえ、使い勝手が悪いなどの問題点が明らかになりました。
 また、国民の権利意識の高まりから窓口や電話による当事者応対に多くの時間が必要となり、家事事件手続法の改正や後見監督事件処理の見直しに伴う処理要領の改訂作業に追われることなどから、せっかくの家事部門の増員効果が薄まり、増員数と比較してそれほど負担軽減には結びついていないとの意見が出されました。
 加えて、刑事事件の準抗告が大幅に増加したことに比例して負担が増大していること、小規模庁や管内支部・独簡については、大規模庁ほどの増員はなく元々の人員が不足しているうえ、裁判官が刑事と家事を兼務している場合や他庁へのてん補・出張が多いため、年休の取得しにくさ等に繋がっているという報告もありました。
 その他、「郵便切手が国庫負担される場合の取扱い」や「予納郵便切手の両替に係る取扱い」を議論しました。前者は、報告事務が負担であり、報告してから郵便切手が払い出されるまでに一週間以上を要する庁があるなど、迅速な事務処理ができない実態も見受けられ、後者についても手続きが煩雑であり、特に管内支部や独簡では、本庁で両替えが行われるために時間が掛かることも報告されました。郵便切手の適正処理が課題となっているもとで、手続の適正さと迅速性の観点をいかに両立できるかが今後の検討課題となります。
 今回の会議では、様々な課題について、現在の運用をより合理的で、使い勝手の良いものに変えていこうという前向きな発言が多く見られ、書記官職種として根拠と目的を意識した議論が展開されました。
 30日午後には最高裁給与課長との交渉を実施し、全ての地連から繁忙な職場実態を伝えるとともに、会議の場で意思統一した内容を中心に、今後の適正な人員配置や事務の簡素化・効率化に向けた改善等を求め、最高裁当局を追及しました。

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執務の改善、電子速記タイプライターの官支給など、最高裁を追及
地連速記官担当者会議・上京団交渉
 

速記官上京団交渉
各支部でのとりくみにも力を入れて

 11月23〜24日、地連速記官担当者会議と引き続く最高裁交渉を行いました。
 会議冒頭には、ミニ情勢学習を実施し、本部長岡書記次長から、秋季年末闘争の情勢、人事院勧告の取扱い及び組織強化・拡大のとりくみについて報告がありました。
 昇格については、来年4月発令に向けて主任速記官6級の重点要求者を確認するとともに、「評価結果」が要件となっていることを踏まえた、発令期での「注意喚起」を今後も続けていくことを確認しました。
 特別定期健康診断については、全国で改善がすすみ、多くの庁で整形外科による診察が実施されていることが報告されました。一方で、今年も十分とは言えない問診実態が見られたことから、特別定期健康診断の充実を引き続き求めていくことを意思統一しました。
 執務環境の改善・充実に向けた課題では、とりわけ、立会事件の選定・速記要請への関与について中心的に意見交換をしました。これまで要求してきた成果として、一部の庁や地域では運用が柔軟になり、働きやすくなったという報告がありましたが、立会事件の選定について、主任速記官が配置されているにもかかわらず、全く速記官が関われていない庁や当事者である速記官の意見がなかなか反映されない実態も報告されました。
 翌日の上京団交渉において、こうした職場実態や現場の速記官の声を最高裁にぶつけていくことを確認するとともに、上京団交渉だけでなく、今後は各支部の要求書に各庁の速記官が抱える問題点を反映し、交渉等で追及していけるよう、現場段階でのとりくみにも力を入れることを確認しました。

電速タイプ官支給実現に向け今後も検討

 また、今年度も「速記官の養成再開署名」の実施を確認するとともに、最重要課題である電子速記タイプライターの官支給実現のために、どのように運動し要求していけばいいかという観点から、昨年に引き続き討議を行いました。具体的な運動を提起できるまでに議論を深めることはできませんでしたが、最高裁に官支給実現に向けた決断をさせるためにどのように要求していくか今後も丁寧に検討していきます。
 最高裁交渉においては、各地の執務環境の改善を訴えるとともに、電子速記タイプライターの官支給実現に向けた各速記官の非常に強い要求の声を重ねて伝えたほか、法廷用録音機に関する要望や研修に関する要望などを訴えました。回答はすべて従前どおりに止まりましたが、今後も粘り強く要求を訴えていきます。

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要求実現に向けて一歩踏み出すとりくみを
〜2016国民春闘討論集会
 
主催者あいさつをする全労連小田川議長

賃上げ、安定雇用、国民本位の政治転換をめざす

 11月25〜26日、静岡県熱海市において、国民春闘共闘委員会主催の2016年国民春闘討論集会が開催されました。
 16春闘スローガン(案)は「STOP暴走政治、戦争法廃止!壊すな憲法 暮らしまもる共同で、賃上げと雇用の安定、地域活性化」。毎年、労働者の大幅賃上げと安定雇用を求めてとりくまれる春闘ですが、16春闘ではこれらの要求に加え、戦争法廃止や国民のいのちと暮らしを脅かす安倍暴走政治をストップさせ、国民本位の政治への転換をめざすことが大きく掲げられています。
 委員会からは、(1)全国2000万集約目標の「戦争法の廃止を求める統一署名」を軸に世論形成をすすめながら、戦争法廃止と憲法をまもりいかすとりくみを広げる、(2)人間らしく暮らせる賃金を求め、実質賃金の低下に歯止めをかけ、全ての労働者の大幅賃上げと底上げ、地域間格差是正の実現をめざす、(3)労働時間短縮と上限規制を求めるとりくみを軸に働くルールを確立し、安倍政権が目論む残業代ゼロ法案などの「雇用改革」を阻止する、(4)社会保障の拡充をめざすとともに、震災復興支援等のとりくみを再強化する、(5)地域活性化、持続可能な地域づくりのとりくみを抜本的に強化していく、(6)人権・民主主義抑制に反対し、政治の民主的転換をめざす等を重点課題とする16国民春闘方針案が提案され、その実現に向けて、これまでの延長線上のとりくみにとどまらず、さらに一歩踏み出したとりくみが必要であることが強調されました。

「一人ひとりが運動にとりくみ、飛躍につなげる」春闘

 その後の討論では、とりわけ戦争法廃止のとりくみに関連した発言が相次ぎ、「2000万人署名」を圧倒的多数の集約で成功させ、来年夏の参院選で政治の民主的転換をめざすとの決意や、全ての労働者の賃上げ・底上げを実現するために、全組合員参加型の活動を一層強化することの重要性が語られました。
 誰もが安心して暮らせる社会を作っていくためには、憲法を踏みにじる安倍政権の暴走を止めるとともに、現在の貧困と格差の実態を直視し、改善を求めて地域に足を踏み出すこと、また、運動を通して職場の仲間を増やすこと、そして組織の足腰を鍛えていくことが重要です。16春闘では、一人ひとりが意気高く運動にとりくみ、大きな飛躍につなげていくことが求められています。

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2000万署名 戦争法廃止を求め、多くの署名を集めよう
 
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 9月19日の強行採決によって成立した安保関連法は、「日本が攻められていなくても、関係国が戦争をしていれば、戦場に出かけていって、武器・弾薬を補給し、攻撃されれば反撃する」こと等を内容とし、その実態は「戦争法」そのものです。憲法学者や法律実務家、元最高裁長官も含む様々な専門家が指摘するとおり、憲法の平和原則に違反することは明らかであり、成立過程においても、「録取不能」な混乱に乗じて採決が行われ、手続面でも安倍政権の国会軽視の姿勢は明らかと言わざるを得ません。
 そうした中、戦争法案に反対する共同のとりくみは、SEALDsや「ママの会」等に代表される新しい市民参加の運動も相まって、大きく広がりました。その背景には、労働組合や民主団体、市民団体などが、立場の違いを越えて「戦争法案の成立を許さない」という一点で共同した「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が大きな役割と力を発揮し、国会包囲行動をはじめ、様々なとりくみを成功させてきたことがあります。
 戦争法が成立した情勢のもと、総がかり行動実行委員会は、戦争法廃止に向けた圧倒的多数の国民の意思を国会に示すため、戦争法廃止を求める運動の軸の一つとして「戦争法の廃止を求める統一署名(通称:2000万人署名)」を提起しました。これは、大きく広がった戦争法廃止の国民世論をひとつに結集しようとするものであり、全国で2000万筆の集約を目標とし、国公労連も「まもろう憲法・国公大運動」の中の重要なとりくみとしています。
 全司法はこの「2000万人署名」を春闘期における重点課題の一つと位置づけて、当面、3月末までの期間に、一人あたり5筆の集約を目標にとりくみをすすめます。職場や地域での対話をすすめながら、多くの署名を集めましょう。

 
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